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無水エタノールとは|成分/価格/用途別使い方/販売店/保管方法

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無水エタノールは家事の万能アシスタント

無水エタノールとは、読んで字のごとく、水成分がほとんど入っていないエタノールのこと。エタノールはアルコールの一種で、大きく分けるとエタノール・消毒用エタノール・無水エタノールの3種類があります。ここで取り上げる無水エタノールとは、エタノール以外の成分がほとんど入っていない、純度の高いエタノールのことです。

実はこの無水エタノール、ほかのいろいろな成分と混ぜ合わせることによって、さまざまな効果を発揮してくれます。そして、その用途と効果は多岐にわたります。

家事をする時などは無水エタノールを利用するとより経済的になったり、安全になったりして、わたしたちの日常生活をアシストしてくれます。さらに、普段わたしたちがドラッグストアやホームセンター、百貨店で買うしかないと思っているものが、無水エタノールがあれば、自宅で簡単に作ることができます。

そんな無水エタノールですが、引火性があり、純度も高い分、取り扱いには注意しなければなりません。こちらでは無水エタノールの便利な使い方とともに、詳しい取り扱い方をご紹介します。

無水エタノールを買うなら

市販のアルコール飲料には酒税がかかります。同じエタノールでも消毒用エタノールは飲用不可なので酒税はかかりませんが、無水エタノールは飲用不可ではないので、酒税がかかります。このことから、無水エタノールは一般的には(そんなに高価でもありませんが)決して安くない値段で販売されています。

しかし、インターネットの通販や薬局・ドラッグストアなどをうまく使えば安く手に入ります。薬局やドラッグストアなら大概のお店に置いてありますし、Amazonや楽天などの各通販サイトにも常に在庫があります。ただし、お店によって置いてある場所がさまざまなので、探しても見つからないことが多々あります。その場合は遠慮せず店員さんに聞きましょう。

無水エタノールの成分は?

主成分について

無水エタノールの主成分は、もちろんエタノールです。エタノールの化学式はC₂H₆O(またはC₂H₅OHとも)。アルコールの一種(第一級アルコール)で、正式名称(国際化学命名法での呼び名)はエチルアルコール、またの名をエチルハイドレート、酒精とも言います。

ビールや焼酎など、わたしたちが普段飲んでいるアルコール飲料は、主にこのエタノールでできています。逆に、エタノール以外のアルコール類(たとえばメタノールなど)は飲用不可で、強い毒性を持っており、もし飲んでしまったら最悪の場合死に至るものもあります。

無水エタノールの濃度について

無水エタノールとは、15℃の環境下でエタノール含有量が99.5v/vパーセント以上のものを指します。

(「v/v」とは、溶液などの濃度を表すときに使う単位で、vはvolume(容量)のことです。)

エタノールは15℃でエタノールが95.1~95.6v/vパーセント含まれるもの、消毒用エタノールは15℃でエタノールが76.9~81.4v/vパーセント含まれるもの、と規定されています。

なぜエタノールの濃度が95.1~95.6v/vパーセントなのかというと、水と化合するとそれ以上の濃度にはなりえないからです。これは共沸(きょうふつ)という現象が関係しています(共沸についての説明は省かせていただきますので、興味がある人はググってみてください)。

無水エタノールは、ベンゼンを用いた蒸留によりエタノールからさらに水成分を取り除いて濃度を上げたもの。そして、エタノールと、水+ほかの消毒効果のある成分を8:2の割合で混ぜたものが消毒用エタノールになります。

無水エタノールの消費期限

基本的には製造されてから4年が消費期限とされていることが多いです。ですが、純度が高く余計なものが入っていないので、未開封できちんと保管されていれば、経年による変質や劣化はあまり見られません。

無水エタノールの特徴①吸湿性

一度開封した無水エタノールは、なるべく早く使い切ることをします。無水エタノールは「無水」のため、きわめて吸湿性が高く、空気中の水分をすぐに吸収してしまう性質を持っています。そうなると、どんどん「無水」ではなくなってしまいます。

ほかの成分とブレンドして使うことがほとんどですが、このように空気中の水分を吸ってしまうと、ブレンドの割合に誤差が生じてしまいます。多少ならば問題はありませんが、あまり多くの水分を吸収してしまうのは避けたいところです。保管の際は蓋をきっちり閉めましょう。

無水エタノールの特徴②揮発性

開封済みで、きっちり蓋を閉めて保管してあるものでも、無水エタノールは揮発性が高いせいか、プラスチックの容器だとその表面からほんの少しずつ蒸発してしまうことが、ごくにまれにあります。やはり、開封したら長期保存は避けた方がいいでしょう。肌に直接つけるものや精密機器に使う場合は、なるべく製造から1年以内のものを使ってください。

無水エタノールが酸化するとどうなる?

エタノールは酸化するとアセトアルデヒドという物質に変わります。二日酔いの原因とされているものですが、無水エタノールの場合はその純度の高さのおかげで、酸化のスピードがかなり遅めになります。ですので、蓋を閉めて吸湿性に気を付けていれば酸化は気にしないでも大丈夫です。
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無水エタノールの匂いは?

無水エタノールはややツンと鼻につく匂いがします。いわゆる「病院の匂い」、アルコール消毒液の匂いです。人によっては、目にも少しツンとくるでしょう。

しかし、揮発性が高いので、たとえば無水エタノールを床にこぼしたとしても、きちんと換気をすれば1日、あるいは数時間で匂いは消えてなくなります。さらに別の成分と混ぜて使う場合、分量によってはその匂いはほとんど気にならない程度になります。

保管する際も、容器の蓋をきっちり閉めておけば、匂いが漏れることはありません。無水エタノールを使う時、匂いが気になるようなら、マスクをすればある程度は防げます。

バリエーションが豊富すぎる無水エタノールの使い方

エタノール(アルコール)というと、殺菌・消毒というイメージがあります。エタノールの中でも無水エタノールが一番濃度が高いので、殺菌・消毒効果も高いように見えます。

実のところ無水エタノールは、そのままでは殺菌・消毒効果は弱いどころかほとんどありません。しかし、その分、洗浄能力が高いという特徴があります。さらに、ほかの成分と混ぜることによりさまざまな効果を発揮するので、その用途は多岐にわたります。たとえば日常的に使う洗剤・消毒液・殺虫剤、それらはすべて無水エタノールで代用できます。

こちらでは、無水エタノールの日常生活の中での便利な使い方をご紹介します。そして最後に取り扱う上での注意点を明記しますので、そちらも併せてお読みください。

無水エタノールで家じゅうピカピカに

まずは無水エタノールを利用した掃除について。ひとくちに掃除と言ってもさまざまな種類がありますので、特になやり方をご紹介します。

電子機器の掃除に

無水エタノールの最大の特徴は「無水」なこと。水成分が(ほぼ)入っていないため電気を通さないという性質から、水がNGの電子機器の掃除にぴったりです。綿棒や布、ティッシュペーパーなどに無水エタノールを含ませて、パソコンのキーボードの隙間やUSBポートをこすると、エアダスターでは落とせないホコリや皮脂汚れなどがみるみる落ちていきます。素人はあまりやってはいけないことですが、パソコンを分解して中の精密機器や部品の掃除にも使えたりします。

もちろんスマホやその他の精密機械、リモコンなどにも使えます。ただし、電子機器に使用する際は、必ず説明書を一読してからにしましょう。

無水エタノールでキッチンをきれいに

電子機器以外ですと、キッチン家電の掃除にも使えます。無水エタノールを水道水や精製水で80パーセントに薄めて100円ショップなどで買えるスプレーボトルに入れて使うと、たとえばオーブンレンジの中を掃除するのに便利です。冷蔵庫の中を拭くのにも、コンロの周りを掃除するのにも使えます。「油脂を溶かす」という性質もありますので、換気扇の油汚れのような頑固な汚れも落とせます。

無水エタノールスプレー1本で、いろんな汚れが落とせるのでとても便利です。

特殊な汚れ落としに無水エタノール

なのが、シールを剥がして残った糊の痕の掃除。糊の痕に無水エタノールを直接かけて、数分おいてからこすると、糊が溶けてきれいに拭き取れます。油も溶かすので、机や床についてしまった油性マジック、ボールペンのインク染みも消せます。洋服についてしまった口紅やマニキュアも、素材を傷つけることなく落とせます。

もしかしたら、「いろんな洗剤を試したけど落ちない」という原因不明の汚れにも、無水エタノールなら効く可能性があります。

無水エタノールでひと手間省略

 「無水」なことのもう一つの利点が、揮発性が高いため、拭いた跡が残らないということです。無水エタノールで拭いた後に乾拭きは必要ありません。たとえば洗面所の鏡、自動車のフロントガラスやリアウィンドウの内側の掃除に使うと、皮脂汚れがきれいに落ちますし、二度拭きが必要ないので簡単です。時間もお金も節約できて万々歳です。

さらに、拭いた後に残った無水エタノールもあっという間に蒸発します。成分が後に残ることもありません。匂いもすぐに消えます。赤ちゃんのおもちゃを無水エタノールで掃除しても、匂いがきれいになくなるまで(エタノール成分が揮発するまで)置いておけば、その後赤ちゃんが触っても口に入れても平気なんです。

そうなると、いろいろな化学成分が入っている市販の掃除用洗剤よりも、無水エタノールの洗剤は人体には害が少ないと言えるでしょう。赤ちゃんや小さいお子様がいるご家庭には特にです。

アイコスの掃除にも無水エタノール

アイコスは定期的に掃除をする必要があります。専用のアイコスクリーナーは一つ1000円ほどする上に購入できるお店が限られますので、無水エタノールで代用するとかなりのコストダウンになります。

用意するものは、無水エタノールと綿棒だけ。綿棒は、赤ちゃん用の細いものが適しています。綿棒を無水エタノールに浸して掃除すればOK。アイコスも精密機器なので、無水エタノールでの掃除は理に適っているといえます。

ちゃんと掃除をすると、アイコスを吸うときの吸引力が変わります。それに、アイコスが長持ちします。お得にお手入れして、アイコスライフを楽しんでください。

消毒・殺菌に

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要するに、無水エタノールから消毒用エタノールを作るということです。冒頭で「無水エタノールそのままでは殺菌・消毒効果はほとんどない」と書きましたが、それはなぜかというと、そのままだと揮発性が高すぎて、殺菌・消毒の効果を発揮する前に蒸発してしまうからなのだそうです。なので、ほかの成分と混ぜ合わせて適切な濃度にすれば、その能力は格段にアップします。

「最初から消毒用エタノールを買えばいいじゃないか」というツッコミは一度脇に置いてください。

無水エタノールから消毒用エタノールを作る

消毒用エタノールはエタノール成分が80パーセント含まれるもの、ということなので、無水エタノールと水道水を4:1の割合で混ぜ合わせます。より清潔さを求めるなら、精製水を使用してください。

ちなみに、精製水もドラッグストアやホームセンターで購入できます。すべてのお店がそうではないですが、大抵は消毒薬コーナーかコンタクトレンズ用品のコーナーに置いてあります。

80パーセントに希釈した無水エタノールをスプレーボトルに入れて、消毒したいものに吹きかけてください。家具・カーペット・カーテン・ベッド、さまざまな場所に使えます。

前述したとおり、エタノールはすぐに蒸発する・後に成分が残らないので、乾いてさえしまえば安心・安全。だから口に入れる食器にも使えます。市販の消毒用エタノールは、メタノールやイソプロパノールなどの毒性のある成分が含まれていますので、それより無水エタノールから消毒用を作った方が安全ですし経済的なのでです。

消毒用エタノールはウィルスにも効く

なんと、エタノールは菌だけではなく、ウィルスも不活性化してくれます。死滅まではできませんが、エタノールによりウィルスの感染能力がほぼゼロになりますので、死ぬのと同義です。

ちなみに最近まで、エタノールによる消毒はインフルエンザウィルスや食中毒のウィルスには効くが、ノロウィルスには効果がない、ノロに効くのは熱湯か塩素系漂白剤のみ、とされてきました。

しかし、近年の研究によって、エタノールがノロウィルスにも有効だということがわかってきました。厚生省のガイドラインからも「エタノールはあまり効果がありません」の文言が削除されました。

ノロウィルス対策としては、水で手を洗ったあと、きちんと乾燥させてから消毒用エタノールを手に擦り込みます。そうすることで、手洗いの効果が非常に高くなります。

また、便座の消毒としても、エタノールの二度拭き(消毒用エタノールを染み込ませた布で一度拭いて、15秒ほど置いてからもう一度拭く)が有効だとされています。感染経路になりやすいドアノブの消毒なんかにも使えます。

無水エタノールで感染予防

日頃からエタノールで殺菌・消毒して身の回りを清潔に保てると、ウィルス感染の危険がどんどん低くなります。インフルエンザもノロウィルスも定期的に流行するので、エタノールで予防するに越したことはないでしょう。日常的に使うなら、無水エタノールから消毒用を作った方がコスパがいいといえます。

カビ対策に

カビ対策にも無水エタノールが活躍します。まずは水で濡らして固く絞ったきれいな雑巾でカビを拭き取ります。無水エタノールを精製水で80パーセントに希釈して、スプレーボトルに入れて、カビを拭き取ったあとに吹きかけます。それだけで、エタノールがカビの根っこまで分解してくれます。

もし、黒い汚れが残ってしまったら、漂白用洗剤などでこすって落としましょう。その後に無水エタノールスプレーを吹きかければOK。

また、カビの生えそうなところにあらかじめスプレーしておけば、予防にもなります。梅雨時期に入る前に、気になるところにさっとスプレー、梅雨に入ってからも気になるところにさっとスプレーすれば、カビに悩まされることなく秋を迎えられます。

掃除用・消毒用と同じ濃度なので、無水エタノールを精製水で80パーセントに薄めたものを1本用意しておけば、掃除にも消毒にもウィルス除去にもカビ予防にも、家じゅうどこでも使えます。こんなに万能な液体、ほかにはありません。

ただし、薄めているとはいえエタノール成分は強いので、換気だけは忘れないようにしてください。

無水エタノールで消臭スプレーを作る

たとえば焼肉に行ったあと、洋服を消臭したい。汗をかいたけれど水洗いのできない洋服を消臭したい。しかし衣服用の消臭スプレーが切れてしまったとき。そんな時にも無水エタノールが活躍します。

材料は無水エタノールと水、そして重曹です。まずは重曹水を作ります。水250mlに対し重曹を大さじ1杯(15グラム)入れてよく混ぜ合わせます。そこに無水エタノールを30ml入れて、よく振って混ぜます。無水エタノールと水の割合としては1:9になります。

無水エタノールと水のみを同じ割合で混ぜたものでも消臭効果はありますが、重曹を入れた方がより高い効果が期待できます。これをスプレーボトルに入れて洋服に吹きかけてください。見事に消臭ができます。綿・麻・ウール素材なら使用しても問題ないので、水洗いできない着物やスーツ、ニット素材の洋服にも使えます。

また、殺菌効果もあるので、バクテリアが繁殖した靴の匂い消しにも最適です。帰宅して靴にシュッとひと吹きするだけでいいので、とても簡単です。

とてもエコな自作消臭スプレー

9倍に希釈して使うので、1本分を作るのに使う無水エタノールは少量で済みます。重曹はもともとおいているご家庭も多いでしょうし、ドラッグストアや100円ショップでも売っています。そうなると、市販の消臭スプレーを買い続けるよりはるかに経済的です。それでいて効果はほぼ同じ。

強いて難を挙げるなら、市販の消臭スプレーと違って香りがつかないということくらい。しかしそれも、香水やアロマオイルを数滴入れるだけで代用できます。無水エタノール消臭スプレー、とってもです。

殺虫剤として

ゴキブリにも無水エタノールがとても効きます。無水エタノールの「油脂を溶かす」という性質のおかげで、ゴキブリの体表の脂が溶け、窒息してしまうのが原因なのだそう。これはゴキブリに限らず、大抵の虫なら効果があります。

エタノールの濃度が高ければ高いほど効果があるそうですので、無水エタノールをそのままかけるのが一番効果的ではありますが、消毒用として作った80パーセントのものをかけるのも効果はあります。

スプレーなら、動き回るゴキブリを仕留めるのも、直接スリッパで叩き殺すよりは難易度は高くないでしょう。

虫除けとして

夏場、誰しも悩まされるのが、蚊。虫除けスプレーはたくさん市販されていますが、人によっては毎日使うでしょうし、山にキャンプに行くときなどは大量に必要になります。そんな時に、効き目のある虫除けスプレーを、安く、簡単に作れたら、しかもそれが人体に無害なものだったら、それに越したことはありません。

無水エタノールと精製水、ハッカ油があればそれができるんです。

スプレーボトルに無水エタノールを10ml、ハッカ油を10~20滴ほど、精製水を90ml入れてよく振る。たったそれだけです。ハッカ油の分量を増やせば増やすほど、虫除けとしての効果はアップします。衣服や身体に吹き付けてもいいですし、網戸に吹きかけても効き目があります。ベッドやソファに吹き付ければ消臭効果も期待できます。

ハッカ油はその名のとおり、ハッカの香りがします。わたしたちにとっては清涼感のある好ましい香りですが、虫はそれが苦手なので、寄ってこなくなります。

冷感スプレーとしても

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さらにハッカ油スプレーを肌に吹きかけると、冷感スプレーとしての効果もあります。虫除けよりもハッカ油の分量を少なめ(5~10滴ほど)にして同じように混ぜ合わせます。スプレーして風に当たるとスーッと涼しくなれるので、寝苦しい夜にです。

ハッカ油は1本800~1000円くらいで、薬局やドラッグストア、インターネットでも購入できます。敏感肌の人には刺激が強すぎるので、不安な場合はパッチテストを行ってみてください。また、目に入ると激痛を伴います。いくら涼しくなれるとはいえ、スプレーを顔に吹きかけるのはやめましょう。もし目に入ってしまったら、すぐに流水でよく洗い流してください。

化粧水を作ってみよう

化粧水は、ちゃんとしたものを買うと高くつくもの。実は、これも無水エタノールを使って自作できます。

用意するものは、無水エタノール・精製水・グリセリン(これも薬局やドラッグストアで購入できます)、それと化粧水用の容器。

まずは容器を煮沸消毒します。プラスチック製などで煮沸消毒できない場合はエタノール消毒でも構いません。化粧水を100ml作るとすると、無水エタノールを5ml、グリセリンを5ml容器に入れて、混ぜ合わせます。さらにそこに精製水を90ml入れて混ぜたらできあがり。1本あたり100円くらいでできちゃうんです。とっても簡単でとってもエコ。

実は、精製水とグリセリンだけで化粧水は作れますが、無水エタノールを入れることによって、殺菌・抗菌・防腐効果がプラスされ、さらに有効成分が肌に浸透するのを助けてくれます。ここに、お肌の悩み部分によってさらにいろんな成分やエキスをいれると、オリジナルの自作化粧水の完成です。

注意点としては、合成の防腐剤を使っていないため、腐りやすいこと。冷蔵庫保存で3週間を目処に使い切るようにしましょう。

アロマを楽しもう

無水エタノールとアロマオイルがあれば、簡単にリードディフューザーが作れます。リードディフューザーとは、アロマオイルが入った瓶に細いスティック(木の棒)が数本刺さっていて、そこからアロマの香りが広がるというものです。火も電気も使わないので安全ですが、200mlで5000円くらいするので意外と高価だったりします。

それが、自分で作ると数百円。オリジナルの調合で自分の好みにぴったりの香りを作ることもできます。

小さなガラス瓶などの容器に無水エタノールとお好みのアロマオイルを9:1の割合で入れて混ぜ、そこに竹串を数本差します。たったそれだけです。

ポイントは、無水エタノールを先に入れて、あとからオイルを垂らすこと。その時点で香りが漂ってきますので、作りながら自分好みの香りを探すこともできます。

あとは、ガラス瓶をかわいらしくデコレーションすれば立派なインテリアに。中の溶液が蒸発しきっても、容器を洗う必要はなく、そのまま継ぎ足して使えます。無水エタノールの高い揮発性のおかげで、香り成分が残らないからです。その時は別の香りを試してみましょう。

アロマオイルは多種多様な香りと効能がありますので、自分の好みや体調・気分と照らし合わせながら、その時にベストなオイルを選んでみてください。

香水を作ってみよう

なんと、香水も自分で作れちゃいます。手作り香水は、動物性香料や人工合成香料を使用していないので、100パーセント植物性のふわっとしたやさしい香り。香りの持続力は低いですが、強い香りが苦手な人も使えるのでです。

オリジナル香水の作り方

必要なものは、お好みのアロマオイル数種類と無水エタノール。それと、オイルを調合するための遮光ビン、香水用の保存ボトル、ピペット。

まずはアロマオイルをブレンドします。ベースとなる香りのオイルを遮光ビンに入れて、そこに別のオイルを少しずつ入れて、振って混ぜ合わせます。その都度香りを確かめて、自分の好みの香りを見つけてください。ブレンドし終えたら、一晩冷暗所に寝かせて香りを熟成させます。一晩経ったら、ティッシュペーパーなどにつけて香りをチェックしてみましょう。もしここで物足りないと感じた場合は、足りないアロマを足しても構いません。

そしていよいよ香水作りです。5mlの香水を作る場合、香水用の保存ボトルに無水エタノールを4.25ml入れ、そこにピペットを使ってブレンドオイルを0.75ml加えます。よく振って混ぜ合わせ、冷暗所で3~5日休ませたら完成です。

オーデコロンの作り方

さらに、オーデコロンも自作できるます。ブレンドオイルと無水エタノールのほかに精製水も用意します。15mlのオーデコロンを作るとすると、必要なのは無水エタノール12ml、精製水1.8ml、ブレンドオイル1.2ml。ちょっと計量が細かいので面倒だと思われるでしょうが、多少は誤差があっても問題ありません。

保存ボトルに無水エタノールと精製水を入れ、オイルを垂らして軽く振って混ぜて、冷暗所に3~5日寝かせればOK。こちらも簡単です。

オイルの濃度は、香水が15パーセント、オーデコロンが8パーセントになります。

ブレンドしたオイルの名前と分量をメモしておけば、それをベースに新しいブレンドも作れますし、また同じ香りが作りたいと思った時も大丈夫。それに、天然素材なので、時間の経過とともに香りが変化していくのも楽しみです。

高級ブランドの香水も魅力的ですが、こうして世界に一つしかない自分だけのオリジナル香水を作るのもとても魅力的です。

化粧品に無水エタノール

ファンデーションやアイシャドウ、チークなど、パウダーものの化粧品は、床に落としたり衝撃をくわえると割れて粉々になってしまいます。そうなると、元に戻すのは不可能と思ってはいませんか。そんな時にも無水エタノールです。化粧品はほぼすべてにエタノールが入っているので、無水エタノールを混ぜても全く問題ありません。

粉々になったパウダーに無水エタノールを加えます。まずはパウダーが浸るくらい入れましょう。よく混ぜて、折って重ねたティッシュペーパーをかぶせ、上からプレスします。小さい容器の場合は指で、大きい容器の場合は瓶の底などを使いましょう。

もし失敗しても、また無水エタノールを入れてやり直せば大丈夫。何度かプレスして、固まったらそのまま一晩放置します。そうするとエタノールが揮発して、元どおり。

エタノールプレス応用編

この方法を使うと、たとえばお気に入りのアイシャドウを集めて持ち運び用の小さいパレットを作れたりもします(パレットは100円ショップなどで売っています)。

残り少なくなって真ん中に穴が開いてしまったチークを砕いてエタノールプレスすれば、また平らにならして使い続けることができます。複数のファンデーションを混ぜ合わせてエタノールプレスすれば、理想の色のファンデーションを作ることもできます。

1点だけ注意していただきたいのが、アイシャドウを塗るときに使うチップをエタノールにつけないこと。エタノールはアクリルを溶かしてしまう性質を持っています。無水エタノールが揮発しきってから使えば大丈夫ですので、きちんと一晩は寝かせて、蒸発したことを確認してから使いましょう。

無水エタノールのトリセツ

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とても便利な無水エタノールですが、その取り扱いには十分注意する必要があります。

人体への影響

無水エタノールは素手で触っても多少なら害にはなりませんが、肌の水分や油分を奪ってしまうので、肌が荒れる可能性があります。人によっては手の皮がむけてしまうこともあり得ます。

ほとんどの用途で、水やほかの液体と混ぜ合わせて使いますが、その作業をする際は、素手で触らないよう気を付けてください。肌が弱い人は手袋をしたり、もし肌についてしまったら水で洗ってからハンドクリームなどでケアすることをします。
 
大量に使うとアルコールの匂いで酔っぱらう可能性もありますので、しっかり換気をしてください。もし目に入ってしまったら、水かぬるま湯でよく洗い流しましょう。

また、引火性がありますので火の近くでは扱わないようにしましょう。

エタノールNGな素材は

電子機器の掃除にぴったりだという話をしましたが、エタノールを使ってはいけない部分もあります。それが、ノートパソコンやスマートフォンの液晶画面。もし液晶画面に特殊コーティングがされていたら、それを溶かしてしまうのでNGです。接着剤も溶かしてしまうので気を付けてください。

また、油分を溶かしてしまう性質がありますので、ペンキ・ワックス・ニスが塗られた製品には使用しないようにしてください。同じ理由で革製品を無水エタノールで拭くのもしません。消毒用エタノールでも同じです。もし間違って革製品にエタノールをかけてしまったら、革用のクリームでお手入れしてください。

さらに、水槽によく使われるアクリル樹脂は溶けて割れてしまいます。ペットボトルも同様です。掃除に便利だからと言って、何でもかんでもエタノールでやってしまうと、大事なものが壊れてしまう可能性があります。

エタノールがOKなもの、NGなものは何か、簡単にでも把握しておくことをします。たとえ覚えなくても、インターネットで調べれば簡単にわかりますので、掃除の前に一度検索してみましょう。

無水エタノールを買ってみよう

前述したとおり、無水エタノールは薬局やドラッグストア、インターネットの通販サイトでも取り扱いがあるので、購入するのには困りません。ただし、お店によって価格に差があるので、もしも少しでも安く買いたいなら、近所のお店を回ったり、通販サイトと見比べたりして、値段を比較する必要があります。

日常的に使うことになったら、自宅の近所で安く手に入る薬局かドラッグストアか、便利な通販サイトを利用するのがいいでしょう。

液晶を拭く用途で購入しましたが、ヘッドホンやゲームのカートリッジ端子を綿棒で掃除したり

手汗のつきやすいゲームのコントローラー、ステッカー等をはがした後のネバネバなど

あってよかったと感じる場面が多くて助かっています。電子機器である基盤や

冷却用のグリスを塗ったCPUの掃除などにも使えるので自作PCをする人にもおすすめ。

https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R470QRDWQD4QN/ref=cm_cr_dp_d_rvw_ttl?ie=UTF8&ASIN=B000TKDKA8

価格

アルコールの一種である無水エタノールは、飲めるアルコール類として酒税がかかります。厳密にいうと、酒税ではなく酒税相当加算額と言います。それが、1リットル当たり約1000円。なので、無水エタノールは基本的には500mlあたり1700円前後の値段で販売されています。

ですが、Amazonを見ると1本927円です。薬局・ドラッグストアでもだいたい1000~1200円くらいで販売されています。ちなみに50mlの小さいボトルですと500円くらい。100mlボトルで700~800円くらい。1リットルだと2000円くらいです。

無水エタノールの用途によって必要な量が変わってきますので、それに見合った量のボトルを購入しましょう。ただ、これだけ多くの用途で使えるものなので、思い切って500mlを買っても損はないでしょう。

薬局やドラッグストアでの販売

お店によって、置いてある場所が異なります。基本的には消毒液のコーナーにあるようですが、店頭ではなくレジ裏にしかないところもあります。しかし、おそらく、どの薬局・ドラッグストアでも取り扱いがあるはずです。店頭に見当たらない場合は店員さんに確認しましょう。

また、無水エタノールの購入には身分証が必要だ、との話もありますが、実際は必要ないところが多いです。もしかしたら、用途を聞かれる可能性がありますが、購入自体に制限はありません。不安な場合は、念のため身分証を持参しておきましょう。

薬局やドラッグストア以外での販売

医薬品としての分類

ちょっと小難しい話になりますが、無水エタノールは一般用医薬品の第三医薬品に分類されます。一般用医薬品とは、医師の診断や処方箋なしで購入できる薬品のこと。その中でも第三類医薬品は、安全・健康上のリスクが比較的低い薬品のことで、服用して体調に影響があったとしても日常生活に支障をきたすレベルではないもの、と定義されています。

無水エタノール以外ですと、一部の栄養ドリンクやビタミン剤、虫刺され薬などがそれに該当します。人体に悪影響はあまりない半面、効果も緩やかな薬品、ということです。

この一般用医薬品のうち、第一類医薬品は、薬剤師がいる店舗でのみ、対面販売が必須とされています。薬品の注意点を説明する義務があるからです。第二・第三類医薬品は、薬剤師または登録販売者の資格を持っている人がいれば販売できます。この登録販売者には、薬品について問い合わせがあった時には必ず答えなければならない、という決まりがあります。

薬局やドラッグストア以外で購入する場合

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最近はコンビニやスーパーでも薬が売られるようになりました。しかし、それらは「医薬部外品」、つまりかつて医薬品だったものがさまざまな理由で医薬品ではなくなったということです。もし、ホームセンターやコンビニ・スーパーで医薬品の取り扱いがあるとしたら、その店舗に登録販売者がいるから販売できることになります。

無水エタノールが該当するのは第三類医薬品なので、基本的に、「薬剤師または登録販売者がいる店舗」なら販売されている可能性がある、ということになります。端的に言えば、医薬品コーナーがあれば売っている可能性がある、なければ売っていない、ということです。

とはいえ、コーナーの広さによって販売される医薬品の種類が異なりますので、無水エタノールが置いてあるかどうかは店舗に直接確認してみてください。

ところで、100円ショップでは医薬品の取り扱いがありません。当然、無水エタノールも100円ショップにはありません。

インターネットでの販売

実は、インターネットでの一般用医薬品の販売が始まったのは、2014年から。つい最近なんです。これまた誰でも販売できるわけではなく、店舗での販売と同様に薬剤師または登録販売者がいること、さらに実店舗を持っていることが必要条件になります。ネット上のみのお店では販売できません。

とはいえ、実店舗があり、何かあったら質問に答えてくれる登録販売者がいるので、インターネットでの購入で怪しげなものを買わされるのでは、といった心配は無用です。大手の通販サイトには取り扱いがあるので、近くのお店に置いていない場合は活用してください。

無水エタノールの保管方法

自宅で保管するなら

何よりも気を付けなければならないのが、火の近くは厳禁だということです。無水エタノールには引火性があり、揮発性が高いので、たとえばふたを開けて火の近くに寄せてしまったら、それだけで燃えてしまう可能性があります。キッチンで使う場合はコンロの近くに置かないように、石油ストーブを使っている場合はその近くに置かないように気を付けてください。

エタノールの引火点(引火するのに必要な最低温度)は約13℃です。13℃以上の環境にあると、火を近づけるだけで引火してしまいます。13℃以下の場合は、火を近づけて温められて13℃以上になった時に引火します。そのことからも、高温になる場所での保管はできません。

「エタノールは自然発火する」という噂もありますが、それはエタノールが400℃以上になった時。基本的に、蓋をきっちり閉める・火の気に気を付ける・冷暗所に保管、という点を守っていれば特に問題はありませんのでご安心ください。

保管できる容器は?

もともとはポリエチレンの容器に入って売られています。買ってそのままの容器で保管することは問題ありませんが、もし別の容器に入れ替える場合は、ガラス製・陶器などをします。ただ、空気に触れると吸湿したり酸化するので、なるべくなら買ったそのままの容器で保管しましょう。

また、エタノールを多く含む液体は、入れられる容器の素材が限られています。OKなのが、ガラス製品や陶器、ポリエチレン(PE)・ポリプロピレン(PP)・ポリ塩化ビニル(PVC)製のもの。無水エタノールを掃除の洗剤代わりや消毒・消臭スプレーとして使う容器も、やはりこれらで作られたものを選んでください。

保管に適さない容器は?

エタノールNGなのが、ペットボトルなどのポリエチレンテレフタレート(PET)・スチロール樹脂とも呼ばれるポリスチレン(PS)・アクリル樹脂などのもの。これらの素材でできた容器にエタノールを入れると、容器が割れたり変形したり、プラスチックが溶けだしてしまうことがあります。

100円ショップなどでスプレーボトルを購入する場合、中には「アルコールを含むものを入れないで下さい」という注意書きが入っているものがあります。それは、PET素材で作られていることが多いので、エタノールの濃度の高いものには使わない方がいいでしょう。

安全に使うことを考えたら、ガラス製の容器(100円ショップでも取り扱いがあります)や、多少高くてもきちんとした素材のものを購入することをします。

無水エタノールは飲める?飲めない?

無水エタノールは販売時に酒税相当加算額がかかります。つまり、飲めるか飲めないかの二択で言うと、飲めます。

エタノールの致死量は250~500mlです。その量以上を飲むことは絶対NGですが、ではその分量以内なら飲んでも平気なのかというと、そうとも限りません

アルコール度数100パーセントということ

無水エタノールはほぼ度数100%のアルコールなので、飲むと大変なことになります。要するに100度のお酒を飲むのと同じこと。ちなみに度数の高いお酒といえば、ウィスキーが40~60度、ウォッカが40~90度、その中でも世界で度数が高いお酒、ポーランドのスピリタスは96度。ここまで高いとストレートでの飲酒はできません。

100度となるとそれ以上なので、まず口・舌・食道・胃などの粘膜が荒れます。急性アルコール中毒になることもあるでしょう。

さらに、エタノールの純度を上げるため、何度も蒸留する過程でベンゼンを混ぜます。なので、このベンゼンが微量に残っている可能性があります。ベンゼンは発がん性物質なので、たとえ微量でも摂取するべきではありません。

オマケの豆知識

余談ですが、同じアルコール類でも毒性の強いメタノール(メチルアルコール)を万が一飲んでしまった場合、濃度50パーセントのエタノールを飲むと解毒になるのだそうです。正確には、体内の分解酵素がメタノールよりもエタノールを先に分解するため、メタノールの酸化によって現れる症状が抑えられる、という効果です。

一般家庭でメタノールを誤飲する場面はなかなかないでしょうが、知識として頭の片隅にあると、万が一が起きたときに参考になるでしょう。

もう一つ余談ですが、前項で「消毒用エタノールは飲用不可なので酒税がかからない」と書きました。

市販の消毒用エタノールには、メタノール・イソプロパノールといった成分が含まれており、それらが毒性が強いため、飲用不可です。メタノールは8~30mlの摂取で失明・最悪の場合は死亡する可能性がありますし、イソプロパノールも長期間飲み続けると、内臓や神経がやられ、呼吸器官もやられ、生殖機能への影響も出てきます。

少量なら飲んでも問題はないでしょうが、面白がって大量に飲んだりすると、確実に健康を害します。お子様が間違って飲んでしまったりしないように、保管には気を付けてください。
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マルチな才能を持つ無水エタノール

無水エタノールの万能さ、ご理解いただけたでしょうか。無水エタノールが1本あれば、家じゅうの掃除・消毒ができる上に、虫除けスプレー・香水などいろんなものが自作できるのでとても経済的です。

引火性・揮発性が高い、換気が必要などの難点もありますが、それを補って余りある利便性。取り扱いさえ気を付ければ、エコで安全で安心な便利ツールです。

自分の手でものを作り出すということ



今はとても便利な世の中になっていて、数え切れないほどたくさんの種類の洗剤やスプレーや化粧品が、いつでもどこでも購入できるようになりました。

だからこそ、そういったものを自分で作れたら、それだけ愛着も湧きます。アレとコレを振って混ぜて、という作業も、「ものを作り出す」ということに変わりはありませんから、やってみると案外楽しいです。

自分で作ったもので、自分の部屋をきれいにする。自分で作ったものを自分磨きのために使う。それだけではなく、大切な人が安心して生活できるように、自分で作ったもので清潔にする。

自分で作ったものなら、何が入っているかもちゃんと把握しているので、大切な人へのプレゼントとしても自信をもって渡せます。

まずは、無水エタノールを1本買ってみましょう。そして、自分の興味のあるものから作ってみましょう。「ものを作り出す」というささやかな喜びで、あなたの生活に小さな彩りが添えられたらうれしいです。
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