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ムカデのつがい行動は習性なの?
梅雨時期になるとムカデが家に上がって来ることがあります。1匹を駆除したあと、とても心配になるのが、昔から言われている「ムカデはつがいで出る」という言葉です。もし、つがいで出るなら1匹駆除しても、また次のムカデが出て来るということになります。「ムカデはつがいで出る」は本当なのか嘘なのか、まずはムカデの習性から検証してみましょう。
ムカデの生態
ムカデは百足と書かれるようにたくさんの肢を持っています。昼間はジメジメした暗くい植木鉢の下や落ち葉の下にいます。
夜にエサを求めて活動します。昔から「ムカデはつがいで出る」と言われています。しかし、ムカデは「つがいで行動するという習性もなければ、根拠もありません。」
夜にエサを求めて活動します。昔から「ムカデはつがいで出る」と言われています。しかし、ムカデは「つがいで行動するという習性もなければ、根拠もありません。」
なぜ「つがいで出る」と言われるの?
ではなぜ「ムカデはつがいで出る」と言われているのでしょうか。
①その場所がムカデが好む環境にあるから同じような行動をするムカデがいると考えられます。
②エサを求めて来るということも考えられます。
③雨を避けて家に上がって来る場合もあるでしょう。
このように、1匹のムカデにとって過ごしやすい環境はほかのムカデにとっても過ごしやすい環境にあるため、1匹見ると、2匹目も見る可能性が高くなるでしょう。その2匹目をつがいの相手だと思ったと考えられます。
①その場所がムカデが好む環境にあるから同じような行動をするムカデがいると考えられます。
②エサを求めて来るということも考えられます。
③雨を避けて家に上がって来る場合もあるでしょう。
このように、1匹のムカデにとって過ごしやすい環境はほかのムカデにとっても過ごしやすい環境にあるため、1匹見ると、2匹目も見る可能性が高くなるでしょう。その2匹目をつがいの相手だと思ったと考えられます。
ムカデのつがい行動は嘘?ホント?
では、実際にムカデはつがいで一緒にいるのはいつ、どのくらいの間なのでしょうか。ムカデは暖かい春5月から6月頃に繁殖期、産卵期に入ります。その時期ムカデは暗くジメジメしたところに集まります。オスはメスにいろいろな方法でアピールします。メスのうしろをついて歩くこも少なくないでしょう。それを見た人が「ムカデはつがいで行動する」と思ったのでしょう。
ムカデは直接交尾はしません。オスが精子の入ったカプセルを置き、それをメスが尾部の生殖器で回収します。つがいで行動するのは厳密にはこの一瞬だけです。
ムカデは直接交尾はしません。オスが精子の入ったカプセルを置き、それをメスが尾部の生殖器で回収します。つがいで行動するのは厳密にはこの一瞬だけです。
「ムカデを退治すると仕返しに来る」は迷信?
ムカデを退治するとつがいの相手のムカデが仕返しに来るということも耳にすることがあります。しかし、ムカデは単独行動で仲間意識というものがありません。
ムカデの習性からみても根拠になるような行動もみられません。おそらく、ムカデが1度出たところはムカデの好む環境にあり、ムカデが侵入する経路もあるため、再度ムカデが出たことをつがいの相手が仕返しに来たと勘違いしたことが広まった迷信だと考えられます。
ムカデの習性からみても根拠になるような行動もみられません。おそらく、ムカデが1度出たところはムカデの好む環境にあり、ムカデが侵入する経路もあるため、再度ムカデが出たことをつがいの相手が仕返しに来たと勘違いしたことが広まった迷信だと考えられます。
ムカデをつぶした臭いでつがいの相手のムカデが来る?
また、ムカデをつぶすと強力な臭いがしますが、それにおびき寄せられてつがいの相手のムカデが来るということもありません。ただ、その臭いが服や手につくとなかなか取れにくくやっかいです。つぶすのではなく、熱湯をかけるのが一番です。少し勇気が要りますが、咬まれると大変ですので勇気を持って退治しましょう。
「つがいの相手が仕返しに来る」というのは迷信なので、安心して下さい。
「つがいの相手が仕返しに来る」というのは迷信なので、安心して下さい。
つがい行動をしているムカデは同じ大きさなの?
つがいで見るときの片方は小さい?
ムカデは春から秋にかけてが活動期です。冬は土の中で冬眠しています。5~6月が生殖活動期です。暑い8月は少し活動が控えめですが、9~10月にかけて子ムカデが元気に動き始めます。そして、11月には冬眠に入ります。これがムカデの1年間のサイクルです。
ムカデの子育てについて触れておかなくてはいけません。ムカデの子育てはメスだけでします。メスは卵を産んで子供が孵るまでの約1ヶ月間、飲食なしで卵を抱えます。もし、卵が散らばっても一つ一つ抱え直して、丸くなって守ります。そして、子ムカデが卵から孵って独り立ちするまでの約2ヶ月間、一緒に行動します。
ということは、初夏の頃、母ムカデと子ムカデを一緒に見る可能性があるということです。大きなムカデと小さなムカデ、これがつがいに見えたと考えられます。つがいどころかもっとたくさんのムカデを一緒に目にすることもあるでしょう。
ムカデの子育てについて触れておかなくてはいけません。ムカデの子育てはメスだけでします。メスは卵を産んで子供が孵るまでの約1ヶ月間、飲食なしで卵を抱えます。もし、卵が散らばっても一つ一つ抱え直して、丸くなって守ります。そして、子ムカデが卵から孵って独り立ちするまでの約2ヶ月間、一緒に行動します。
ということは、初夏の頃、母ムカデと子ムカデを一緒に見る可能性があるということです。大きなムカデと小さなムカデ、これがつがいに見えたと考えられます。つがいどころかもっとたくさんのムカデを一緒に目にすることもあるでしょう。
ムカデと間違えやすい虫は?
足がたくさんあって、ジメジメした暗いところが好きな虫はムカデ以外にもヤスデやゲジゲジがいます。違いを比べてみましょう。
ムカデ
ムカデは体長60㎜~200㎜くらいで、ヤスデやゲジゲジに比べると大きいです。ひとつの節に一対の肢があります。オオムカデは21対または23対の肢を持っています。
多い種では173対の節があります。夜行性で、昼間は植木鉢や石の下、落ち葉や朽木の下など暗くてジメジメしたところに潜んでいます。夜にエサを求めて活動します。肉食で、ミミズや小さな昆虫を食べます。攻撃的で、目が弱いため触れたものにはすぐに噛みつきます。動きは素早いです。強い毒を持っていて、噛まれるととても痛く危険です。
多い種では173対の節があります。夜行性で、昼間は植木鉢や石の下、落ち葉や朽木の下など暗くてジメジメしたところに潜んでいます。夜にエサを求めて活動します。肉食で、ミミズや小さな昆虫を食べます。攻撃的で、目が弱いため触れたものにはすぐに噛みつきます。動きは素早いです。強い毒を持っていて、噛まれるととても痛く危険です。
ヤスデ
ヤスデは見た目は「長いダンゴムシ」です。ダンゴムシと同じく刺激すると丸くなります。前3つの節以降はひとつの節に2本以上の肢が生えています。体長は10㎜~25㎜くらいでムカデに比べてかなり小さく、動きも遅いです。襲って来たりしません。
危険を感じると刺激臭のある体液を出します。その体液に触れると痛みを感じることもありますので、触ったり踏み潰したりしないようにしましょう。ヤスデは5月下旬~7月上旬、特に梅雨明け時期に多く発生します。
危険を感じると刺激臭のある体液を出します。その体液に触れると痛みを感じることもありますので、触ったり踏み潰したりしないようにしましょう。ヤスデは5月下旬~7月上旬、特に梅雨明け時期に多く発生します。
ゲジゲジ
ゲジゲジは正式名称は「ゲジ」です。体長は40㎜くらいで、体長より長い触覚を持っています。肢も長く動きは素早いです。夜行性で昼間は石の下や草むらに潜んでいます。毒は持っていますが、襲って来ることはなく、咬まれても人体に影響はありません。小虫やゴキブリを捕食してくれる益虫です。
ムカデはどんなところを好むの?
ムカデが好む場所は「湿気があるところ」「暗いところ」「狭いところ」「エサがあるところ」です。なので、屋外では植木鉢の下や落ち葉の下、石の下や倒木の下などを好みます。屋内では、風呂場、洗面所、台所の流しの下、畳の裏、床下、屋根裏など暗くてジメジメしたところに潜伏しています。
隣の家が空き家などで、ゴキブリやクモなどが多かったりすると、肉食のムカデはエサにつられて侵入してきたりします。ムカデは夜行性なので、昼間は植木鉢の下石の下、落ち葉や倒木の下に身を潜めていて、夜になるとエサを求めて活動します。暗くてジメジメしている靴の中や布団の中に潜り込んでいる場合もあります。活動期の5月から10月は被害にあわないように気をつけましょう。
最近では、アパートやマンションの上階での被害もみられています。人や荷物に付いてエレベーターで上がって来る場合もあります。気をつけましょう。
隣の家が空き家などで、ゴキブリやクモなどが多かったりすると、肉食のムカデはエサにつられて侵入してきたりします。ムカデは夜行性なので、昼間は植木鉢の下石の下、落ち葉や倒木の下に身を潜めていて、夜になるとエサを求めて活動します。暗くてジメジメしている靴の中や布団の中に潜り込んでいる場合もあります。活動期の5月から10月は被害にあわないように気をつけましょう。
最近では、アパートやマンションの上階での被害もみられています。人や荷物に付いてエレベーターで上がって来る場合もあります。気をつけましょう。
ムカデが入って来ないようにするには
ムカデが入って来ないように予防するには、①自宅周辺の雑草の草むしりをする。②廃材やがれきの除去。③落ち葉を溜めないようにこまめに片付ける。など、ムカデが住みにくい環境をつくるのが良いでしょう。
また、ゴキブリなどの虫が発生しないように清潔にして、ムカデのエサになるものをなくしましょう。窓からも侵入します。網戸をしていれば大丈夫ですが、レールとの隙間から侵入することもあるので、隙間テープなどを活用して隙間をなくしましょう。
また、ゴキブリなどの虫が発生しないように清潔にして、ムカデのエサになるものをなくしましょう。窓からも侵入します。網戸をしていれば大丈夫ですが、レールとの隙間から侵入することもあるので、隙間テープなどを活用して隙間をなくしましょう。
ムカデに噛まれたら?
噛むムカデの主なものは?
日本に生息し、家に侵入し、人やペットに被害を与えるムカデは「トビズムカデ」「アオズムカデ」「アカズムカデ」の三種類があげられるでしょう。
「トビズムカデ」は8㎝~15㎝でまれに20㎝を超えるものもあり日本最大級のムカデです。個体によって多少違いがありますが、赤い顎に黄色いあしひを持つものや朱色の頭を持つものがいます。
「アオズムカデ」は約10㎝で、トビズムカデより小型です。頭は背面と同じ暗青色で、あしは黄色からオレンジ、個体によっては青色です。
「アカズムカデ」は4㎝~7㎝です。頭と肢が赤色で、背面は深いオリーブ色です。
「トビズムカデ」は8㎝~15㎝でまれに20㎝を超えるものもあり日本最大級のムカデです。個体によって多少違いがありますが、赤い顎に黄色いあしひを持つものや朱色の頭を持つものがいます。
「アオズムカデ」は約10㎝で、トビズムカデより小型です。頭は背面と同じ暗青色で、あしは黄色からオレンジ、個体によっては青色です。
「アカズムカデ」は4㎝~7㎝です。頭と肢が赤色で、背面は深いオリーブ色です。
ムカデに噛まれたらどうなるの?
ムカデに噛まれると非常に痛いです。毒は種類によって違いますが、セロトロンやヒスタミンという蜂の毒と似ている成分が含まれています。特にアカズムカデの毒性が最も強力で、噛まれると激しい疼痛、しびれ、灼熱感、紅斑がおきます。
重症になれば潰瘍化やリンパ管炎、リンパ節炎がおきます。稀に頭痛、発熱、嘔吐、めまいなどの全身症状が出る場合もありますが、ほとんどの場合は局所的な症状です。
過去にムカデに噛まれたことがある方はアナフィラキシーショックが起こる可能性もありますので、注意が必要です。
重症になれば潰瘍化やリンパ管炎、リンパ節炎がおきます。稀に頭痛、発熱、嘔吐、めまいなどの全身症状が出る場合もありますが、ほとんどの場合は局所的な症状です。
過去にムカデに噛まれたことがある方はアナフィラキシーショックが起こる可能性もありますので、注意が必要です。
ムカデに噛まれたらどうしたらいいの?
もし、ムカデに噛まれてしまった時の応急処置は
①すぐに噛まれたところから毒を出すことが必要です。毒液吸引器を利用すると効果的です。
②43℃以上のやけどしないお湯で5分以上洗い流します。石鹸やシャンプー(弱酸性のものは除く)で洗い流すとより効果があります。
③さらにヒスタミンの毒の痛みを和らげるために抗ヒスタミン剤が含まれているステロイド薬を塗ると良いでしょう。
頭痛、悪寒、吐き気など全身症状が出た時は速やかに病院へ行きましょう。
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①すぐに噛まれたところから毒を出すことが必要です。毒液吸引器を利用すると効果的です。
②43℃以上のやけどしないお湯で5分以上洗い流します。石鹸やシャンプー(弱酸性のものは除く)で洗い流すとより効果があります。
③さらにヒスタミンの毒の痛みを和らげるために抗ヒスタミン剤が含まれているステロイド薬を塗ると良いでしょう。
頭痛、悪寒、吐き気など全身症状が出た時は速やかに病院へ行きましょう。
ムカデのお母さんは愛情たっぷり
「ムカデはつがいで出る」というのは、
①1匹のムカデを見るとということは、その場所がムカデが好む環境にあるということなので、また次のムカデが出るから、それをつがいだと認識した。
②母ムカデは子育てをする2ヶ月間は子ムカデと行動を共にするので、それをつがいと認識した。と考えられます。
また、「ムカデを退治するとつがいのもう1匹が仕返しに来る」というのは迷信です。これもムカデが好む環境だからと考えられます。
①1匹のムカデを見るとということは、その場所がムカデが好む環境にあるということなので、また次のムカデが出るから、それをつがいだと認識した。
②母ムカデは子育てをする2ヶ月間は子ムカデと行動を共にするので、それをつがいと認識した。と考えられます。
また、「ムカデを退治するとつがいのもう1匹が仕返しに来る」というのは迷信です。これもムカデが好む環境だからと考えられます。