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日本・世界のセミの種類と種類別の鳴き声・分布・見分け方

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日本のセミの種類

セミは、カメムシ目に属しているカメムシやアブラムシの仲間で、世界では約1,500~2,000種類いるといわれています。その中でも、日本にいるセミは約30種類で、夏の訪れを告げる昆虫として昔から親しまれてきました。ここでは、代表的なセミの種類6つを紹介します。

ニイニイゼミ

北海道から沖縄の北部まで分布しているセミです。体長は、20~24ミリほどの小さめの種類です。他のセミよりも早く鳴き始め、サクラの木を好むといわれています。平地の雑木林などに生息し、都市部でも見られます。

ヒグラシ

北海道から九州まで分布しているセミです。オスは体長28~38ミリ、メスは21~25ミリほどの種類です。夕方など、少し気温が下がったときに鳴くことが多く、「ヒグラシ」という名前もそれに由来しています。

ツクツクボウシ

北海道からトカラ列島まで分布しているセミです。体長30ミリほどの小型の種類です。平地から山地の森林に生息しています。

ミンミンゼミ

北海道の南部から九州まで分布しているセミです。体長は、33~36ミリほどです。他のセミよりも暑さに弱い種類ともいわれ、東日本では、森林や都市部など、平地でも見ることができますが、西日本では、平地ではほとんど見られず、比較的標高の高い山地に生息しています。

アブラゼミ

北海道から九州まで分布しているセミで、体長55~60ミリほどの大型の種類です。沖縄には、リュウキュウアブラゼミという近縁の種類が生息しています。都市部でも見られる種類ですが、最近はその数が減少してきている、といわれています。

クマゼミ

西日本以南の温暖な地域に分布しているセミです。日本産のセミでは、ヤエヤマクマゼミに次いで大きく、体長は60~70ミリほどの大型の種類です。最近は、温暖化の影響で生息地が北上しているともいわれています。

セミの抜け殻の種類

セミは、その種類によって抜け殻にも違いがあります。

ニイニイゼミの抜け殻

小型の種類で、抜け殻も小さく、また全身に泥をかぶっているのが特徴です。
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ヒグラシの抜け殻

小型で抜け殻も小さい種類ですが、泥は一部にしかつきません。また、抜け殻に光沢があるのが特徴です。

ツクツクボウシの抜け殻

小型で抜け殻も小さい種類です。同じく泥は一部にしかつきませんが、抜け殻に光沢がないのが特徴です。

ミンミンゼミの抜け殻

アブラゼミと大きさが似ていますが、その触角と色に違いがあります。触角が細く毛が少ないのが特徴で、抜け殻の色は少し薄くなります。

アブラゼミの抜け殻

ミンミンゼミの抜け殻よりも触角が太く、毛の数も多いのが特徴です。色は、ミンミンゼミよりも少し濃くなります。

クマゼミの抜け殻

大型の種類で、抜け殻も大きく、額の部分が大きいのが特徴です。

セミの種類別鳴き声

セミが鳴くのはオスだけで、メスは鳴きません。オスが鳴くのは求愛のためで、より大きく力強く鳴く方がメスの注意を引き、自分の子孫を残すチャンスが大きくなります。その鳴き声も種類によって違い、名前の由来になっているものもあります。

ニイニイゼミの鳴き声

「チージー」と繰り返し鳴くのが特徴です。

ヒグラシの鳴き声

カナカナゼミとも呼ばれ、「カナカナカナ」という声で鳴くのが特徴です。

ツクツクボウシの鳴き声

「ツクツクボーシ」または「ツクツクオーシ」という声で鳴くのが特徴で、その名前の由来にもなっています。

ミンミンゼミの鳴き声

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その名前のとおり、「ミーンミンミン」と鳴くのが特徴です。

アブラゼミの鳴き声

「ジジジジジ」あるいは「ジリジリジリ」という、油で何かを揚げているような声で鳴くのが特徴で、これが名前の由来になっています。

クマゼミの鳴き声

「シャシャシャ」「センセンセン」などと鳴くのが特徴です。

北海道のセミの種類

暑い地域に生息しているイメージのあるセミですが、北海道にもニイニイゼミやヒグラシ、ツクツクボウシ、アブラゼミなどがいます。

また、エゾゼミやコエゾゼミ、アカエゾゼミ、エゾハルゼミなど、北海道の古い呼び方である「エゾ」の名前がついたセミも生息しています。これらは「エゾ」と名前がついてはいますが、本州でも見られ、温暖な地域では山地などに生息しています。

エゾチッチゼミという種類のセミは、日本では北海道のみに生息しています。体長20~28ミリほどの小型の種類で、日本に分布しているセミの中では、1番寒さに強いといわれています。

時期別のセミの種類

セミは、種類によって鳴きはじめる時期も違っています。代表的な6種類のセミについて紹介します。

地域や気温にもよりますが、まず6月下旬の梅雨の頃には、ニイニイゼミが鳴きはじめます。そのため、ニイニイゼミは、梅雨を知らせるセミとしても知られています。ヒグラシも同じく6月下旬頃から鳴きはじめます。

その後、7月上旬からは、クマゼミやアブラゼミ、ミンミンゼミの声も聞こえるようになります。ツクツクボウシも7月から見られますが、ピークは8月下旬から9月上旬頃で、他のセミよりも少し遅いのが特徴です。

セミの種類の見分け方は?

セミの種類の見分け方としては、まず鳴き声で判別する方法があげられます。ミンミンゼミやヒグラシなどは特徴的な鳴き声をしているため、比較的簡単に見分けることができるでしょう。

また、ハネの色も種類によって違いがあります。ニイニイゼミやアブラゼミは、透明ではなく茶色っぽいハネを持っていますが、クマゼミ、ヒグラシ、ミンミンゼミ、ツクツクボウシは透明です。

セミの幼虫の種類

セミは、幼虫の期間が比較的長い昆虫ですが、種類によってもその期間に違いがあります。ツクツクボウシは、幼虫の期間が1~2年と他のセミよりも短く、ミンミンゼミやヒグラシは3~4年、ニイニイゼミ、クマゼミ、アブラゼミは4~5年と、成虫になるまでにかなりの時間が必要です。

セミの種類別分布

地域による違い

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代表的な6種類のセミのうち、ニイニイゼミ、ヒグラシ、ツクツクボウシ、ミンミンゼミ、アブラゼミの5種類は、ほぼ日本全国で見ることができますが、クマゼミは西日本以南の温暖な地域に生息しています。また、ミンミンゼミは比較的暑さに弱いと考えられ、西日本地域では平地ではあまり見られません。

小さいセミの種類

沖縄に生息するイワサキクサゼミという種類は、とても小さく、体長は20ミリほどです。3~7月にかけてよく見られる種類で、日本国内では最小のセミといわれています。また、同じく沖縄に生息するクロイワゼミは、体長18~23ミリほどで、これもほかのセミとくらべて小さい種類です。

世界で最小のセミは、オーストラリアに生息するウラブナナゼミといわれ、その体長は約13ミリで、ハエぐらいの大きさしかありません。

世界のセミの種類

世界各地に生息するセミですが、特に有名なものに、主に北アメリカに生息しているジュウサンネンゼミ、ジュウシチネンゼミというセミがいます。これらは、周期ゼミと呼ばれ、1種類のセミではなく、複数のセミの総称です。

13年、あるいは17年の周期でいっせいに羽化するセミで、その周期が素数であることから、素数ゼミとも呼ばれています。氷河期に生き残るために素数周期で羽化するようになった、と考えられていて、これらの現象は、現在は北アメリカのみで見られています。

また、中国や朝鮮半島、東南アジアでは、日本で見られるセミやその近縁種も生息しています。マレー半島には、世界最大といわれるテイオウゼミというセミも生息しています。その体長は約80ミリで、ハネを広げると200ミリ、つまり20センチ近くになる個体も存在しています。

セミの声に耳をかたむけてみよう!

いかがでしたか。今回は、日本や世界のセミの種類と鳴き方、見分け方などをお伝えしました。

セミは、私たちの身近に存在し、古くから夏の風物詩として親しまれてきました。普段なにげなく聞いているセミの声にも、種類によって違いがあります。江戸時代の俳人や松尾芭蕉が詠んだ有名な俳句のように、セミの声に耳を傾けてみるのもいいのではないでしょうか。
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