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日本酒の種類一覧とその違い
日本酒を知るうえで、最初に押さえておきたいのが日本酒の種類とその違いです。これを知ることが飲みたい日本酒に出会うための第一歩といえます。ここでは、酒税法に基づく分類として、特定名称酒と普通酒の違い、特定名称酒の各種種類について解説します。
日本酒の種類Ⅰ:普通酒(一般酒)
普通酒とは特定名称酒に当てはまらない日本酒の事を指します。原料には米・米麹以外に醸造アルコール(白米総重量の10%以上)や糖類、酸味料などが含まれています。
普通酒は日本酒市場の70%を占めているので、必然的に普通酒に出会う機会も多くなります。普通酒の中には安価で販売するために醸造アルコールや糖類などを多量に使用しているものもあります。この種のお酒は、酔うための酒といった味わいになっており、日本酒を敬遠する方の中にはこのイメージを持たれている方も多いようです。
もちろん、普通酒にも醸造アルコールなどの添加を極力抑えたもの、熱燗にすることを前提にあえて普通酒にしているものなどもありますので、普通酒=粗悪品ということではありません。
普通酒は日本酒市場の70%を占めているので、必然的に普通酒に出会う機会も多くなります。普通酒の中には安価で販売するために醸造アルコールや糖類などを多量に使用しているものもあります。この種のお酒は、酔うための酒といった味わいになっており、日本酒を敬遠する方の中にはこのイメージを持たれている方も多いようです。
もちろん、普通酒にも醸造アルコールなどの添加を極力抑えたもの、熱燗にすることを前提にあえて普通酒にしているものなどもありますので、普通酒=粗悪品ということではありません。
日本酒の種類Ⅱ:特定名称酒
美味しい日本酒を飲むために是非知っておきたい言葉が、特定名称酒です。特定名称酒とは、原料や精米歩合などの条件によって分類された日本酒の種類のことです。特定名称酒には、純米酒・特別純米酒・本醸造酒・特別本醸造酒・吟醸酒・純米吟醸酒・大吟醸酒・純米大吟醸酒の8種類があります。
酒販店や居酒屋で日本酒を選ぶ際に、選ぼうとしている日本酒が特定名称酒かどうかを見抜ければ、美味しい日本酒に巡り合う可能性が高まります。さらに、この8種類の違いが分かってくると、飲むシーンや場所、料理や肴との相性も考えられるようになり、日本酒の世界が一気に深まります。
酒販店や居酒屋で日本酒を選ぶ際に、選ぼうとしている日本酒が特定名称酒かどうかを見抜ければ、美味しい日本酒に巡り合う可能性が高まります。さらに、この8種類の違いが分かってくると、飲むシーンや場所、料理や肴との相性も考えられるようになり、日本酒の世界が一気に深まります。
特定名称酒の種類1・純米酒
原料に米・米麹のみを使用して造られた日本酒。味わいに、米本来の旨味やコク、ふくよかさなどを感じられる濃醇なものが多いのが特徴です。味がしっかりしているので、冷から燗まで幅広い温度で楽しめるのも特徴の一つです。
特定名称酒の種類2・特別純米酒
純米酒の中でも、原料米に精米歩合60%以下の米を使用し、特別な醸造方法で造られた種類の日本酒です。特別な醸造方法はラベルで説明表示することが義務付けられています。ただし、特別な醸造方法には明確な基準はなく、各蔵の裁量に任されています。
例えば、香り付けを目的にして貯蔵に杉樽を使用した場合は、「樽酒」と表記をします。他にも同じ蔵でも、基準となる日本酒とは明らかに違う種類の米を仕込みに使っている場合も「特別」と表記出来ます。
この「特別」という表記の裏には、各蔵が1本の日本酒を作るのに持っているコンセプトや拘りが隠されています。同じ蔵の日本酒でも純米酒と特別純米酒で何が違うのかを比べてみるのも日本酒を味わう楽しみの一つです。
例えば、香り付けを目的にして貯蔵に杉樽を使用した場合は、「樽酒」と表記をします。他にも同じ蔵でも、基準となる日本酒とは明らかに違う種類の米を仕込みに使っている場合も「特別」と表記出来ます。
この「特別」という表記の裏には、各蔵が1本の日本酒を作るのに持っているコンセプトや拘りが隠されています。同じ蔵の日本酒でも純米酒と特別純米酒で何が違うのかを比べてみるのも日本酒を味わう楽しみの一つです。
特定名称酒の種類3・本醸造酒
原料に米・米麹の他、少量の醸造アルコールを加えて造られた日本酒です。また、米の精米歩合は70%以下、添加する醸造アルコールの量は白米総重量の10%未満と決められています。精米歩合と添加する醸造アルコールの量に決まりがあることが普通酒との違いです。
醸造アルコールを使用する目的は、香りをたたせ、軽快な味わいを生み出すことにあります。これにより、スッキリとしたキレの良い味わいに仕上がります。
醸造アルコールを使用する目的は、香りをたたせ、軽快な味わいを生み出すことにあります。これにより、スッキリとしたキレの良い味わいに仕上がります。
特定名称酒の種類4・特別本醸造酒
本醸造酒中でも、原料米に精米歩合60%以下の米を使用し、特別な醸造方法で造られた種類の日本酒です。特別純米酒同様に特別な醸造方法の表示は必要ですが、何をもって特別とするかは各蔵の裁量に任されています。
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特定名称酒の種類5・純米吟醸酒
原料に精米歩合60%以下の米と米麹を加え、吟醸造りという特殊な製法で作られた日本酒です。吟醸造りとは、特別な麹や酵母を使い、醸造の各工程を低温で行う造りのことをいいます。この工程の場合、アルコールの発酵にも長い時間を要し、多くの手間や最新の注意を必要とします。
こうして出来上がった吟醸酒の味わいは口当たりも柔らかで、果物のような果実香を醸すものが多くあります。
こうして出来上がった吟醸酒の味わいは口当たりも柔らかで、果物のような果実香を醸すものが多くあります。
特定名称酒の種類6・吟醸酒
純米吟醸酒に少量の醸造アルコールを加えて造られた種類の日本酒です。吟醸造りされた日本酒は、そのフルーティーで軽やか吟醸香と呼ばれる香りが特徴的ですが、香りの成分はアルコールに溶けやすい性質があるため、その香りを引き立たせるために醸造アルコールを添加します。醸造アルコールの添加量は白米総重量の10%未満と決められています。
特定名称酒の種類7・純米大吟醸酒
純米吟醸酒の中でも、精米歩合50%以下の米を原料にした日本酒を純米大吟醸酒と呼びます。原料となる米をより多く削ることで、より雑味のないスッキリとした味わいに仕上がります。
この精米歩合を有名にしたのが、今や知る人ぞ知る「獺祭」という名前の日本酒です。獺祭の中には「純米大吟醸磨き2割3分」という種類の銘柄があり、これは原料米を23%にまで削ったという意味です。
同じ量の日本酒を作るにしても、純米大吟醸酒は純米酒よりも多くの量の米を使うので、贅沢な日本酒といえます。
この精米歩合を有名にしたのが、今や知る人ぞ知る「獺祭」という名前の日本酒です。獺祭の中には「純米大吟醸磨き2割3分」という種類の銘柄があり、これは原料米を23%にまで削ったという意味です。
同じ量の日本酒を作るにしても、純米大吟醸酒は純米酒よりも多くの量の米を使うので、贅沢な日本酒といえます。
特定名称酒の種類8・大吟醸酒
純米大吟醸酒に少量の醸造アルコールを加えて造られた種類の日本酒です。香りが特に華やかで、全国新酒鑑評会というコンクールに出品される日本酒の多くがこの大吟醸酒です。つまり、各蔵の看板ともいえる日本酒です。
日本酒に苦手という人に、この種類をすると、日本酒のイメージが変わったと言われることが多々あります。華やかで心地のよい香り、瑞々しく清涼感ある口当たり、そして上品な甘みは飲む人の心を捉えて止みません。
日本酒に苦手という人に、この種類をすると、日本酒のイメージが変わったと言われることが多々あります。華やかで心地のよい香り、瑞々しく清涼感ある口当たり、そして上品な甘みは飲む人の心を捉えて止みません。
これだけ知っておけばもっと日本酒が楽しくなる
日本酒を詳しく知りたいと思った時に必ずついてまわるのが、普段聞きなれない単語です。酒造好適米、麹、山廃、と日本人には身近なお酒のはずなのに、聞き慣れない単語が多いために、その存在を遠く感じてしまいがちです。ここでは、そんな難解な日本酒単語について解説します。
日本酒造り専用のお米がある
日本酒に使われる米は、普段、私達が食べている米とは違うものを使用しています。日本酒には日本酒造りに適した米を使用しており、それを酒造好適米と呼びます。酒造好適米にはいくつかの種類があります。ここでは代表的な酒造好適米の種類と特徴について紹介します。
〈山田錦・やまだにしき〉
酒米を代表する銘ブランド米です。酒米の中でも最も生産量が多く、その9割が兵庫県で生産されています。非常に香りの高い日本酒に仕上がることが特徴で、吟醸酒や大吟醸酒に使われることが多いです。
〈山田錦・やまだにしき〉
酒米を代表する銘ブランド米です。酒米の中でも最も生産量が多く、その9割が兵庫県で生産されています。非常に香りの高い日本酒に仕上がることが特徴で、吟醸酒や大吟醸酒に使われることが多いです。
〈美山錦・みやまにしき〉
長野県や東北地方を中心に栽培されている酒米です。山田錦同様に香りが良く、スッキリした味わに仕上がる種類の米です。
〈五百万石・ごひゃくまんごく〉
山田錦に次いで生産量の多い種類です。香りは控え目ながら、さらりとした端麗な味わいになることが特徴です。
〈出羽燦々・でわさんさん〉
山形県を代表する酒米です。山形県は吟醸王国と評されるほど吟醸酒造りが盛んですが、心地よい香りと味が口に広がりつつもキレのある日本酒に仕上がるのが特徴です。
〈雄町・おまち〉
酒米としては日本最古の種類です。栽培が難しく、酒米全体の3%程度しか生産されていません。濃醇でしっかりした味わいに仕上がるのが特徴です。
同じ名前の日本酒でも、使用している酒米の種類によってその味わいも変わってきます。また、酒蔵によっては狙った味を出すためにこれらの種類をブレンドして使用することもあります。酒米の種類と特徴が分かってくると、日本酒の味わいもより深いものとなってくることでしょう。
長野県や東北地方を中心に栽培されている酒米です。山田錦同様に香りが良く、スッキリした味わに仕上がる種類の米です。
〈五百万石・ごひゃくまんごく〉
山田錦に次いで生産量の多い種類です。香りは控え目ながら、さらりとした端麗な味わいになることが特徴です。
〈出羽燦々・でわさんさん〉
山形県を代表する酒米です。山形県は吟醸王国と評されるほど吟醸酒造りが盛んですが、心地よい香りと味が口に広がりつつもキレのある日本酒に仕上がるのが特徴です。
〈雄町・おまち〉
酒米としては日本最古の種類です。栽培が難しく、酒米全体の3%程度しか生産されていません。濃醇でしっかりした味わいに仕上がるのが特徴です。
同じ名前の日本酒でも、使用している酒米の種類によってその味わいも変わってきます。また、酒蔵によっては狙った味を出すためにこれらの種類をブレンドして使用することもあります。酒米の種類と特徴が分かってくると、日本酒の味わいもより深いものとなってくることでしょう。
日本酒の味を左右する麹
麹とは日本酒や味噌などの発酵食品を造るためにカビなどの微生物を繁殖させたものです。日本酒造りには黄麹菌という種類の麹菌が使われます。この麹菌の胞子を蒸しあがった米に撒き、二昼夜かけて繁殖させたものが麹です。
麹菌の繁殖の仕方一つで仕上がる日本酒の味わいは端麗にも濃醇にもなります。蔵人は狙った味わいに仕上げるために、麹菌の繁殖具合をコントロールしていきます。その作業は注意の中にも注意を要する緻密な作業の連続です。
麹菌の繁殖の仕方一つで仕上がる日本酒の味わいは端麗にも濃醇にもなります。蔵人は狙った味わいに仕上げるために、麹菌の繁殖具合をコントロールしていきます。その作業は注意の中にも注意を要する緻密な作業の連続です。
アルコール発酵に欠かせない酵母
[no_toc]酵母とは菌類の一種です。一般的には酵母菌などと呼ばれていて、パンやビール造り欠かせない菌となっています。日本酒も同じでこの酵母がなければ、日本酒を作ることは出来ません。日本酒に使用される酵母は清酒酵母と呼ばれています。
酵母の主な役割は、アルコールを生成し香りを出すことにあります。酵母菌は米と米麹から造られた糖分をアルコールと炭酸ガスに分解していきます。分解されたアルコールと炭酸ガスの中には香りの元となる成分が含まれているのです。
日本酒をフルーティな香りなどと表現しますが、酵母が出した香りの中には洋梨やメロンなどと同じ香り成分が含まれているためです。酵母にも、香りを際立たせるもの、味をまろやかにするものなど様々な種類の酵母があります。日本酒はこの酵母と水、米を掛け合わせながら醸されていくのです。
酵母の主な役割は、アルコールを生成し香りを出すことにあります。酵母菌は米と米麹から造られた糖分をアルコールと炭酸ガスに分解していきます。分解されたアルコールと炭酸ガスの中には香りの元となる成分が含まれているのです。
日本酒をフルーティな香りなどと表現しますが、酵母が出した香りの中には洋梨やメロンなどと同じ香り成分が含まれているためです。酵母にも、香りを際立たせるもの、味をまろやかにするものなど様々な種類の酵母があります。日本酒はこの酵母と水、米を掛け合わせながら醸されていくのです。
日本酒の基は酛(もと)と呼びます
酛とは麹・蒸米・水に酵母と乳酸を混ぜて、大量に酵母を培養したもので、酒母ともいいます。乳酸を入れるのは日本酒造りには不要な雑菌の繁殖を防ぐ事が目的です。この時に加える乳酸が人工的なものであれば速醸酛、自然の乳酸菌によって乳酸を生み出したものであれば生酛と呼びます。
この酛に蒸米、麹、水を加えてアルコール発酵を加速させ、日本酒へと仕上げていきますが、速醸酛で造られた日本酒は、生酛と比べて淡麗でクリアな味わいに仕上がります。生酛で造られた日本酒は、濃醇でコクのある味わいに仕上がります。また、熱燗にするとその味わいに膨らみが出るといわれています。
この酛に蒸米、麹、水を加えてアルコール発酵を加速させ、日本酒へと仕上げていきますが、速醸酛で造られた日本酒は、生酛と比べて淡麗でクリアな味わいに仕上がります。生酛で造られた日本酒は、濃醇でコクのある味わいに仕上がります。また、熱燗にするとその味わいに膨らみが出るといわれています。
一度は聞いたことのある山廃について
ラベルに「山廃仕込み」と書かれている種類の日本酒を見たことがある人も多いのではないでしょうか。この「山廃」も酛の一種で、正式には「山卸し廃止酛」といい、略して「山廃」です。
山卸しとは酛を造る際の作業工程のことをいいます。酛を造るには、蒸米・麹・水を専用の桶に盛り、それを櫂(かい)という道具ですり潰します。この作業のことを山卸しと呼びます。山卸しをすることで自然にある乳酸菌の力で乳酸を造り出しますが、この作業には、多くの時間と労力が必要でした。
それが、明治42年、最初に麹と水を混ぜて酵素を溶かし出したところに蒸米を入れても山卸しと同等の作用が進むことが発見されました。
酛を完成させるまでの期間は生酛同様4週間程度と変わりませんが、山卸しの作業が廃止(省略)できるようになったことは日本酒造りにおいて画期的な進歩でした。そして、これまでの生酛に対する言葉として、「山卸し廃止酛」、「山廃」という言葉が使われるようになりました。
山廃仕込みで造られた日本酒は生酛同様に力強い濃醇な味わいに仕上がります。
山卸しとは酛を造る際の作業工程のことをいいます。酛を造るには、蒸米・麹・水を専用の桶に盛り、それを櫂(かい)という道具ですり潰します。この作業のことを山卸しと呼びます。山卸しをすることで自然にある乳酸菌の力で乳酸を造り出しますが、この作業には、多くの時間と労力が必要でした。
それが、明治42年、最初に麹と水を混ぜて酵素を溶かし出したところに蒸米を入れても山卸しと同等の作用が進むことが発見されました。
酛を完成させるまでの期間は生酛同様4週間程度と変わりませんが、山卸しの作業が廃止(省略)できるようになったことは日本酒造りにおいて画期的な進歩でした。そして、これまでの生酛に対する言葉として、「山卸し廃止酛」、「山廃」という言葉が使われるようになりました。
山廃仕込みで造られた日本酒は生酛同様に力強い濃醇な味わいに仕上がります。
日本酒にも「生」があった
居酒屋に入るなり、「とりあえず、生1つ」と注文される方も多いのではないでしょうか。この時の生といえば、生ビールのことですが、実は日本酒にも生があります。しかも、日本酒の生は3種類あります。ここでは、3種類の生の違いと、混同しやすい原酒について解説します。
火入れとは
出来上がった日本酒は、絞り、貯蔵、瓶詰の工程を経て出荷されます。この工程の中で、通常は貯蔵の前後に1回ずつ(計2回)、加熱処理が施されます。この加熱処理のことを火入れと呼びます。火入れは、日本酒の品質変化や劣化を防ぐことを目的に行われます。この火入れの回数やタイミングによって生の日本酒が3種類に分けられます。
生酒
火入れを2回とも行いません。「生々」、「本生」と呼ばれることもあります。味わいはその名の通りフレッシュさに溢れています。口に含むと、お酒が口の中で跳びはねるようで日本酒が生きていることを感じさせてくれます。
飲む人を魅了する味わいですが、生酒は酵母がまだ生きているため、その活動を抑えるために常に低温管理をする必要があります。流通過程や酒販店に並んだ時の温度変化によって、アルコール発酵が進んでしまう、雑菌による劣化など、管理が難しい種類といえます。
飲む人を魅了する味わいですが、生酒は酵母がまだ生きているため、その活動を抑えるために常に低温管理をする必要があります。流通過程や酒販店に並んだ時の温度変化によって、アルコール発酵が進んでしまう、雑菌による劣化など、管理が難しい種類といえます。
生貯蔵
火入れを1回、貯蔵の後に行います。生貯蔵酒は、変化・劣化しやすいという生酒の欠点を補うために、出荷の前に火入れを行います。これによって、生酒に近い風味で流通させることが可能です。
生詰め
火入れはを1回、日本酒を絞った後、貯蔵の前に行います。これにより、発酵を止め、雑菌が入ることを防ぎます。この状態のまま、出荷するものが生詰めですが、日本酒を熟成させることを目的にしています。
代表的なものが、秋になると出回る「ひやおろし」です。ひやおろしとは、春先に絞ったお酒に火入れを行い、秋まで熟成させてから出荷する日本酒のことです。熟成させることで、まろやかで口当たりのよいお酒に仕上がります。
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代表的なものが、秋になると出回る「ひやおろし」です。ひやおろしとは、春先に絞ったお酒に火入れを行い、秋まで熟成させてから出荷する日本酒のことです。熟成させることで、まろやかで口当たりのよいお酒に仕上がります。
生酒と原酒の違い
生酒と混同しやすいのが原酒です。この2つの違いは加熱処理か加水調整かの違いにあります。加熱処理をしていないものが生酒で、加水調整をしていないものが原酒です。加熱処理、加水調整のどちらもしていない場合は生原酒となります。
絞った直後の日本酒はアルコール度数が20度前後となっています。これに水を加えることによって飲みやすい15度前後にまで下げることが加水調整の目的です。
絞った直後の日本酒はアルコール度数が20度前後となっています。これに水を加えることによって飲みやすい15度前後にまで下げることが加水調整の目的です。
知って得する味の表現方法
日本酒の味を表現する言葉の一つとして甘口、辛口というものがありますが、この言葉だけでは表現しきれない味わい深さがあるのが日本酒です。これから紹介する言葉を知っておけば、数ある種類の日本酒の中から本当に出会いたいはずの味に出会う可能性を高めることができます。
そもそも甘口、辛口とは
日本酒のラベルで「日本酒度+〇」とか「日本酒度-〇」という表記を見たことはありませんでしょうか。これは、日本酒に含まれる糖分を数値化したものです。0を基準にして+の数値が多いほど糖分が少ないため辛口、-の数値が多いほど糖分が多いので甘口とされています。
決め手は酸度だった
日本酒度の+-で大まかな傾向は掴めますが、味わいの決め手になるのは酸度です。日本酒は製造の過程で米から乳酸、コハク酸、リンゴ酸などの酸が発生します。この酸の量を表したものが酸度です。
酸度は0を基準に酸の量が多ければ多いほど、数値も高くなります。酸度の平均値は1.1~1.5とされており、酸度が高いと味にキレやハリが出て、低いと薄い印象の味になるといわれています。
日本酒度と酸度のバランスで日本酒の甘口、辛口が決まってきます。一般に日本酒度と酸度の関係は下記のように表せますが、濃厚と端麗、甘口と辛口の境界線がはっきりしている訳でもないので、目安としての味わいになります。例えば辛口とされる日本酒度+10のお酒でも、酸度が低ければ甘く感じてしまうこともあり、甘口、辛口だけでは表現しきれないのが日本酒の奥深さです。
日本酒度、酸度共に高い種類・・・濃厚な辛口
日本酒度が低く、酸度が高い種類・・・濃厚な甘口
日本酒度が高く、酸度が低い種類・・・端麗な辛口
日本酒度、酸度共に低い種類・・・端麗な甘口
酸度は0を基準に酸の量が多ければ多いほど、数値も高くなります。酸度の平均値は1.1~1.5とされており、酸度が高いと味にキレやハリが出て、低いと薄い印象の味になるといわれています。
日本酒度と酸度のバランスで日本酒の甘口、辛口が決まってきます。一般に日本酒度と酸度の関係は下記のように表せますが、濃厚と端麗、甘口と辛口の境界線がはっきりしている訳でもないので、目安としての味わいになります。例えば辛口とされる日本酒度+10のお酒でも、酸度が低ければ甘く感じてしまうこともあり、甘口、辛口だけでは表現しきれないのが日本酒の奥深さです。
日本酒度、酸度共に高い種類・・・濃厚な辛口
日本酒度が低く、酸度が高い種類・・・濃厚な甘口
日本酒度が高く、酸度が低い種類・・・端麗な辛口
日本酒度、酸度共に低い種類・・・端麗な甘口
甘辛以外の表現方法
甘い辛いだけでは表現しきれないのが日本酒ですが、次の4つの言葉を知っておくと日本酒選びがとてもスムーズになります。その言葉とは、「薫酒(くんしゅ)」、「熟酒(じゅくしゅ)」、「爽酒(そうしゅ)」、「醇酒(じゅんしゅ)」の4つです。
この言葉は唎酒師を認定する日本酒サービス研究会・酒匠研究連合会という機関が、日本酒を味と香りの要素で選別するために提唱した言葉です。この言葉を使ったり、言い換えたりすると日本酒に詳しい酒販店や居酒屋では、より自分好みの種類を提案してくれる可能性が高くなります。
薫酒:香りが高く、淡い印象のタイプ。大吟醸酒、吟醸酒が代表的です。
熟酒:香りが高く、濃い印象のタイプ。長期熟成酒などが代表的です。
爽酒:香りが穏やかで、軽快で滑らかなタイプ。本醸造酒が代表的です。
醇酒:香りが穏やかで、コクのあるタイプ。純米酒や生酛造りのお酒が代表的です。
この言葉で味覚が表現出来るようになってくると、食べる料理によって日本酒を選ぶなど、日本酒の世界が一気に広がってきます。
この言葉は唎酒師を認定する日本酒サービス研究会・酒匠研究連合会という機関が、日本酒を味と香りの要素で選別するために提唱した言葉です。この言葉を使ったり、言い換えたりすると日本酒に詳しい酒販店や居酒屋では、より自分好みの種類を提案してくれる可能性が高くなります。
薫酒:香りが高く、淡い印象のタイプ。大吟醸酒、吟醸酒が代表的です。
熟酒:香りが高く、濃い印象のタイプ。長期熟成酒などが代表的です。
爽酒:香りが穏やかで、軽快で滑らかなタイプ。本醸造酒が代表的です。
醇酒:香りが穏やかで、コクのあるタイプ。純米酒や生酛造りのお酒が代表的です。
この言葉で味覚が表現出来るようになってくると、食べる料理によって日本酒を選ぶなど、日本酒の世界が一気に広がってきます。
日本酒の種類や違いを勉強して取得できる資格
日本酒には慶事を演出する華やかなものから、毎日の食事に寄り添う食中酒など、その種類は多岐に渡ります。また、同じ種類の日本酒でも飲む温度や合わせる料理によっても様々な表情をみせてくれます。
そんな奥深い日本酒の世界をより詳しく知ることの出来る資格や検定があるのはご存知でしょうか。資格、検定にはビギナー向けからプロ向けまで様々な種類があります。ここでは代表的な資格、検定について紹介します。
そんな奥深い日本酒の世界をより詳しく知ることの出来る資格や検定があるのはご存知でしょうか。資格、検定にはビギナー向けからプロ向けまで様々な種類があります。ここでは代表的な資格、検定について紹介します。
日本酒ナビゲーター
日本酒の消費者を対象にしており、消費者がより日本酒を楽しめることを目的に制定されました。全国9会場で開催される認定セミナーを受講することで認定証を貰うことが出来ます。認定セミナーでは原料や製造方法、歴史や文化、テイスティングしながら味わいの特徴や料理との相性など、日本酒のことを総合的に学べるようになっています。
日本酒ナビゲーター同様に消費者が日本酒をより楽しむことを目的にした資格となります。日本酒ナビゲーターと異なり、こちらは検定試験があります。3級、2級、準1級、1級の4種類で合格すると認定カードと認定証が貰えます。また、初級、中級、歴史など6種類のネット検定もあります。ネット検定は無料で受けられ、合格すると認定証のダウンロードができます。
日本酒ナビゲーター同様に消費者が日本酒をより楽しむことを目的にした資格となります。日本酒ナビゲーターと異なり、こちらは検定試験があります。3級、2級、準1級、1級の4種類で合格すると認定カードと認定証が貰えます。また、初級、中級、歴史など6種類のネット検定もあります。ネット検定は無料で受けられ、合格すると認定証のダウンロードができます。
唎酒師(ききざけし)
日本酒とその楽しみ方を提供出来るプロフェッショナルが唎酒師です。日本酒ナビゲーター、日本酒検定が消費者向けの資格なのに対し、こちらは飲食店や酒販店の従事者など日本酒を提供する側の目線に立った資格です。しかしながら、20歳以上であれば誰でも挑戦出来る資格のため、この資格取得を目指す日本酒愛好家も多いようです。
酒匠(さかしょう)
[no_toc]唎酒師の上位資格に当たり、テイスティングの専門家としての資格です。日本酒の他に焼酎の知識やテイスティング技術も必須となり正にプロ中のプロといえる資格です。
ここまで紹介した4種類の資格、検定は日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)が認定する代表的な資格ですが、この他にも日本ソムリエ協会が認定するJ.S.A. SAKE DIPLOMAなど、日本酒の多様化、国際化と共に資格の種類も増えてきています。
日本酒は知れば知るほど、味わい深いものとなってきます。一杯の日本酒を味わう時間をより濃密なものにするためにも、資格、検定の取得を目指してみるのも面白いかもしれません。
ここまで紹介した4種類の資格、検定は日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)が認定する代表的な資格ですが、この他にも日本ソムリエ協会が認定するJ.S.A. SAKE DIPLOMAなど、日本酒の多様化、国際化と共に資格の種類も増えてきています。
日本酒は知れば知るほど、味わい深いものとなってきます。一杯の日本酒を味わう時間をより濃密なものにするためにも、資格、検定の取得を目指してみるのも面白いかもしれません。
日本酒鍋島の種類
今や日本酒ファンならずとも多くの熱い視線を集めているのが「鍋島」です。その注目度たるやプレミア日本酒の一つとも呼ばれ、入手が困難なお酒でもあります。
現在、富久千代酒造が手掛ける鍋島ブランドは全27種類あります。この他にも季節限定品なども加わり、それぞれ使用米や精米歩合などによって異なった趣の味わいを醸しています。ここでは、鍋島の代表的な種類を紹介します。
現在、富久千代酒造が手掛ける鍋島ブランドは全27種類あります。この他にも季節限定品なども加わり、それぞれ使用米や精米歩合などによって異なった趣の味わいを醸しています。ここでは、鍋島の代表的な種類を紹介します。
大吟醸
富久千代酒造のフラッグシップともいえる種類です。世界最大規模の酒類品評会、「2011インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)日本酒部門」で最優秀賞を獲得した世界でといえる1本です。一口含むとメロンのように爽やかな吟醸香が鼻を抜け、米の旨味が口いっぱいに広がります。そして大吟醸酒らしく瑞々しく綺麗にキレていく、贅沢な味わいのお酒です。
純米吟醸〈五百万石〉
通称、オレンジラベルとも呼ばれ、鍋島の中ではスッキリした印象の強い種類です。穏やかな甘味と爽やかな酸味のバランスが抜群によく、清涼感溢れる口当たりです。
特別純米
第14回日本酒コンクール純米部門では日本でに輝いたこともある、鍋島の大定番といえる種類です。上品な香りで透明感に溢れながらも、旨味をしっかりと感じられます。キレもよく、食中酒として毎晩でも飲みたくなるお酒です。
特別本醸造
いわゆる甘口のお酒ではありますが、甘口のお手本と評されるほど見事な味わいです。含むと上品な甘みが口に広がりますが、それでいてべた付くことなく綺麗にキレていきます。冷酒から燗まで温度によって様々な味わいを楽しめます。
酒造データ
富久千代酒造有限会社
〒849-1322佐賀県鹿島市浜町1244-1
(蔵元での小売り販売はありません。)
酒造データ
富久千代酒造有限会社
〒849-1322佐賀県鹿島市浜町1244-1
(蔵元での小売り販売はありません。)
日本酒の種類が多い店紹介
ブームが再来しつつある日本酒ですが、何処でも同じものを飲んだり、買ったり出来るかというと実は違います。飲食店によっては普通酒だけしか扱っていないところもありますし、日本酒以外の酒類に力を入れている酒販店もあります。ここでは日本酒に精通し、品揃えも豊富な飲食店と酒販店の一部を紹介します。
飲食店
●銘酒居酒屋赤鬼
生酒を主体に常時100種類以上の日本酒を取り揃えています。日本酒をこよなく愛し、丁寧に扱っているため蔵元さんからの信頼も厚く、ここでしか飲めないプライベートブランドの日本酒もあるほどです。日本各地から訪れる人も多いので予約必須のお店です。
生酒を主体に常時100種類以上の日本酒を取り揃えています。日本酒をこよなく愛し、丁寧に扱っているため蔵元さんからの信頼も厚く、ここでしか飲めないプライベートブランドの日本酒もあるほどです。日本各地から訪れる人も多いので予約必須のお店です。
居酒屋データ
東京都世田谷区三軒茶屋2-15-3
電話番号:03-3410-9918
東京都世田谷区三軒茶屋2-15-3
電話番号:03-3410-9918
●串駒
東京で十四代を最初に扱ったことで有名なお店です。この十四代は瞬く間に評判になり、今では最も入手困難日本酒のうちの一つといわれています。定期的に蔵元を囲む会を主催しており、日本酒の味と作りての情熱を伝え続けている銘店です。
居酒屋データ
東京都豊島区北大塚1-33-25
電話番号:03-3917-6657
●唎き酒屋
日本酒の数は有名なものから、あまりまだ知られていないものまで36種類あります。1杯500円前後と料金もリーズナブルです。メニューには味や特徴などが細かく書かれており、料理との相性を考えたり、自分の味覚にあったものを探したり、選ぶ事そのものが楽しくなるお店です。
居酒屋データ
大阪府 大阪市中央区 千日前 1-6-6
電話番号:06-6212-1439
東京で十四代を最初に扱ったことで有名なお店です。この十四代は瞬く間に評判になり、今では最も入手困難日本酒のうちの一つといわれています。定期的に蔵元を囲む会を主催しており、日本酒の味と作りての情熱を伝え続けている銘店です。
居酒屋データ
東京都豊島区北大塚1-33-25
電話番号:03-3917-6657
●唎き酒屋
日本酒の数は有名なものから、あまりまだ知られていないものまで36種類あります。1杯500円前後と料金もリーズナブルです。メニューには味や特徴などが細かく書かれており、料理との相性を考えたり、自分の味覚にあったものを探したり、選ぶ事そのものが楽しくなるお店です。
居酒屋データ
大阪府 大阪市中央区 千日前 1-6-6
電話番号:06-6212-1439
酒販店
●はせがわ酒店
亀戸本店をはじめ、麻布十番店、表参道ヒルズ店など都内に7店舗あり、それぞれの街の特色に合わせた店舗展開をしている酒販店です。下町の小さな酒屋さんが全国各地の蔵元を巡り、信頼と実績を築いてきただけあって、品揃えの多さと、品質は折り紙付きです。店員さんの知識も豊富で、抽象的な要望を伝えるだけでも的確な1本を探してくれます。
酒販店データ
亀戸本店
東京都江東区亀戸1-18-12
電話番号:03-5875-0404
亀戸本店をはじめ、麻布十番店、表参道ヒルズ店など都内に7店舗あり、それぞれの街の特色に合わせた店舗展開をしている酒販店です。下町の小さな酒屋さんが全国各地の蔵元を巡り、信頼と実績を築いてきただけあって、品揃えの多さと、品質は折り紙付きです。店員さんの知識も豊富で、抽象的な要望を伝えるだけでも的確な1本を探してくれます。
酒販店データ
亀戸本店
東京都江東区亀戸1-18-12
電話番号:03-5875-0404
●籠屋秋元酒店
一歩店内に入ると、数々の種類の日本酒が陳列されており、その数に圧倒されます。自らを「情熱の酒屋」と評するほど、説明が丁寧で分かりやすく、一緒になって自分好みの一本を探してくれます。
酒販店データ
東京都狛江市駒井町3-34-3
電話番号:03-3480-8931
●山中酒の店
「日本人に生まれてよかった」、そう思える日本酒を提供することに情熱を注ぐ酒販店です。3階建てという規模の大きさで、1階は販売所になっています。ここでは試飲用の日本酒が50種類以上もあり、実際に飲んで確かめながら、好みの種類を探せます。
2階は試飲室で、平日(前日までに要予約)なら日本酒4種類、料理3品で1000円という料金です。3階はフロア全体が冷蔵庫になっていて、日本酒の種類毎に室温を調整するなど徹底した管理がされています。日本酒好きには天国ともいえるような酒販店です。
酒販店データ
大阪府大阪市浪速区敷津西1-10-19
電話番号:06-6631-3959
一歩店内に入ると、数々の種類の日本酒が陳列されており、その数に圧倒されます。自らを「情熱の酒屋」と評するほど、説明が丁寧で分かりやすく、一緒になって自分好みの一本を探してくれます。
酒販店データ
東京都狛江市駒井町3-34-3
電話番号:03-3480-8931
●山中酒の店
「日本人に生まれてよかった」、そう思える日本酒を提供することに情熱を注ぐ酒販店です。3階建てという規模の大きさで、1階は販売所になっています。ここでは試飲用の日本酒が50種類以上もあり、実際に飲んで確かめながら、好みの種類を探せます。
2階は試飲室で、平日(前日までに要予約)なら日本酒4種類、料理3品で1000円という料金です。3階はフロア全体が冷蔵庫になっていて、日本酒の種類毎に室温を調整するなど徹底した管理がされています。日本酒好きには天国ともいえるような酒販店です。
酒販店データ
大阪府大阪市浪速区敷津西1-10-19
電話番号:06-6631-3959
今夜は日本酒で乾杯
一口に日本酒といっても、その種類によって味わいは多種多様です。ちょっとした知識があるだけで、料理と相性の良い種類を探す、飲むスチュエーションに合わせて最適な1本を探すなど、日本酒の世界が一気に広がります。知れば知るほど、奥が深いのが日本酒の世界ですが、肩ひじ張らずに楽しく飲みながら、日本酒への興味を深めてみてはいかがでしょうか。