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日本酒の作り方・種類別/味別の作り方の違い・自家製日本酒

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日本酒の造り方

日本酒とは

皆さんは、日本酒を飲みますか。その日本酒がどんなものなのか一緒にみていきましょう。

日本酒の作り方は、原材料の蒸米を米麹で発酵・熟成させてできた「もろみ」をろ過して作った飲み物のことで、料理の調味料としても使用されています。蒸米を「アルコール発酵」させるのですが、蒸米にはアルコール発酵するための糖分が含まれていません。

そのままだとアルコール発酵ができないので、アルコール発酵をさせるために「米麹」を混ぜています。米麹を混ぜることで米のデンプンを「糖化」させてアルコール発酵を促しています。この工程などから原料を発酵させることで、アルコールを採取しているので日本酒は醸造酒に分類されています。

日本酒の作り方

日本酒には、普通酒、本醸造酒、吟醸酒、大吟醸酒、純米酒、生もと造り、山廃造りなどの種類がたくさんありますが、製造の原理はどの種類の日本酒も同じ作り方で、です。その日本酒の作り方の工程を簡単に分けると全部で「11工程」ありそれを全て得て日本酒ができあがります。

日本酒の作り方の11工程とは、「精米、洗米・浸漬、蒸し、麹づくり、酒母、仕込み、しぼり、ろ過、火入れ、貯蔵」になります。では、この作り方を詳しく見ていきましょう。

工程の詳細①

11工程もあるので、見やすいように作り方を分けて紹介します。まずは、1~5までの工程をみていきましょう。

【日本酒の製造工程】

①精米:米の表面についているたんぱく質や脂肪を落とす作業です。日本酒を造るお米は酒造好適米と呼ばれる専用のお米で、このお米の外側の25%~50%を削り取ります。削り取る割合は日本酒の種類で違います。

②洗米:精米した米の表面の糠を洗い落とします。

③浸漬:お米に水を吸させることで糖化がしやすくなり、時間は精米歩合やお米の種類によって違います。

④蒸米:お米を水切りし、蒸すと糖化しやすくなります。お米の外側は硬く、内側は軟らかくすることで麹が食い込みやすくなります。蒸米は麹用と仕込み用に分けます。

⑤酒母:仕込み水に米麹、酵母、蒸し米を混ぜもろみを発酵させるための酵母を作る工程が酒母作りです。酵母を繁殖するために厳重な温度管理をしています。

工程の詳細②

後半の製造工程を詳しく紹介していきます。

⑥麹:カビの1種である麹菌を蒸米に混ぜ45~50時間かけて麹米を作っていきます。微妙な温湿度管理が必要とされる重要な作業です。

⑦仕込み:酒母に蒸米、麹、水を加えて発酵させるともろみが完成します。「初添え」「中添え」「留添え」の3回に分けて仕込むことを3段仕込みといいます。

⑧しぼり:もろみを酒袋に入れて搾ります。ここで酒粕(みりん)と酒に分けます。

⑨ろ過:しぼった新酒を沈殿させて澱引きした後に残存物を除くためろ過します。ろ過しないとにごり酒になります。

⑩火入れ:火落ち菌による腐造を防ぐために低温殺菌をします。ここで火入れをしないのが生酒になりますが冷蔵保存が必要など衛生管理が難しくなります。

⑪貯蔵(熟成): 火入れした日本酒を酒造タンクで熟成させます。普通の熟成期は数ヶ月ですが、1年以上熟成させると古酒となります。

日本酒の基本的な種類分け

日本酒の種類はどんな物があるのでしょうか。日本酒には、「普通酒・特別本醸造酒・吟醸・純米吟醸」などの種類があります。この種類を決めるためのポイントが2つあります。

1つめのポイントは、「純米酒」か「その他」かという点になります。日本酒は、米から作られていますが、日本酒の中にはお米だけを使って作られているものと、「醸造用アルコール」といって日本酒を造る過程ではできないアルコールを添加しているものとがあります。「アルコールが添加された日本酒=粗悪品」ではなく、このアルコールを添加することで香りを華やかにしたり、味わいを調節するなどの役割があります。
 
2つめのポイントは、お米の削り具合になります。日本酒の製造過程でお米を削る工程があります。その削り具合(精米歩合)でお酒の種類を仕分けています。お米の中心に近い部分を使うことで、雑味のないスッキリした味わいになると言われています。

種類別の精米歩合

純米酒、吟醸酒などの日本酒の種類の分け方は、2番目にあげたポイントの「お米の削り具合」によって細かく分けられたもので、種類は原料となる米の磨き具合によって分けられています。

・普通酒:規定なし(一般的には73%~75%)
・本醸造酒:70%以下
・純米酒:70%以下
・特別本醸造酒:60%以下
・特別純米酒:60%以下
・吟醸酒:60%以下
・大吟醸酒:50%以下

お酒の種類の後にある数字は「精米歩合」を表しています。「精米歩合」とは玄米を100%とすると何%の余分なもの排除されているかを表しています。米の表面には多くのタンパク質や脂肪分が含まれており、これらが多すぎるとお酒の香りや味が悪くなってしまいます。ちなみに、普段口にしている主食の白米の精米歩合は90~92%くらいになります。

日本酒の辛口甘口とは?

みなさんは、日本酒のパッケージよく書かれている「甘口・辛口」とはどのように分けているのでしょうか。その分け方を見ていきましょう。

日本酒は、日本酒度により辛口か甘口なのかを決める基準になっています。日本酒度とは、水に対する酒の比重を日本酒度計という比重計で計ったものをいい、糖分が多ければ重くなり、糖分が少なくなれば軽くなります。数値が高いと辛口で、低いと甘口となっています。

ですが、この日本酒度だけで味が決まるわけではありません。味は大まかに糖分の量と酸味などのバランスで決まります。酸味は味覚面で多ければ辛口と感じ、少ないと甘口に感じるます。酸度はその他にも口当たりに影響し、酸度が多いと濃醇な口あたりとなり、逆に少ないと淡麗に感じるなど口当たりが変化します。

その他にも、アミノ酸やアルコール度なども関係するので、日本酒度などの数値は一応の目安と理解し総合的な判断が味を決めています。

辛口

「辛口」とは、食品などの辛さを表す言葉です。英語では「Hot」という意味で、日本語にすると刺激的な味例えばワサビなどを「辛味」と表現しています。ですが、酒の味を表す「辛口」は糖分含有量が少ないことを表す英語で「Dry」になりとなっています。

初め、日本酒に「辛口」はなかったのですが、日本酒業界が「甘口」の対義語として業界用語として使用したのが広まりました。戦後、甘くてベタベタするような三倍増醸酒が多くなり、昔ながらの酒造りをしたお酒が民衆に受け入れられ「本格辛口」というフレーズがテレビのCMなどで流れそれが流行りました。なので、「辛口=上質で美味しいお酒」というイメージついています。

甘口

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日本酒の「甘口」と聞いていろいろな「甘い」ものを想像します。お菓子の甘いや果物系の甘味などいろいろな甘さがありますが、お酒の「甘口」はどれにも属せず表現的には当てはまるものがありません。もちろん、原料になるお米の甘さを感じることができるので、「穀物系から感じられる甘さ」が日本酒の「甘い」の表現に近い気がします。

お酒の甘口という表現を聞くと、「甘ったるい」や「お酒好きは好まない」などのお酒のイメージが先行しがちですが、「甘口」の意味はそうではなくどちらかというと「やわらかくて刺激の少ない」や「口当たりが和らかい」、「穏やかな味わい」などという表現がしっくりくるような味わいになっています。 

日本酒の種類別の作り方

スパークリングとは

最近若い女性の間で流行っているスパークリング日本酒を知っていますか。スパークリング日本酒とは、炭酸ガスを含んだ日本酒のことです。カジュアルで飲みやすく、アルコール度数が低く甘口のものが多いので、女性だけではなく日本酒初心者の方でも飲みやすい日本酒です。昔から一部の酒蔵で作られていましたが、当時は注目されなかったのですが、近年注目を浴びています。
  
炭酸ガス入りの日本のスパークリングはどのように作っているのでしょうか。スパークリング日本酒の作り方でよく使われているのが、瓶内でさらに発酵を進めて炭酸ガスを閉じ込める「瓶内二次発酵方式」、人工的に炭酸ガスを入れる「炭酸ガス注入法」、発酵している最中のアルコールを濾過せず、菌が生きている状態で瓶詰めした「活性濁り酒」3つの作り方があります。

スパークリング日本酒は、コース料理などの乾杯用のお酒に向いておりシーンに合わせて楽しんでください。 

古酒とは

古酒とは、長期熟成酒研究会で「満3年以上蔵元で熟成させた、糖類添加酒を除く清酒」で作られたお酒を熟成古酒と決めています。ですが、実際は「特定名称酒」ではないため、ラベルなどへの表示規定がなく、1~2年で出荷されているものなどもあります。

魅力その1:熟成古酒は「甘味・酸味・辛味・旨味・苦味」がバランスよく保たれ、「深い味わい」が魅力になります。口当たりのよさはそのままに日本酒のキレを残していて、グラスに注ぐと「木の実の香り」「カラメルの香り」「バニラの香り」と表現される程甘い香りを感じることができます。 飲んだ後の「余韻」を長時間楽しむことができます。

魅力その2:熟成古酒は、飲酒後の「酔い覚めの良さ」が特徴です。 その酔い覚めのよさは、江戸時代の文献に「熟成酒は体全体が潤うように気持ちよく酔う」と書かれているほどです。

にごり酒とは

にごり酒の作り方は、日本酒を作る課程の中の「しぼり」で醪(もろみ)を酒袋などに入れ圧力をかけて搾っていきます。その際に目の粗い袋やザルで漉すことで「おり等」などの素材を多く残しわざとにごらせた作り方をしたお酒になります。

にごり酒は、火入れをしない作り方が多く、酒質が変化しやすいので賞味期限が短くなっていますが、最近はにごり酒でも火入殺菌する作り方があり賞味期限が長くなった商品も販売されています。

にごり酒とは、米の粒感が全部残っているようなものから淡く濁った酒まで、白濁の強弱はいろいろですが、どぶろくを含めた白濁した作り方をしている日本酒を「にごり酒」としています。

にごり酒の味は、濃厚で甘口という感覚が強いものが多いですがほとんどのにごり酒は火入れしてないため酵母菌が保存期間内で発泡することがあり、そのためアルコール度も通常の清酒よりも高くなりどっしりした口当たりをしています。

お屠蘇(おとそ)とは

屠蘇(とそ)とは、正式名称は屠蘇延命散といい「邪気を屠(ほふ)り、魂を蘇らせる」という意味があり元旦に飲むことで、邪気を払い無病長寿を祈り家族健康で幸福を迎えられると言い伝えられ、心身ともに改まろうという願いを込めて正月に飲むセレモニー酒になります。平安時代に唐から日本に伝わったとされており、嵯峨天皇の時代に宮中の正月行事としてスタートしたのち江戸時代に一般に広がりました。

お屠蘇の作り方は、日本酒や味醂(みりん)に5~10種類の生薬を浸けこんだ薬草酒になります。現在市販され手に入る「屠蘇散」に入っている生薬は「白朮(ビャクジュツ)、山椒(サンショウ)、桔梗(キキョウ)、肉桂(ニッケイ)、防風(ボウフウ)」の5種類になります。

作り方と飲み方

お屠蘇の作り方を紹介します。まず、用意する物は「屠蘇散、酒、本みりん」の3つになります。まず日本酒と本みりんを合わせたものを約300〜500ml用意し、その中に屠蘇散を一つ包んで入れ数時間漬けます。その後はその包みを取り出し完成です。作り方のポイントは、漬けるお酒は両方を合わせずに片方だけでも大丈夫で、甘口が好きな方は砂糖を足したり、みりんを多くすると甘めになります。

一般的なお屠蘇の作法を紹介します。まず、お屠蘇はおせち料理やお雑煮などを食べる前に飲みます。初めに家族そろって東の方角を向き、最年長者が、最年少者にお屠蘇を注ぎます。大抵、盃は年長者から下げていきますがお屠蘇は逆で年少者から年長者へと盃を順にすすめていきます。

飲み終えたら「一人これを飲めば一家くるしみなく、一家これを飲めば一里病なし」と唱え終了です。注意点は、厄年の人がいる場合は最後にお屠蘇を飲んでください。 

ノンアルアルコールとは

「ノンアルコール飲料」の作り方は、アルコール成分を蒸留したり、ろ過して取り除く作り方か糖分を減らして発酵を止めることでアルコール転化しない酵母を使った作り方で作っています。ノンアルコール日本酒としての初めての製品は、酒税法の規定でアルコール度数1%未満の飲み物は酒にあたらないとの解釈から「ノンアルコール日本酒」として作られ売られました。

ですが、2006年以降からは販売されていません。それは、日本酒のアルコール分は通常15%と高いうえ、味の構成要素としてアルコールが大きな割合をしめています。日本酒からアルコールを除いたとき、味のバランスを保つことができず「これは日本酒ではない」となりました。

その後、崩れたバランスを取るために味を何度も調整しましたが、元の日本酒の味からはかけ離れてしまい、結果として短期間で販売をやめることになりました。

他のお酒とその作り方

ウイスキーとは

ウイスキーとは、1405年にアイルランドで作られたお酒です。初めは、趣向品ではなく薬として飲まれていました。日本では、黒船来航の際に船の中で振る舞われたのが初めになり、その後に外国人向けに輸入されその後に日本人向けに作られるようになりました。

ウイスキーの定義は国によって違い、原料、製法、熟成年数などが各国によって決められています。ですが、基本は「穀類を原料として、糖化、発酵の後に蒸溜をおこない、木製の樽で貯蔵熟成させてできるお酒」とされており、特に「木製の樽での貯蔵熟成」というのがとても重要になります。

作り方

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ウイスキーの一般的な作り方は麦を発芽させ含まれる酵素を利用してデンプンを糖化させます。この作り方はビールの仕込みとほぼ同じで、これを濾過して麦汁を酵母によって発酵させると、アルコール度数7〜8%のウォッシュと呼ばれる液体となり、その後単式蒸留器で複数回の蒸留をするアルコール度数は60〜70%までになり、色は無色透明です。

ウィッシュは木製の樽に詰められ数年以上エイジングして熟成させることで豊かな風味と色を呈します。ウイスキー原酒は熟成により樽ごとに違う風味に仕上がるものなので、最終的にいくつかの樽の原酒を調合して香味を整えてから、アルコール度数40%程度まで下げた後に瓶詰めされて出荷されます。

ウイスキーの特徴である樽での熟成は、樽の中で長い年月をかけて熟成させるので、深い琥珀色をしており、この熟成によってウイスキーの香りがまろやかにして深いコクを持つようになります。

焼酎とは

焼酎の起源はよく分かっていませんが、有力説ではタイから琉球経由で伝えられたといわれており、日本では16世紀頃から焼酎が作られていたとみられています。焼酎には大衆酒として多くの方に飲まれた歴史があり、いろいろな種類がたくさんあり「米焼酎・麦焼酎・いも焼酎・黒糖焼酎・そば焼酎・栗焼酎・泡盛・粕取り焼酎」などがあります。

焼酎の作り方

焼酎の作り方は大きくわけて、2種類の作り方に分けられ「もろみ取り焼酎」と「粕取焼酎」になります。

・「もろみ取り焼酎」とは、麹に水と酵母を加えてもろみを作ったあとに主原料を混ぜ、その後に蒸留し熟成した物です。

・「粕取焼酎」とは、日本酒を作るときに出る酒粕をセイロ式蒸留器で蒸留して作るものです。

現在の焼酎の作り方は「もろみ取り焼酎」が主流となっています。

自家製の日本酒の作り方

お酒の製造は、1953年に制定された「酒税法」で細かく決まっています。この法律では、基本的に無許可でアルコール度数が1%以上含む飲料を作ると違法になり、お酒を製造するのには免許が必須になります。なので、1%以下であれば自宅でも作ることができますが、自宅でお酒を作ろうと考えている方は「アルコール度数1%未満」を念頭においておく必要があります。

米を炊き、発酵させて作るどぶろくは「密造酒」の代表になりますが、どぶろくを作るのは違法行為になります。ただ、日本の中でも一部の地域では宗教行事だったり伝統的な特産品とのことで「どぶろく特区」とされている地域があり、その地域ではどぶろくの製造が認められています。

では、自宅でよく作るアルコール度数の高い果実酒は作ってはダメなのでしょうか。果実酒には、細かな決まりがありその中で自宅で消費する分には作って大丈夫となっています。なので安心して楽しんでください。

日本酒を楽しむ

日本酒は、作り方の工程がとても多く繊細で奥深い世界です。繊細で奥深いのは作り方だけではなく、「味」の決め方も糖分の度合いだけで「辛い」「甘い」を表現しているだけではなく、そこから酸味など口で感じることも含めての結果で決めるくらい細かく繊細です。

そんな日本酒は種類もたくさんあり、いろんな風合いを楽しむことのできるお酒になります。たくさんある日本酒の中から、自分にはどんな種類や銘柄などがが合うのかをいろいろな種類を試しつつ探せるのも日本酒を楽しむ方法の一つです。
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