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紹興酒の味の特徴・熟成期間による味の違い・料理の味のしあがり

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もっと気軽に紹興酒!その味や特徴は?

紹興酒ってどんなお酒?

まず、紹興酒とは、どんなお酒なのでしょうか。紹興酒は中国の代表的な醸造酒で、日本でもっとも知られている中国のお酒の一つと言えます。

一般的には、蒸したもち米と小麦などを原料にした醸造酒のことを、中国酒の分類上「黄酒」(ホアンチュウ)と言います。さらに、この黄酒を長年熟成したものを老酒(ラオチュウ)と呼び、その中でも浙江省紹興で作られたものを「紹興酒」と呼んでいます。

黄酒は、長い中国の歴史の中でも、もっとも古いとされているお酒の一つで、その製造技術は日本へ伝わり、のちに日本の清酒となったといわれています。

老酒は、その名が示すように「ながく寝かせた」「熟成させた」お酒という意味ですが、紹興酒以外にも上海老酒、台湾老酒、福建老酒など地域によって味わいの異なる老酒があり、日本の地酒を思い起こします。

さらに紹興酒は、フランスのワイン、日本の純米吟醸酒と並んで「世界三大美酒」という人もいるほどです。

紹興酒には種類がある

まずは、紹興酒の種類について解説いたします。

紹興酒の原料は、主に「もち米」「麦こうじ」「水」となりますが、この基本原料以外に加える添加物と、その熟成期間によって大きく四つに分類されています。それが以下のようなものです。

・元紅酒

・加飯酒

・善醸酒

・香雪酒

この四種類のうち、私たち日本人が一般的に紹興酒として楽しんでいるのは、「加飯酒」(かはんしゅ)になります。

4種類の紹興酒の概要

まずはじめに、元紅酒(げんこうしゅ)は最も歴史が古く、伝統的な製法によってつくられたお酒です。もともとは、赤い甕のようなものに入れて売ってたことから、この名前で呼ばれました。紹興酒の基本ともいえるお酒で、そのほとんどは国外に出されることなく、中国内で消費されています。

加飯酒は、元紅酒に次ぐ歴史のあるお酒で、やはり伝統的な製法で作られています。元紅酒よりもち米を多く使うことから、加飯の名前が付けられています。最低でも3年は熟成させてから出荷されています。

善醸酒(ぜんじょうしゅ)は、仕込み水の一部に元紅酒を用いています。この製法は、アルコール分を増やすために用いられた製法で、糖分も多く、コクのあるお酒となります。香雪酒(こうせつしゅ)は、仕込み水の代わりに紹興酒の酒粕から作った焼酎を使用しています。

善醸酒と香雪酒は、仕込みと同時にアルコールを加えるため、みりんのように甘さが増します。

その他の代表的な紹興酒

これまで紹介した4種類の紹興酒のほかに、花彫酒と呼ばれる紹興酒があります。紹興では女の子が生まれると、上等の紹興酒をひと甕つくり、その家の庭に埋める習慣がありました。女の子が結婚するときに、その紹興酒を掘り起こし、甕に美しい絵を描き、お祝いの席でふるまわれました。

このお酒のことを、特別に花彫酒と呼んでいました。しかし、今では長期に熟成させて古酒となった紹興酒のことを花彫酒と呼ぶのが一般的になっています。

紹興酒の熟成期間による味の違いは?

紹興酒は度数が高い?

紹興酒はアルコール度数が高く、お酒に強くない人には手を出しにくいイメージがありますが、実は特別度数が高いお酒ではありません。むしろ、中国酒の中では度数の低いほうのお酒で、庶民に愛される手軽なお酒のイメージです。

では、一般的なお酒の度数を見てみましょう。まずはじめの一杯でおなじみのビールは、約5%です。さらにワインが9~12%程度、日本酒は15%と続きます。アルコール度数の高いイメージのお酒では焼酎が25%、ウィスキーやブランデーが40%前後となります。

紹興酒を先ほどの種類別に見てみると、元紅酒と加飯酒はだいたい15~17%前後、善醸酒は少し低めの13%、逆に香雪酒が最も度数が高く20%程度になります。

一般的に紹興酒として日本で楽しめるのは加飯酒ですので、だいたいワインよりも少し高め、日本酒と同じくらいと考えて良いです。もし香雪酒を飲む際には、飲みすぎに注意しましょう。

紹興酒の味の特徴は?

紹興酒の楽しみの一つに、熟成期間によって味が変化するという特徴があります。ウィスキーを「時間を飲む」と表現する人がいますが、紹興酒も同じように、その熟成期間による味の違いを楽しめるお酒です。およその熟成期間と、その味の特徴を見てみましょう。

・3年もの:少し酸味があり、辛口。

・5年もの:酸味に苦みが加わり、個性が強い。

・8年もの:香りが強くなり、まろやかさが加わる。

・12年もの:色が濃く、より味わいに深みが増す。酸味が少なくなり、まろやかさが増す

・15年もの:さらに味が深まり、強い余韻を感じられる味わいに。

・20年もの:とてもまろやか、余韻も深くうっとりとするような大人の味わい。

まだ熟成の浅い若い紹興酒のほうが酸味があり辛め、熟成期間が長くなるとともにとがった酸味や辛みがなくなり、深みやまろやかさ、余韻などが加わってきます。

紹興酒を料理に活用するには?

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ここまで、お酒として味わう紹興酒のお話をしてきましたが、実は紹興酒は調味料として、料理への活用もです。

そもそも料理にお酒を使うには、いくつかの理由があります。例えば、お肉の臭みや魚の臭みを消す、素材を柔らかくする、あるいは水っぽさをなくしコクを加えるなどです。そのほかには風味付けがあります。ワインやブランデーなどを使って独特の風味をつけるのは料理に欠かせないポイントです。

紹興酒も同じように、その独特の香りやコク、まろやかさが料理にほかのお酒では出せないアクセントを与えてくれます。ワインのようなフルーティーな味わいとは違い、穀物ならではの深い甘みや香りの広がりが紹興酒の特徴です。

また、紹興酒は食欲の増進や疲労回復、消化を助けるといった作用があり漢方の国、中国のお酒ならではの特徴を持っています。

紹興酒を使った料理は?

紹興酒はどんな料理に使うと良いのでしょうか。もちろん中華料理に紹興酒はよくあいます。山椒やトウガラシ、八角などのスパイスを使った料理にも紹興酒のうまみは負けることなく、素材の活かしてくれます。

普段のチャーハンや麻婆豆腐、豚の角煮などに少し加えるだけで、より本格的な味わいを楽しむことができます。

紹興酒のコトコト煮豚

ここでカンタンな紹興酒を使ったレシピを紹介します。材料は豚肩ロース(約1kg)おしょう油・紹興酒150CC、生姜・葱の青い部分適量です。手順は豚肩ロースをタコ糸で縛って強火にしたフライパンで表面をしっかり焼き付けます。

お鍋におしょう油・紹興酒を合わせたものを入れ、生姜・葱の青い部分適量も入れて約1時間煮込みます。最後にタコ糸をほどいてスライスすれば出来上がりです。紹興酒と醤油で豚肉を煮込むだけで、紹興酒の香る簡単煮豚の完成です。

紹興酒を料理に使ったときの味の仕上がりは?

紹興酒の独特な味わいを料理に活かすには、どのような味付けが良いのでしょうか。紹興酒を使った味付けのポイントを紹介します。

紹興酒・醤油

紹興酒を使った料理には、醤油で味付けするのがです。実は紹興酒の独特の甘みは、醤油との相性が抜群です。先ほど紹介した紹興酒漬けも、紹興酒とお醤油がメインの味付けとなっています。

また、熟成が進んだ紹興酒ほど味わいのかどが取れ、まろやかになっているため、醤油の甘みと合わせることでより味付けに深みが出ます。中華風の煮込みなどこってりした味付けの際にも、紹興酒と醤油を合わせて使うことで相性の良い味に仕上がります。

紹興酒を使った味付けのポイント

また、独特の風味を持っていること、醤油との相性が良いことから日本料理へのアレンジもです。味付けには、あっさりしただしの風味を味わう料理ではなく、少しくせ・香りの強い食材(魚・根菜類など)と組み合わせましょう。隠し味として紹興酒を使うことで、素材の良さを引き出しつつ調和のとれた味付けができます。

紹興酒と似た味のお酒はある?

中華料理店でおなじみの紹興酒ですが、実は風味の似ている意外なお酒があります。それはシェリー酒です。シェリー酒の原料はブドウ、アルコール度数がやや高めの、スペイン・アンダルシア地方のワインの一種です。

シェリー酒の大きな特徴は、その香りです。製造過程によって、ドライレーズンやアーモンドなどのナッツ類、オレンジやチョコレートのような複雑な香りがします。そして、酸味が少なめでとてもまろやか、味わいの深いお酒です。

紹興酒も独特の香りがあり、熟成期間の長いものは酸味が薄く、とてもまろやかな味わいになります。その特徴的な香りとうまみとまろやかさが、原料も作られる国も全く違うシェリー酒にどこか似た風味を感じさせてくれます。

中華料理のおともに紹興酒も良いですが、趣向を変えてシェリー酒で楽しんでみるのもおもしろいです。

中華料理によく使われる紹興酒の味は?

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料理に使われる紹興酒もいろいろな種類が販売されています。一般的に熟成の浅い紹興酒は味付けの時にも使いやすく、和食や洋食などテイストの違う料理を作るときにも隠し味として気軽に使っていただけます。

また、熟成期間が8年を超える紹興酒は、甘みや奥行きのある芳香を加えることができるので、アクセントとして少量用いるのが良いでしょう。煮物に限らず、餃子を蒸す時に少しだけ振りかけてみたり、中華風の炊き込みご飯やチャーハンに少し加えることで、ぐっと味が引き立ち、本格的な味に近づきます。

初めて紹興酒を使いたいという方には、宝酒造の「料理のための紹興酒」がです。使いやすいサイズと、手軽なわりに本格的な味を楽しめるので、一度試してみたいという方にはです。

味付けの時に紹興酒の代わりになるのは?

一方、料理の調味料として紹興酒を使いたいとき、代用できるものはあるのでしょうか。例えば、料理の過程で臭み消しや素材を柔らかくするような、お酒全体に共通する特徴を利用したい場合、同じ醸造酒でもある日本酒がです。一般的な調理用酒でも十分代用できるでしょう。

また、紹興酒のもつ深い甘みやコクを期待するのであれば、みりんを使うとよい味付けになります。特に本みりんは、紹興酒と同じくアミノ酸のうまみ成分も持ち、味に奥行きを加えてくれます。

ただし、紹興酒のもつ独特の香りや風味を使いたいのであれば、他の調味料で代用するのは難しいでしょう。特に、紹興酒漬けや紹興酒蒸しなど、紹興酒が味付けの決め手となるような料理の場合は、他の調味料で代用するよりも、ぜいたくに紹興酒をたっぷり使うことをします。

紹興酒をもっと気軽に楽しもう

最後に紹興酒の飲み方を紹介します。紹興酒は割ったりせずに楽しむのが良いとされています。一般的には常温ストレート、暑い夏には氷を入れたロックも良いですが、少し温めると香りが立ちのぼり、また違った味わいになります。ただし温めすぎると、かえって風味をつぶしてしまうので注意が必要です。

しかし、ストレートで飲むのはハードルが高いと感じる人も多いのではないでしょうか。そのような時は、いっそ気軽に割ってみましょう。ハイボールのように割ってレモンを絞ると、紹興酒の独特の風味をよりさわやかに楽しめます。

他にも烏龍茶で割るなど、紹興酒を使ったカクテルもいくつかあり、楽しみ方がとても多いお酒です。自分の好みを紹興酒の熟成期間やその特徴と照らし合わせて、自分にぴったりの楽しみ方を探してください。とっつきにくいと感じていたお酒が、思いのほか、身近なお酒に変わっていることに気づけるでしょう。
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