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くさやについて味や臭いの特徴6つ|くさやの作り方

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日本で最も臭いといわれる「くさや」

くさやとは、伊豆諸島の特産品として有名な魚の干物で、世界で5番目に臭いと言われています。材料の魚は、ムロアジ、シイラ、トビウオ、サンマなど色々な種類があります。

作り方は、魚の内臓や血合いを取り除き開いた魚を、塩を入れた「くさや液」という発酵液に1~2日浸潤させ発酵させてから洗い流し、天日干しにして乾燥させます。

独特で素朴な旨味があるくさやは、島人により守り継がれ熟成され、保存性に優れた食材です。

くさやについて知ろう!

くさやは好きな人はたまらなく好きな食材ですが、多くの人は「臭い」という特徴だけしか知らないのではないでしょうか。

しかし、臭いというだけで倦厭していてはもったいないです。ここでは、臭いけど美味しいくさやについての知識をご解説します。

1:くさやの発祥

くさやは室町時代に形が作られ、江戸時代に日本橋の魚河岸でくさやと命名されます。

当時伊豆諸島では幕府に塩納していました。塩は貴重であり、魚の塩漬けに塩水を使い回すことで魚の成分や味が塩水に蓄積し、微生物なども作用し塩水が発酵しました。これが熟成されくさや独特の風味を醸すようになり、これを改良してくさや液ができました。

また海鷹が捕った魚に海水がかかり、自然発酵したのを食べたのを発祥とする説もあります。

2:どんな臭いなのか

くさやの臭いは独特で、食べても大丈夫なのか不安に思うほど強烈な臭いを発します。特に焼いている際のくさやの臭いは凄まじいといいます。

臭いを例えると、魚の腐ったような臭いやドブの臭い、何かが腐ったような腐敗臭、公衆トイレ、動物園などです。他にもたくさん例えがあるようですが、どれも書くことさえ躊躇するものばかりです。

「くさや液」とは

くさや液とは魚を漬ける塩水で、臭いの原因です。数十、数百年の間塩を継ぎ足され、発酵し続けます。

くさや液の造り方は極秘で、代々その家に伝えられます。手入れは主に女性が行い、くさや液は島の嫁入り道具でした。

くさや液は古いほど干物の旨味が出て、二百年以上前から保存されるものもあります。ただ同じくさや汁を連続して使うとくさやができなくなるので、何回か使ったくさや液は暫く休ませ、新しい魚で栄養を補給します。

3:どのくらい臭いのか

臭みの強さを計る単位をAuといいます。世界の臭い食材を上からいうと、開缶直後のシュール・ストレンミングは8070Au、ホンオ・フェは6230Au、エピキュアーチーズは1870Au、キビヤックは1370Au、そして焼きたてのくさやは1267Auです。

ということで焼きたてのくさやは、486Auの鮒鮓や452Auの納豆の3倍ほど臭いです。ちなみに焼く前のくさやは447Auなので、納豆の方が臭いです。

4:どうして臭いのか

くさやの臭いの原因はくさや液ですが、くさや液はなぜ臭いのでしょうか。

くさや液は元々は塩水で、それを使い回していく中で、微生物が魚に含まれるタンパク質や脂質を栄養源として活動し、発酵が進みました。これが長い年月で使用され現在のようなくさや液になったといわれています。

くさや独特の臭いは、くさや液の中の微生物の働きによるもので、その成分はアンモニア、イオウ化合物、酪酸などによります。
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5:どんな味なのか

その強烈な臭いばかりが取り上げられるくさやですが、その味はどんなものでしょうか。

食べた人の感想としては、確かにものすごく臭いのですが、それを跳ね返すほどのインパクトで美味しいといいます。普通に売られている干物よりも意外にしょっぱくないので、噛むほどに魚の味がしみ出てきます。そこにくさや液独特の甘みや旨味が加わり、特に日本酒にぴったりだと言う方が多いです。

例えるなら、干物を濃厚にした味に似ています。

6:くさやは健康食品

くさやは臭くて美味しいだけでなく、栄養価が高い健康食品でもあります。

発酵食は栄養価が高い傾向にありますが、特にくさやは良質のたんぱく質やカルシウム、アミノ酸などが一般的な干物に比べて豊富です。

DHAやEPAが豊富、カルシウムがあじの開きの20倍以上、何種類もアミノ酸が豊富、コエンザイムQ10が含まれているなど、多くの栄養が摂取できます。健康に興味があるなら、一度試してはいかがでしょうか。

くさや初心者はこちらでトライ!

くさやを試してみたい初心者向けのくさやの瓶詰めです。くさやは焼いた時に強烈な臭いがするといいますが、この瓶には焼いて骨を抜いた、くさやの身の良い(背の)部分が入っているため、焼く際の臭いや手間が省けます。すぐに食べられるメリットもあり、瓶なので食べない時は蓋を閉めれば臭いもしません。

干物の方が美味しいという意見もあり、瓶詰めが苦手だったら、ぜひ干物も買ってその臭いと味を確かめてみましょう。

くさやの作り方

そんなくさやの作り方についてご紹介します。作り方は意外とシンプルで、実際に個人で作ってみたという人も存在し、ネットではその過程が紹介されたりもしています。

ちなみにくさやの作り方は「ウォッシュチーズ」という外国の食べ物に非常に似ています。塩水やマール、ワインやブランデーなどの液体を定期的に吹き付けて熟成させ、独特な臭気もくさやに近いといいます。

1:魚をひらく

新鮮な魚を用意します。魚は赤身以外なら何でも良いです。最初にこれを開きます。

まず、えらぶたを持ち上げながら魚を押さえ、包丁の刃を尾のほうに向けて引き、腹を割きます。次に包丁の先で、腹わたを丁寧にかき出します。中骨に沿うように包丁を引き、尾の付け根まで完全に開きます。この時背の皮まで切らないようにします。最後に頭を手前にして包丁の刃元の部分で頭をバリッと割きます。

これを水洗いし血を洗い流します。

2:くさや液に漬ける

くさや液は、魚を塩漬けし一年ほど放置して作った魚醤をろ過し、塩分濃度が4%~13%になるために水を加えたものをくさや液として使います。

このくさや液に先ほどの魚を、余分な水分をキッチンペーパーで拭き取ってから漬けます。これにラップを落し蓋の代わりにピタッと付けます。このまま常温で置いておきます。

半日後、魚を裏返してまたラップをピタッと付けます。さらに一日後、ラップを剥がします。

3:干す

水洗いし、キッチンペーパーで余分な水分を拭き取ってから、ネットに入れてベランダに干します。

臭いに釣られて虫がネットからすり抜けてくさやに付いたら困るので、対策として蚊取り線香を4つほど置くと良いです。

4:くさやの調理方法

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完成したくさやは、炭火で焼くと美味しいですが、焼く時の臭いが強烈なので、換気しながら焼くのが良いでしょう。味は旨味たっぷりで、熟成チーズのような味です。臭いは段々慣れてくるので、一度挑戦してみてはいかがでしょうか。

焼く以外にも、くさやを玉ねぎやキノコと共にごま油で炒めた和風パスタや、お茶漬け、炒飯、アボカドと合わせディップにするなど、調理の幅は広く、料理のアクセントにもなります。

くさやは1度食べると癖になる!

臭さばかりが取り上げられる珍味のくさやですが、そこを乗り越えればくさやの味は癖になります。薫製やチーズなどの臭みが好きな人にとっては、くさやはまさにその王様といったところでしょうか。

くさやを食べる文化のない地域では、あまり馴染みがなく、食べたことがない人も多いでしょう。しかし今ではネットでも簡単に手に入るので、気になった人はぜひ一度試してみて下さい。臭さの向こうの旨さに出会えるはずです。

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