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ブランデーのナポレオンの種類|値段/飲み方/XO/特級表示

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ブランデーを飲んだことがありますか?

ブランデーと聞くと高級なイメージを持つ人が多いでしょうが、特に若い人にとってはどちらかというと、なじみの薄いお酒ではないでしょうか。

ブランデーは、ウィスキーとどう違うのか聞かれても、答えられる人はきっと少ないことでしょう。また、ボトルに「ナポレオン」や「V.O.」といったような文字をよくみかけますが、どういう意味や違いがあるのかわからないという人も多いです。

今回は、そんなブランデーについての基礎知識やブランデーの中でも特に「ナポレオン」について、詳しくご紹介していきます。

ブランデーとはどういうお酒?

ブランデーとは、語源はオランダ語の「焼いたワイン」を意味し、果実酒を蒸留させて作ったお酒の総称です。オランダ語では「ブランダウェイン」、アメリカに渡り「ブランディワイン」となり、ワインがとれて「ブランディ」として広まったといわれています。

つまり、ワインを蒸留させて作ったお酒がブランデーということです。主に白ブドウのワインを蒸留して樽などで熟成させたものを指しますが、他にはサクランボから作ったチェリーブランデー、りんごのアップルブランデーといったものもあります。

蒸留酒ということで、アルコール度数は高く平均すると40~50度ぐらいありますが、同じくらいの度数のウィスキーと比べると、甘い香りで口当たりがまろやかなため、度数が高いわりには飲みやすいお酒だと感じる人が多いお酒です。

「ナポレオン」とは?

ブランデーのボトルに書いてある「NAPOLEON(ナポレオン)」とは、何を意味するものなのでしょうか。ブランデーの銘柄と勘違いしている人もいるようですが、実はナポレオンとはブランデーの熟成度を表す符号です。

ブランデーの主な熟成度を表す符号

◆3つ星(スリースター)→7~10年熟成させたもの〈コニャックとアルマニャックは最低蒸留後3年たった原酒を使用したもののみ表示可能〉
◆VO→very old(とても古いものという意味)11年~15年熟成したもの
◆VSO→very superior old (とても優れた古いもの)16年~20年熟成したもの

◆VSOP→very superior old pale (とても優れた古い澄んだもの)
 20年~30年熟成したもの〈コニャック、アルマニャックでは蒸留してから5年以上経った原酒を使用したもののみ〉
◆VVSOP→very very superior old pale(とてもとても優れた古い澄んだもの)
 通常30~40年以上熟成したもの

◆ナポレオンクラス→熟成が最高ランクのもの
 コニャックは7年~30年熟成したもの(コント6以上)の規定あり
 アルマニャックは5年~12年熟成(コント5以上)の規定あり
◆XO→extra old コニャックはコント6以上、アルマニャックはコント5以上
◆Hors d’age(オールダージュ)→コント6以上〈ナポレオンクラス以降はコニャック、アルマニャックでは蒸留してから7年以上経った原酒を使用したもののみ〉

コント7以上の基準は決められていない他、ナポレオンやXOには上限がないので、同じナポレオンでも熟成年数に大きな開きがあり、ナポレオンと名をつけていてもピンからキリまであるということです。

なぜ「ナポレオン」なのか?

最高ランクの熟成度を持つブランデーになぜ「ナポレオン」という符号がつけられたのかというと、フランスの皇帝ナポレオン一世に男の子が生まれたとき、コニャックのメーカーが祝意を表すために、ブランデーに「ナポレオン」という名前を付けたことが由来とされているという説があります。

また、セントヘレナ島に流されたナポレオンに、彼と親しい間柄のコニャックメーカーの創業者がコニャックを送り、それを盗んで飲んだイギリス兵が「さすがナポレオンのコニャックだ」と叫んだことからきているといった説もあり、ナポレオンと符号をつけた由来は諸説あるとのことです。

皇帝の名を付けたことから確かに高級感が出ますが、安いお酒ばかり作っているメーカーにおいては、その中でもまだましなものに対しても「ナポレオン」という名をつけているところもあるので、すべてが高級ブランデーかというとそうではないということです。

コニャックやアルマニャックとは?

コニャック

コニャックとは、フランスのコニャックという町の周辺で作られているブランデーのことをいいます。原料には「ユニブラン」という品種の白ブドウが使われ、銅製のポットスチルを用いて2回単式蒸留を行って得たアルコール度数約70%の精留分を、2年間オーク樽で熟成させてから水で40%の度数に希釈して作られたブランデーです。

アルマニャック

アルマニャックは、フランス西南部のアルマニャック地方で作られているブランデーです。ルイ15世にも愛されたブランデーで、フランス最古のブランデーはアルマニャックだといわれています。

ブドウの品種は「ユニブラン」の他に「フォル・ブランシュ」「コロンバール」といったものも使われています。半連続式蒸留という伝統的な製法を使い、コニャックが2回蒸留を行うのに対して、ゆっくり時間をかけて1回蒸留したものを使って作られています。
コニャックもアルマニャックもその地方でしか作られないもので、定められている製法で作ったものだけが名乗れるブランデーの一種です。シャンパーニュ地方で作られたスパークリングワインだけが「シャンパン」と名乗れるのと同様で、どちらも高級ブランデーとして並び称されている、品質のいいブランデーであることは間違いありません。

ブランデーの「コント」って何?

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ブランデーの熟成年数を表す単位のことを「コント」といいます。コント00は蒸留した年、コント0が熟成1年目になり、熟成2年目がコント1になります。コニャックとアルマニャックのコントには少し違いがあります。それはコニャックは4月1日~翌年3月末まで、アルマニャックは5月1日~翌年4月末までが周期となっているからです。

ブランデーのほとんどがいろいろなコント(熟成年数)のものを調合して瓶づめされています。等級は、その中で一番小さいコントの数で決まり、例えばコント2と3と4を調合している場合、等級はコント2の表記となります。

ブランデーはどうやって熟成させるの?

ブランデーは、蒸留した原酒をオーク樽の中で長期間保存することによって熟成されます。最初のブランデーは無色透明で、度数が70度ぐらいあります。

時間をかけてじっくりと熟成させることによって、度数が40度ぐらいになるとあの琥珀色のブランデーになります。蒸留酒は一般的に、熟成年数が長ければ長いほどまろやかな味わいとなり、飲みやすくなるといわれています。

なぜオーク樽が使われるのか?

オーク樽とは、Oak(オーク)樫の木で作られた樽のことをいいます。ブランデーだけでなくワインやウィスキーの熟成にも使われています。なぜ、樫の木がお酒の熟成に適しているかというと、樫の木は繊維の目が詰まっているので、液体を入れるのには漏れにくく、長年使用するにあたって頑丈なことがあげられます。

もう一つ重要なことは、樫の木に含まれるタンニンやポリフェノールなどの成分が、樽酒特有の香りをつくるのに必要不可欠であるためです。

種類別ナポレオンのブランデーについて

熟成年数に開きがあり、ピンからキリまであるとされるナポレオンですが、コニャックにおいてはコント6以上のもの、アルマニャックでは5以上のものにしか与えられない符号となっています。こういったことからも、ナポレオンはブランデーの中でも最高ランクであることには違いありません。

そんなブランデーナポレオンには、色々な種類のものがあります。主なものをあげて詳しくみていきましょう。

最高クラスのブランデー「XO」

XO(エックスオー)とはExtra Old(エキストラオールド)のことで、熟成期間が長いブランデーにつけられる等級で、製造元によって違いがありますがおおむね50年以上熟成させたものをいうことが多いといわれています。

これまでXOは、ナポレオンとほぼ同じような熟成年数といわれてきましたが、実際のところはXOの方がナポレオンより熟成年数は多く、クラスが上だといわれています。

レミー

『レミー』の愛称で親しまれているレミーマルタンは、1724年創立のフランスのコニャックメーカーで、知名度が高くコニャックの代名詞といっても過言ではない、ある高級銘柄の一つです。

ヘーゼルナッツやバニラなどの香りと上品な甘さを兼ね備えた、まろやかで口当たりのいいブランデーです。美しいボトルに詰められた「レミーマルタン・ルイ13世」というブランデーは、価格が20万円以上するものもあります。

「レミーマルタンナポレオン」

「レミーマルタンナポレオン」は古酒として貴重価値があり、価格には幅があってインターネットなどで約6,000円~約30,000円ぐらいで取り引きされています。美味しい飲み方は、常温でストレートゆっくりと香りを楽しむように飲みます。その他にオンザロック、水割りは氷を入れずに1対1で合わせる飲み方がです。

ヘネシー

ヘネシーは、アイルランド人の将校リチャード・ヘネシーによって設立され、250年以上の歴史を誇るコニャックブランドです。この会社は、ルイ15世統治下のフランスに彼が移住して、コニャック地方で立ち上げました。

今では、世界中に愛されるコニャックブランドへと成長しています。ヘネシーのコニャックは、たくさん飲んでも二日酔いしないなどといわれるほど、品質が良いとされています。

「ヘネシーコニャックナポレオン」

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「ヘネシーコニャックナポレオン」は古酒として売られていて、値段は700mlで16,200円です。アルコール度数は40度、貴重なブランデーとしてインターネットのオークションなどでも出品されています。

飲み方は、基本ストレートです。温度はそのままの温度、室温で飲むのが美味しいといわれています。グラスに注ぐ量は40~50mlぐらいで、ゆっくりと香りを楽しみながら飲むのがブランデーの味わい方だとされています。

CAMUS(カミュ)

カミュは、伝統を大切にしている高級コニャックで有名なメーカーです。150年以上の歴史があり、最大級の規模を持っています。経営は家族経営を行っていて、伝統と歴史のあるコニャックブランドだといわれています。

まろやかで柔らかい口当たりといわれるカミュのコニャックは、我々日本人にも飲みやすいブランデーとしてがあります。

「カミュナポレオンレアオールド」

コニャックの名門といわれるカミュが作っている「カミュナポレオンレアオールド」は、アルコール度数40度700ml入りで8,140円で売られています。

飲み方のは常温ストレートです。日本人に合うというカミュのブランデーは、今までブランデーを口にしたことのない人が、初めて試してみるブランデーとして選んでみるのもいいしょう。まずは、味を確かめるためにストレート、そしてオンザロックや水割りなどで飲んでみてください。

ルイドール

ルイ王朝の華やかだった時代に、歴代の王様が自分の肖像を刻んで作った金貨をルイドールといい、その名をとったブランデーに「ルイドールナポレオン」というのがあります。「LOUIS D’OR(ルイ ドール)」の D’ORドールには『黄金の』といった意味があり、ルイドールには『黄金の液体』といった意味も含まれています。

「ルイドールナポレオン」

このブランデーは、フランスのシュミノー・フレール社が作ったもので、日本のキリン・ジーグラム社(現在のキリンディスティラリー社)が以前輸入していました。

現在は、通常販売されていないようですが、小売価格は3,470円でインターネットで古酒として売られています。また、現在キリンディスティラリー社は輸入していないため、インターネットオークションで出品されたりもしています。

ルイドールナポレオンはマイルドな味わいで、飲み方はやはり常温ストレートがいいでしょう。ルイドールに限らずあまりお酒が飲めないという人は、コーヒーに数滴たらしてみたり「カフェロワイヤル」にして飲むのもです。

また、ブランデーはカクテルなどにも使われて飲まれています。ブランデーベースのカクテルといえば、レモンを使った「サイドカー」やカカオの入った「アレキサンダー」などがあります。

カフェロワイヤルとは?

カフェロワイヤルとは、角砂糖にブランデーを染みこませたものをスプーンにのせて火を灯し、それをカップに淹れたコーヒーに沈めて飲む方法のことをいいます。角砂糖に沁み込んだブランデーは火を灯すと青い炎になり、ブランデーの香りをより一層引き立たせます。

お酒の好きな人はもちろん、お酒は少し苦手だけとコーヒーは好きという人には、ブランデーを楽しむ方法のひとつとすることもできるでしょう。

特級表示のナポレオンのブランデーとは?

1953~1989年4月までは、原酒混合率30%以上の蒸留酒はすべて「特級」という表示がありました。海外の蒸留酒はすべて原酒混合率は100%だったので、当然「特級」の表示がありました。

しかし、1989年4月以降は酒税法の改正により「特級」という表示はしなくなったことから、特級表示のあるものは古酒ということになり、ナポレオンクラスのブランデーには希少価値がうまれ、現在数十万円もするものもあるということです。

質の高いブランデーナポレオンを楽しみましょう!

ブランデーのナポレオンという等級は、コニャックやアルマニャックに関しては厳しい規制がありますが、無名ブランドのナポレオンには表示に規制がないために、必ずしも熟成期間が長いものばかりではないものもあるということです。

ブランデーのナポレオンと名乗るものには、そういったことから価格にも大きな差があります。2,000円前後で箱がなかったり、粗末なボトルで売られているものは、良く調べてから購入した方がいいでしょう。本物の高級ブランデーナポレオンを楽しむには、ある程度の出費が必要です。

ブランデーナポレオンの飲み方

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ブランデーナポレオンの飲み方は、基本常温ストレートです。水割りやソーダ割といった飲み方もありますが、ブランデーは香りを楽しむお酒です。ヨーロッパ圏では水割りを注文すると変人扱いされることもあるので注意してください。

この頃は品質がよくなっていることから、ブランデーグラスを使わずに手の体温が伝わらないよう細身のくびれた形状のグラスを使うのがいいとされています。せっかくのブランデーナポレオンです。時には美味しい飲み方にこだわって楽しんでみるのもいいのではないでしょうか。
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