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場所別 苔の種類・育て方と見分け方
グリーンを部屋で楽しむ方も増えていますが、今、が上がってきているのが「苔(こけ)」です。苔玉としてアレンジするもよし、他の観葉植物や盆栽などと合わせるて楽しめる他、苔で作るテラリウムを楽しむ人も増えてきています。
水やりの頻度も少なく、ミニサイズのものなら初心者にも育てやすいです。今回は、場所別、苔の種類と育て方や見分け方を紹介します。
水やりの頻度も少なく、ミニサイズのものなら初心者にも育てやすいです。今回は、場所別、苔の種類と育て方や見分け方を紹介します。
苔の性質
苔は、数百種類ありますが、「苔」として大きく一括りで見てみるとある程度似たような性質を持っています。苔がもつ基本の性質を紹介します。
苔
苔は、地面や岩の上などに張り付いて成長し広がっていく植物です。地衣類やシダ植物、藻類の中には「苔」の名前がついている種類の植物があります。
コケ植物は「苔類(たいるい)、蘚類(せんるい)、ツノゴケ類」を総称したもので、苔類には、ゼニ苔、ジャ苔などが挙げられるでしょう。また蘚類には、スギ苔、ミズ苔があります。ツノゴケ類には、ツノゴケがあります。
苔は、2万種という品種がある中園芸に向いている種類は、藻類だけでも1000種類あるそうです。しかも日本国内だけでです。さらに園芸用として用いられるものは20種類位になります。入手しやすく育てやすい苔となると、ほんの数種類になります。
コケ植物は「苔類(たいるい)、蘚類(せんるい)、ツノゴケ類」を総称したもので、苔類には、ゼニ苔、ジャ苔などが挙げられるでしょう。また蘚類には、スギ苔、ミズ苔があります。ツノゴケ類には、ツノゴケがあります。
苔は、2万種という品種がある中園芸に向いている種類は、藻類だけでも1000種類あるそうです。しかも日本国内だけでです。さらに園芸用として用いられるものは20種類位になります。入手しやすく育てやすい苔となると、ほんの数種類になります。
仮根
一般的に植物は、土に根を張りそこから栄養分や水分を吸収しています。ところが苔は、種子植物でいうところの「根」はありません。ただし根に似た部分があります。それを「借根」と言います。仮根は、石や土壌、府木上に自分の身をくっつけておくための役割を持っています。
苔は、茎と葉から養分や水分を吸収しています。養分と言っても肥料を与える必要はありません。水と光、そして空気があれば苔は丈夫に育ちます。
苔は、茎と葉から養分や水分を吸収しています。養分と言っても肥料を与える必要はありません。水と光、そして空気があれば苔は丈夫に育ちます。
湿度
大体の苔の種類は、湿気を好みます。湿度100%というような環境ならよく育つというわけでなく、日照と湿度のバランスを図ることが大切です。そのバランスについては、苔の種類によって異なります。
苔テラリウムは、ガラスにおおわれた容器をつかうので急な温度変化を起こしにくく、その狭いガラス容器の中は、土や苔からの蒸散による高湿度状態を保つことができます。
苔テラリウムは、ガラスにおおわれた容器をつかうので急な温度変化を起こしにくく、その狭いガラス容器の中は、土や苔からの蒸散による高湿度状態を保つことができます。
日光
多くの苔は適度な日差しは好みますが、直射日光は好みません。ギン苔のような丈夫な苔でも直射日光が当たっていると繁殖のスピードは落ち、集落形成が進みません。
苔を育てるなら、屋外なら木漏れ日の指す環境、室内なら部屋の中心部に置くと良いでしょう。
苔を育てるなら、屋外なら木漏れ日の指す環境、室内なら部屋の中心部に置くと良いでしょう。
風通し
室内で苔を育てる場合、一般的に多くの方が困るのが「カビ」です。苔とカビの生育環境は、似ている部分が多いため、苔と同時にカビが生えることがあります。唯一違いがあるとするなら、カビは高温多湿の蒸れた環境を好むものですが苔は違います。苔は、蒸れが苦手です。蒸れたところから腐敗したり、茶色に変色することもあります。
口の小さめなテラリウムの場合、季節によっては容器の中が蒸れた状態になりがちです。そんな時は、涼しい場所に置いたり空気を吹き込んだりしましょう。風を入れて空気を動かすことで、カビ予防になります。
口の小さめなテラリウムの場合、季節によっては容器の中が蒸れた状態になりがちです。そんな時は、涼しい場所に置いたり空気を吹き込んだりしましょう。風を入れて空気を動かすことで、カビ予防になります。
苔の選び方
人口生産されている苔もあり、その中には流通量の多いものがあります。そういったものは、店舗やネットで比較的安く手に入れることが可能です。それ故に、研究や実践によって得た管理方法などの情報が比較的手に入れやすいです。
また苔は、種類によって植え付けに適した管理の方法などが違ってきます。苔園芸が初めての場合、自己流で失敗しないよう育てる苔の管理方法などを事前に調べておきましょう。
また苔は、種類によって植え付けに適した管理の方法などが違ってきます。苔園芸が初めての場合、自己流で失敗しないよう育てる苔の管理方法などを事前に調べておきましょう。
育てる環境にあった苔を選ぶ
[no_toc]元々、民家の庭や人里に近い山に自生している苔がありますが、このような環境にあった苔は、自宅の庭などに定着させて繁殖させやすいです。ですが深い森林の中などに自生している苔は、自宅でその環境を再現することが大変難しいためできません。
場所別苔の種類
苔は、ホームセンターのガーデニングコーナーなどに売られていますが、家の周辺を散歩していると意外と苔を目にする事があります。場所別の苔の種類を紹介します。
道端
道端でよく見かける苔としては、スギ苔やヒムロ苔があげられます。またこんもりとした感じの苔なら、濃い緑色をしたホウソウリ苔や明るい緑色をしたギン苔があります。
庭
庭など住宅周辺で見かける苔は、スナ苔やゼニ苔があげられます。
水槽
水槽内で生えやすい苔は、茶苔(けいそう)、糸状藻、アオミドロ、のり状藻、アオコ、斑点状藻などがあります。
コンクリート
コンクリートの上の方で目にするのがギン苔、ラセン苔、ヒロハツヤ苔などがあります。
苔の種類別の育て方
種類別の苔の育て方を紹介します。
スギ苔
スギ苔は、苔の種類の中でもっともポピュラーな苔です。スギ苔は、お寺や古いお宅などでよく見られます。名前のとおり杉のような葉とはっきりとした茎を持ち、上へ上へと成長します。張る時は、下地際に水持ちの良い改良材入れ、乾燥に弱い苔のため庭の中に入る風は遮断しましょう。ただし日当たりの良い場所に張り水はたっぷりとあげましょう。
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スナ苔
スナ苔は、茎は直立し高さが2~3㎝程度で不規則に枝をだし、借根はあまりつかないのが特徴です。葉は、茎につけます。そして先端は灰白色で不透明になりますが、植物全体としては黄緑色で胞子体は余りつず、地下茎で増えていく種類の苔です。
庭では、日の当たる場所で畑土と川砂を半々くらいに、そして多めに混ぜ合わせた用土に塊のまますくし深めに差し込んで移植すると早く成長しはじめます。
成長が良く強い苔ですからまき苔法で植え付けても難しくはないでしょう。また石付けにするときは小さな塊を窪みにケト土で固定すると良いです。目土は、川砂を多くするか、川砂単体を薄く巻くのも良いでしょう。
庭では、日の当たる場所で畑土と川砂を半々くらいに、そして多めに混ぜ合わせた用土に塊のまますくし深めに差し込んで移植すると早く成長しはじめます。
成長が良く強い苔ですからまき苔法で植え付けても難しくはないでしょう。また石付けにするときは小さな塊を窪みにケト土で固定すると良いです。目土は、川砂を多くするか、川砂単体を薄く巻くのも良いでしょう。
ハイ苔
ハイ苔は、適度な湿度と日当たりを必要とする種類です。茎は、横に這って両側にたくさんの枝を出して成長します。葉を茎に螺旋状につけ密生します。このような性質からある程度保水力を持っているので苔玉や庭苔に向いているでしょう。
乾燥すると葉が委縮し、色合いが悪くなります。そのようなことにならないためにたっぷりと水分を与えるよう気をつけましょう。ただし、真夏の日中に水をやると高温のため蒸れてしまいます。真夏の日中は、日陰に移動させ気温が下がってから水を与えてあげましょう。
乾燥すると葉が委縮し、色合いが悪くなります。そのようなことにならないためにたっぷりと水分を与えるよう気をつけましょう。ただし、真夏の日中に水をやると高温のため蒸れてしまいます。真夏の日中は、日陰に移動させ気温が下がってから水を与えてあげましょう。
苔の種類の見分け方
日本には、1800種類もの苔が生息しています。それらすべてを覚えることはなかなかできないことですが、見るポイントを抑えておけばある程度種類を絞り込むことができます。では、苔の見分け方のポイントを紹介しましょう。
葉の生え方
苔には、茎と葉があり、茎が葉に対してどう生えているかを見るのがポイントです。茎を中心にして対となるように左右に葉があるか、茎を中心にして色々な方向に葉が向いているのかをチェックしましょう。
葉の生え方というのは、種類の見分けにとても役立つ情報の一つです。必ず確認しましょう。
葉の生え方というのは、種類の見分けにとても役立つ情報の一つです。必ず確認しましょう。
葉の形
苔の種類によって葉の形は違います。葉の形だけでなく葉先も観察しましょう。先のとがっているものや丸いもの、ギザギザしたものなどいろいろな形の葉があります。
肉眼では確認しきれないことがあります。ルーペをつかっては先までしっかり確認しましょう。
肉眼では確認しきれないことがあります。ルーペをつかっては先までしっかり確認しましょう。
中助の有無
葉の中央を走る太い葉脈の事を「中肋」と言いますが、葉の表面に中助がないか確認しましょう。中肋があれば、その苔は蘚類とみて良いでしょう。また苔の種類によって、中肋が長いものや短いもの、完全にないものもあります。中には、日に透かさないと目にできない種類のものもあります。さまざまな角度から見るようにしましょう。
無性芽
植物組織の一部が母体から離れて新個体となるために行う際にできる繁殖するための器官が「無性芽」です。例えば、ゼニ苔はカップ状の無性芽がつきます。ハマキ苔なら突起状の無性芽をつけます。
苔の種類によって無性芽は、さまざまな色や形があります。
苔の種類によって無性芽は、さまざまな色や形があります。
コケリウムの苔の種類
好みのガラスボトルに土を入れ、苔はじめ植物やオーナメントで自由な世界をつくる小さな植物園のようなものをテラリウムと言います。「テラリウ」と「苔テラリウム」は同じようでいて実は違います。
「テラリウム」は、苔だけでなく多肉植物やシダなど小ぶりな観葉植物を好みに配置した物です。「苔テラリウム」は、名前のとおり苔を主役にしてテラリウムを作ったものをいいます。ではテラリウムに向いた育てやすい苔を紹介します。
「テラリウム」は、苔だけでなく多肉植物やシダなど小ぶりな観葉植物を好みに配置した物です。「苔テラリウム」は、名前のとおり苔を主役にしてテラリウムを作ったものをいいます。ではテラリウムに向いた育てやすい苔を紹介します。
ヤマ苔
ヤマ苔は、乾燥に強く盆栽や苔庭に良く用いられています。乾燥に強い苔ではありますが、乾燥しすぎると葉色が白く褪せてしまいます。
空気中の湿度を維持できるテラリウでは、鮮やかな緑色を常に保って育てられるでしょう。ただ多湿環境で育成していると葉が上へ上へと伸びていきます。そのため小まめなトリミングが必要です。
トリミングを怠っていると光が当たらない根元部分が白くなります。そして草体が肉厚です。高さを抑えたいなら風通しを良くして乾燥気味にしていると良いでしょう。
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空気中の湿度を維持できるテラリウでは、鮮やかな緑色を常に保って育てられるでしょう。ただ多湿環境で育成していると葉が上へ上へと伸びていきます。そのため小まめなトリミングが必要です。
トリミングを怠っていると光が当たらない根元部分が白くなります。そして草体が肉厚です。高さを抑えたいなら風通しを良くして乾燥気味にしていると良いでしょう。
エゾスナ苔
日当たりが良くて乾燥気味な場所に自生するエゾスナ苔は、湿度の高いテラリウムでは姿が変化し、上に向かってひょろひょろ伸びます。乾燥に強い種類の苔なので、フタの内容器を使い、日の光をたっぷりとあてて育てるなど鉢植えもです。
湿気の逃げ場の内容器を使うと育て始めの環境に苔が適応できずに弱ってしまう可能性があります。夏は、水分量を少なめに調整し管理しましょう。
エゾスナ苔は、乾燥すると葉が閉じ、水をやるとぶわっと開く様子の変化も楽しみの一つです。
湿気の逃げ場の内容器を使うと育て始めの環境に苔が適応できずに弱ってしまう可能性があります。夏は、水分量を少なめに調整し管理しましょう。
エゾスナ苔は、乾燥すると葉が閉じ、水をやるとぶわっと開く様子の変化も楽しみの一つです。
スギ苔
スギ苔は、石組と相性が良く、日本庭園には欠かせない種類の苔です。山地を中心に自生し、生育環境により葉の大きさや色に違いがあります。どちらかというと乾燥が強い種類ではありますが、多湿環境でも育てることは可能です。
苔丈が毎年伸びるので、その成長に伴って茎の根元が茶色くなります。色褪せが気になってきたら、根本柄バッサリと切って植えなおした方が良いでしょう。またスギ苔は、上に向かって伸びるのが特徴です。植える際は、高さのある容器を選びましょう。
苔丈が毎年伸びるので、その成長に伴って茎の根元が茶色くなります。色褪せが気になってきたら、根本柄バッサリと切って植えなおした方が良いでしょう。またスギ苔は、上に向かって伸びるのが特徴です。植える際は、高さのある容器を選びましょう。
ヒノキ苔
ヒノキ苔は、山地に自生し、大きくてふんわりとした房状の群落を作る種類の苔です。一本一本が非常に細かな葉で、それは柔らかくて美しく、見て楽しむことができます。低光量、高湿度を好み、テラリウム向けの苔と言ってよいでしょう。
成長の早いヒノキ苔は、適した場所で育てることで新芽が次々に芽吹いていきます。新芽が出てくると元の苔は枯れてしまうことがあります。茶色くなってきたなと感じたら茎からカットしましょう。そして伸びてきた苔を新しい土に植えていってください。
ヒノキ苔は、乾燥に弱く空気中の湿度が足りなくなってくるとすぐに葉を閉じてしまうので、フタのある容器に入れましょう。また高温には弱い種類なので、夏場は涼しいところにおいてあげましょう。
成長の早いヒノキ苔は、適した場所で育てることで新芽が次々に芽吹いていきます。新芽が出てくると元の苔は枯れてしまうことがあります。茶色くなってきたなと感じたら茎からカットしましょう。そして伸びてきた苔を新しい土に植えていってください。
ヒノキ苔は、乾燥に弱く空気中の湿度が足りなくなってくるとすぐに葉を閉じてしまうので、フタのある容器に入れましょう。また高温には弱い種類なので、夏場は涼しいところにおいてあげましょう。
タマ苔
タマ苔は、山地の湿った土壁や岩壁に生える種類の苔です。比較的湿った環境を好むため、テラリウムに向いています。空気中の湿度を一定に保てるよう蓋つきの容器がです。乾燥にも強い苔でもあるので、フタがなくても育てることはできます。
湿気を好む分、高温に弱いため夏場は涼しい場所に置きましょう。密閉容器に入れる場合、日中は室温を見て蓋を外して管理すると蒸れを防ぐことができます。
湿気を好む分、高温に弱いため夏場は涼しい場所に置きましょう。密閉容器に入れる場合、日中は室温を見て蓋を外して管理すると蒸れを防ぐことができます。
シノブ苔
山間部の日陰地の湿った地上や岩上、腐木土などにマット状に群落を作って自生するのがシノブ苔です。湿った環境を好む種類ですので、テラリウム向けの苔です。
半日陰で適度な湿り気を維持することができれば、良く育ってくれます。乾燥が続くと葉先が痛み黄色く変色するので注意しましょう。這いながら新芽を伸ばすため、低面積の広い容器を使いましょう。多湿環境で育つシノブ苔は、夏場の蒸れに気を付けて涼しい場所に置きましょう。
半日陰で適度な湿り気を維持することができれば、良く育ってくれます。乾燥が続くと葉先が痛み黄色く変色するので注意しましょう。這いながら新芽を伸ばすため、低面積の広い容器を使いましょう。多湿環境で育つシノブ苔は、夏場の蒸れに気を付けて涼しい場所に置きましょう。
ホウオウ苔
ホウオウ苔は、渓流のそばの湿った地上や岩上などに群生します。長いもので10㎝ほどになります。乾燥に非常に弱いホウオウ苔は、フタのある容器で常に高湿度な状態を保つことが大切です。湿度管理さえできれば、比較的簡単に育てることができるので、テラリウムに向いています。
ウォーターフェザーの名称で、アクアリウムで使われることもあります。
ウォーターフェザーの名称で、アクアリウムで使われることもあります。
初心者でも育てやすい苔を楽しもう
いかがだったでしょうか。今回は、苔の種類と育て方、そして苔の見分け方などを紹介しました。いろいろな種類があり、何を選んでよいのか迷われる方もおられるでしょう。初心者でも育てやすいスギ苔、ハイ苔、スナ苔などからチャレンジされてみてはいかがでしょうか。