【種類別】チューリップの育て方｜球根/水栽培/植えっぱなし

チューリップは種類がたくさんあり、そのどれもが春に美しく咲きます。綺麗に咲いたチューリップは春を感じさせ、目や香りで楽しませてくれます。茎が長く伸びた先にある存在感たっぷりのチューリップの花は、花びらがフリルになっているものや丸まっているもの、ツンっと尖っているものもあります。

チューリップはユリ科の植物で、歌や童話などにも登場するほどポピュラーな花です。チューリップの品種は世界中で5,000種とも8,000種とも言われていますが、はっきりとした数字はわかりません。日本では植物園などで栽培されているチューリップの数は150種から270種ほどだといわれています。

チューリップの種類はどのようなものがあり、どのような育て方があるのかご紹介します。小さい頃に植物を育てたことを思い出すように、チューリップの育て方を知って楽しく花を咲かせてみましょう。

おやゆび姫とは童話のタイトルですが、おやゆびサイズの小さなチューリップの名前でもあります。ミニチューリップであるおやゆび姫は茎が短いのが特徴で、赤くて可愛らしい花を咲かせます。

童話の白雪姫のように淡い白い花を咲かせるチューリップで、富山県で作られています。四月の中旬に咲く白雪姫の花は大きく存在感があり美しいです。

富山原産の初桜は4月中旬から下旬にかけて咲く花で、花びらの先に向かって白から鮮やかなピンク色へとグラデーションがかっているのが特徴です。

キレイで鮮やかな黄色をしている黄小町は、水栽培に適している品種で、茎が短くしっかりとしていて花壇や鉢植えに向いています。大きな黄色い花はチューリップらしくての高い花です。

フルーティーな香りを持つバレリーナは、先端がとがっている花びらをつけるチューリップで全体的にオレンジ色をまとっています。茎は細くて曲がりやすいので育て方には注意が必要です。

ブラック系のチューリップでが高い品種になります。八重咲のブラックヒーローは、クイーンオブナイトの突然変異の品種なので、クイーンオブナイトのように黒紫の色が美しく鮮やかです。

チューリップの育て方で、最も一般的な育て方は球根からの育て方になります。チューリップを育てる地域の気候にもよりますが、9月から11月ごろが植えるのに適していますが、土栽培の他に水栽培などの育て方によって違いがありますので、それぞれの植え方や育て方をご紹介します。

球根は市販のものを選びますがその時には注意が必要です。球根に傷がないかどうかを確認し、健康で病気になっていない球根を選びましょう。

ふっくらとした形で重みのある球根が健康なものになり、黒い斑点や変色した部分がある球根は病気になりやすく、病気になってしまった球根は他のチューリップの球根にまで影響を及ぼしてしまうので気をつけなければいけません。

土栽培によるチューリップの球根からの育て方は、球根と球根の間は10センチほどあけ、地植で植える時には、球根が土の上に出てこないようにするため、深さは球根3個分くらいまで深く入れます。鉢植えの場合は少し浅めに植え付けます。

水はけのよい球根の土を選び、なるべく涼しい場所へ植えつけましょう。肥料を与える時期は花が咲く前と咲いた後になります。

開花の時期は3月から5月になり、育て方がきちんとしていれば美しい花を咲かせてくれます。

水栽培での育て方は下準備が必要になります。健康な球根を選んだあとは紙袋などに入れて2ヶ月ほど冷蔵庫で寝かせる必要があります。これは冬という環境を人工的に作り出すことによって、球根に芽をつけるように促す効果があります。この時、氷や霜などがつかないような場所に球根を保管してください。

2ヶ月ほどたったら球根を取り出し、茶色い薄皮を優しくむいてしまいます。水栽培の場合、この薄皮がふやけてくると雑菌が繁殖しやすくなってしまいますので取っておくことが大切です。

水栽培用の容器に球根の根が出てくる部分に水がつくくらいの高さに水を入れて球根をセットします。冷暗所に置き日光が当たらないようにしますが、これは土の中にいるという錯覚をさせるために行います。

根の長さに合わせて水の量を減らしていきます。目安は根の先が水に触れるくらいの高さにすることです。芽と根が伸びてきた辺りで暖かい室内に移動させますが、この時水が減りやすくなっていきますので注意してください。

室内に移動して2週間から4週間ほどでキレイなチューリップが咲きはじめます。

チューリップの種の育て方は、一般的には行われません。なぜならチューリップは球根で株分けされて増やしていく育て方が一般的だからです。

しかし、チューリップの花にもきちんと花粉があり、花粉を交配させることによって、約300粒ほどの種ができます。この方法は主に花粉によって品種改良をする交雑育種といい、種を育てて新しい品種のチューリップを生み出すためにおこなわれます。

種からチューリップになるまでの育て方は、まず花が咲くようになる球根にするまでに5年から6年ほどかかり、品種を増やすまでに15年から20年もの歳月がかかります。

プランターでの育て方で一番大切な事はプランターの大きさを確かめることです。65センチくらいのプランターでは10個から20個ほどの球根を育てることができます。

鉢底土をプランターの底が隠れるくらいに敷き、平らにならしましょう。その上に球根の土をプランターの深さの7割程度隠れるくらいまで入れて平らにならします。

球根には向きがあり、葉っぱが出る方向や花が咲く向きをそろえることによって平均的に成長することができ、綺麗なチューリップの育て方のコツになります。

チューリップの球根を植えっぱなしにする育て方は比較的簡単ですが、長期間の栽培になりますので水やりを土が乾かない程度に行わなければいけません。地植えで植えっぱなしの場合は晴れが続き、土が乾くようなら水をあげるようにしましょう。

地植の場合は肥料をする必要はなくそのままで問題ありません。プランターでの育て方であれば液体肥料をたまに与えましょう。

植えっぱなしの場合困るのは虫や病気にかかってしまう事です。病気になってしまった球根は株ごと抜き取る必要があります。

植えっぱなしでも次の年にもチューリップを楽しみたい場合は根と葉っぱがついた状態で土に植えていてもかまいませんが、そのまま球根が土に還ることもあります。花が咲くとしても数年先という事もありますので、もしもう一度次の年にも咲かせたい場合は、葉っぱが枯れたら球根を掘り起こしましょう。

開花後のチューリップの球根の育て方は、北の方の地域に住んでいる方であれば、球根を太らせるような育て方をすれば、もう一度チューリップを楽しむことができます。しかし、暖かい気候に住む方には、チューリップの球根を育てることは難しくなります。

次の年にもチューリップの花を楽しむための球根の育て方で大切な事は、花が終わった後に花部分は取り除き、球根部分に葉っぱを残しておかなくてはいけないという事です。葉っぱが枯れるまで土に植えたままにしておき、肥料を与えながら球根を育て、葉っぱが枯れてきたら水やりをやめて球根を掘り起こします。

掘り起こした球根は陰干しした後は、通気性の良いネットなどに入れて日陰に保存しておくようにしましょう。

畑や路地などでのチューリップの育て方でまず必要なことは、土を耕してやわらかくすることです。耕した土には緩効性の肥料を使っておきましょう。チューリップは長い間土の中で育てるため、即効性のある肥料よりも後々効いてくる肥料の方が適しています。

球根の植え方はプランターとは違い深めに植えます。水やりはたっぷりと行い、冬の水やりには朝方だけにし、夕方はあげないようにするなど工夫が必要です。

チューリップは室内よりも外の気候の方が育てるのには向いています。綺麗なチューリップの花を咲かせるためには寒暖差が必要になるためです。寒さを感じた球根が冬を越すように寒い場所に球根を保管する必要があります。球根の根や芽が出るまではベランダで育てましょう。

芽が出てきたら室内でもかまいませんが、なるべく涼しい場所を選んでチューリップを育てましょう。室内は思ったよりも水切れになりやすいので土が湿っているかどうかはきちんと管理していかなくてはいけません。

チューリップの育て方のコツは球根の向きをそろえることや肥料の与え方、開花のためのケアなどさまざまあります。チューリップを美しく育てるためのポイントをご紹介しますので、育て方の参考にしてみて下さい。

肥料を上げる場合は、プランターなどの育て方には必要になりますが、地植えの場合はいりません。花が咲く前と咲いた後に少し肥料を与えることで花のもちがよくなり、開花後の球根を育てて来年もキレイなチューリップを咲かせる事ができます。

基本的には肥料を必要としないチューリップの球根はとても育てやすい植物といえます。

水やりはプランターの場合は土が乾かない程度に与えることが大切です画、地植えの場合は天候によってあげたり上げなかったりで大丈夫ですので、水やりも比較的楽に行うことができます。

チューリップなどについているアブラムシは病気になるウイルスを持っていることがあります。見つけた時にはすぐに駆除をするか、駆除用の薬剤を使うことが必要になってきます。もしウイルスによって病気になってしまった場合は、球根ごと抜いて駆除しなければ他の求婚にも影響を与えてしまいますので気をつけましょう。

チューリップは見ているだけで心に優しさを運んでくれる植物です。花も存在感のある八重咲の派手な花びらや今にも踊りだしそうなツンっと尖った花びら、フリルが上品なドレスのように風に揺れる花びら、そして香りのある品種など、五感で美しさを感じることができるチューリップの花は育て方も比較的簡単に行うことができます。

チューリップの花を育てることで穏やかな時間と空間を楽しみましょう。