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【種類別】ペパーミントの育て方|種/プランター/屋内/虫

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ペパーミントとは

分類

科・属名:シソ科ハッカ属
学名:Mentha piperita
英名:Peppermint
和名:コショウハッカ、セイヨウハッカ
原産地:ヨーロッパ大陸

多年草の植物で、ニホンハッカに比べるとメントールの含有量は低いですが、すっきりとした強いメントール臭があるハーブの一種です。乾燥させた葉を薬草や薬味として使用したり、水蒸気蒸留して精油を抽出し、香料として利用されてきました。また、ペパーミントの香料は菓子やハーブティーにも用いられています。

なお、青緑色をしたリキュールの一種であるペパーミントは、ペパーミント油をアルコール液に溶かし、砂糖や各種の方向エッセンスを基礎とし、オリーブ緑などの色素で着色した物です。

効果・効能

ペパーミントにはメントールによる強い清涼感があり、西洋では古くから軽い病気の薬として利用されてきました。その効能は大きく分けて、下記の6つの効果があります。

1.鎮痛作用・風邪の鎮静効果

頭痛や生理痛、歯痛などの痛みを和らげる効果があります。

また、呼吸器系の症状にも効果を発揮するため、咳や鼻風邪、花粉症の鎮静化にも効果があります。そのため、気管支炎の治療薬としても利用されています。

2.乗り物酔い防止

制吐効果があるので、乗り物酔いがひどい人は乗り物に乗る前にペパーミントティーを飲み、それでも気持ちが悪くなった場合はペパーミントのアロマオイルの匂いをかぐことで改善されます。

3.リフレッシュ効果

中枢神経を刺激し脳の働きを活性化してくれるので、リフレッシュ、鎮静、高揚などの効果があります。ストレスやイライラを軽減し、集中力を高める効果があります。

やる気が出ないときなどはリフレッシュ効果があるので、仕事中の気分転換にも効果があります。

4.胃腸の働きの改善

健胃効果があり、消化を助けてくれます。食べ過ぎなどで胃の調子が悪い、または胃がむかむかする時などに、ハーブティーを飲むと胃腸の調子が改善されます。

5.消臭・殺菌・防虫効果

清涼感のある香りを持つため、ガムや飴、歯磨き粉などに使われることも多く、口臭の原因となる物質を除去し口臭を予防する効果があります。また、抗炎症作用や冷却作用があるので、ニキビや皮膚炎の予防改善、日焼けした肌の冷却、脂性肌のお手入にも効果を発揮します。

6.冷え性の改善

シソ科の植物には、体の内部から温める保温効果があります。同じシソ科であるペパーミントも同じ保温効果、発汗作用があります。

血液の循環をよくする働きがあるので、冷え性の改善にも期待できるでしょう。

使用の上での注意点

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ペパーミントには母乳の出を抑制する副作用があるので、妊娠中や授乳期にペパーミントを取るのは控えましょう。ただし、適正量を守って摂取すれば問題はありません。

なおペパーミントは刺激性の強いハーブなので、精油を直接肌に使用すると逆に肌が荒れたり湿疹などを引き起こす可能性があります。また、ペパーミントオイルを摂取した場合、胸やけや吐き気、頭痛などの副作用が現れたとの報告もあります。

刺激性の強いペパーミントなので、摂取量や使用方法は必ず守るようにしましょう。

種類別ミント・その他

ハーブ

スペアミント

科・属名:シソ科ハッカ属
学名:Mentha spicata
英名:Spearmint
和名:ミドリハッカ・オランダハッカ

同じミントですが、主成分がメントールのペパーミントとは違い、約60%のカルボンと約10%のリモネンが含まれるやさしい香りのハーブです。ペパーミントと似ていますが、シュッとした葉のペパーミントと違い、葉の形がキザキザしていて繊維が浮いて見えるのがスペアミントです。

アップルミント

科・属名:シソ科ハッカ属
学名:Mentha suaveolens
英名:apple mint
和名:マルバハッカ

形は丸みを帯び、細かい毛が生えています。その名のとおりスーッとしたハッカのなかにリンゴなどのフルーティーな香りがあるミントです。マルバハッカはアップルミントのほかに、パイナップルミントやグレープフルーツミント、ジンジャーミントなどの種類もあります。

なおアップルミントは他のミントの品種よりも繁殖力がさらに強く、他種と混在で植えるのには適しません。ペパーミントと一緒に植えると、いつの間にかペパーミントが減少し、アップルミントが繁茂しているということも少なくありません。

その他

クレマチス・ペパーミント

科・属:キンポウゲ科クレマチス属
学名:Clematis florida’Pepparmint’
別名:テッセン(鉄線)・カザグルマ

まったく別種の植物ですが、名前にペパーミントとつく植物をひとつご紹介しましょう。クレマチスは蔓科の植物で、花の色や形が豊富にあるため、宿根草の植物の中でものある花です。

世界的に有名な育種家レイモンド・エヴィソン氏のコレクションで、クレマチス白万重の改良種の花です。ミントグリーンの花を咲かせ、花が咲きすすむとやがてクリーム色に変化します。自然で上品でなグリーンの花色がペパーミントのような爽やかなイメージを与える花です。

クレマチスの育て方は初心者にもさほど難しくなく、発芽までに時間がかかりますが、切り花にしても次から次へと花を咲かせるので飽きることがありません。爽やかなペパーミントカラーのクレマチスは目にも優しいので、育ててみるのも楽しいでしょう。

初心者向けのペパーミントの育て方

ガーデニング初心者がハーブ栽培を始める場合、ペパーミントは育て方が一番簡単な植物です。また、ミントの種類は地下茎で増える植物で、繁殖力と交配力が非常に強く丈夫なハーブです。

近くにハッカ属の植物があると簡単に交雑して種ができます。交雑の種は元のミントの性質を受け継がず、香りが少なくなるなど得にも益にもならないので、ミント同士は離して植えるようにしましょう。

またペパーミントの育て方は、地下茎が増えないようにレンガや仕切りなどで地下茎が広がらないようにするほか、広がりすぎたら引っこ抜くなどして増えすぎないように手入れをしましょう。

育て方のポイント

1.乾燥に弱いので、土が乾かないように水遣り管理をしましょう。土の表面が乾いたら、鉢の底から水が流れ出るくらいしっかりと水を与えます。

2.日当たりが良すぎる場所だと葉が枯れたり萎れたりするため、半日陰の風通しが良い場所で育てます。ただし、日陰過ぎると色や香りが悪くなるので注意しましょう。

3.生育適温環境は15~20℃で、暑さにも寒さにも比較的強い植物です。夏は蒸れないように剪定して風通しを良くします。また冬は地表部分が枯れたとしても地下茎は生きているので、春になると再び繁茂します。

ペパーミントの種からの育て方

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3~6月、または9~10月が種まきの適期です。ペパーミントの種からの育て方で注意する点は、種がとても小さく風に飛ばされやすいことです。風に飛ばされないように注意しましょう。

1.土は赤玉土(小粒)かパーライトを入れます。
2.種が重ならないように全体に満遍なくばら撒き、上から薄く土を被せます。
3.種が流れないように霧吹きで土を湿らせましょう。
4.土が乾かないように水遣り管理をすると、やがて10~15日ほどで発芽します。発芽したら、育成の弱い芽を間引きます。
5.本葉が4~5枚くらいまで成長したら、鉢や庭に植えましょう。

ペパーミントの苗からの育て方

苗を植える適期は4~5月、または9~10月頃です。初心者向け育て方でも説明したとおり、ペパーミントは繁殖力が旺盛です。他の品種の生育を妨げたり交雑を避けるためにも、苗からの育て方の注意点は、ミント系植物の近くに他の植物や多品種のミントなどを植えないようにしましょう。

日当たりと風通しの良い場所を選び、植え付けの1週間前には土を耕しておきます。株同士の間隔は20~30cmほど空けて植えつけましょう。なお、ペパーミントは地下茎が広がりやすいため、育て方の注意点は周囲は板やブロックなどで囲むことを忘れずに行わなければなりません。

ペパーミントのプランター・鉢植えでの育て方

ペパーミントの育て方で特に気をつけたいのが、繁殖力の強さです。他の植物の育成を邪魔してしまう恐れがあるので、他の植物と一緒に植えるのは避けましょう。ミントの育て方は1鉢1品種とされ、根を張るに充分な大きめの鉢、またはプランターを使用します。

土は水はけがよく、また保水力のある用土を好みます。市販されている花やハーブ用の培養土、または赤玉土(小粒)5:腐葉土3:バーミキュライト2の割合で混ぜたものを用意しましょう。植え付け時に肥料入りの培養度を使用した場合、追肥は必要ありません。

ペパーミントの地植えでの育て方

地植えでの育て方は、日当たりと風通しのよい場所を選びます。また、冬は地上部分が枯れても、地下でしっかり根付いているので、春になると再び芽を出します。ただし、土が凍結すると越冬が難しくなるので、冬に土が凍結する可能性がある場所を避けるか、腐葉土を被せて凍結を防ぎます。または、鉢植えにして室内に取り込むなどして越冬させましょう。

地植えの育て方は、事前に耕しておいた土に腐葉土や堆肥を2~3割混ぜておきます。また、植え付け時に効果が長続きする化成肥料を土に混ぜておきましょう。以降、植え付けから開花までの3~9月の間は、同じ化成肥料を2~3ヶ月に1回与えます。ただし、肥料は与えすぎるとペパーミントの香りが弱まってしまうので、与えすぎには注意しましょう。

水遣りは、植え付け直後にたっぷりと水遣りをすれば、以降はこまめな水遣りの必要はありません。

ペパーミントの屋内での育て方

水耕栽培

水耕栽培は土を一切使用せず、水だけで栽培する育て方です。適期は3~9月頃、水を張ったガラスやコップに茎を挿して育てます。

1.ペパーミントの茎を切り、葉を4~5枚残し下部の余分な葉はすべて摘み取りましょう。
2.水を入れたコップなどに茎をつけておくことで、やがて発根します。
3.毎日水の交換をしましょう。

水耕栽培での育て方で重要なことは、毎日しっかり水替えをすることです。またこの育て方であれば冬でも発根しますが、水が傷むと育ちが悪くなるので注意しましょう。ただしこの育て方だと液体肥料を使用すれば多少育成もよくなりますが、長く育てることができません。そのため、次に説明するハイドロカルチャーという育て方がです。

ハイドロカルチャー

ハイドロカルチャーの育て方は、土を使わずハイドロボール(発泡煉石)やカラーサンド、セラミスグラニューやアクアボールなどの、室内園芸用の人口培土を使用して栽培を行います。

1.ペパーミントの苗の根についた土をきれいに落とします。
2.ガラスのコップなど底に穴の開いていない容器に、根腐れ防止剤を入れましょう。その後水洗いしたハイドロボール(発泡煉石)などの人口培土を容器の1/3くらいまで入れます。
3.栄養剤や液体肥料などを入れます。
4.容器の中心にペパーミントを入れ、周辺に人口培土を敷き詰めてぐらつかないように固定しましょう。
5.容器の1/5~1/4くらいまで水を入れます。中身の見えない容器を使用する場合は、水位計をセットしておくと便利です。

毎日水を入れ替えて清潔に保つようにします。この育て方ならば、水栽培よりも長いこと栽培することができます。

ペパーミントの株分け・挿し木の育て方

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ペパーミントの育て方のうち、株を増やす方法についてご説明します。さまざまな方法がありますが、ペパーミントの場合は種や株分け、挿し木で数を増やすことができます。今回は株分けや挿し木などでの増やし方をご紹介しましょう。

株分けや挿し木の適期は4~5月、または9~10月です。種まきで増やす場合は、花が枯れた後に採取したものをすぐに撒くか、翌春まで保管してから撒きましょう。種まきの時期は種からの育て方の項目でご説明したとおりです。

株分け

1.株分けをする数日前から水遣りを控え、土を乾燥させます。

2.草丈が15~20cmになるように茎を剪定し、根を掘り起こします。

3.根についた土をほぐしながら落とし、大きくなった株の余分な根を切り取り2~3株に分けましょう。根がとても丈夫なので、多少傷ついても大丈夫です。

4.分けた株を鉢や庭に植えつけ、根が張るまでは乾燥しないように水遣りはしっかりとしましょう。

挿し木

1.枝先に近い比較的柔らかい部分を使うので、先端から10~15cmのところで茎を切り取ります。

2.土に挿す部分を2節程とし、先端の葉を2~3枚残し下部の葉は落とします。手で摘み取るのではなく、カミソリまたはハサミなどで丁寧に切り落とすようにしましょう。

3.葉を切り落としたら、根元の節よりも少し下の辺りで斜めに切り落とします。切断面が滑なかになるように、つぶさず切れ味のよいものでスパッと切り落としましょう。その後、切り口を水に1時間ほどつけておきます。

4.育苗ポット、または底に数箇所穴を開けたイチゴのパックなどの容器に、湿らせた赤玉土(小粒)とバーミキュライトを半々で入れ、割り箸などで空けた穴に茎を挿します。

5.発根するまでは半日陰で土が乾かないようにしっかりと水遣りをしましょう。

6.およそ10~14日ほどで発根するので、根と本葉が十分育ち根付いたら、鉢や庭に植え替えます。

ペパーミントの育て方においての虫の駆除方法

虫除け効果があると言われるミントですが、やわらかい新芽や葉は害虫の食害に遭います。ここでは、特につきやすい害虫とその駆除方法をご紹介します。

アブラムシ

アブラムシは葉裏や新芽に集団で寄生し栄養を吸い取る害虫です。病気の原因にもなるので、見つけたらすぐに歯ブラシでこすって駆除します。ひどい場合は枝ごと切り捨てるのもひとつの方法です。

また、どうしても農薬を使わなければならない場合、人体に害のない殺虫剤を使用しましょう。なおアブラムシは黄色に誘引されるので、黄色粘着シートなどが有効です。

ヨトウムシ

夜間に活動し、葉脈を残し葉をすべて食べてしまう蛾の幼虫です。夜間に活動するため、日中に見つけるのは難しい害虫です。葉の裏に卵を産み付けるので、孵化前に駆除するのが一番効果的です。被害が拡大してしまったならば、農薬を使用するしかありません。

ナメクジ・カタツムリ

ナメクジとカタツムリは葉や新芽、蕾などを食べてしまいます。梅雨など雨の多い時期に発生しやすくなりますが、見つけやすいので発生したら1匹ずつ割り箸で捕獲します。ただし、ナメクジは夜間に行動するので、動きが鈍い昼間に鉢の底などの湿った場所を探して駆除するとよいでしょう。

また、空き缶にビールを少しだけ入れて株の根元においておくと、中で勝手に溺れるなどして予防に効果があります。

ガーデニング初心者にもハーブ

今回はペパーミントの育て方についてご紹介しました。ペパーミントの育て方は特に難しいものではなく、ガーデニング初心者でも手を焼くことなく株を増やし育てることができるハーブです。また、料理やハーブティー、ポプリなど使い方しだいでは薬やリラックスグッズとして使えるのも魅力です。

育て方が簡単な上、1度収穫しても次から次へとたくさん収穫できる植物なので、栽培のしがいがあるハーブとなります。また、育て方しだいでは鑑賞用として、さらに香りも楽しむことができるのでです。

今回ご紹介したペパーミントの育て方を参考に、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。
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