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ラベンダーの種類と特徴|育て方/香り/名前/精油/アロマ

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ラベンダーには種類ごとに特徴がある

ラベンダーはシソ科で常緑性小低木の分類になり、ハーブの一種でもあります。一般的にラベンダーといえば紫色の花で、よい香りがすることは誰もが知るところでしょう。ラベンダーはアングスティフォリア系(イングリッシュ系)、ストエカス系、ラバンディン系、デンタータ系、プテロストエカス系の5グループ(系統)の種類に分けることができます。

種類ごとに特徴がありますので紹介しましょう。

アングスティフォリア系ラベンダーの特徴

アングスティフォリア系はラベンダーの代表的な存在であり、真正ラベンダーともいわれます。原産地は地中海沿岸の高地です。イギリスで品種改良が進んだことによりイングリッシュ系ともいいます。

夏の暑さに弱く、冬の寒さに強いです。およそ-15℃まで耐えることができるので寒い地方でも栽培できる利点から、北海道で栽培されているラベンダーはこちらの種類になります。香りが強いので、ドライフラワーを作るのに適しています。花が咲く時期は4月中旬から6月頃です。

ストエカス系ラベンダーの特徴

ストエカス系のラベンダーは他のラベンダーに比べると、丈夫な種類といえるでしょう。原産地はカナリア諸島やスペイン、アフリカの北部などです。

暑さや湿度には比較的強いですが、寒さが厳しすぎるのは苦手なので、寒さ対策が必要となります。花の咲く時期は4月上旬から6月中旬頃です。交配種が多く、花の色のバラエティが豊富なため、寄せ植えなどの観賞用に適しています。

ラバンディン系ラベンダーの特徴

ラバンディン系はアングスティフォリア系とスペインやフランスが原産の夏の暑さにも耐えられるスパイクラベンダーを交配して作られました。花がつぶつぶで可愛らしいのはアングスティフォリア系から、夏に耐えられるのはスパイクラベンダーから受け継いだものでしょう。

花穂が長いのがアングスティフォリア系と異なるところです。株が大きくなり、直径およそ1mにもなる大型の種類です。花が咲く時期は6月上旬から8月頃です。

四季咲きのラベンダーの特徴

四季をとおして楽しめるラベンダーは、デンタータ系とプテロストエカス系の2種類があります。

デンタータ系のラベンダーの原産地はカナリア諸島やスペインの東部などです。暑さには耐えられますが、寒さには少し弱いです。花の咲く時期は5月から7月ですが、上手に育てると暑い時期と寒い時期を除いて、2回花を咲かせるようになるので、四季性のラベンダーの種類にはいります。

プテロストエカス系のラベンダーは、ピナータやレースラベンダーとも呼ばれます。この種類の一番の特徴は葉です。この種類はよい香りではありません。また夏の暑さにも冬の寒さにも弱いため、庭植えには向かず、育てるのが難しいのも特徴のひとつといえるでしょう。

ラベンダーの種類を見分ける方法

5つのグループに分けられるラベンダーですが、その種類を見分ける方法はあるのでしょうか。これから紹介する方法を参考に、好みのラべンダーを選んでみるのはいかがでしょう。

アングスティフォリア系の見分け方

アングスティフォリア系のラベンダーは細い葉とつぶつぶの細かい花が特徴です。香りも強めです。花の色は代表的な紫、その紫も色が濃いもの、薄いものがあり、紫以外にはピンクや白があります。

ストエカス系の見分け方

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ストエカス系のラベンダーは花穂に特徴があります。花穂の先にリボンやフリルを思わせる部分を苞葉(ほうよう)といい、その苞葉がこの種類のラベンダーにはあります。また花穂は他のラベンダーに比べると太めです。その他のラベンダーにない見た目から、観賞用としても好まれています。花の色は紫、赤、ピンク、白、黄色と豊富です。

ラバンディン系の見分け方

ラバンディン系のラベンダーはつぶつぶと細かい花が咲くのはアングスティフォリア系と似ていますが、花穂が長いのが特徴です。花の色はグレーに近い薄紫で、茎もしっかりとして太めです。

デンタータ系の見分け方

デンタータ系のラベンダーは花を支える茎がしっかりしていています。花穂の先にフリンジのような苞葉があるのが特徴です。花の色は紫です。葉が歯のようにギザギザした切れ目が入っている形になっています。デンタータとは歯のようなという意味のラテン語に由来しています。

プテロストエカス系の見分け方

写真はムルチフィダという品種です。プテロストエカス系のラベンダーの一番の特徴は葉です。シダのような葉に切れ込みがあり、細かいレースのような葉になっています。このためレースラベンダーとも呼ばれます。

ラベンダーの名前の種類

ラベンダーの名前の種類をグループごとに一覧表に紹介します。名前のごとの特徴も挙げてみましたので参考にしてください。

アングスティフォリア系ラベンダーの名前の種類

アングスティフォリア系ラベンダーではイングリッシュラベンダー・コモンラベンダー・トゥルーラベンダーが最も代表的な名前です。これらの3つの名前は同一のラベンダーで、数あるラベンダーのグループの中でも、代表的なラベンダーです。

アングスティフォリア系ラベンダーの名前の種類はヒッドコート、オカムラサキ、マンステッド、濃紫3号、ロングパープル、フォルゲイトブルー、ヨウテイ(羊蹄)、ハナモイワ、ブルークッション、レディアンラベンダーなどがあります。代表的な名前のラベンダーの特徴は次のとおりです。
アングスティフォリア系の名前の種類特徴
ヒッドコートイングリッシュ・ラベンダーよりやや小さめの株、花穂が楕円形
オカムラサキイングリッシュ・ラベンダーの選抜品種で早咲き
マンステッドイギリスのGertrude Jekyllが1916年に作り発表し、花の蕾の頃は藤色で咲く頃に紫へと変化する
濃紫3号北海道で作り出された
ロングパープルヒッドコートなみの株で花穂が10cmもの長さがある
フォルゲイトブルー明るい紫の花で丈夫、花穂は5cm程度

ストエカス系ラベンダーの名前の種類

ストエカス系ラベンダーのことをフレンチラベンダーと一般的にいいます。名前の種類はアボンビューラベンダー、キューレッドラベンダー、コンパクタ、花うさぎ、ヘルムスデール、わたぼうし、ロイヤルパープルなどがあります。代表的な名前のラベンダーの特徴は次のとおりです。
ストエカス系の名前の種類特徴
アボンビューラベンダー/エイボンビューラベンダーストエカス系の亜種同士の交配種、ニュージーランドで作りだされ、苞葉が大きく、花は明るい紫と濃い紫
キューレッドラベンダーストエカス系の亜種同士の交配種、たまご型の花穂、ワインレッドやピンクの花

ラバンディン系ラベンダーの名前の種類

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ラバンディン系ラベンダーの名前の種類は、アラビアンナイト、インプレスパープル、ラベンダーグロッソ、ラベンダ―シール、ラベンダ―スーパー、アロマティコ、インペリアンジャム、セリビアンブルー、ラベンダープロヴァンスなどがあります。代表的な名前のラベンダーの特徴は次のとおりです。
ラバディン系ラベンダーの名前の種類特徴
アラビアンナイト生長が早く、多くの花が咲く、花穂が円錐形で5~7cm程度
インプレスパープル葉が短く密になり、ラバディン系の中で最も花色の青紫が濃い
ラベンダーグロッソ名前のグロッソは改良したフランス人のMonsieur Grossoの名前が由来、世界的に採油用として栽培されている品種
ラベンダーシール丈夫で株が大きく育つ、花色は明るい藤紫、ドライフラワーにすると香りが長持ちする
ラベンダースーパー改良が進められた採油用の品種、丈夫で花が咲く期間が長い

デンタータ系ラベンダーの名前の種類

デンタータ系ラベンダーのことをフリンジド・ラベンダーと呼ぶ場合があります。デンタータ系ラベンダーの名前の種類は、ラベンダー・デンタータ、リンダリグノン、日本で改良されたスーパーサファイヤブルーや、切れ葉部分が小さいランビケンスなどがあります。代表的な名前のラベンダーの特徴は次のとおりです。
デンタータ系ラベンダーの名前の種類特徴
ラベンダー・デンタータ葉の色が明るく草丈が大きく育つ、デンタータ系で最も代表的
リンダリグノン白い斑が入る葉、大きなひし形の苞葉がある

プテロストエカス系ラベンダーの名前の種類

プテロストエカス系ラベンダーはレースラベンダーやファーンラベンダーとも呼ばれます。代表的な名前の種類と特徴は次のとおりです。
プテロストエカス系ラベンダー名前の種類特徴
ピナータプテロストエカス系の代表的なラベンダー、細かい花が天に向いて咲く
ムルティフィダ花冠が大きく花穂が3つに分かれている
カナリ―アイランドカナリア諸島原産の原種、花色は青
ブッチ―葉が美しいシルバー

5つのグループ以外で代表的なラベンダーの名前

5つの系統であるグループに属さなくても、有名なラベンダーはヘテロフィララベンダー(別名スイートラベンダー)、ウーリーラベンダー、ソイヤーズラベンダーなどがあります。

ラベンダーの葉の種類

ラベンダーの葉は系統によって異なります。アングスティフォリア系は葉の幅が細く、ラバンディン系やストエカス系も葉の幅が細く、密集します。デンタータ系は葉が歯のように丸みを帯びたギザギザになっています。プテロストエカス系はシダのような切れ込みがある葉で、レースを思わせる葉姿です。花茎がすっと伸びるため、葉の丈は花茎丈の半分以下と低めです。

育てやすいラベンダーの種類は?

ラベンダーは夏の高温多湿に弱い種類や冬の寒さに弱い種類、あるいはその両方と温度や湿度にデリケートな植物です。初心者が育てるには、夏の暑さにも耐えられ、冬にもあまり防寒対策が必要でない種類が育てやすいでしょう。

比較的丈夫な種類はデンタータ系やストエカス系のラベンダーです。まったく手入れが必要ないわけではありませんが、この2種類であれば育てやすいでしょう。

ラベンダーは種類によって育て方が違う?

ラベンダーは系統の種類により特性や性質もさまざまです。ラベンダーの種類にあった育て方が必要となります。基本的にラベンダーは弱アルカリ性で水はけのよい土を使用します。

市販のラベンダー用の土またはハーブの土を購入することもできますし、自ら配合する場合には小粒赤玉土6:腐葉土2:パーライト2程度の割合いで作り、その用土1リットルにつき苦土石灰を3g相当で混ぜ合わせます。苦土石灰を用土に混ぜることで、酸性土壌を中和させ、ラベンダーの好む用土になります。配合して1週間ほどしてから植えることができます。

アングスティフォリア系の育て方

アングスティフォリア系は水はけがよく、日当たりのよい場所が好きですが、高温多湿に弱いので、庭植えの場合には土を盛って高いところに植えましょう。鉢植えの場合は夏は半日陰の場所に移すようにしましょう。

この種類は鉢植えの方が状況に応じて移動が可能なので、寒冷地以外は鉢植えの方が好ましいでしょう。また花が咲き終わった頃には、株の1/3程度刈り込んで、風通しをよくしましょう。充実した株であれば、挿し木で増やすことができます。
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ストエカス系の育て方

ストエカス系は乾燥気味の土が好きで、湿気にも強いです。しかし寒さが苦手なので、冬は室内あるいは軒下移すなどの寒さ対策が必要となります。また夏に耐えられる種類ではありますが、夏の強い日差しが一日中浴びるような場所は枯れる原因となるので、日よけ対策が必要な場合があります。

収穫をしながら梅雨になる前に刈り込むことで、夏の蒸れよけをしましょう。雨に濡れすぎてしまうと弱ってしまうので、注意しましょう。

ラバンディン系の育て方

ラバンディン系は乾燥気味の土が好きで、日当たりがよいのが好きです。丈夫で生長が早いため株も大きくなります。庭植えする場合も鉢植えする場合にも、株同士が重なり合わないよう注意して植えることがポイントです。

寄せ植えには向きません。密集しないように剪定しましょう。また鉢植えにする場合にはしっかり根がはれるように大きめの鉢にするのがよいでしょう。

ラバンディン系のラベンダーは花が咲いても種はできません。種から育てることはできないので、増やす場合には挿し木のみになります。

デンタータ系の育て方

デンタータ系はラバンディン系と同じように、乾燥気味の土と日当たりがよいのが好きです。しかし寒さに弱いので、冬は日差しの入る暖かい部屋の窓辺での管理が必要となります。庭植えではなく、持ち運べるなどの管理のしやすい鉢植えがよいでしょう。

刈り込みを定期的にすると見た目の形も良くなり、なおかつ花を咲かせる期間が長くなります。

プテロストエカス系の育て方

プテロストエカス系は日当たりのよいところが好きなのは他の種類と同じですが、多少湿気のある土が好きなことが異なります。寒さに弱いので、冬は日当たりのよい室内での管理が望ましいでしょう。ただ夏の高温多湿や冬の寒さに弱にので、初心者が育てることは難しいでしょう。

ラベンダーの肥料の種類

ラベンダーで使用する肥料は緩効性有機肥料、または緩効性化学肥料です。この種類の肥料は置き肥といわれるもので固形の種類となります。じっくりと肥料が溶けていくことで、ゆっくり肥料の効果が出ます。

ラベンダーは植えつけする前に配合した用土にあらかじめ肥料を混ぜておきます。ラベンダーはあまり肥料を必要としない植物ですが、庭植えの場合には芽が伸びてくる春に、鉢植えの場合には生育が盛んな春と秋に追肥として与えましょう。

肥料の与えすぎは枯らしてしまう原因にもなりますので注意が必要です。やむを得ず液体肥料を使用する場合には、既定の量よりもさらに薄めで使用するよう注意しましょう。

食用のラベンダーの種類は?

ラベンダーはハーブティーだけでなく、お菓子や料理にも利用できます。食用可能な種類は、イングリッシュラベンダー、ラベンダー・ラバンディンが挙げられます。

しかしどのラベンダーでも食用になるわけではなく、品種改良が進み観賞用のみで食用には適さないものがあります。ラベンダーを購入したときにタグや説明がついていますので、食用可能であるか必ず確認してから利用してください。

ラベンダーの香りの種類は?

ラベンダーの香りは高貴であり、多くの効能があるので、古くから多くのシーンで利用されています。

ラベンダーの香りは不安や緊張を解きほぐしたり、気持ちを落ち着かせてくれたりします。また防虫効果もありますから、精油やエッセンシャルオイルやアロマオイルの香りの種類には、ラベンダーの香りは必ずといってもよいくらいあります。

精油(エッセンシャルオイル)

精油とエッセンシャルオイルは同じもので、アロマテラピーには欠かせません。精油(エッセンシャルオイル以下精油)は100%天然のものであって、そうでないものは精油と認定されません。ラベンダーの精油はラベンダーの花穂から抽出された香りで作られます。数ある精油の中でもラベンダーは代表的な香りといえるでしょう。

精油ラベンダーは最も香りが強いアングスティフォリア系のラベンダーであるイングリッシュラベンダー、コモンラベンダーから作られます。これらは真正ラベンダーとしています。その精油の香りは、ハーブとフローラル優しい甘さが感じられるラベンダー香りです。神経にも肌にも癒しを与えてくれます。

その他の精油はラバンディン系のラベンダーはラベンダーの香りの中にもスパイシーな香りがほんのりと感じられ、リフレッシュしたいときに効果があります。よりはっきりとしたラベンダーの香りが楽しめるスパイクラベンダーは、免疫力を高めてくれます。すっとした香りがあるのはストエカス系ラベンダーのフレンチラベンダーは抗菌、防虫効果があります。

アロマオイル

アロマオイルは精油と同じと思いがちですが、アロマオイルは100%天然由来のものではなく、いろいろな精油を混合していたり、化合物を配合している場合、そして化学的に作り出された香りの場合もあります。

アロマオイルは精油と違い、基本的には肌に使用することはできません。用途は「香りを楽しむ」ことに限定されます。フレグランスオイルやポプリオイルもアロマオイルと同じです。ラベンダーのアロマオイルの香りは、ポプリや芳香剤に多く使用されます。

誤った使い方をするといけないので、精油であるかアロマオイルであるかを、必ず確認するようにしましょう。
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ラベンダーは癒しの香り

ラベンダーの種類にはさまざまな特徴があり、育て方があり、効果があることを紹介しましたがいかがでしたでしょうか。自宅でラベンダーを育てることができなくても、ラベンダーはドライフラワーや精油を利用したアロマポットなどでも香りを楽しむことはできますし、一日の疲れを優しくときほぐしてくれます。

ラベンダーの香りはともすればひどい疲れに陥りやすい現代に、明日への活力を与えてくれ、優しい気持ちにさせてくれる自然の贈り物といえるでしょう。
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