【種類別】沈丁花の育て方・病気・鉢植え・班入り｜盆栽/前島

沈丁花は、中国雲南省やヒマラヤが原産の植物です。庭木として植えられ、強い芳香性をもった花を咲かせます。開花時期は2月下旬から4月中旬、白い色の花を咲かせます。1m位まで育ち、大きすぎず手入れがラクな植物でが高いです。

水はけの良い土壌と日当たりを好み、剪定要らずでこんもりとした球形に育ちます。丸い形になるので、広いスペースを確保して植える育て方をします。名前の由来は、沈香と丁字の香りを合わせた香りから名付けられました。

雌雄異株で、日本で売られているものは全て雄木です。実を付けることはありませんが、中には赤い実を付ける木もあります。実を付ける木は、両性花だったものが単性花に分化したものが不完全なため実を付けると考えられています。

花の色は赤で外側が赤紫色、開花すると内側は白色です。斑入りの園芸品種など、多くの品種が楽しめる植物です。

沈丁花は、あまり寿命の長生きではありません。大きくなると枯れてしまうことがあります。上手に育てるには病気にならない育て方をすると良いでしょう。沈丁花は地中の浅い所に根を張らすため、根元に直射日光が当たると大きなダメージを与えます。

地温が上昇すると、根を腐らせたり微生物の働きを活性化させてしまうので、地温を上げないようにすることが寿命を延ばす育て方です。また、一度沈丁花が枯れた場所には、新し沈丁花を植えてはいけません。土が病原菌に侵されている可能性が高いため、別の場所に植える育て方をします。

沈丁花を盆栽で楽しむときは、日当たりの良い場所に置きます。春から秋は、半日陰に置く育て方をします。水やりは、土の表面が乾いたらたっぷりと与えましょう。肥料は、花を咲かせる前と秋に施します。

植え替えは、赤玉土6：腐葉土4の割合で行います。根が浅いので、傷めると根付きが悪くなりますから注意しましょう。剪定の必要はありませんが、枝が混みあってきたら枝を透かす手入れをします。

花が咲き終わると品種によって実が付きますから、実を採って果肉を洗い流して種をまくと、発芽して増やす育て方ができるでしょう。

前島は、肉厚の葉に幅広で鮮黄色の覆輪が入った葉の美しい沈丁花です。他の沈丁花に比べて育成が遅いですが、節間が詰まった品種なので、こんもりとした美しい形に育ちます。沈丁花は鉢栽培に弱いですが、前島は比較的性質が強く育てやすいでしょう。

鉢植えでの育て方は、山草用の用土を使って育成期には肥料を施す育て方をします。

春になると黄色い花を咲かせるナツボウズは、黄色沈丁花と呼ばれています。ナツボウズは落葉樹ですが、夏に落葉する少し変わった沈丁花です。鬼を縛る事ができる位、丈夫な樹皮を持つことから、オニシバリとも呼ばれています。

ナツボウズは、園芸店などでは見かけることが少ないため、ネットで購入すると良いでしょう。大きくなっても1m位なので、小さいお庭でも育てる事ができます。日当たりが良く水はけの良い肥沃な用土を好みます。

西日のあたらない日当たりの良い所に植えて、夏は落葉しますから直射日光の当たらないように日よけをしてあげましょう。育成がゆっくりで、枝も極端には伸びませんからお手入れがらくな沈丁花です。

肥料は2～3月と9～10月ごろに置き肥をします。害虫などの心配はありませんが、突然枯れてしまうことがあるでしょう。

コショウノ木は、関東より西の太平洋側から沖縄の林の中に生える野草です。沈丁花科で、良い香りの白い花を1月から4月に咲かせます。高さは1m以下のサイズで、非常にコンパクトです。果実はコショウのようにピリリと辛い事から、この名前が付けられました。

日陰に生えることが多くアオキなどと一緒に生えることが多いでしょう。山で見かけることが多い野草で、良く見かける沈丁花ととてもよく似た植物です。

白紋羽病（しろもんぱびょう）にかかると、初めのうちは発芽の育成が遅れ、葉が萎れるようになります。やがて葉が黄色くなり落葉します。根の部分は腐ってしまい、灰色の菌糸が絡まって沈丁花が衰弱してくるでしょう。

沈丁花を植える時に施用される、粗大有機物が病原菌のエサになって発生したり、土壌のphが高いと発生しやすいです。発生したら、病原菌の付着した苗木を取り除きます。水はけを良くして、植える時には粗大有機物を施さないような育て方をしましょう。

一度この病気にかかった苗を育成した場所の土は除去して、新しい土を入れ替える育て方をします。

アブラムシは、沈丁花の新芽や蕾に群生して汁を吸います。育成を阻害してウイルス病を媒介させて、沈丁花にダメージを与えます。

アブラムシが発生しやすくなるのは、窒素分の多い肥料を与えすぎた時です。窒素が多いと、葉で合成されるアミノ酸が多くなりすぎて、アミノ酸が大好きなアブラムシが寄りやすくなります。

他には、風通しの悪さが考えられ、沈丁花の周りに植物が密集した育て方をしていると沸きやすいです。沈丁花の周辺は風通し良くして、まんべんなく日が当たるように育てます。

アブラムシが付いてしまうと、甘い廃絶物にアリが寄ってきてしまいますから、早めに駆除します。アブラムシの量が少ないなら、手で取ったりガムテープでとってもかまいません。テントウムシを見つけたら放すと良く食べてくれます。

このような方法で間に合わない時は、薬剤を使って駆除する方法で育てます。

ハマキムシは、名前のように葉を巻いて、中にもぐりこみ葉を食害する虫です。ハマキムシには多くの種類がありますが、特にチャハマキとコカクモンハマキが、多くの植物に被害を与えます。

ハマキムシは年に4～5回程度発生して、幼虫の状態で葉に巻きつき越冬します。温度が高いと冬でも活動して沈丁花に被害を与えることがあるでしょう。見つけたら葉ごと摘み取り、薬剤を使って駆除する育て方をします。

沈丁花の葉や若い枝、花弁、蕾に、2～5mmの褐色の小さい斑点が多数現れます。この病気にかかると、葉が黄色く変色して激しく落下します。その後に生える葉も、病気にかかった葉が生えてきて落葉を繰り返すでしょう。

やがて沈丁花の元気が無くなり、株ごと枯れてしまいます。この病気は、葉や幼枝で越冬しますから注意が必要です。早春から発病して、雨が降ると胞子を飛散して病気の範囲が広がります。

見つけたら葉や枝を取り処分しましょう。薬剤を散布すると確実でしょう。

庭に沈丁花を植える時は、日当たりの良い所か西日のあたらない半日陰を選びます。苗の植え付けは、根を切らずに有機質に富んだ、水はけの良い弱酸性の土壌に植える育て方をします。沈丁花を日陰に植えてしまうと、花が咲きにくくなるので注意しましょう。

大株は移植すると枯れることがありますから、移植しないですむ広い場所に植えてあげましょう。水やりは、根が地中深くに伸びないため、極端な乾燥が苦手です。新芽が成長する春や、気温が高くなる夏は乾燥に注意する育て方をします。秋から冬は雨水だけで良いでしょう。

肥料は、新芽が伸びる4月中旬と9月に緩効性化成肥料を施します。寒肥として有機質肥料を1～2月に施します。樹形は自然に整いますから、剪定の必要はありません。若いうちは枝が良く伸びますから、不要な部分は枝元から切り、去年伸びた半分ほどに剪定しても良いでしょう。剪定時期は4～5月ごろが最適です。

沈丁花は移植を嫌うので、本来植木鉢での育て方には向いていません。どうしても植木鉢で育てるなら、根詰まりを起こさないように毎年植え替えます。植木鉢で育てる時は、地温の上昇を防ぐ育て方をします。

水の管理はこまめにして、水を切らさないように気を付ける育て方をしましょう。特に夏は注意が必要で、直射日光の当たる所では、植木鉢の水分がすぐに乾いてしまい枯れてしまいます。夏は直写日光の当たらない所に移して土に鉢ごと埋めるなど、根の温度上昇を避ける必要があります。

沈丁花を鉢植えで育てる時は、肥料が必要です。春と秋に月1回位、油粕の固形肥料を施す育て方をします。

沈丁花は4月、7～8月に挿し木で増やす事ができます。前の年に伸びた若い枝を10～15cmほど切り、先端部分の葉を2～3枚残して残りの葉を落とします。土へ差し込む断面を、カッターなどで斜めに切り、湿らせた赤玉土に挿しましょう。

やがて発根してきますから、10cmほど根が伸びるまで土が乾かないように水やりを欠かせない育て方をします。2～3か月したら、1株ずつ鉢に植え替える育て方です。

沈丁花は、自然にこんもりと育ちますから基本的には剪定の必要はありません。強剪定を行うと新しい芽が出てきますが、病気や株が衰弱していると枯れてしまうことがあります。好みの樹形に育てることは難しいでしょう。軽い剪定なら、新芽を切る程度にして花が咲き終わった頃に行う育て方です。

西洋が原産の姫沈丁花は、関東より西のあたたかい地域で育てるのに向いています。開花時期は3～４月、白い花を咲かせる美しい葉の沈丁花です。路地植えは暖かい地方限定で、氷点下になる地域は室内での育て方になります。

フクリン沈丁花は中国原産の沈丁花です。庭植えに最適で、耐寒力が強い品種です。3～4月に白い花を咲かせて、両性花なら種を付けるでしょう。挿し木によって増やすことが可能ですが、旧枝は春に挿して当年の枝は梅雨に挿す育て方をします。

開花中に挿し木をすれば必ず付くと言われるほど、簡単に増やせる種類です。剪定はあまり必要なく、強い剪定をすると元気がなくなることもあります。移植を嫌うので、広いスペースに植える育て方をしましょう。

いかがでしたか？沈丁花は庭植えに向いており、春になると香り豊かな花を咲かせます。剪定の必要が無いため、初心者でも管理しやすい植物でした。難しい育て方ではありませんでしたが、沈丁花が好む環境でのびのびと育てると長生きしてくれるでしょう。

沈丁花の育て方をマスターしたら、黄色や純白の沈丁花も育ててみましょう。