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【種類別】バラの育て方|初心者/剪定/鉢植え/地植え

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種類別バラの育て方

バラはバラ科バラ属の総称で、非常に種類が多い植物とされています。原種の数が多く交配の歴史も古いため、約2万種類以上の品種が存在します。現在も品種改良が進められているので、実際はもっと多いという意見もあるほどです。

さらにバラは非常にバリエーションが豊富な植物でもあります。品種によって開花時期や樹形など性質がかなり異なっているので、バラを選ぶ時は自分の好みだけではなく、その品種の性質を把握することが重要です。

非常に種類が多いバラ。ここではその中でも、初心者にも育てやすい品種をいくつかご紹介します。どのような種類があり、どのような育て方があるのか、色んなバラの育て方を知って、綺麗な花を咲かせてみましょう。

カクテル

バラは樹形で分類すると、木バラまたはブッシュ・ローズと呼ばれる木立性、つるバラまたはクライミング・ローズと呼ばれるつる性、両方の性質を持ったシュラブ・ローズと呼ばれる半つる性の3つに分かれます。

カクテルはつるバラの品種で、「コクテール」と呼ばれることもあります。真っ赤な一重咲きの花をたくさん付け、春以降も次々と開花します。枝も細くしなやかで扱いやすく、アーチやフェンスに向いています。丈夫で耐病性もあるので、初心者にも育てやすい品種です。

レイニーブルー

2012年に発表された、比較的新しいつるバラです。優しい青紫色の花が房になって咲きます。葉がとても小さいのもあって、見た目は繊細な印象がありますが、病気に強くて丈夫なので初心者にもおすすめの品種です。低めのフェンスやアーチの仕立てに向いています。育て方によっては、ベランダなどでのプランター栽培も可能です。

クロードモネ

ピンクに淡いオレンジイエローの搾りが入る不思議な花色が魅力的なバラ。名前はフランスの画家クロード・モネに由来しています。耐病性があり、枝が伸び過ぎないので初心者にも扱いやすい品種です。鉢植えにも地植えにも向いています。

マチルダ

白に淡いピンクの覆輪という花色を持つバラです。花びらの端がゆるく波打っているため、とても愛らしい印象があります。四季咲き性なので春から晩秋まで開花し続けますが、非常に花付きがよいのがこのバラの最大の魅力です。特に春は株一杯に花を咲かせます。花持ちもよく、切り花にしても長く楽しむことができるバラです。

舞姫

舞姫はミニつるバラ、またはつる性ミニバラと呼ばれる品種の1つです。一季咲き性で、春に白またはピンクの小さな花をたくさん咲かせます。花も葉も小さいので、あまり場所を取らずにつるバラの雰囲気を楽しめるのが、このバラの大きな魅力でしょう。丈夫で育てやすいので、初心者にもおすすめの品種です。

リトルウッズ

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とても小さなピンク色の花を咲かせるバラです。花の大きさは直径で約1cmほどしかなく、世界最小のバラと呼ばれています。葉も非常に小さく株もあまり大きくならないので、鉢植えに向いています。香りはありませんが、花付きと花持ちがよいので、長く楽しむことができる品種です。

クイーンエリザベス

エリザベス女王の戴冠にちなんで名付けられたバラです。女王の名前にふさわしく、明るく澄んだピンク色の大輪の花を、優雅に堂々と咲かせます。香りはあまり強くありませんが、心地よいフローラルな香りがあります。

このバラの特筆すべき点は、最強クラスとまで絶賛される強健さにあります。とにかく丈夫で、病気で葉を落としてもすぐに回復します。初心者にも安心してすすめられるバラだと言えるでしょう。

とても高く育つバラなので、地植えに向いています。特に花壇の後方がおすすめです。あまり手入れをしなくてもよく育ちますが、放っておくと1年で2mを越えるほどに成長してしまいますので、剪定だけはしっかりやっておきましょう。

うらら

1993年に日本で作出されたバラ。「ローズうらら」とも呼ばれています。花色と花付きの良さが素晴らしい品種です。鮮やかなショッキングピンクの花を株一杯に咲かせます。また四季咲き性も抜群で、春から晩秋まで絶え間なく咲き続けます。病気にも強いので、初心者にもおすすめの品種です。このバラで育て方のコツを掴むのも良いでしょう。

コンパクトに育つので鉢植えに向いています。つる性の枝変わり品種もあります。

バラの初心者の育て方のポイント

ここからは、バラの初心者の育て方のポイントをご紹介します。バラは初心者には難しいとよく言われますが、最近は品種改良技術の進化により、あまり手のかからない強健な品種も多く誕生しています。何よりも育て方のポイントさえしっかり把握していれば、問題なく育ちます。

育て方のポイントはバラが好む環境を作ることと、基本的な手入れの仕方を覚えることです。しっかりと覚えて、素敵な花を咲かせましょう。

バラの育て方のポイントで、真っ先に抑えなければならないのは、日当たりの良い場所を確保すること。バラは日光を好む植物で、日光に当たる時間が株の生長に大きく影響します。1日に最低でも3時間から4時間は日光に当てないと、生長が鈍るばかりか、花付きや花色も悪くなってしまいます。

さらに付け加えると、バラが特に好むのは午前中の光です。午前中から昼過ぎまでの光は紫外線が多いので、光合成が盛んに行われます。光合成が活発化すれば、それだけ株に蓄えられる栄養分も増加するので、葉や根がよく生長します。香りの強いバラの場合は、香りがより強く、より長持ちする効果があります。

光ほど意識されませんが、風通しが良いことも、バラの育て方のポイントとして非常に重要です。バラは光が大好きな植物ですが、そよ風も好みます。そよそよと風が流れることで葉が刺激されると葉からどんどん水分が蒸散し、養分の吸い上げが活発になります。すると葉に厚みが出て硬さも増します。硬く締まった葉は病気や害虫の被害を受けにくくなるので、株も丈夫に育ちます。

反対に風通しが悪いと、これらの活動が鈍くなってしまうので、葉も薄く柔らかくなります。こうなると病気や害虫の被害を受けやすくなってしまいます。また、風が通らないと株が蒸れやすくなります。これも病気や害虫が発生する原因になるので注意しましょう。

光、風と続いて、バラの育て方のポイントとして非常に重要なのが土です。バラが元気に育つためには、枝葉だけではなく根の生長も欠かせません。そして根が健全に育つために必要なのが、バラが好む土です。

バラが好む土とは、簡単に言えば水はけが良く、水もちも適度に良い土です。というのも、土がずっと湿ったままの状態では根腐れを起こしてしまうし、反対に乾いたままでは枯れてしまいます。土が湿ったり乾いたりを繰り返す状態が、根がよく伸びてしっかりと張っていくベストな状態です。

初心者の場合、鉢植えで育てるなら、市販されているバラ用の培養土で植え付けるのがおすすめです。地植えでバラを育てたい時は、まずは庭の土の状態を確かめます。水はけが悪かったり、乾き過ぎたりと状態が良くない場合は、バラを植える穴を掘って、中の土を全てバラ用培養土に入れ替えて植え付けましょう。

水やり

水やりは、バラの育て方のポイントとなる基本作業です。バラは土が乾き始める時に、土中から酸素・水分・養分を取り入れ、根を張り枝葉を茂らせます。反対に土が湿ったままだと、根は貧弱になってしまいます。貧弱な根は養分よりも水分を多く吸収するため、枝葉が柔らかくなり、病気や害虫の被害が出やすくなります。

そのため、水やりは基本的には土が十分に乾いてから、たっぷりと与えるのがコツです。鉢植えの場合は、土の表面を指で軽く掘ってみて、乾き気味だったなら水をやるタイミングdです。鉢底の穴から水が出るくらい、たっぷり水を与えましょう。

地植えの場合は根が地中深く伸びていき、自力で水を吸い上げるので、基本的には雨任せで十分です。ただし、雨が当たらない場所や真夏日、乾燥した日が続いた時などには、水をたっぷり与えます。

肥料

バラの育て方のポイントとして、肥料のやり方も外せません。実は初心者がバラを枯らしてしまう原因として最も多いのが、肥料や水のやり過ぎです。肥料はあくまでも生長の補助をするもの。やり過ぎると株が柔らかくなり、病気にかかりやすくなります。

肥料には植え付けの際に使う「元肥」と、生育期に定期的に与える「追肥」の2種類があります。元肥を与える時は、鉢植え・地植え共に根から離して与えるのがコツです。根が肥料に直接触れてしまうと、根が傷む恐れがありますので注意しましょう。

追肥はバラの生育期である3月から11月の間、月に1回のペースで与えます。追肥に使用する肥料は、有機でも化成でも遅効性のものがおすすめです。肥料のパッケージに書かれている用量を守り、やり過ぎに注意しましょう。
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剪定

バラの育て方のポイントとなる作業の内、最も大変な作業とされているのが剪定です。剪定には花後剪定・夏剪定・冬剪定の3種類があります。芽の位置から5mmくらい上を、よく切れる鋏で切るのが基本です。花の大きなバラは深めに、花の小さなバラは浅めに切ります。

花後剪定は咲き終わった花を切る作業です。これによって株の負担が減り、次の花を咲かせるエネルギーを蓄えることができます。

夏剪定は8月末から9月中旬にかけて行う作業です。秋の花を鑑賞しやすくするために、樹高を調節することを主な目的としています。必ず行う必要はありませんが、行う時は冬剪定よりも浅く切るのが基本です。

冬剪定は12月から2月に行います。枯れ枝や弱った枝を除去して株を若返らせ、樹形を整えるのが主な目的となる剪定のメイン作業です。思い切ってしっかり切り詰めるのが基本となります。

病害虫対策

バラの育て方のポイントとなる作業の中で、最も初心者を悩ませるのが病害虫対策です。実際、バラがかかりやすい病気や害虫は数多く存在します。ですがこれも基本を押さえておけば大丈夫です。

まずは予防策として、定期的に薬剤散布を行います。葉の表裏をしっかりコーティングして、病気の菌や害虫を寄せ付けないのが目的です。薬剤はパッケージにある用法・用量を守り、風のない日の午前中を選んで散布しましょう。また、使用する薬剤は2、3種類を選んでローテーションするのが基本です。同じ薬剤ばかりだと、耐性がついて効きづらくなってしまいます。

常にバラを観察するのも、病害虫対策の重要なポイントです。花だけでなく枝葉や株元などもしっかり見て、どんな小さな被害も見落とさないようにしましょう。愛情を持って見守り、異常に気付いたら素早く対処する、これこそがバラを美しく咲かせる育て方の最も重要なポイントです。

バラの苗からの育て方

バラは一般的には苗から育てる植物ですが、苗にはいくつかの種類があります。ここでは苗の種類別の特徴と、それぞれどんなメリット・デメリットがあるのかをご紹介します。

良い苗を選ぶことも、バラを綺麗に咲かせる育て方のポイントです。それぞれの苗の特徴を把握し、自分に合った苗を選びましょう。

新苗

新苗とは前年の冬頃に接ぎ木し、春まで育てた若い苗のことです。「春苗」「若苗」「1年生苗」とも呼ばれています。販売時期は4月から6月です。

メリットは品種の数が多く、他の苗に比べて価格が安いこと。デメリットは若く未熟な苗なので、成長するまで手間がかかることです。株を充実させるために、秋まではこまめに蕾を摘み取る必要があります。花を咲かせて体力を消耗させないようにするためです。そのため本来の花を見るのに時間がかかります。

また、バラの育て方のポイントとして重要な良い苗の見分け方は、苗の種類によって違います。新苗の場合は、できるだけ元気よく伸びていて、葉がたくさん付いている苗を選びましょう。

大苗

大苗は新苗を畑で育成し、秋に掘り上げた苗のことです。「秋大苗」「2年生苗」とも呼ばれています。9月から12月頃にかけて流通します。

大苗のメリットは、新苗よりも株が充実しているので手間がかからないということ。秋から冬にかけて販売されるので、植え付けて育てていけば、春に花を見ることができます。デメリットは新苗よりも育成期間が長い分、高価なことです。

育て方のポイントとして重要な良い大苗の見分け方は、枝や株元が太く、樹皮に縦縞があること。株が充実して木質化すると、縦縞が入る品種が多いからです。

長尺苗

長尺苗とは、接ぎ木をして1年以上育てられたつる性・半つる性の苗のことです。1m前後の長さがあり、秋から春にかけて流通しています。

長尺苗のメリットは、既に大きく成長しているので、すぐにアーチなどに這わせて景観を作れることです。デメリットは品種数が限られていること。人気の高い品種は、長尺苗になる前に売り切れることがあるためです。価格も新苗や大苗に比べると、高めに設定されています。

育て方のポイントとして重要な長尺苗の見分け方ですが、まずは枝が太くて勢いがあり、元気よく伸びていることです。そして葉もたくさん付いている苗を選びましょう。

鉢苗

鉢苗とは、接ぎ木をして1年以上鉢で育てられた苗のことです。「鉢植え苗」「鉢バラ」「開花株」とも呼ばれています。主に春と秋、バラの開花時期に合わせて販売されます。

メリットは購入時に咲いていることが多いので、花を確認して選べることです。株も充実していて育てやすいので、初心者でも安心して栽培できます。デメリットは高額なことと、欲しい品種が手に入りにくい場合があること。これは人気の高い品種などは、すぐに売り切れてしまうことが多いからです。

育て方のポイントとして重要な良い鉢苗の見分け方は、枝が力強く、元気な葉もたくさん茂っている苗を選ぶことです。

バラの鉢植え・プランターでの育て方

ここではバラの鉢植え、またはプランターでの育て方をご紹介します。とは言っても、基本的な部分は今まで紹介したバラの育て方のポイントとそう変わりません。

しかし、鉢植えには地植えにはない注意点があります。それが鉢選びと植え替え作業です。鉢植えの育て方でも重要となるこの2つの注意点について、説明します。

鉢・プランター選び

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鉢やプランターを選ぶ時は、つい色や形やデザインに目がいってしまいがちですが、良い花を咲かせるためには、バラの根が健全に生育できるものを選ぶことが大切です。

まずは株のサイズに合った鉢を選びましょう。一気に大きな鉢に植え付けると、よほど通気性の良い鉢でないと土が乾きません。土が湿ったままだと根が傷んでしまいます。また、バラの根は深く張るので、横に広がった浅い鉢ではなく縦に長い鉢がおすすめです。

サイズの合う長い鉢が見つかったら鉢底を確認しましょう。バラは通気性と排水性の良い環境を好むので、鉢底の穴が多い鉢や上げ底になっている鉢が適しています。側面に通気穴やスリットもあると通気性と排水性がさらに良くなるので、バラの栽培には理想的です。

植え替え

元気なバラの根はどんどん伸びますが、鉢の中の土には限りがあります。そこで、1、2年に一度は植え替えをして根が伸びるスペースを確保します。

バラの植え替えは、休眠期に入る冬に行います。株を大きくしたい時は、元の鉢よりも二回りほど大きい鉢を用意しましょう。土は市販のバラ専用培養土で十分です。まずは株を鉢から抜き、固まっている根鉢を軽く解したら、伸び過ぎた根や痛んだ根を切ります。

植え付ける鉢の底に鉢底ネットと鉢底石を敷いたら、その上に新しい土を敷きます。そこへ株を植え付け、土を鉢縁の5cm下まで隙間なく入れ込みます。この時、株の接ぎ木部分を埋めないように注意しましょう。

土を入れ終わったら、水を鉢底から出るくらいたっぷりと与え、水が引いた後にもう一度与えます。これで植え替え作業は終了です。

バラの地植えでの育て方

バラを地植えで育てる場合、何と言っても重要なのは植える場所です。鉢植えと違って地植えのバラは、一度植え付けたらそう簡単に移動できません。バラを育てるのに好ましい場所を確保することが、地植えのバラの育て方の重要なポイントです。

植える場所

日光とそよ風を好むバラに最も向いているのは、日当たりの良い東から南向きの庭。植え込みや塀など風を遮る物が少ない場所なら、さらに理想的です。

ただし、こういった場所がなくても悲観することはありません。日当たりが良くなくても、土作りや水やり、肥料など育て方を工夫すればカバーすることはできます。バラの中には半日陰でも育つ品種もあるので、そういったバラを選ぶのもおすすめです。

美しいバラは心を豊かにしてくれる

基本的な育て方のコツを掴めば、バラは決して難しい植物ではありません。自分の手で大切に育てたバラで、庭を美しく彩ってみてはいかがでしょうか。バラの豊かな色彩と芳しい香りは、きっとあなたの心も美しく豊かにしてくれることでしょう。
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