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ナメクジは塩で死ぬのか・浸透圧と塩以外の退治方法|原理

更新日:2020年08月28日

ジメジメした季節になると庭にナメクジが出現することが良くあります。ナメクジに塩をかけると小さくなることはよく知られていますが、これはどうしてなのでしょうか?こちらではナメクジと塩との関係について、害虫駆除の話を交えながら紹介していきます。

ナメクジは塩で死ぬのか・浸透圧と塩以外の退治方法|原理

ナメクジは塩で死んでしまうのか?

ここから今回の本題に移ります。ナメクジに塩をかけるとしなびてしまうことはよく知られています。ではこの塩でしなびた状態というのは一体どんな状態のことを指すのでしょうか。こちらでは塩を浴びたナメクジの状態について簡単に紹介していきましょう。

ナメクジに塩をかけたら消える?

ナメクジに塩をかけた場合に、しなびてしまうことはよく知られています。特に、塩を多く振った場合には、消えてなくなったように感じる場合もあるでしょう。

しかしながら、実際にナメクジが消えてしまったのかというとそんなことはありません。実は塩を振ったとしても、溶けたり、消えてなくなることは基本的にはないと考えてよいでしょう。しかもこの状態においても、小さくなっただけであり、生存しています。

ナメクジは水分を多く含んでいるため、塩を振った際に生じる急激な体積変化が溶けたり、無くなったりするように見えるのが原因であるといえるでしょう。したがって、一度塩を振ったところでナメクジにとっては致命傷にはならないともいえます。

塩を振られたナメクジは復活するのか?

塩を振った場合でも、ナメクジは生存することができることが先述の紹介で明らかにされました。では塩を振られたナメクジは一体どうなってしまうのでしょうか。

当然、塩を振られたままの状態が継続していれば、ナメクジは死んでしまうでしょう。しかしながら、ナメクジはかなりしぶとい生き物であり、再度水をかけると復活します。

したがって、ナメクジの駆除として塩を使用するのは、即効性に欠け、途中で雨が降ってしまったりすると水の泡になってしまう可能性が高いでしょう。また塩を見つけ次第ナメクジにかけるというのは、対症療法に近く、根治的な対策にはなりにくいといえるでしょう。

そのため、本気でナメクジを根絶したという場合には、塩を使うと選択肢は避けた方が良いでしょう。

ナメクジの塩の浸透圧について

ではそもそも、なぜナメクジは塩を振られると溶けるように小さくなってしまうのでしょうか。それにはナメクジの表面において浸透圧が影響しているからであるといえます。浸透圧という言葉に関しては、一度理科の授業もしくは高校化学で勉強したことがある方が多いでしょう。

浸透圧とは、水分の移動しやすさを表す指標として考えられます。そもそも水には、濃度の濃い方に移動する性質があります。この現象のことを浸透圧として定義されています。

ナメクジの表面に塩が振られた場面に当てはめて考えてみましょう。まず第一にナメクジの体を構成する成分の多くは水分であるといわれています。そのような状態の表面に大量の塩が振られた場合には、塩分濃度が体内よりも体外の方が高くなります。

そのため、ナメクジの体内の水分が体外の塩分濃度に引っ張れる形で、移動してしまうという経緯をだどって、ナメクジは小さくなってしまいます。

ナメクジの塩による退治方法

先述のとおり、ナメクジに塩を振りかけたとしても、すぐに駆除することはできず、動きを弱めるだけの留まるでしょう。塩を使用する場合には、体に多くかかるようにたくさんの塩を振る必要があるでしょう。

塩を用いたナメクジ退治の原理

塩を用いたナメクジ退治における原理としては、まず第一に先述に挙げた浸透圧の影響があるといえます。浸透圧はナメクジの体内の水分を奪いことで、体積を小さくし、最終的に退治することが可能になるでしょう。しかしながら、塩による退治法の場合にはピンポイントで大量の塩をかける必要があるので、効率としてはあまり良くはないでしょう。

また浸透圧を駆除として用いる関係上、塩を振っている間に雨が降る場合があった場合には、振ったし塩による塩分濃度変化の効果が薄くなり、ナメクジが復活してしまいます。そのため、この対策方法は天気による影響を受けやすいだけではなく、ナメクジが活発になる雨天などのジメジメした環境で効果を発揮できず、非常に非効率であるということがいえます。

塩は植物にとってもあまり良くない

ナメクジに塩を振る際の動機として挙げられるものとしては、農作物や家庭菜園や園芸からナメクジを守るために行うのが多いといえるでしょう。しかしながら、ナメクジを退治する際に塩を使用することによって、植物に対しても悪い影響を与えてしまう場合があるので注意が必要です。

一般的に植物が塩分によって悪影響を受けることを塩害と呼びます。基本的に植物は塩分が強い土壌では生きてはいけません。そのため、対策として塩を多く用いることは、植物にとっても大きなリスクとなりえるでしょう。

そのため、ナメクジを塩で退治する場合には、環境を見極めた上で行うことが必要不可欠になります。

ナメクジの塩以外の退治方法

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初回公開日:2018年01月05日

記載されている内容は2018年01月05日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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