ハッカ油は猫よけに使えるのか・ハッカ油・猫への影響
更新日:2020年12月22日
猫が苦手なのに自宅の庭に野良猫が入ってきてしまった、野良猫が住みついてしまって困っている、おしっこや糞の処理に困っているという方も多いのではないでしょうか。そんな時、多くの方は大きな声を出したり、道具を使って猫をびっくりさせ、追い払ったりしていたという方が大半でしょう。
ところが最近では、ハッカ油を使用している家庭も多くなり、ハッカ油が猫よけに効果のあるものだということも分かってきました。しかし、使い方によっては危険な使い方があるのも事実です。できるだけ猫を傷つけずに猫よけをするために、危険なハッカ油の使い方について学習しておきましょう。
直接吹きかける
ハッカ油を使用する際に気をつけて欲しいことは、猫に直接スプレーを吹きかけたり、スプレーを手に取った後、その手でハッカ油を猫の体に塗るといった行動です。
ハッカ油は、人間も使用する際にその量に注意が必要な成分です。飲料や食品であっても一度にたくさん入れるのは危険とされています。口に含むものでなくても量には気をつける必要があり、入浴する際などに使用する際は1〜2滴が良いといわれています。この量を守らないと肌荒れを引き起こしてしまうなど人間にとっても刺激が強い成分です。
猫は人間よりも嗅覚に優れ、ハッカ油の匂いもキツく感じてしまいます。また、もともとミント系の匂いが苦手ですので、家の中にハッカ油の匂いがしていると猫にとってストレスとなり体調不良を引き起こす可能性かあります。猫がいる場所で使用する際には、匂いも刺激も強いので猫に直接塗ったり、ハッカ油の量を多くして使用することは避けましょう。
改善されない時は
もしどうしても野良猫が庭に住みついて離れていってくれない場合などは、猫に暴言をはいたり暴力を振るって追い払ったりせずに、保健所などに相談してみましょう。相談に乗ってもらい、人間と猫が共存できる環境になるように考えましょう。
ハッカ油の猫への影響
野良猫の猫よけや、飼っている猫の虫除けにハッカ油を使用することもありますが、ハッカ油は猫の体にとっては危険です。ここでは、ハッカ油が猫にもたらすさまざまな害についてみていきましょう。
なぜ危険なのか
ハッカ油の成分は、植物性の脂溶性化学物質という成分に分類されます。これは、体内に入ってきた場合に分解せずにそのままにしておくと、毒に変わる恐ろしい成分です。人間や犬はこの成分を分解することができる「グルクロン酸転移酵素」を持って生まれてきます。
しかし、猫はその酵素自体を持って生まれてくるものの、肝臓が人間や犬に比べて弱いこともあり、「グルクロン酸転移酵素」を十分に作り出すことができません。そのため、毒素を分解できずに体の中に残ってしまうことで肝機能の障害を引き起こしてしまうという危険性があります。
製品の成分表を見て「精油」という成分が含まれているようであれば、これが植物性の脂溶性化学物質にあたります。アロマオイルなどにも使用されているこの精油は植物から抽出された天然成分でできていますが、濃縮されているものが多く猫にとっては危険ですのであまりできません。
症状は?
では実際に、ハッカ油を使用することで猫にどんな症状が現れるのでしょうか。
ハッカ油の成分である精油は植物の有機化合物が濃縮されているので、少量でも中毒症状を起こしやすいといわれています。症状としては下痢や嘔吐を繰り返してしまったり、発熱によりぐったりしているというものがあります。
なんだか調子が悪そうだと気づくまでに時間がかかり、普段はいつもどおり元気でも体内には毒素をためてしまっているということも大いにありえますので、できるだけ猫にはハッカ油は使用しない方が良いでしょう。
お互いがストレスのない方法で猫と接しよう
いかがでしたでしょうか。普段何気なく使用しているハッカ油ですが、猫にとっては害のある危険な成分であることがお分かりいただけたでしょうか。人間には問題なく使用できるから猫でも大丈夫だというわけではありません。猫と人間は違う生き物ですので、それぞれの生き物にとってそれが良いものなのか危険なものなのかをよく知る必要があります。
普段から飼っている猫の近くにはハッカ油を置かない、ハッカ油に似たような匂いのするものがないかや猫の体調がいつもと変わりないかチェックすることが大切です。猫のおしっこや糞に悩んでいてやむをえずにハッカ油を使用する方も、猫にとって害のない安全方法で猫よけをするように心がけ、猫と人間が上手に仲良く過ごしていける環境を工夫してつくっていきましょう。
初回公開日:2018年01月02日
記載されている内容は2018年01月02日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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