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清酒と日本酒の違い・銘柄|久保田/鍋島など

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清酒と日本酒の違い

日本酒は、日本が誇るべき酒の一種であり、文化でもあります。最近では、その風味や繊細さなどが評価され、海外でもが高まってきています。ビールはキンキンに冷やす、ウイスキーは、水割りかロックで基本的に冷たい状態で飲むといったように、ある程度飲み方が決まっていますが、日本酒は違います。

熱燗にして飲んでも良いし、冷酒にして嗜んでも良いとされています。飲用温度も、5℃から55℃が適切とされており、とても幅広くなっています。四季があり、寒暖差の激しい日本ならではの酒です。日本酒と言っても、それは総称でしかありません。

厳密には、8種類に分けられます。吟醸酒、大吟醸酒、純米酒、純米吟醸酒、純米大吟醸酒、特別純米酒、本醸造酒、特別本醸造酒です。それぞれ使用原料や精米の歩合、麹米使用割合などが異なり、それによって分類されています。価格も味も、8種類の中でかなりの差があり、人によって好みが分かれます。

また、清酒という言葉を耳にしたことはありますか。なんとなく、清酒は透明な酒であるという認識であったり、清酒は日本酒の別称であるという認識であったりするのではないでしょうか。どちらの清酒に関する認識もあながち間違ってはいないのですが、厳密には異なります。

清酒は、多種に及ぶ日本酒の一部で、アルコール度数は22度未満となっています。清酒の原料と製法にも決まりがあり、酒税法第3条第7号において以下のように定義されています。清酒とは、

①米、米こうじ、水を原料として発酵させて、こしたもの
②米、米こうじ、水及び清酒かすその他政令で定める物品を原料として発酵させてこしたもの

があります。

また、どぶろくなどの濁り酒と明確に分けるためにも、清酒と呼ばれています。清酒はさらっとしていて透明ですが、濁り酒は、酒をろ過する過程で濁りを濾さないようにするものです。この、ろ過するかしないかが、清酒であるかそうでないかのポイントともなっています。

生酒との違い

生酒も、日本酒の一種です。ただ「火入れ」という加熱処理が1~2度成されるその他の種類の日本酒に対して、生酒は火入れが一切成されません。そのため、とても繊細な酒となっています。日本酒や清酒と違って、スーパーなどの店頭には並ばないため、酒蔵から直接入手したり、地元の飲食店で口にしたりすることになります。

なぜ、火入れをしないのかというと、風味や口当たりが加熱によって変わってしまうからです。加熱処理には、殺菌や白濁の防止など様々な意味があるのですが、その過程を経ないことで得られるものがあるということです。

そのような生酒は、フルーティーかつ爽やかな口当たりが特徴です。香りの豊潤さも特筆すべきでしょう。日本酒や清酒が苦手な方でも、おいしくいただくことができるでしょう。

作り方

一般的に、日本酒がつくられる工程は、精米→洗米・浸漬→蒸米→製麹→仕込み→上槽→おり引き→ろ過→火入れ→貯蔵→瓶詰、となります。清酒など、他の種類の日本酒だと、この過程の中で1~2度の火入れ(加熱処理)が成されるのですが、生酒は火入れが成されません。

度数

調整される前は20度程ありますが、加水されるので、度数は15度前後になります。

カロリー

大体、100mlあたり100kcal前後です。

清酒・日本酒について

清酒と日本酒の違いについては先述しましたが、その起源と歴史について少し触れてみます。

起源

日本酒の起源は、「口噛み酒」とされています。その名から分かる通り「口噛み酒」とは、米などを口の中に入れて咀嚼し、それを容器に吐き戻したものを発酵させたものです。発酵させたというと聞こえはいいですが、実際はそのまま放置したものです。唾液に含まれるアミラーゼなどの酵素が、でんぷんを糖化することで、酒の素ができます。

世界中でこの「口噛み酒」の存在は確認されていますが、どこが発祥なのかは分かっていません。日本の場合、米が根付いた文化圏なので、米を中心とした原料で「口噛み酒」がつくられていたとされています。

歴史

日本酒自体の起源は「口噛み酒」にありますが、その歴史は徐々に発展していきます。唾液ではなく、麹を使用しての酒の醸造は、3世紀ごろには発見されていたとされていますが、具体的な年数は分かっていません。

麹の発見は、神様へのお供え物にカビが生えたことが発端となっており、偶発的に起きたものとなっています。その後、平安時代には、現代とそう大差ない方法で酒がつくられたと書かれた文献も現れました。日本酒の歴史は古く、文化発展の早い段階で酒が親しまれていたことが伺えます。

今よりも勿論精度は悪く、味も比べ物になりませんが、嗜好品としても愛されるようなものとなりました。また、それまで日本酒とは濁り酒のことを指していたのですが、16世紀頃から、清酒に近いものがつくられるようになってきたでしょう。見た目が澄んでいて、口当たりも優しい清酒は、徐々にを博していくようになりました。

江戸時代には、日本酒は商品として市民内でも出回り、今より200年程前には、殺菌の技術も導入されていたということです。品質の向上や衛生観念にアプローチした日本酒・清酒がつくられるようになったのは、この頃です。その後も新たな酵母の発見、酒税改正、吟醸酒の誕生など様々な過程を経て、日本酒の歴史は現代に繋がっています。

最近では、単独世帯向けの小型ボトルの日本酒や、女性向けの甘く可愛らしい色づきの日本酒・清酒製造など、ニーズに合わせた商品の開発が進んでいるでしょう。

銘柄

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久保田

久保田は、朝日酒造が製造している日本でも代表的な日本酒の1つです。「米どころ新潟が生んだ日本の宝である」と言っても過言ではないでしょう。地元の清らかな軟水と、こだわり抜かれた3種類の酒米が美酒をつくる秘訣です。全国的にも絶大なを誇り、目が覚めるような辛さが特徴の日本酒です。

しかしながら、ほのかな甘さやフルーティーですっきりとした飲み口も楽しめます。主に5種類販売されていて、純米大吟醸の萬寿と碧寿、純米吟醸の紅寿、吟醸の千寿、特別本醸造の百寿となっています。一番親しまれているのは百寿で、比較的お求めやすい値段と爽やかさが特徴になっています。

しかし、は碧寿です。他では味わえない繊細な口当たりが逸脱で、甘さよりも辛さが舌に残ります。多少値は張りますが、これだけのクオリティを楽しめるのなら安いものでしょう。

八海山

八海山は、八海醸造が製造している日本酒です。こだわりが強く、八海三系の地からもたらされる湧き水と、優れた原料米を使用しています。日本酒だけでなく、ビールや梅酒、甘酒など様々な酒を手掛けており、酒製造に広く精通していることが伺えます。

日本酒も多く販売されていますが、特になのは、純米吟醸の八海山です。口に入れると、米本来の甘みが一気に広がり、驚いてしまう人もいるでしょう。しかしながら、辛口であり、のどごしの良さも特徴的なので、様々な感動を味わうことができます。

雪中梅

雪中梅は、松山酒造場が製造している日本酒です。山の麓にある蔵元で、澄んだ井戸水と上越地方でつくられた高品質の米を元につくられています。比較的歴史が浅い酒蔵であるにもかかわらず、雪中梅の名は世に知れ渡っています。それほど美味しい酒なのです。

は本醸造です。他の商品は甘みやすっきりとした後口が特徴なのですが、こちらは違います。口当たりは柔らかく滑らかなのですが、後を引く苦みも感じられます。酒の旨みと奥深さを味わいたい場合は、本醸造を選ぶと間違いないでしょう。

緑川

緑川は、緑川酒造が製造している日本酒です。酒造りに向いているとされる魚沼の地で、豊富な資源に囲まれながらつくられています。最近知名度がぐんぐん増してきている酒です。特徴は、何といってもその香りでしょう。ひとたび口に含むと、メロンのような甘く豊潤な香りが一杯に広がります。

は、群を抜いて純米吟醸です。癖がほとんどなく、すっきりとした飲み口なので、万人受けする味わいを楽しめます。冷酒として飲むと、特に純米吟醸の良さが引き立つでしょう。

鍋島

鍋島は、富久千代酒造が製造している日本酒です。先述した日本酒の数々は、新潟でつくられているものばかりですが、こちらは佐賀県でつくられています。そのコンセプトは、「唯一無二」。多良岳山からの恵みを受けた水や、高品質な米、そして酒づくりへの情熱が美味しさの秘訣です。

数々の受賞歴があることからも、その実力が伺い知れます。は、世界的なコンテストで賞をとった大吟醸です。口当たりがよくフルーティーな味わいで、上品という表現がぴったりな逸品です。

様々な清酒・日本酒を試してみよう

日本の宝の1つだとも言える日本酒ですが、日本酒には深い歴史や細かな分類があります。清酒や生酒なども日本酒の内の1つで、作り方やアルコール度数などで違いが出てくることが分かりました。

銘柄の中にも、純米吟醸や大吟醸など、様々な種類のものがあるので、その違いを実際に確かめてみるのも良いでしょう。お気に入りの銘柄・種類を見つけることも、日本酒を嗜む上での醍醐味と言えるでしょう。同じ日本酒を飲む際でも、熱燗・冷酒・常温など、味わう温度に変化をもたらしてみるのも面白みがあるでしょう。
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