革靴のひび割れの原因|乾燥/クリーム・直すには・手入れ方法
更新日:2020年08月28日
革靴のひび割れの原因とは何か?
おしゃれな革靴が沢山ありますが、履きっぱなしで放って置くと、革はダメージを蓄積して、時間の経過で硬化やひび割れを起こす素材です。
ひび割れと言っても、箇所やその状況、原因はそれぞれ異なります。革は、自然治癒をする素材ではありません。割れてしまった原因を知る事で、革靴の割れを防いだり、手入れの方法を学ぶ事が出来ます。では、そのそれぞれ異なる状況を順に説明して行きます。
乾燥は天敵になる!
革の一番の天敵は、「乾燥」です。革は、適度な油分を含んだ自然素材です。その、油分が失われる事で、乾燥して行き、終いにはひび割れを起こしてしまいます。
例えば、人間も同じです。人間は、真夏の太陽を長時間浴びる事で日焼けをします。黒くたくましく見えますが、体内の脂分や水分が失われ、炎症を起こしている状態です。このため、日焼けした後は、保湿クリームを塗り、失われた脂分や水分を補給します。これを怠ると皮膚はつっぱり、身体を動かす事すら痛くなります。
革靴も同じです。日焼けや保管の状況により、油分を失い、乾燥し、結果として、ひび割れを起こす原因となります。
つま先の劣化の原因には何があるの?
革靴で一番ダメージを受けやすい箇所は「つま先」です。太陽が一番当たる箇所ですので、乾燥保護の手入れが必要です。
更には、階段を上る際、ぶつける事で傷が付いてしまいます。革は、表面と中身の質が異なります。要するに、中身を守っているのが「表革」という革です。ここにダメージが重なり、傷が付くと、外気に触れ、中の油分が失われて行きます。
また、満員電車や通勤ラッシュで足を踏まれた事もあるでしょう。この時も、つま先にダメージを受けてしまいます。踏んだり、踏まれたりしないよう、落ち着いた行動が望ましいでしょう。また、日頃からブラッシングや保湿ケアを行う事で、割れが起きにくくなります。難しい事ではありませんので、心掛ける事をします。
かかとの劣化の原因には何があるの?
「かかと」では、どんな劣化やひび割れの原因があるかを説明しましょう。
つま先とは違い、太陽を浴びにくい箇所ですので、ダメージの蓄積は大きくありません。また、足の裏は大量の汗をかいています。しかし、かかとは汗をかきにくい部位ですので、大きな劣化やひび割れには、繋がり難い箇所だと言えます。
階段でぶつける事も少ないでしょう。人に踏まれる事もありません。その為、かかとが割れを起こす一番の原因は乾燥です。油分不足によって、革同士が引っ張り合い、いずれ、割れを起こしてしまうでしょう。
また、かかとも、同じように日頃のブラッシングや保湿のケアを行う事が望ましいです。
革靴のひび割れを直す方法って何があるの?
起きてしまった、革靴のひび割れの直し方を説明します。前述のように、一番起こりやすい「つま先」のひび割れの直し方から説明しましょう。
まずは、その割れの範囲と大きさを確認します。まだ、初期の小さな割れならば、カラークリームで、ひび割れの間に塗り込む事で、見た目には目立たなくなるでしょう。同じ色の物を選択しましょう。
大きなひび割れを直す場合には、端切れの革を使って埋め込む、という方法があります。革にも沢山の種類がありますので、同じ種類の革を探しましょう。そして、ひび割れた箇所と同じ大きさ・形に切り、革専用のボンドで、そのひび割れた隙間に埋め込み、接着しましょう。
その後、カラークリームを塗り込んで、目立たなくさせる事で、革靴の大きなひび割れを直す事が出来ます。
ひび割れの修理は難しいの?
いずれにしても、革靴のひび割れの状態を判断する事が重要です。広範囲に大きくひび割れしてしまった革靴でも、上からパッチワークのように、新しい革を貼る事で「リメイク」する。という直し方もあります。この方法ですと、全く印象が異なる革靴に生まれ変わりますので、最終的には検討しても良い「ひび割れの直し方」です。
ですが、どうしてもひび割れた革靴の直し方に悩んだり、直すのに自信がない場合は、プロの革靴専門のリペアショップに相談しましょう。革の材質や色は、時に素人の選択や判断では難しい場合もあります。
直し方も沢山あるので、極力費用を抑えようとする事が、かえって大事な靴を傷めてしまう事もあるでしょう。時に、プロから安心を買う事も適切な選択肢の1つです。
革靴の手入れ方法にはどんなものがあるの?
「革は劣化する」という事は分かりました。では、その劣化を防ぐ為の手入れ方法を紹介します。日頃より、手入れをしておく事で、事前にダメージを避けられます。私達、人間と同じです。疾患や病気にかかってしまう事前の身体のケアも日々大事です。
その手入れも様々な方法があります。革の素材によって、その方法も変わります。しかし、基本的な事は、着用後のブラッシングです。私たちの歯磨きと同じです。磨かずに放って置けば、虫歯になります。毎日しっかりと磨く事で、虫歯予防となります。
靴も同じ事で、汚れの蓄積を防ぎ、油分の保湿をする事で、乾燥から守り、革の硬化やひび割れを防ぎます。
クリームでの手入れ
簡単にできる手入れは「クリーム」を塗る事です。これには、水分がある為、革靴に浸透して潤いを与える、謂わば革の栄養クリームです。これを定期的に靴に塗る事で、油分をキープ出来ます。
油分があれば、前述の日焼けでの劣化を防げます。要するに、日焼け止めクリームとも言えるでしょう。私達も、日焼け止めクリームを塗る事で、直射日光から肌を守ります。
しかし、クリームは「表革」という革専用のものです。スエードなどの毛羽立った革には塗ってはいけません。ベタついてしまい、余計に汚れを蓄積してしまいます。
また、「沢山塗れば良い」という事でもありません。指先で、薄く、均一になるよう、革の内部に浸透させて塗り込む事が大切です。表面的に塗ったクリームは、最適な効果を果たしません。塗った後は、軽く拭き取り、乾いた布やブラシで磨くと、綺麗なツヤも出るでしょう。
ミンクオイルでの手入れ
ミンクオイルも革靴の油分を補給するものです。蝋や有機溶剤などで作られた類似品も多いですが、純粋なミンクのオイルで作られた上質な商品もあります。ミンクオイルも、クリーム同様に「表革」と相性が良いです。塗る事で、味わいある見た目の革へと変化します。
スプレータイプとクリームタイプがありますので、用途で使い分けると良いでしょう。クリームタイプのミンクオイルは、前項のクリーム同様、指で塗り込みます。各部に残りやすい為、手軽に手入れをしたい場合は、吹きかけるだけで良い、スプレータイプのミンクオイルを使う事をします。
革靴専用ワックスというものもあります。これは、クリームとは少し異なり、革靴の表面にロウの膜を張り、防水力とツヤを与える、謂わば「仕上げ剤」です。最後は、同じくブラッシングや乾いた布で磨く事で、ツヤが出ます。
心がけで愛着感が変わる
革靴は、日頃の履き方・手入れによって、自分だけの足にフィットして、素敵な表情を見せてくれる自然素材です。永年、手入れしながら履いた1足は、きっと愛着ある自分だけの革靴となります。
革は生き物です。例えば、自分の「ペット」という考え方もできるでしょう。犬や猫のペットも餌を与え、散歩をして、遊んであげたり、日頃の様々な手入れをしてあげる事で、より深く愛情を注げます。
靴に対しても、履きっぱなしで、何も手入れしなければ、その内に愛着も薄れてしまいます。面倒な事はないので、日々の簡単な手入れから始めてみましょう。気付かなかった、革の魅力も発見でき、素敵な愛情を注げる事でしょう。
初回公開日:2017年09月21日
記載されている内容は2017年09月21日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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