ムカデのつがい行動は習性なのか|嘘・本当/大きさ/生態
更新日:2020年08月28日
足がたくさんあって、ジメジメした暗いところが好きな虫はムカデ以外にもヤスデやゲジゲジがいます。違いを比べてみましょう。
ムカデ
ムカデは体長60㎜~200㎜くらいで、ヤスデやゲジゲジに比べると大きいです。ひとつの節に一対の肢があります。オオムカデは21対または23対の肢を持っています。
多い種では173対の節があります。夜行性で、昼間は植木鉢や石の下、落ち葉や朽木の下など暗くてジメジメしたところに潜んでいます。夜にエサを求めて活動します。肉食で、ミミズや小さな昆虫を食べます。攻撃的で、目が弱いため触れたものにはすぐに噛みつきます。動きは素早いです。強い毒を持っていて、噛まれるととても痛く危険です。
ヤスデ
ヤスデは見た目は「長いダンゴムシ」です。ダンゴムシと同じく刺激すると丸くなります。前3つの節以降はひとつの節に2本以上の肢が生えています。体長は10㎜~25㎜くらいでムカデに比べてかなり小さく、動きも遅いです。襲って来たりしません。
危険を感じると刺激臭のある体液を出します。その体液に触れると痛みを感じることもありますので、触ったり踏み潰したりしないようにしましょう。ヤスデは5月下旬~7月上旬、特に梅雨明け時期に多く発生します。
ゲジゲジ
ゲジゲジは正式名称は「ゲジ」です。体長は40㎜くらいで、体長より長い触覚を持っています。肢も長く動きは素早いです。夜行性で昼間は石の下や草むらに潜んでいます。毒は持っていますが、襲って来ることはなく、咬まれても人体に影響はありません。小虫やゴキブリを捕食してくれる益虫です。
ムカデはどんなところを好むの?
ムカデが好む場所は「湿気があるところ」「暗いところ」「狭いところ」「エサがあるところ」です。なので、屋外では植木鉢の下や落ち葉の下、石の下や倒木の下などを好みます。屋内では、風呂場、洗面所、台所の流しの下、畳の裏、床下、屋根裏など暗くてジメジメしたところに潜伏しています。
隣の家が空き家などで、ゴキブリやクモなどが多かったりすると、肉食のムカデはエサにつられて侵入してきたりします。ムカデは夜行性なので、昼間は植木鉢の下石の下、落ち葉や倒木の下に身を潜めていて、夜になるとエサを求めて活動します。暗くてジメジメしている靴の中や布団の中に潜り込んでいる場合もあります。活動期の5月から10月は被害にあわないように気をつけましょう。
最近では、アパートやマンションの上階での被害もみられています。人や荷物に付いてエレベーターで上がって来る場合もあります。気をつけましょう。
ムカデが入って来ないようにするには
ムカデが入って来ないように予防するには、①自宅周辺の雑草の草むしりをする。②廃材やがれきの除去。③落ち葉を溜めないようにこまめに片付ける。など、ムカデが住みにくい環境をつくるのが良いでしょう。
また、ゴキブリなどの虫が発生しないように清潔にして、ムカデのエサになるものをなくしましょう。窓からも侵入します。網戸をしていれば大丈夫ですが、レールとの隙間から侵入することもあるので、隙間テープなどを活用して隙間をなくしましょう。
ムカデに噛まれたら?
噛むムカデの主なものは?
日本に生息し、家に侵入し、人やペットに被害を与えるムカデは「トビズムカデ」「アオズムカデ」「アカズムカデ」の三種類があげられるでしょう。
「トビズムカデ」は8㎝~15㎝でまれに20㎝を超えるものもあり日本最大級のムカデです。個体によって多少違いがありますが、赤い顎に黄色いあしひを持つものや朱色の頭を持つものがいます。
「アオズムカデ」は約10㎝で、トビズムカデより小型です。頭は背面と同じ暗青色で、あしは黄色からオレンジ、個体によっては青色です。
「アカズムカデ」は4㎝~7㎝です。頭と肢が赤色で、背面は深いオリーブ色です。
ムカデに噛まれたらどうなるの?
ムカデに噛まれると非常に痛いです。毒は種類によって違いますが、セロトロンやヒスタミンという蜂の毒と似ている成分が含まれています。特にアカズムカデの毒性が最も強力で、噛まれると激しい疼痛、しびれ、灼熱感、紅斑がおきます。
重症になれば潰瘍化やリンパ管炎、リンパ節炎がおきます。稀に頭痛、発熱、嘔吐、めまいなどの全身症状が出る場合もありますが、ほとんどの場合は局所的な症状です。
過去にムカデに噛まれたことがある方はアナフィラキシーショックが起こる可能性もありますので、注意が必要です。
ムカデに噛まれたらどうしたらいいの?
もし、ムカデに噛まれてしまった時の応急処置は
①すぐに噛まれたところから毒を出すことが必要です。毒液吸引器を利用すると効果的です。
②43℃以上のやけどしないお湯で5分以上洗い流します。石鹸やシャンプー(弱酸性のものは除く)で洗い流すとより効果があります。
③さらにヒスタミンの毒の痛みを和らげるために抗ヒスタミン剤が含まれているステロイド薬を塗ると良いでしょう。
頭痛、悪寒、吐き気など全身症状が出た時は速やかに病院へ行きましょう。
初回公開日:2018年02月02日
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