ヤモリはゴキブリを食べる・食べないのか・駆除対策|天敵
更新日:2020年08月28日
あなたはヤモリを知っていますか?
身近なニホンヤモリの生態
じんわり日差しの暖かさを感じ、虫の音もチラホラ聞こえはじめる3月以降に現れるのがヤモリです。縦長の日本列島においてヤモリが生息する北限は秋田県ですが、本州から九州・対馬までの広い範囲で見ることのできる爬虫類で、和名をニホンヤモリと言います。
体長約12センチほどと小さなヤモリは、昼間は物陰や落ち葉の下などに身を潜め、夜になると捕食のために行動が活発になる夜行性です。そのためヤモリのパブリックイメージと言えば、ガラス窓や壁に張り付いて獲物を待つ姿となっています。
ヤモリの体の表面は灰色から黒褐色で、ブロックや枯葉の色に上手く擬態化する能力も持つため雌雄の区別がつきにくいとされますが、メスは胴体からしっぽにかけて細くスマート、オスはしっぽの付け根にある膨らみが特徴となります。
生みの親は日本びいきのシーボルト
ヤモリは日本の固有種ではなく何らかの方法で日本に入ってきた外来種で、平安時代以降にはすでに存在していたとも伝えられます。
しかし生物学上で爬虫類の新種として発表されたのは江戸時代に入ってからとなり、二ホンヤモリの存在を世に知らしめたのが博物学者のシーボルトです。ドイツ人ながら日本との関わりを大切にしていたシーボルトがヤモリの学名にあえてjaponicus(=日本のという意味)を付けていることからも、その縁の深さがうかがえます。
生きる知恵?ヤモリの体の特徴
環境によって体の色を変化させられるほかにも、ヤモリの特徴的な体の構造がいくつかあります。
まず一つ目は、ヤモリの足の裏には細かな毛が密集して生えていることです。その数は1平方メートルあたり100万本にもなり、その毛がすべり止めの役割を果たしていることで垂直な面でもしっかり踏みとどまることができます。
また、トカゲのしっぽ切りと同じくヤモリのしっぽも自ら切ることができる自切(じせつ)の機能を持つため、これも天敵から身を守る1つの手段になっています。
間違われやすいイモリとの違い
名前も似ていてヤモリと混同されやすいのがイモリでしょう。ヤモリの体の特徴はご紹介したとおりですが、圧倒的な見た目の差はその体の色です。
灰色っぽい色のヤモリに対してイモリは黒っぽく、別名アカハラと言われるように腹側がかなり鮮やかな赤色をしているのが特徴です。分類上も爬虫類のヤモリに対してイモリは両生類のため水陸両用で、水中でも生きることができます。
またヤモリは人家の周りに住むことから「家守(やもり)」、水中や水辺に棲むイモリは「井守(いもり)」と表現されることもあります。漢字に慣れている日本人にとっては漢字表記で覚えると比較的わかりやすく区別できるのではないでしょうか。
ヤモリはゴキブリを食べるor食べない?
蛾など外気温の上昇と共に増える細かな昆虫たちを捕食するのがヤモリです。では、同じく夜行性の不快害虫として知られるあの昆虫は食べるのでしょうか?
次はいよいよこの疑問について迫っていきます。大きく2つのパターンに分け、ヤモリの食事情をみてみることにしましょう。
エサとしてのゴキブリ
自然界に生きるヤモリですが、爬虫類愛好家の中にはこれをペットとして飼育するのもです。ヤモリのエサで注意すべきは生きている昆虫でなければ食べないことです。
昆虫を好んで食べる爬虫類のエサとして販売されているものではコオロギやバッタが一般的ですが、これと同じく生きたゴキブリをエサとして与えるケースも珍しくありません。
ただし、ヤモリがエサと認識できるサイズの目安は自分の頭の大きさほどが限界です。あえてエサとして与える場合は、できるだけ小さなサイズのゴキブリを選んで与えることが上手に食べさせるポイントとなります。
捕食対象としてのゴキブリ
夜なると活発に動きまわる習性のゴキブリは、当然ながらヤモリが捕食する対象になります。ただし蛾やハエなどに比べるとすばしっこいのがゴキブリです。ヤモリが好んで食べる昆虫というよりはタイミングが合えばゴキブリも捕食するというのが、自然界におけるヤモリとゴキブリの関係でしょう。
またヤモリが捕食できるゴキブリの種類も、ゴキブリの中では比較的小ぶりなチャバネゴキブリや大型のゴキブリの幼虫で、サイズ的に2cm前後でないと捕まえるのも食べるのも難しいのが実際です。
見るだけでもイヤ!ヤモリとゴキブリの駆除対策
初回公開日:2018年01月26日
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