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ジャンボタニシの卵の駆除方法・孵化方法・毒があるのか

更新日:2025年03月05日

ジャンボタニシという生物は外来種で、要注意外来生物の一つです。その卵は、地味な成貝のイメージとは正反対の特徴を持っています。ジャンボタニシとはどんな生物なのか、またその卵の驚きの特徴と、駆除方法について紹介していきます。

ジャンボタニシという生物は外来種で、要注意外来生物の一つです。その卵は、地味な成貝のイメージとは正反対の特徴を持っています。ジャンボタニシとはどんな生物なのか、またその卵の驚きの特徴と、駆除方法について紹介していきます。

ジャンボタニシとは?

昔から、「田んぼと言えばタニシ」というほどタニシは良く知られた生き物です。しかし、ジャンボタニシと言われてどんな生き物か、わかる人がどれくらいいるでしょうか。単純に、大きく成長したタニシではありません。

では、ジャンボタニシとはどんな生き物なのか、紹介していきます。

ジャンボタニシの特徴は?

ジャンボタニシの正式な品種名はスクミリンゴガイといい、リンゴガイ科リンゴガイ属、淡水棲の大型巻貝です。日本在来のタニシとは見た目が良く似ているので、小さいうちは見分けがつきにくいですが、巻貝の中ではとても大型で、成貝は5~8センチメートルにもなります。

大きいものは、人間の大人の手のひらにピッタリなサイズということですから、日本在来のタニシのイメージとは大きくかけ離れています。

ジャンボタニシは雑食性で動物性植物性問わず有機物を食べますが、日本在来のタニシとは異なり濾過摂食をしないので、水質浄化の働きはしません。さらには水田に生息すると、生育初期の稲を食害することがあり、農家の人々の悩みの種になっています。

ジャンボタニシはどこからきたのか?

ジャンボタニシは中南米原産で、日本には1980年台に長崎・和歌山に初めて持ち込まれた外来種です。食用に養殖するため持ち込まれましたが、販路が拓けず、廃棄されることになりました。そうして廃棄されたり、養殖場から逃げ出した個体が日本でも野生化しています。

エラ呼吸と肺呼吸どちらもできるので乾燥に強い一方、寒さには弱いです。日本で越冬できるのは1~3センチメートルほどに成長した個体に限られ、温暖な西日本の各地で生息が確認されています。

ジャンボタニシをペットに?

ジャンボタニシの変種であるゴールデンアップルスネールは、ジャンボタニシのアルビノ種で、美しい黄色い貝で、アクアリウムを扱うペットショップで見かけることがあります。

食欲旺盛なその性質から、水槽の掃除屋として重宝されるほどです。しかしコケ掃除のつもりで水槽に投入しても、水草入りの水槽だと水草が食害に遭ってしまうので注意が必要です。

いろんな意味ですごいジャンボタニシの卵

日本在来のタニシ科のタニシは卵胎生といって、卵を産むのではなく、卵を胎内で孵化させて子を産む繁殖形態をとります。ではなぜジャンボタニシは卵を産むのでしょうか。

それは、ジャンボタニシが生物学的には「タニシ」ではないことを表しています。姿形が似ているということで、日本ではジャンボタニシと呼ばれるようになりましたが、ジャンボタニシとタニシは全く異なる品種ということになります。

ではそのジャンボタニシの卵はどのようなものでしょうか。

とっても目立つその色は?

ジャンボタニシの卵の一番の特徴は、その色です。一見何かの実かと思わせるほどの色鮮やかな濃いピンク色をしています。直径2ミリメートルほどの卵を数十~千粒もの塊の状態(卵塊)で、水面から離れた植物や、コンクリートの壁に産み付けます。

貝が小さいうちは在来種と見分けがつきにくく、水田での発生に気づかないこともありますが、卵があまりにも派手なので、卵塊の発見で発生に気づく場合が多いです。

毒々しいその色は、他の生物から卵を守るための警戒色と言えます。

その卵毒入りですよ!

ジャンボタニシの卵はPcPV2と呼ばれる神経毒を有しており、人間が食べると苦みを感じます。有毒であることとその警戒色から、ジャンボタニシの卵は他の生物に食べられることは少なく、天敵はヒアリだけだと言われるほどです。

PcPV2は植物や細菌が持っている種類のもので、動物が持っているのは非常に珍しいことがわかっています。毒入り卵の中でジャンボタニシの赤ちゃんは、なんとその毒PcPV2を分解して栄養にしてしまっているというから驚きです。

成貝は地味ですが、卵はいろんな意味で派手で、とても興味深い性質を持っていました。

ジャンボタニシが卵から成貝になるまで

ジャンボタニシは四月下旬~十月上旬にかけて、夜の間に水から出て、植物の茎や葉、コンクリート壁などに産卵します。条件次第では3日か4日に一度産卵することもあり、一度に何百個と卵を産むことを考えると、メスは一年でものすごい数の卵を産むことになります。

卵が産みつけられてから約二週間~三週間ほどで、濃いピンク色だったジャンボタニシの卵は徐々に色が白っぽく変わり、孵化の時を迎えます。孵化後はその旺盛な食欲で生息域の植物をどんどん食べて、孵化から二ヵ月ほどで成貝になり、繁殖も可能になります。
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初回公開日:2018年04月17日

記載されている内容は2018年04月17日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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