オール電化のメリットとデメリット|賃貸/マンション/アパート
更新日:2020年08月28日
オール電化のメリットとデメリット
冷暖房、調理、給湯など家庭で使うエネルギーをガスや石油ではなく、すべて電気でまかなうことを「オール電化」と言います。一般的にオール電化住宅には、IHクッキングヒーター、エコキュート、床暖房、太陽光パネルなどが設置されています。
個人宅での太陽光パネル、エコキュート、エネファーム設置普及もあり電気の自給自足が進み、近年オール電化を選択するご家庭が増えています。
2017年現在、新築住宅の40%以上がオール電化住宅を採用しています。ガスを使わないので高齢者や小さなお子さんがいるご家庭でも安心して使える、光熱費が安く済むなどさまざまなメリットが謳われています。
ここでは気になる「オール電化」を利用するにあたり、さまざまなシチュエーションでのメリットとデメリットについて検証してみましょう。
エコキュート
2001年に販売開始されてから2017年現在まで、エコキュートは全国で500万台以上普及しています。オール電化住宅の給湯器として利用されています。エコキュートとは「自然冷媒ヒートポンプ給湯機」の愛称で、大気中の熱を取り込んでお湯を沸かす「ヒートポンプ給湯器」です。
自然冷媒(CO2)という自然界にある物質で加熱します。可燃性、毒性もなく外気が-10度という低さでも高温貯水ができます。二酸化炭素を出さないので環境にも優しいシステムです。
【エコキュートのメリット】
・電気代が安い深夜電力を利用
・断水時でもタンクの水を利用できる
・停電時でもタンクの水を利用できる
・取り扱いメーカーが多い
【エコキュートのデメリット】
・低周波騒音を起こす可能性がある
・冬場はお湯になりにくい
・すぐお湯にならない
・使い過ぎるとお湯がなくなる
一般家庭用にはパナソニック、コロナ、三菱電機、東芝キャリア、ダイキン、タカラスタンダードなどが製造販売しています。
エネファーム
都市ガスから取り出した水素を、空気中の酸素と化学反応させて発電させる家庭用燃料電池コージェネレーションシステムのことを「エネファーム」と言います。エネファームで作られたエネルギーは、電気、給湯、暖房などに利用されます。今まで無駄に海や大気中に捨てられていた発電所の熱をエネファームは利用しているので、環境に優しいシステムです。
ガスを利用するためオール電化住宅ではエネファームを利用することはできません。
【エネファームのメリット】
・国や自治体の補助金を受けられる
・発電時に騒音が出ない
・エネファーム用の住宅専用のガス料金優待プランがある
・リアルタイムで発電量や使用電力量を把握できる
・エネファームを設置した住宅で発電を行うので送電ロスがほとんどない
【エネファームのデメリット】
・補助金制度はあるが高額
・発電した電力を電力会社へ売電できない
・高額のわりには20年ぐらいの寿命
・海外から天然ガスを輸入しているので輸入価格高騰が影響しやすい
主な製造メーカーはパナソニック、アイシン、ノーリツなどです。
環境
一般的にオール電化は環境に優しいとされています。たとえば「エコキュート」は空気の熱を利用するため、二酸化炭素を輩出しません。また、電気温水器と比べて約3分の1の電気でお湯を沸かすことができます。
震災など
電気、水道、ガスのライフラインの中で、災害時に一番早く復旧するのが電気です。東日本大震災でも、一番復旧が早かったのが電気でした。災害時に起こる停電では灯油やガス給湯器ではお湯を沸かすことができません。
しかしオール電化の場合、タンクに貯蔵されているお湯を使い切るまでは、停電だろうとお湯を使うことができます。赤ちゃんや小さなお子さんがいるご家庭には、お湯はとても大切です。
賃貸で探す時もオール電化にするメリットとは
近年、オール電化の賃貸住宅が増えてきました。新築でオール電化住宅にするには、初期費用がかなりかかりますが、賃貸の場合、すでにオール電化住宅になっているので、住人が設備非情を負担する必要がありません。初期費用(設備投資)に多額の費用がかかるため、大家さんが賃料に上乗せする可能性があります。
そのため、オール電化住宅の賃料は、普通の賃料より高めに設定されているケースがあります。しかし、火を使わないという安全性を重視するなら、賃貸でのオール電化住宅はです。
太陽光発電オール電化のメリット
オール電化住宅に必要不可欠なのが太陽光パネルです。個人で太陽光パネルを設置するとなると、設備費用だけで100万円以上かかるケースも少なくありません。決して安い買い物ではないのです。それだけの費用をかけて太陽光パネルを設置する必要があるか、気になるメリットとデメリットを挙げてみましょう。
【太陽光発電のメリット】
・自家発電するので電気代が安くすむ
・余った電気は電力会社に売れる
・災害時、停電時でも電気が使える
・耐久年数が長い(寿命が長い)
・補助金制度がある
・蓄電もできる
【太陽光発電のデメリット】
・初期費用が高い
・日射量に左右されやすい
・設置後に他の建物などができてパネルに影ができてしまう可能性がある
・売電価格が下がっている
これらメリットとデメリットを加味した上で、あなたが太陽光発電を利用されるのが徳か損かを見極めてください。
オール電化のマンション・アパートのメリットとデメリット
オール電化マンション・アパートとは、給湯や調理をはじめすべてのエネルギーを電気でまかなう住宅のことを言います。マンション用エコキュートが開発され、オール電化マンション・アパートが飛躍的に増えました。このような住宅にはどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。
【オール電化マンション・アパートのメリット】
・既存設備なので設置費用がかからない
・深夜電力を使えば光熱費が安くなる
・HIクッキングヒーターなら火を使わず安全、掃除もラク
その他、先述したように災害時の復旧が早いなどオール電化特有のメリットが挙げられます。
【オール電化マンション・アパートのデメリット】
・1日中電気を使うなら光熱費が高くなる
一人暮らしや共働きのご夫婦など、昼間の電力を使わず料金の安い深夜電力をメインに使えば、光熱費は安くすみます。しかし、昼間もかなり電気を使うとなると光熱費は高くなってしまいます。
オールガスとオール電化を比較!それぞれのメリットとデメリットとは
オールガスとはガスの燃焼を利用して発電し、排熱利用で給湯や床暖房などを賄うシステムのことを言います。オール電化はすべてを電気でまかないますが、オールガスはすべてをガス、というわけではなく、電気とガスの併用になります。それでは、オール電化とオールガスを比較して、どのようなメリットとデメリットがあるかを挙げてみましょう。
【オール電化 vs オールガス】
電気とガスの1kWhあたりのコストを比較してみましょう。
・LPガス 約21円
・都市ガス 約12円
・オール電化(昼) 約32円
・オール電化(夜) 約12円
オール電化とオールガス、どちらがお得かという問題はお使いになるご家庭の家族構成に大きく左右されます。先述したようにオール電化の場合、昼間に電気をたくさん使うとどうしても割高になってしまうのです。
初回公開日:2017年08月28日
記載されている内容は2017年08月28日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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