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2017年09月02日

長期優良住宅のメリットとデメリット|固定資産税/火災保険

長期優良住宅とは災害に強く、たやすく劣化しない住宅です。保守点検で修繕して100年以上住み続けられる住宅です。この長期優良住宅を購入すると各種減税の恩恵に預かることができます。孫・ひ孫の代まで同じ家に住みたい人は長期優良住宅の購入を考えてみてください。

長期優良住宅のメリットとデメリット|固定資産税/火災保険

長期優良住宅って何?

長期優良住宅のメリットとデメリット|固定資産税/火災保険

長期優良住宅の家を建てると税金が安くなると聞いたことがある方もいるでしょう。住宅ローンの金利が歴史的な水準にまで低下している現在、いずれマイホームを購入したいと思っている人は、今こそ購入を考えるときです。メリットもたくさんあります。

この記事では、そもそも長期優良住宅とは何なのかというところから始まり、その認定を受けることのメリット・デメリットをご説明します。

そもそも長期優良住宅って何なの?

国土交通省の説明によれば、長期優良住宅とは「長期にわたり良好な状態で使用するための措置が講じられた優良な住宅」という意味です。長期使用(少なくとも100年が目安)ができる構造で、耐震性も備えた住宅を指します。お役所が認めた「長持ち住宅」が長期優良住宅と考えていいでしょう。

平成20年に交付された「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」に認定の基準が示されています。

この法律では、長期優良住宅の普及の促進のため、構造躯体等の劣化対策、耐震性、可変性、維持管理・更新の容易性、高齢者等対策、省エネルギー対策、一定以上の住宅規模、及び良好な景観の形成への配慮等を定めています。

出典: http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_h... |

長期優良住宅の認定基準(2017年)

国土交通省は長期優良住宅の認定基準として次のものをあげています。

■構造躯体等の劣化対策
■耐震性
■可変性
■維持管理・更新の容易性
■高齢者等対策
■省エネルギー対策
■一定以上の住宅規模
■及び良好な景観の形成への配慮

これらについて順に見ていきましょう。

構造躯体等の劣化対策

長期優良住宅に認定されるには、簡単に劣化しない構造でなければなりません。「最低でも100年は住める家」が基準です。

具体的には鉄筋コンクリートを使っている場合、セメントに対する水の比率を下げなくてはなりません。また、木造であれば床下空間は330mm以上なければならないとされています。

耐震性

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極めてまれに発生する地震が起きても、損傷が大きくならない程度の耐震性がなければ、長期優良住宅認定はされません。建築基準法が求める耐震性よりも、より地震に強い建築であることが求められます。

可変性

これは、間取りの変更がしやすいかどうかという意味です。家族の増減、居住者の年齢などに応じて適切な間取りは変わっていきます。間取りの変更が容易にできるかどうかはマンションの場合、大変重要なポイントです。

また、長期優良住宅マンションは天井の高さが配管や配線を変更することのできるくらいの高さでなければなりません。

維持管理・更新の容易性

建物自体は100年もつものだとしても、内装や設備はより短いサイクルで維持管理することになります。清掃や補修・更新が簡単にできる構造になっていることが、長期優良住宅認定の基準の一つになっています。配管の維持管理が容易にできるかどうかは重要なポイントです。

高齢者等対策

将来的にバリアフリーに改修できるだけのスペースが確保されていることが長期優良住宅認定基準の一つになっています。後々、廊下や階段に手すりを設置しても、人や物が通り抜けるスペースが十分になければなりません。

省エネルギー対策

ここでいう省エネルギー対策は断熱性能などのことです。建築物省エネ法という法律に定められた評価基準に適合し、一定の省エネ対策がなされていることを証明する必要があります。

住宅規模

あまりに狭い家は長期優良住宅認定されません。2人世帯の場合、一戸建てで75㎡以上、マンションで55㎡以上の広さがあることが条件となります。ただし、地域の実情によってこの数値を引き上げまたは引き下げることができると法律で定められています。

良好な景観の形成

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地域によっては景観計画があったり、条例で景観保存を定めている場合があります。長期優良住宅は、このような地域内に建てられる場合は、こういった景観に関する政策に反するものでないことが要求されます。

長期優良住宅認定申請の方法

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長期優良住宅認定の申請は工事着工前に行わなければなりません。大まかな申請方法は次のとおり2種類です。

1:全国にある住宅性能評価機関に設計書などを審査してもらいます。技術的審査に合格すれば、適合証が発行されますので、それを建築計画と維持保全計画などと合わせて役所に提出します。(都道府県または市役所)。

2:役所で直接申請する方法もあります。この場合、役所経由で住宅性能評価機関が技術的審査をします。

全ての課題をクリアしていると見做されれば、認定通知書が役所から発行されます。

新築を建てる時に長期優良住宅認定にするメリットとデメリット

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長期優良住宅を購入するメリットは、資産となる住宅を手に入れることができることです。今まで日本の住宅は15年から数十年で建て替えるのが当たり前と考えられてきました。土地は資産として残っても、上モノは20年もすると無価値かそれ以下の価値しかないとされてきました。それ以下というのは、古い家が建っている土地より、更地のほうが高く売れるということです。

長期優良住宅は最低でも100年間住める強度と柔軟性のある住宅ですから、数十年後何らかの理由でその物件を売らなければならなくなったとき、土地だけでなく建物も売ることができるようになるでしょう。また、自分で住まない場合、借家にして家賃収入を得ることができます。長期にわたって収入源となるのが長期優良住宅のメリットです。

さらに、目先のメリットとしては長期優良住宅に関する各種の減税があります。住宅ローンの低金利とあいまってよりお得に減税が受けられます。

住宅ローン減税は最大500万円!

まず、長期優良住宅を含む新築住宅を購入した場合の税制上のメリットをご紹介します。新築住宅を購入して10年以上のローンを組んだ場合にはいわゆる住宅ローン減税が適用されます。所得税からローン残高の1%が控除されるという制度です。対象期間はローン支払いをしている期間のうち最初の10年間です。

ローンの残高が4000万円あれば、1%の40万円が所得税から控除されます。ローンの残高は毎年減っていきますが、30年程度の長期のローンを組む人も多いので、10年間で300万円ほどの減税となる可能性もあります。

長期優良住宅のメリットは控除額が一般住宅の場合よりも大きいことです。一般の住宅の場合は年間の控除額は最大で40万円です。(ローン残高が4000万円以上の場合)。しかし長期優良住宅の新築を購入する場合、この年間控除額は最大50万円になります。(ローン残高が5000万円以上の場合)。10年間で控除される額は、長期優良住宅購入の場合だと最大500万円になります。

この所得税控除を受けるためには、入居した年の翌年3月15日までに確定申告しなければなりません。2年目以降は自動的に控除が適用されることになるので、年末調整だけで十分です。

固定資産税も半分!

長期優良住宅のメリットは固定資産税も減税期間が長いことです。固定資産税額は次のように計算されます。

固定資産税額=固定資産税評価額x1.4%

しかし、新築住宅を購入すると最初の数年間、固定資産税額は本来の額の半分になります。この固定資産税減税期間は、一般住宅で3年間、長期優良住宅で5年間となっています。

不動産取得税も安くなる!

・不動産取得税
本来の不動産取得税は次のように計算されます。

不動産取得税=課税標準額x4%

・一般新築の不動産取得税
しかし、一般住宅を新築で購入した場合の不動産取得税は次のように計算されます。

不動産取得税=(課税標準額-1200万円)x3%

・長期優良住宅の不動産取得税
そして新築の長期優良住宅を購入した場合は下記のようになります。

不動産取得税=(課税標準額-1300万円)x3%

このように不動産取得税でもメリットを享受することができます。

登記費用も今なら割引!

不動産を取得したら登記所に行ってそれを登記します。その際に支払うのが登録免許税で、次のように計算されます。

登録免許税=固定資産税評価額x税率

この「税率」が本来であれば0.4%のところ、長期優良住宅取得の場合は0.1%に優遇され、これは長期優良住宅だけのメリットです。

なお、この優遇税率が適用されるのは建物の登記についてだけです。土地の登記は長期優良住宅であることで税率は変わりません。

火災保険

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住宅を購入する人はほぼ全員火災保険に加入します。しかし、火災保険だけでは地震が元になる火事の被害をカバーしません。そこで、地震のために失火して火事になった場合の補償を受けるには地震保険に加入しなければなりません。

地震保険はたいていの場合、火災保険の特約になっています。つまり、単独で地震保険に加入するのではなく、火災保険とワンセットで加入するような形になっています。

長期優良住宅認定物件は地震に強い建物です。そのため、地震保険特約に加入する際、耐震等級が高い住宅ということで、保険料が割引され、地震保険特約つき火災保険に通常より割安で加入できるというメリットがあります。

長期優良住宅で新築するデメリット

このように、様々な角度から優遇されていてお得な長期優良住宅ですが、長期優良住宅にする場合のデメリットもあります。以下の3つの点をご説明します。

1:認定の申請は工事着工前に行わなければなりません。設計過程から計算すると、認定されるまでに1ヶ月以上かかる場合もあります。

2:認定申請に申請料が数千円程度、住宅性能評価機関の技術的審査に数万円の費用が掛かります。設計業者や施工業者が代行で申請する場合、さらに手数料が上乗せされ10万円以上、ときには数十万円請求されることもあります。

3:長期優良住宅の基準を満たすと材料代・工賃が割高になるということがあります。耐震性を強化し断熱性を高めるわけですから、これは当たり前のコストであり、同時に安心料です。しかしながら、住んですぐにその違いが分かるわけでもないため、長期優良住宅は割高と語られている面があることは否めません。

以上をまとめると、長期優良住宅を新築することは長い目で見ればかなりのメリットがあるものの、最初に手間とコストがかかるというデメリットがあるといえます。

長期優良住宅は保守点検が義務

長期優良住宅のメリットとデメリット|固定資産税/火災保険

長期優良住宅は、最低でも10年に1回の点検と必要な改修が義務付けられており、また、履歴を残さなければなりません。地震や台風のあとも点検を行います。住宅がメンテナンスの行き届いた住宅であり続けるわけですから、長期優良住宅の趣旨に則っています。そのこと自体は必ずしも長期優良住宅のデメリットというわけではありません。

しかし、この点検と修繕にどのくらいの費用が掛かるのかはあらかじめ分かりません。予想以上に傷んでいる箇所があるかも、地震や台風がいつ我が家を襲うかは誰にも分かりません。もちろん長期優良住宅でなくても、地震・台風のあとは点検したほうがいいに越したことはありません。

しかし、予想以上に点検・修繕費が掛かったということにならないとも限らず、そのような意味で点検の義務はデメリットと感じる人もいるでしょう。

長期優良物件認定物件を賃貸するメリットとデメリット

では次に、長期優良住宅を購入した後の将来設計についてお話します。

海外転勤になってしまった場合や、購入後考えが変わって田舎に住みたくなる等、なんらかの変化が起こるかもしれないのに長期優良住宅を選ぶメリットがあるのでしょうか。

もし、自分の家を長く空けることが分かっているなら、借家として人に貸す方法があります。3年間だけ自宅を離れるとあらかじめ分かっているなら、3年以内の定期借家契約をすれば、そのあいだに家賃収入が入ります。家自体の耐久性が高いので、仮に人に貸すことになったとしても長く貸し続けることができ、それだけ多くの家賃収入を得ることができます。

また、はじめから賃貸に出すつもりで長期優良住宅を求めるケースも増えています。特に、最近は一戸建ての賃貸物件が増えてきています。賃貸物件の経営を考えている人にとって、何十年もの長きに渡って賃貸に出せるという長期優良住宅のメリットは一考の価値があるものです。

賢く住宅を購入しよう

長期優良住宅のメリットとデメリット|固定資産税/火災保険

役所もメーカーや施工業者も、積極的に長期優良住宅を売ろうという姿勢です。

ただ、これだけいろいろな減税制度があっても、住宅の値段が高くなるからそれほど得ではないという意見もあります。しかし、もともとが長持ちする住宅を買って長く使おうという発想の制度です。住宅の品質が保つことが目的なので、多少建設費が割高になって保守点検・維持管理に費用がかかるのもやむを得ません。

減税のメリットはあまりないという考えは、短期的にはそのとおりでしょう。しかし、長期的に見れば、長く使える住宅のメリットは過小評価することではありません。あまり目先のメリット・デメリットに惑わされず、自分のライフプランに合った選択をするのが正しい判断でしょう。

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