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なぜビールがチェイサー?発祥地「神谷バー」での電気ブランの飲み方

更新日:2020年08月28日

明治時代を代表するハイカラなお酒といえば、神谷バーの電気ブラン。文明開化の象徴ともいえる「電気」を冠したこのお酒は、昔も今も多くの人に飲み継がれ、愛されています。今回はそんな電気ブランの魅力を発掘し、もっとおいしく、もっと好きになる飲み方ついてご紹介します。

なぜビールがチェイサー?発祥地「神谷バー」での電気ブランの飲み方

電気ブランとは?

浅草の老舗、神谷バーで明治15年に誕生したブランデーベースのカクテルです。当時はまだ電気が珍しかった時代、目新しいものに「電気〇〇」と名づけることが流行りであり、モダンとされていました。発売された当初は「電氣ブランデー」という名前だったのが、いつしか「電気ブラン」と呼ばれるようになり今に至ります。

電気ブランはブランデーベースにジン、ワインキュラソー、薬草などがブレンドされています。当時は45度と、度数は少し高め。現在は30度と40度の2種類があり、お好みによって飲み分けることができます。神谷バーでは、30度のものをデンキブラン、40度のものを電氣ブラン<オールド>と呼んでいます。

どちらもほんのりとした甘みと、ピリリと痺れるような刺激がクセになる特徴的な味わいです。

発祥地神谷バーでの電気ブランの飲み方

神谷バーとひとくちに言っても、実は3つの顔があることをご存知ですか?建物の1階が「神谷バー」、2階が「レストラン カミヤ」、3階が「割烹神谷」と分かれているのです。1~3階共通のメニューは、ストレートでいただく電気ブラン。これぞ基本形ともいえる、王道の飲み方です。

デンキブラン:270円
電気ブラン(オールド):370円

良心的な価格も嬉しいですね。価格設定にも、昔から庶民に愛されてきた電気ブランのこだわりをうかがい知ることができます。

よく冷やし、グラスをゆっくり傾ける。明治の頃より受け継がれた、電気ブランを心ゆくまで味わう飲み方がまさにこれなのです。実際に神谷バーへ足を運び、琥珀色の液体の入ったグラスを見つめていると、どこからともなく明治時代の薫りが漂ってくるようです。

「ざんぎり頭を叩いてみれば、文明開化の音がする。」
明治を象徴する有名な都々逸ですね。

店内を見渡すとあることに気づきます。どのお客さんも、テーブルの上がグラスでいっぱいになっているのです。どうしてたくさんのグラスが運ばれてくるのでしょうか。そこに電気ブランならではの、楽しみ方の極意があるのです。

ビールをチェイサーに!

チェイサーとは、強いお酒をストレートで飲む時に口直しに飲む水のことを指します。たいていは水であることが多いのですが、炭酸水や度数の軽いお酒がチェイサーとして出されることもあります。

電気ブランの場合、基本のチェイサーはなんとビールです。30~40度の電気ブランを度数の低いビールで一息入れつつ味わう。これが電気ブランを心から愛する人々の、粋な飲み方なのです。

いくら度数が低いといってもビールも4~5度くらいはありますので、酔いが回ることは必至です。とはいえ、せっかく神谷バーを訪れたのならここは流儀にならい、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。お酒があまり強くないという方は、電気ブラン・ビール・水の3点セットで頼んでみましょう。

ビールをコクと苦味の深い黒ビールに代えて飲むのもです。

なぜ電気ブランの飲み方はビールがチェイサーなのか?

ビールをチェイサーにする飲み方は、電気ブランが生まれてから100年という長い時間の中で、客の間で自然発生的に広まったものです。電気ブランは甘みがあり度数が高いので、ビールの苦味と相性がよく大変好まれてきました。

「生ビールとデンキブラン。この二つは相思相愛。交互に飲めば旨さ広がる。達人たちをうならせる神谷バーの粋な飲み方、お楽しみあれ。」

神谷バーのうたい文句からも、この飲み方に対するこだわりと自信が感じられます。長く愛されてきた電気ブランは、他にも様々なアレンジが誕生しています。電気ブランをますます好きになる飲み方をひとつずつご紹介していきましょう。

電気ブランの飲み方

電気ブランロック

ストレートと同じく、シンプルに電気ブランを堪能できる飲み方です。まず、グラスに氷を入れましょう。氷は大きめがです。氷を入れたら、電気ブランを上から注ぎます。氷がゆっくりと溶けていく過程で、電気ブランの特徴である電気が走るような刺激と、ほのかな甘さが楽しめます。

電気ブランはゴクゴク飲むお酒というより、ゆっくり時間をかけて楽しむお酒なので、ロックは電気ブランのよさを生かせる飲み方と言えるでしょう。氷が入っている分、ストレートよりも飲みやすくなっています。初めて電気ブランを口にするという方に飲み方です。

電気ブランハイボール

ハイボールブームに火がついて久しいですが、もちろん電気ブランもハイボールで楽しむことができます。ハイボールは、電気ブランが注目されるきっかけにもなりました。

そんな電気ブランハイボールですが、作り方はとても簡単。グラスに電気ブランを注いだ後、氷を入れます。上からソーダを注ぎ、かき回して完成です。氷は多めに入れるのが飲み方になります。レモンを加えると、爽やかさがいっそう引き立ちます。お好みでどうぞ。

30度の電気ブランなら1対3、40度の場合は1対4の割合でソーダを加えます。ストレートやロックの時とはまた違う、爽快感のある電気ブランが完成します。肉料理との相性が抜群です。

電気ブランジンジャー

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初回公開日:2017年09月05日

記載されている内容は2017年09月05日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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