原材料の表示順番・定義・原料との違い|法律/アレルギー
更新日:2020年08月28日
この違いを探るため、「原料」と「材料」がそれぞれ辞書にどのように記されているかを確かめてみます。
原料とは
まず、原料とは何か。三省堂大辞林には、次のような記述があります。
物を製造するもとになるもの。普通,製品になった時にその形が残っていないものをいう。
出典: https://www.weblio.jp/content/%E5%8E%9F%E6%96%99 |
材料とは
続いて、材料とは何か。同じく三省堂大辞林には、次のように書かれています。
①ある物を作るとき,もととして用いるもの。資材。 「建築-」 「工作の-」
出典: https://www.weblio.jp/content/%E6%9D%90%E6%96%99 |
違いとは
つまり、原料が「その形が残っていない」ものであるのに対し、材料は工作や建築が例になっているように、「その形が残っているもの」であると言えます。これが原料と材料の違いであり、つまり原材料とは、原型が残っている残っていないにかかわらず、そのもととなったもの全体を指し示す言葉だということです。
食品の原材料と原料の違い
原材料が何かわかったところで、内容を食品に絞って考えていきましょう。
例えば醤油の大豆は「原料」であり、「材料」では無いと言うことができます。また、納豆の大豆は「材料」であり、「原料」ではないということもできます。
では、醤油の大豆は「原材料」と言えるでしょうか。納豆の大豆は「原材料」と言えるでしょうか。その答えは「どちらも原材料である」です。
そうでないと思う方は近くにあるであろう醤油や納豆の「原材料」表示を御覧ください。どちらにも大豆は書かれています。
つまり、原料ならば原材料であるが、原材料はすべて原料とは限らない。それが原材料と原料の関係性であって、原材料と原料の違いということです。原料に材料の意味を加えたものが、原材料です。
原材料とアレルギー表示の違い
食品のラベルについている「原材料名」の欄の最後に(原材料の一部に小麦、卵、牛肉、豚肉、ゼラチンを含む)などと書かれていることはありませんか。
惣菜などで見かけやすいこの記載ですが、これこそがアレルギー表示です。商品によっては醸造酢(りんごを含む)、植物性たん白(小麦、大豆を含む)といったように、原材料ごとにアレルギー物質が書かれている場合もあります。
書いてある位置を考えると原材料もアレルギー表示も同じようなものに見えてしまいがちですが、ここには大きな違いがあります。アレルギー表示では、含まれる量が5%あろうとなかろうと、表示される原材料が決められており、それ以外の原材料については記載されないということです。
アレルギー表示される原材料とは
アレルギー表示される原材料には、表示義務のある7品目と、表示を奨励しているが任意表示となっている20品目があります。表示される原料を確認していきましょう。
表示義務のある7品目
まず、表示義務のある原材料です。それは下記の7品目であり、原則として必ずアレルギー表示がなされます。
卵、乳、小麦、落花生、えび、そば、かに
ここにある7品目いずれかのアレルギーのみを持っている方は、アレルギー表示を確認すれば大抵は危険を回避することができるでしょう。
しかし、気をつけなければならないのはアレルギー表示がある場所です。最近は原材料表示欄の外でわかりやすくアレルギーの注意喚起をしている商品も増えていますが、義務として記載されているのは原材料表示欄内のみです。注意喚起が欄外に書かれていなくてもアレルギー源が含まれている場合がありますので、注意しましょう。
初回公開日:2018年04月14日
記載されている内容は2018年04月14日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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