特養と老健の違い|費用/職員・その他高齢者施設の種類と違い
更新日:2021年03月23日
似てるけど違う!『介護老人保健施設』と『介護老人福祉施設』
老健は「介護老人保健施設」、特養は「介護老人福祉施設」が正式名称です。非常に似ているため、介護従事者でも混同しやすくなっています。介護施設はどれも同じではなく、いくつも種類があり、それぞれに目的や入所の対象となる明確な基準が存在するため、誰でも希望すれば好きな施設に入居できるわけではありません。
まずは、介護施設の代表格である老健と特養の特徴や、入所の対象となる条件についてご紹介します。
老健はどういう施設?
老健の運営の主体となるのは、医療法人や社会福祉法人です。医療法人が関わっていることからも分かる通り、医療サービスを受けられるのが大きな特徴です。病気や怪我の回復期にある高齢者が、病院での入院加療は必要としないものの、家庭や日常生活に戻るには不安が残る場合に、リハビリを目的として入所します。
医療と介護の両面からサポートを受けることができるため、高齢者本人や家族には安心の施設です。しかし、リハビリを目的としている以上、同じ老健に留まり続けることはできず、3か月ごとの審査を受けなければなりません。退所となった場合は、自宅での介護を選択するか、別の老健を探す必要があります。
特養はどういう施設?
特養の運営主体は社会福祉法人や自治体です。健康には問題ないけれど、寝たきりや進行した認知症などにより、一人で生活することが困難で、また家族が十分な介護ができない時に入所できます。また、家族から虐待を受けている場合に、緊急措置として保護入所が行われることもあります。
老健と違い、治療やリハビリを目的としないため、充実した医療サービスを期待することはできません。その代わり、特養では介護度の高い高齢者を優先的に受け入れているので、より手厚い介護を受けることが可能です。入所期間に制限はなく、原則として終身型の施設です。よって、特養が終の住処となる高齢者も大勢います。
老健と特養に職員の差はあるの?
医療ケアを必要とする老健と、介護に比重を置いた特養では、当然勤務する職員の職種にも違いが出ます。老健と特養ではどんな差があるのか、比較しながら見ていきましょう。
老健に医師と看護師はいる?
家族にとって、万が一体調が急変した場合、対応してもらえるかどうかは安心材料の一つです。医療ケアを行う老健では、施設を統括する施設長は、医師免許を所持していなければなりません。老健で生活している間は、この施設長である医師がかかりつけ医となります。
必ずしも常駐しているわけではありませんが、病院と併設している場合も多く、何かあればすぐ駆け付けられる体制になっています。また、看護師も100人規模の施設では、9人の配置が義務付けられているなど、介護施設の中で最も医療従事者の数が多いです。
特養にも医師と看護師はいる
介護サービスをメインに据えている特養にも医師と看護師はいます。その多くは、非常勤の形をとっていて、看護師も人員基準では、100人規模の施設で3人の配置と、老健と比べると医療従事者の数は少ないです。
しかし、嘱託医が定期的に往診をして、看護師が日頃から健康管理を行っているので、両者の連携により、ある程度異変に気付くことはできるため、特養だからといって不安に思う必要はありません。
作業療法士や理学療法士等のリハビリ専門職
自立を目指す老健では、積極的にリハビリを行う必要があるため、リハビリ専門の職員を配置することが義務付けられています。その人が必要とするリハビリを専門家のサポートを受けながら行えます。
一方の特養では、特に配置を義務付けられてないため、在籍していないか、いても1人など少数のことが多いです。かといって、特養ではまったくリハビリをしないわけではなく、機能回復よりも現状維持を目的とした運動をすることはあります。
栄養士の存在は不可欠
栄養士は老健にも特養にもいます。高齢者にとって、食事は単なる空腹を満たすものではありません。食べることが、治療やリハビリの一環になるからです。少ししか食べられなければ、高栄養のドリンクを足したり、飲み込みが悪い場合は形状を工夫することで、食事の面から利用者を強力にサポートします。
娯楽の少ない施設の暮らしの中で、食べることを楽しみにしている高齢者は非常に多く、予算に気を配りながら、美味しくて栄養バランスに優れた献立作りを行う栄養士の存在は、介護の現場に不可欠です。
特養と老健の費用の差は?
初回公開日:2017年09月13日
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