今から貯める老後に必要な資金・生活に最低限必要な資金
更新日:2020年08月28日
公的年金の支給を信用することができない時代に突入し、老後資金は自身で準備する他ないとも囁かされています。アベノミクス効果で賃金引上げ傾向にあるとはいえ、それを体感できていない人も多くいる中で、老後を豊かにくらしていくために、どのように資金を貯めていけばいいのでしょうか。
一般的には老後の資金準備にされるのが、自己貯蓄と年金保険です。金融機関や保険会社が販売している年金保険商品は、安定して老後資金を貯めていけるので有効だと言われています。しかし、一概に年金保険と言っても膨大な種類の商品があり、それぞれに特徴があるので、じっくりと検討する必要があります。
保険で老後資金を貯めていくには、その特徴とメリット・デメリットをしっかりと理解し、自分に合った貯蓄方法を選択しなければいけません。
老後資金の運用はするべきか否か?
公的年金に不安を抱える今、「豊かな老後を送るためには資金運用が必要」と各金融機関は盛んにPRしていますが、老後資金は本当に運用した方が良いのでしょうか。
安定した収入を確保でき、日々の生活にゆとりがある場合は、ハイリスクハイリターンを期待できる資金運用をしても問題ないと言えます。しかし、中高年世代となると「定年退職」を視野に入れた働き方をしなければならず、定年退職後の安定した収入の確保は難しいと考え、リスクを取らずに定期預金に預けるか、年金保険で確保する方が間違いないと言えます。
老後資金の貯め方で注意すべきは?
老後資金を貯めていく上で最も注意すべきことは、「ハイリスクハイリターンを狙って変動制の高い金融商品は避ける」ということです。誰もが公的年金への不安を抱える現代は、老後資金不足について焦があり、先が見えない不安からハイリターンを期待できる金融商品を狙ってしまう人も少なくありません。
しかし、このハイリターンを狙える金融商品は、老後資金をある程度貯蓄できていて、かつ安定した収入を確保できれいれば貯め方としての問題はないと言えますが、投資元本を大きく割り込み、貯蓄資金額を大きく減らしてしまうリスクも併せ持っているので、定年退職を間近に控えた状況で老後資金をできる限り多く貯めたいと考える人は、避ける方が賢明だと言えます。
つまり、老後資金の貯め方として最優先に考えるべきことは、「貯蓄資金額を減らさずに長期的にコツコツと資産を増やす」という点です。収支整理を行い、無駄な支出を抑えながら、残ったお金は老後資金として貯蓄する、といった貯め方が安全で効果的だと言えます。
老後に必要な資金を計算することのススメ
まずは、各調査の平均値を鵜呑みにすることなく、各自で老後に必要な資金を計算してみることをします。老後の生活費の目安は「現役時代の70%」と見積もるのが一般的とされていますが、現在の収入に対して70%の金額がどの程度かを計算し、それを踏まえた上で老後の生活が破綻しないよう貯蓄していくことをします。
老後資金はいつから計画的に準備すべき?
「老後資金はいつから準備すべきか」という大きなテーマがありますが、ゆとりのある豊な老後を送るためにも、老後資金の準備を始めるのは「できる限り早く」準備を始めるのに越したことはありません。
しかし、現役世代は子育てや教育費、住宅ローンの返済や臨時出費などさまざまな支出があるのもまた事実です。今現在の生活に影響を及ぼさない範囲で可能な限り早く資金を貯めること、可能な範囲で老後資金にお金を回すことを意識しながら、「ストレスなく資金を増やしていくこと」を意識することをします。
無年金期間問題について考える
年金の支給開始年齢が60歳から65歳に引き上げられたことは記憶に新しく、また65歳から70歳までの引き上げについても議論が繰り広げられている今、その損失は平均して1人当たり1,380万円になると試算されています。
つまり、現役世代にのしかかる大きな問題が、定年退職後の年金を受給できない期間、つまり「無年金期間」です。再雇用で65歳まで働くことができ収入を確保できたとしても、その後66歳~70歳までは年金を受け取れない可能性が年々高まり、また65歳まで確実に働ける保証もありませんので、この無年金期間をどのように乗り越えていくのかも今後大きな課題となっていくことになります。
生活に最低限必要な資金
一般的に老後に備えるには3,000万円の資金が必要だと言われていますが、定年退職を間近に控えた50代でさえも、30%の世帯が老後資金や貯蓄ゼロというのが現実です。しかし、ゆとりある老後生活を望むのであれば、1人当たり4,000万円以上の自己資金の確保が必要だと言われています。
今現在の年金制度のまま受給ができると仮定すれば、老後に必要なお金は夫婦2人の場合で約8,000万円とされ、この金額の大半は今現在の年金制度でまかなえると言われていますが、それは近く不可能な現実に突入すると言って間違いないと言えます。
老後必要金額(8,000万円)=年金(約5,000万円)+自己貯蓄額(3,000万円)が生活に最低限必要な老後資金として試算できますが、その詳細についてご紹介していきます。
1年間の老後資金が1人当たりいくら必要になるかを検証します
前述でもご紹介しましたが、老後に必要な月々の生活資金は夫婦2人の「最低限必要な生活費」の平均は約22万円で、「ゆとりある老後」を求める場合の生活資金の平均は約37万円が必要だとされています。ここでは、その平均値の内訳についてご紹介します。
・居住費:0~80,000円
・駐車場代:0~10,000円
・食費:40,000円
・水道光熱費:20,000円
・通信費:15,000円
・家事用品費:5,000円
・生命医療保険費:10,000円
・医療費:10,000円
・交際費:20,000円
・夫婦の小遣い・習い事・教育費:40,000円
・ガソリン代:5,000円
・外食・レジャー費:20,000円
・健康・介護保険料・所得住民税:30,000円
・その他:5,000円
・生活費小計:220,000円~310,000円/月
・生活費合計:2,640,000円~3,720,000円/年
これらは生活を営む上で最低限必要な費用として平均値を試算したものですが、それ以外にも被服費、固定資産税、自動車関連維持費、住宅の修繕積立金、賃貸住宅の場合は更新費、冠婚葬祭費、旅行費、孫への小遣いなどで500,000円/年ほどが必要資金だと考えられます。
単純計算ではありますが、夫婦2人で年間2,640,000円~3,720,000円+500,000円=3,140,000円~4,220,000円/年必要となりますので、1人当たり1,570,000円~2,110,000円が必要となります。
老後にもらえる年金はどのくらいになるの?
公的年金は老後の生活を営む上で重要な収入源になりますが、定年退職を迎えた後にどのくらいの年金額を受給できるかを正確に把握できている人は非常に少ないです。その原因は複雑な年金制度にありますが、法改正が行われている今、正確な金額の算定が難しいのは事実だと言えます。正確な受給金額の算定は難しいとは言え、おおよその金額を見積もることはできますので、ご紹介します。
【給与所得者の場合の年収別年金受給額(※35年勤務の場合)】
・平均年収300万円の場合
単身者:128万円/年 夫婦:203万円/年
・平均年収500万円の場合
単身者:162万円/年 夫婦:240万円/年
・平均年収700万円の場合
単身者:198万円/年 夫婦:273万円/年
老齢基礎年金(国民年金)計算方法
初回公開日:2017年10月24日
記載されている内容は2017年10月24日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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