住宅ローンの返済比率の計算方法・シミュレーション方法
更新日:2020年08月28日
年収600万の人の理想の平均返済額
では、実際に年収600万円(税込み)と想定し、月々の理想の返済額を計算してみましょう。計算式は、「600万円×25%÷12か月=12.5万円」で、月々12.5万円が理想的な返済金額となります。
実際の月々の手取り額は、年収600万円の場合は、税金や社会保険料が全体の20%だとすると、600万円×80%=480万円、すると月々の手取り額は、40万円ほどになります。これはボーナスなしの場合であり、もしボーナスがある場合であれば月々の手取り額は下がります。
27.5万円が生活費となりますが食費や光熱費や雑費のほかにも、子供の学費や将来への貯金、被服費や家のメンテナンス代などもろもろ込の金額ですから、25%の返済比率でも必ずしも余裕があるとも言い切れないということになります。
年収
前述でフラット35の場合の住宅ローン返済比率は30~35%とありましたが、民間の住宅ローンの返済比率は、年収により細分化されていることが多いです。例えば、以下のようになります。
・年収100万円以上300万円未満→20%以下
・年収300以上450万円未満→30%以下
・年収450万円以上600万円未満→35%以下
・年収600万円以上→40%以下
この例では、年収が400万円では返済比率がフラット35よりも低いですが、600万円を超えるとフラット35よりも返済比率が高くなっていきます。これは一例ですが、このように住宅ローンの返済比率は、年収によって変わってきます。
審査
住宅ローンの審査では、返済比率が基準以下であるということが一つの目安になります。また、各金融機関では審査のために住宅ローンの金利を設定していますが、それは返済途中に金利が上がった場合に返済が滞らないよう金融機関がリスクヘッジしているためです。
返済比率を計算する場合に、金利は借りることができる金額に大きく関係してきます。そして、その場合の金利は、実際の適用金利ではなく、審査金利だった場合に同じ年収でも借りる金額が変わります。
審査金利と適用金利の計算例
例えば、年収600万円の人が返済期間35年で借りるときに、年収負担率が35%で借りることができる金額は、仮に審査金利が年3%とすると、600万円×35%=210万円が返済上限額です。
金利3%となると借入可能額上限が4,540万円となるのに対し、実際の適用金利が0.625%だった場合は、借入可能額上限が6,600万円となります。およそ、1,500万近くも借入可能額に差があることになります。
その他の借入額も合わせて審査
年収(税込)と返済比率から年間返済額上限が計算できますが、ここでいう年収とは、社会保険料や所得税と引く前の税込年収です。もし、住宅ローン以外に借り入れがある場合は、その返済額が含められることになります。
例えば、クレジットのリボ払いや分割払いを利用中だったり、携帯の分割払いをしているという場合は、その金額も返済額に含めます。また、住宅ローン審査においては、クレジット払いや分割払いの支払い状況に滞りがないかもチェック対象となります。
銀行別住宅ローンの返済比率
前述では、住宅ローンの返済比率についてみてきましたが、ここでは銀行による住宅ローンの返済比率をみていきます。民間の金融機関の場合は、住宅ローンの返済比率をそれぞれの金融機関で設定することになります。
また、審査用の金利も各金融機関で異なりますので、住宅ローンの借り入れを検討する場合は、各金融機関ごとに比較すると、借り入れ限度額が異なってきます。
みずほ
みずほ銀行の返済比率は、以下となっています。
1.年収300万円以上400万円未満→35%
2.年収400万円以上700万円未満→40%
3.年収700万円以上→45%
また、みずほ銀行の住宅ローンでは審査金利は3.5%となっており、住宅ローンの借り入れ可能な最低年収が300万円となっています。そして、最低勤続年数は3年ですが、1年でも審査は可能となっています。年収が低くてもフラット35よりは、返済比率が高く設定されています。
ろうきん
ろうきんとは、労働金庫の略称です。ろうきんは、労働組合や生活協同組合が会員となって運営している非営利団体の金融機関です。本来は、労働組合や生活協同組合しか会員になれませんでしたが現代では一般労働者も個人会員として利用可能となっています。
ろうきんでも、会員となれば住宅ローンの借り入れが可能です。また、銀行に比べ非営利団体ですので金利が低い傾向にあります。
ろうきんにおける住宅ローン返済比率
ろうきんで住宅ローンを借り入れする場合の返済比率は、どの種類の住宅ローンを借り入れるかによって変わってきますが、概ね30~40%となっています。例えば、ろうきん住宅ローンの場合は、年収500万円未満の場合は返済比率35%、年収500万円以上は返済比率40%となっています。
住宅購入は住宅ローン以外にも費用がかかる
初回公開日:2018年04月20日
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