日本酒の作り方・種類別/味別の作り方の違い・自家製日本酒
更新日:2020年08月28日
日本酒の造り方
日本酒とは
皆さんは、日本酒を飲みますか。その日本酒がどんなものなのか一緒にみていきましょう。
日本酒の作り方は、原材料の蒸米を米麹で発酵・熟成させてできた「もろみ」をろ過して作った飲み物のことで、料理の調味料としても使用されています。蒸米を「アルコール発酵」させるのですが、蒸米にはアルコール発酵するための糖分が含まれていません。
そのままだとアルコール発酵ができないので、アルコール発酵をさせるために「米麹」を混ぜています。米麹を混ぜることで米のデンプンを「糖化」させてアルコール発酵を促しています。この工程などから原料を発酵させることで、アルコールを採取しているので日本酒は醸造酒に分類されています。
日本酒の作り方
日本酒には、普通酒、本醸造酒、吟醸酒、大吟醸酒、純米酒、生もと造り、山廃造りなどの種類がたくさんありますが、製造の原理はどの種類の日本酒も同じ作り方で、です。その日本酒の作り方の工程を簡単に分けると全部で「11工程」ありそれを全て得て日本酒ができあがります。
日本酒の作り方の11工程とは、「精米、洗米・浸漬、蒸し、麹づくり、酒母、仕込み、しぼり、ろ過、火入れ、貯蔵」になります。では、この作り方を詳しく見ていきましょう。
工程の詳細①
11工程もあるので、見やすいように作り方を分けて紹介します。まずは、1~5までの工程をみていきましょう。
【日本酒の製造工程】
①精米:米の表面についているたんぱく質や脂肪を落とす作業です。日本酒を造るお米は酒造好適米と呼ばれる専用のお米で、このお米の外側の25%~50%を削り取ります。削り取る割合は日本酒の種類で違います。
②洗米:精米した米の表面の糠を洗い落とします。
③浸漬:お米に水を吸させることで糖化がしやすくなり、時間は精米歩合やお米の種類によって違います。
④蒸米:お米を水切りし、蒸すと糖化しやすくなります。お米の外側は硬く、内側は軟らかくすることで麹が食い込みやすくなります。蒸米は麹用と仕込み用に分けます。
⑤酒母:仕込み水に米麹、酵母、蒸し米を混ぜもろみを発酵させるための酵母を作る工程が酒母作りです。酵母を繁殖するために厳重な温度管理をしています。
工程の詳細②
後半の製造工程を詳しく紹介していきます。
⑥麹:カビの1種である麹菌を蒸米に混ぜ45~50時間かけて麹米を作っていきます。微妙な温湿度管理が必要とされる重要な作業です。
⑦仕込み:酒母に蒸米、麹、水を加えて発酵させるともろみが完成します。「初添え」「中添え」「留添え」の3回に分けて仕込むことを3段仕込みといいます。
⑧しぼり:もろみを酒袋に入れて搾ります。ここで酒粕(みりん)と酒に分けます。
⑨ろ過:しぼった新酒を沈殿させて澱引きした後に残存物を除くためろ過します。ろ過しないとにごり酒になります。
⑩火入れ:火落ち菌による腐造を防ぐために低温殺菌をします。ここで火入れをしないのが生酒になりますが冷蔵保存が必要など衛生管理が難しくなります。
⑪貯蔵(熟成): 火入れした日本酒を酒造タンクで熟成させます。普通の熟成期は数ヶ月ですが、1年以上熟成させると古酒となります。
日本酒の基本的な種類分け
日本酒の種類はどんな物があるのでしょうか。日本酒には、「普通酒・特別本醸造酒・吟醸・純米吟醸」などの種類があります。この種類を決めるためのポイントが2つあります。
1つめのポイントは、「純米酒」か「その他」かという点になります。日本酒は、米から作られていますが、日本酒の中にはお米だけを使って作られているものと、「醸造用アルコール」といって日本酒を造る過程ではできないアルコールを添加しているものとがあります。「アルコールが添加された日本酒=粗悪品」ではなく、このアルコールを添加することで香りを華やかにしたり、味わいを調節するなどの役割があります。
2つめのポイントは、お米の削り具合になります。日本酒の製造過程でお米を削る工程があります。その削り具合(精米歩合)でお酒の種類を仕分けています。お米の中心に近い部分を使うことで、雑味のないスッキリした味わいになると言われています。
種類別の精米歩合
純米酒、吟醸酒などの日本酒の種類の分け方は、2番目にあげたポイントの「お米の削り具合」によって細かく分けられたもので、種類は原料となる米の磨き具合によって分けられています。
・普通酒:規定なし(一般的には73%~75%)
・本醸造酒:70%以下
・純米酒:70%以下
・特別本醸造酒:60%以下
・特別純米酒:60%以下
・吟醸酒:60%以下
・大吟醸酒:50%以下
お酒の種類の後にある数字は「精米歩合」を表しています。「精米歩合」とは玄米を100%とすると何%の余分なもの排除されているかを表しています。米の表面には多くのタンパク質や脂肪分が含まれており、これらが多すぎるとお酒の香りや味が悪くなってしまいます。ちなみに、普段口にしている主食の白米の精米歩合は90~92%くらいになります。
日本酒の辛口甘口とは?
みなさんは、日本酒のパッケージよく書かれている「甘口・辛口」とはどのように分けているのでしょうか。その分け方を見ていきましょう。
日本酒は、日本酒度により辛口か甘口なのかを決める基準になっています。日本酒度とは、水に対する酒の比重を日本酒度計という比重計で計ったものをいい、糖分が多ければ重くなり、糖分が少なくなれば軽くなります。数値が高いと辛口で、低いと甘口となっています。
ですが、この日本酒度だけで味が決まるわけではありません。味は大まかに糖分の量と酸味などのバランスで決まります。酸味は味覚面で多ければ辛口と感じ、少ないと甘口に感じるます。酸度はその他にも口当たりに影響し、酸度が多いと濃醇な口あたりとなり、逆に少ないと淡麗に感じるなど口当たりが変化します。
その他にも、アミノ酸やアルコール度なども関係するので、日本酒度などの数値は一応の目安と理解し総合的な判断が味を決めています。
辛口
「辛口」とは、食品などの辛さを表す言葉です。英語では「Hot」という意味で、日本語にすると刺激的な味例えばワサビなどを「辛味」と表現しています。ですが、酒の味を表す「辛口」は糖分含有量が少ないことを表す英語で「Dry」になりとなっています。
初め、日本酒に「辛口」はなかったのですが、日本酒業界が「甘口」の対義語として業界用語として使用したのが広まりました。戦後、甘くてベタベタするような三倍増醸酒が多くなり、昔ながらの酒造りをしたお酒が民衆に受け入れられ「本格辛口」というフレーズがテレビのCMなどで流れそれが流行りました。なので、「辛口=上質で美味しいお酒」というイメージついています。
甘口
初回公開日:2017年10月26日
記載されている内容は2017年10月26日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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