エビの背わたの簡単な取り方|取らない/食べられる/なぜ
更新日:2020年02月26日
エビの背わたの簡単な取り方
スーパーなどで買ってきたエビには、冷凍エビ、生エビ、ボイルエビのいずれでも背わたがついています。エビを料理するときには、最初に背わたを取り除く必要があります。エビの背わたの取り方には、包丁を使うものと、竹串やつまようじなどの細いものを使うものの大きく2種類があります。
包丁を使った背わたの取り方とは?
包丁を使ったエビの背わたの取り方は、「背開き」とも呼ばれます。ボイルエビなど殻がついていないエビに使う方法ですので、殻付きエビを買ってきたときには、先に殻を剥きます。
1.エビの背中にそってごくごく浅くぐるりと包丁を入れます。
2.背わたを包丁でかき出します。
中華料理では1の段階で大きく切り込みを入れてそのまま背開きにしてしまう方法がよくつかわれます。表面積が大きくなることでソースが絡みやすくなり、また加熱すると大きく丸く広がることから、料理を華やかに見せることができます。
ただし、殻を剥いてから調理すると殻付きのままよりもエビの身が縮んでしまうので、蒸しエビや下茹でして食べるときはせっかくの殻付きエビであれば、次の「竹串を使った背わたの取り方」をおすすめします。
竹串を使った背わたの取り方とは?
殻付きエビの場合にも使える方法です。 竹串がないときにはつまようじでもかまいません。
1.左手でエビを持って軽く曲げます。
2.節の間が広がりますので、頭から2節目と3節目の殻の間に横からまっすぐに竹串を刺します。
3.竹串と親指の腹の間で背わたをつまみ、切れないようにゆっくりと引き出します。
途中で切れてしまった場合は隣の節からもう一度同じ処理を繰り返します。有頭エビの場合は、頭と身の間の節の間から取ってもかまいません。
手順はこちらの動画を参照すると、さらに良く分かります。
エビの背わたの色
黒色の背わた
エビの背わたは黒色です。背わたの正体は「砂」であることが多いので、熱の影響を受けることなく加熱前後を通じて同じ色をしています。
透明の背わた
腸の中が空っぽの場合、消化管そのものは無色なので背わたは透明になります。養殖エビの中には、出荷前に絶食させて腸の中身を全部排泄させてしまうものがあり、背わたを取ろうとしても糸のようなものが取れるだけだったり、背わたの存在自体が見つからないことがあります。
特にタイでは国家プロジェクトとして背わたが残らない養殖エビを推奨しているため、タイ産の冷凍エビには背わたがないことが多いです。背わたを取る必要がなく手間は省けますが、絶食させた分、身が痩せていて味が劣ることがあり、お祝いの席のお料理には向きません。
オレンジ色の背わた
調理済みのエビにオレンジ色の背わたのようなものがあったら、それは「内子」つまり「卵」です。加熱前は緑や濁った黄色をしていて濃い緑色の場合は背わたと間違いやすいのですが、背わたよりも太いので判別ができます。
内子は取らなくてもよく、魚屋さんでは「取るとスカスカしてしまうので、そのまま食べてほしい」という声も聞きますが、気づかずに背わたと一緒に取ってしまうこともあります。加熱すると、緑や黄色が鮮やかなオレンジ色に変わります。
エビの背わたを取らないとどうなるのか
エビの背わたを取らずに調理をした場合、特に影響があるのは食感です。中に砂が入っていることがあり、砂吐きに失敗したアサリを食べた時の「ジャリ」という感触が残ることがあります。また未消化の食べ物が残っていると、苦味や生臭さの原因になります。
また純粋に「美しくないから」という側面もあります。特に和食の世界ではエビの曲がった姿が長寿につながると言われ、また、その紅白の色合わせが慶事をイメージさせることから、お祝いの席によく登場する食材です。紅白の中に黒い一本線が見えていたらムードも台無しですから、背わたの処理は大切です。
初回公開日:2017年12月26日
記載されている内容は2017年12月26日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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