エビの背わたの簡単な取り方|取らない/食べられる/なぜ
更新日:2020年02月26日
エビの背わたは食べられるのか
究極的には食べられます。背わたが太いとブツブツ切れてしまい、取り切れないでエビの身に残っていることがあります。また調理した人が「そもそも背わたを取るという処理を知らない」という場合もありますし、小さすぎるエビではどこが背わたなのかわからないこともあるでしょう。
背わたを取るのは日本だけでなく、スペイン・フランス・イタリア・タイなどエビをよく食べる多くの国でみられる下処理法です。背わたは「おいしさを損ねる」という点で世界共通の認識といえます。
エビの背わたはなぜとるのか
そもそもエビの背わたとは何?
エビの背わたはエビの消化器官とその中身で、私たち人間で言えば腸とその中身にあたります。エビは砂と一緒にエサを食べるので、砂や食べたものが消化されずに残りがつまっていることがあり、これが「背わた」として見える黒い筋です。
背わたの味は?
消化管自体には味はありませんが、中に砂や消化されたものがつまっていると、苦味を感じることがあります。またアサリの砂抜きに失敗したときのようにジャリという食感が残ることがあります。この食味を避けるために背わたを取る必要があります。
エビの背わたと腹わたの違い
最近では背わたの見えないエビが売られるようになりました。これは背わたを取る必要がなくなるように、出荷前に絶食させて腸内をきれいにしたエビです。
その代わりにお腹に黒い筋が目立つエビがあります。この黒い筋「腹わた」はエビの神経で、背わたのように必ずしも取る必要はありません。見た目が気になるという場合は取りのぞきます。方法は竹串を使った背わたの取り方と同じですが、腹わたは背わたよりも柔らかく切れやすいので、つまようじで引っ掻くようにするとうまく取り除くことができます。
消化器官が背中にあるわけ
背わたの付け根で最も頭に近い部分には、エビの心臓があります。消化器官や心臓が背中にあるのは魚とも異なり、不思議に思えます。エビが属する甲殻類は、人間や魚のような脊椎動物が生まれるもっと前の段階で「節足動物」として分岐した仲間です。
節足動物はタンパク質とキチン質から作られる硬い殻でおおわれている、複数の節で体が構成されるなど、独自の進化を遂げていて、同じ仲間の昆虫やクモも背中側に心臓や消化器官を持っています。甲殻類はこの節足動物の中でも早い段階で登場した動物と考えられていて、長い間謎とされていた昆虫の祖先として有力視されています。
背わたのないエビがある?
昨今では、出荷前に絶食させることで消化管の中をキレイにしてしまい、背わたを処理する必要のないエビが流通しています。
その他にも、事前に背わたを取り除いている商品があり、時短になり大変便利です。業務用ではかなり以前から出回っていたのですが、コストコやオイシックスなどで冷凍食材として販売されるようになりました。食味も良いのでおすすめです。
背わたを取っておいしいエビ料理を作ろう
エビを調理する前には、背わたを取る必要があります。エビの背わたはエビの消化管とその中身で、砂や消化物のカスが含まれています。背わたが残っていると苦味や臭みの原因となります。
背わたは背中に包丁を入れて掻き出すか、節の間に竹串やつまようじを指して引き抜く方法で簡単に取り除くことができます。殻付きのエビの場合は、背開きで華やかにしたいときを除き、竹串で取る方法がおすすめです。
調理済みのエビにみられる、背わたに似たオレンジ色のものは内子なので、そのまま食します。加熱前の内子は、緑色または黄色をしています。
初回公開日:2017年12月26日
記載されている内容は2017年12月26日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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