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大豆と枝豆の違い・栄養の違い|もやし/黒豆/グリンピース

更新日:2020年08月28日

わたしたちの食生活に欠かせない「大豆」と、ビールの定番のおつまみ「枝豆」は、同じ種類ということはみなさんはご存知でしょうか。「大豆」は熟した豆で、「枝豆」はまだ未熟な青いうちから収穫したものです。今回は、「大豆」と「枝豆」の栄養や育て方の違いをご紹介します。

大豆と枝豆の違い・栄養の違い|もやし/黒豆/グリンピース

「大豆」は、三大栄養素の一つである「たんぱく質」が、豚肉や牛肉に負けないくらいたくさん含有されています。

「脂質」は普通、摂取しすぎると体脂肪などが増えてしまいますが、大豆の「サポニン」がコレステロール値や中性脂肪を下げる働きがあります。また、老化の原因となる活性酸素の酸化から保護し、シミやしわを防ぎます。

「大豆イソフラボン」は、女性ホルモンをコントロールする役目があり、生理不順や月経前症候群(月経前に起きる頭痛などの不調)、更年期を和らげ、乳がんなどを予防して若さを保つ働きをします。

「マグネシウム」は糖の働きを正常にして、血液循環を円滑にする役目をします。「レシチン」は新陣代謝を活発にし、血管の壁にこびり付いたコレステロールを取り除く働きをします。また、記憶力を高めるなど、脳の老化予防に効果を発揮します。

大豆と枝豆の育て方の違いは?

「枝豆」の育て方は、15℃から20℃くらいの暖かい気温環境で、15~20cmほど種の間を空けて1つ所に2、3粒ほど撒きます。土は雨水などの流れのいい、弱アルカリ性が適しています。

鉢やプランターで育てる場合は、野菜用培養土が最適です。「枝豆」の根の張りが浅いと土が乾燥しやすくなります。乾燥したら水を十分あげて気を配ります。湿気が足りず乾いていると、花が落ちて実りが悪くなります。

発芽したら数本くらい抜き取ります。堆肥などを混ぜて、花が付いたら固形の肥料を与えて、それから2週間くらい時期を空けて薄い液体肥料を与えます。豆の鞘が膨張してきたら収穫時で、さやをそのまま摘み取ります。

大豆の育て方

さやを摘み取らず、「大豆」を成熟の段階まで栽培します。引き続き水をたくさん与えます。大豆の葉が次第に黄色く色付き、枯死したかのような状態になります。

しかし、さやの中の豆は発育中なので、水をあげ続けます。取り入れは秋の10~11月頃で、茎が薄い茶色に色づき、大豆の葉が全て落ちてさやに入っている豆が、振ってカラカラと乾いた音がしたら、さやの付いた枝を切り取ります。

「大豆」の枝は2週間ほど日の当たらない場所で乾かしてから、完熟した豆を採取します。

大豆の歴史

「大豆」は、約5500~4500年前の縄文時代には、関東地域など東日本で既に栽培され、その栽培法は近畿や中国などにも伝来され、食べられるようになりました。

やがて仏教と共に「大豆」が伝わり、殺生を戒め、肉食を禁じた僧職の間で、代用として大豆を使用した精進料理などが生み出されていきます。また、戦国の世を生きた武将にとっても味噌などは、戦(いくさ)で消耗する体力を支えるために大切な兵糧でした。

味噌や醤油が庶民に浸透すると、それぞれの家庭でオリジナルのものが作られ、江戸時代には、庶民の朝食の定番は味噌汁と納豆でした。江戸では当時、納豆売りが朝早くから売りに来ていました。

枝豆の郷土食

枝豆を使った郷土料理といえば「ずんだ餅」です。宮城県と山形県の両県に伝わる郷土菓子です。枝豆をすりつぶしたものに、砂糖や塩を加えて混ぜた枝豆の餡(あん)で、餅や団子にたっぷりのせて食べます。

また、山形県庄内地方のブランド枝豆「だだちゃ豆」は、庄内地域でしか育たない品種で、普通の「枝豆」より香り高く、強い甘さと濃い味わいが特徴の豆です。「だだちゃ」とは庄内方言で、「お父さん」を指します。

青森県津軽地方に古くから食べられてきた「毛豆」は、津軽の土地でのみ栽培できる品種です。普通の「枝豆」は白い産毛ですが、この豆は茶色のこわい毛が生えていて、濃く栗に似た味わいと、きめが細かい口当たりが特徴の美味な品種です。

「毛豆」は津軽の秋の風物詩で、枝豆の漬物「豆漬け」や「毛豆のしょうゆ漬け」が食べられています。

節分

「節分」は季節の分かれ目を意味し、立春、立夏、立秋、立冬の前日を表します。現代では、立春の前日である2月3日を指します。

平安時代、流行り病(疫病)でたくさんの人々が亡くなったため、お祓い「追儺(ついな)」を行った宮中行事が起源とされています。

炒った「大豆」を鬼に撒くことで、病を引き起こすといわれる毒気を追い払い、その年の息災を願います。地方の風習によっては「鬼は内」と叫ぶ所もあります。

「炒り豆」を使うのは、床に落ちた豆を全て拾い切れなくて、見逃して残った豆から芽が出ると不吉とされたため、豆まきを行う前に大豆を炒っておきます。

大豆と枝豆はどちらが納豆になるのか?

「納豆」は、まだ未熟な段階の「枝豆」の状態では作れません。熟した「大豆」を蒸して発酵させたものが「納豆」になります。「納豆」は、蒸した「大豆」に液体状の納豆菌をまんべんなく振りかけて、管理された一定温度の設備室で発酵させて作ります。

美味しくて栄養のある大豆と枝豆を食べよう

「大豆」は成熟させた豆で、熟したものは味噌や醤油、納豆などに加工されます。「枝豆」はまだ熟していない若く青いうちに摘み取り、塩ゆでしてそのまま食べたり、それを細かくすって味付けしたり、漬物にして食べます。

「大豆」の栄養分のほうが、三大栄養素など含めて「枝豆」の栄養分より高いです。しかし、「枝豆」には「大豆」にはないビタミンA、Cの栄養分が含有されていて、葉酸の量も「大豆」より少し多く含まれています。また、二日酔いの症状に効果のあるアミノ酸も入っています。

完璧ともいえるパワー食「大豆」と「枝豆」を食べて健康と美容を保ち、元気な毎日を過ごしましょう。

初回公開日:2018年03月26日

記載されている内容は2018年03月26日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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