銘柄別の泡盛の飲み方|古酒/初心者向け/カクテル
更新日:2020年08月28日
泡盛の飲み方
泡盛は沖縄諸島で作られる蒸留酒です。米を原料として黒麹で発酵させて一度だけの蒸留した単式蒸留焼酎(焼酎乙類)でアルコール度は20〜40%です。泡盛の本場、沖縄県ではお酒として飲むだけでなく、調味料としても幅広く使われています。
文献上最古の記録は1671年、琉球中山王が徳川家へ献上した品の目録に「泡盛」と記載されています。それ以前の記録は琉球酒または焼酎と記載されていました。
泡盛の美味しさ
泡盛に使われるお米は日本酒とは違い、さらりとしたタイ米が使われています。その原料の違いが普通の米焼酎とは一味違う美味しさになっています。
泡盛は沖縄の方言で「あわむい」または「あわむり」などど発音されます。タイ米を発酵させた時にできた泡が蒸留の時に受け壺に落ちる時に泡が盛り上がる状態をみて「泡盛り」と呼ばれたと言われますが、名前の由来は他にも諸説があります。
単式蒸留はウィスキーで例えると「シングル・モルト」です。原料の米と黒麹の味が美味しさの秘訣なのです。一回だけの蒸留酒、泡盛はどのような飲み方がよいのでしょうか。
泡盛の美味しい飲み方
泡盛の風味と旨味を十分に楽しめる飲み方はなんでしょうか。泡盛の美味しさを壊すことなく、その独特のクセや美味しさを堪能できる飲み方を紹介します。
ストレート
どんなお酒でもそのお酒本来の味を楽しむためには飲み方としてはそのままストレートで飲むのが一番です。30度程度の泡盛であれば、それほどきつくありません。初めて泡盛を買った時は、ぜひ割らずにストレートでタイ米と黒麹の風味と味を楽しみましょう。
ロック
お酒は冷やすとより風味が爽やかになります。氷を入れたオン・ザ・ロックは泡盛本来の味と風味を消さずにすっきりとした味わいの泡盛が楽しめます。好みでレモンなどを絞ると一味違う美味しさになって、氷と溶け合う泡盛を視覚的にも楽しめる飲み方です。
お湯割り
お酒は冷やすと爽やかな風味になりますが、温めるとまろやかさが増します。日本酒のように泡盛をそのまま温めてもよいですが、泡盛は強いお酒です。お湯割りの方が悪酔いしない飲み方でしょう。
沖縄ではウコンがたくさん生産されてウコン割りも泡盛の飲み方としてがあります。お湯割りにウコンや生姜を入れたり、レモンを入れたり、丁子で風味をつけるのも美味しくて健康的な飲み方といえるでしょう。。
泡盛の香りを楽しみたい方はお湯を先にカップに注いで泡盛をお湯の中に注いでください。泡盛の芳醇な香りを堪能できるでしょう。
泡盛の古酒の飲み方
沖縄諸島では古酒と書いて「くーす」と発音します。お酒は寝かせることでアルコールの刺激が和らいで、まろやかさとコクが出てきます。「泡盛の表示に関する公正規約」では古酒は「3年以上貯蔵する」と定められています。
琉球王朝時代には200年物や300年物の古酒も存在されたと言われていますが、それらは先の戦争の沖縄戦でほとんど失われてしまいました。現在一番長く寝かせた古酒は150年物です。これは首里にある酒造に保管されています。しかしながら販売されることはありません。
なぜ100年以上貯蔵できるのか?
ウィスキーは一番長く寝かせた物でも30年が限度です。12年、18年物でも長く寝かせればプレミアムウィスキーになります。泡盛はなぜ100年以上も寝かせられるのでしょうか。それは「仕次ぎ」という泡盛独特の貯蔵手法に秘訣があります。
仕次ぎは年代物の古酒に毎年それよりは少し若い古酒を注ぎ入れて古酒の熟成した香りや芳醇さを保ちながら、お酒を劣化させないように工夫した手法です。この仕次ぎという手法によって香り高くまろやかな古酒が出来上がるのです。
古酒は沖縄の宝
琉球国の最後の国王である尚泰の四男、尚順(1873~1945年)は「古酒は沖縄の宝」と表現しました。彼は、食文化から芸術、芸能まで幅広い鑑賞眼を持つ文化人として知られ、その言葉は「松山王子遺稿集」などに記載されています。
尚順氏は明治政府の貴族院議員を務めた男爵でした。琉球新報、沖縄銀行の創立者とも言われる方です。泡盛古酒に関しては、相当な年代物の古酒を持っている愛好家たちと交流をもち、それぞれの家の古酒を持ち寄って飲み比べる会を開催して、それを楽しみにしていたことが遺稿集に綴られています。
尚順男爵は「仕次ぎ」に関してもその手法を文献として残しており、泡盛古酒の普及と技術やその飲み方の保存に貢献した泡盛の父と言えるでしょう。
初回公開日:2017年10月10日
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