包丁研ぎについて|/値段/使い方/頻度など
更新日:2020年08月28日
和包丁
和包丁は、日本人が長い年月をかけて開発してきた包丁の形です。その特徴は片刃包丁と両刃包丁が混在しているということです。洋包丁はほとんどが両刃包丁ですから、右利き・左利きはあまり意識しませんが、和包丁になると片刃では右利き用、左利き用と分かれることになります。
代表的な和包丁は
・三徳包丁
・菜切包丁
・出刃包丁
・刺身包丁
などがあります。
その他には、食材に合わせた特殊な包丁もいろいろあります。例えば
・フグ引包丁
・蛸引包丁
・貝裂包丁
・ハモ切包丁
・そば切り包丁
食材によって細かく分かれ、その食材にとって最適な状態にさばけるように、創意工夫がされています。
三徳包丁の特徴
最も身近な和包丁として三徳包丁があります。前身は文化包丁で、背の部分を丸めた形状を三徳包丁と呼ぶようになりました。包丁は切る食材によって、様々な形状や硬さがあります。菜切り包丁で、骨付き肉を切れば、刃こぼれするのは目に見えていますし、刺身包丁のような片刃で、カボチャを切れば、まっすぐに切り落とすことはできません。
しかし、三徳包丁の特徴は「肉・野菜・魚」すべてにおいて専用の包丁の要素を少しずつ持ち合わせているという点です。いわゆるオールマイティーのため、一般家庭でもよく使われるようになりました。
肉を切る時には硬い筋でも切れるように切っ先が鋭くて刃が反り返っています。魚を切るときには、切っ先に尖りがありさらに丈夫であるため、刃先を骨に添って切り分けることができます。野菜を切るために緩やかな反りがあり、硬いカボチャでも体重を乗せても耐えられる強度も持ち合わせています。
このように三徳包丁は、家に一本あればほとんどの料理で困ることはありません。これほど、万能な三徳包丁ですが、万能な優等生なだけに専門家にはかないません。特別な料理は苦手となるので、もし三徳包丁でうまくいかない料理をする場合には、やはり食材に合わせた特殊な包丁を使うことになります。
出刃包丁
三徳包丁が万能なら、出刃包丁は魚をさばくために特化された包丁ということになります。和包丁にはいろいろな種類がありますが、刺身包丁と同じくらい和包丁の中ではポピュラーな存在ではないでしょうか。出っ歯の職人さんが作った包丁だから「出刃包丁」と名がつけられたというまことしやかな伝説もあります。
出刃包丁は、魚を調理するときに欠かせない包丁です。魚の頭を落としたり、三枚おろしにしたり、骨ごとぶつ切りにするときなどに使われます。包丁自身も分厚くて、無骨ですが、なんだか頼りになりそうな形です。
出刃包丁の形状は、とにかく魚をさばくために生まれてきたといっても過言ではありません。鋭い切っ先は、柔らかい魚の身に切り込みやすくなっています。刃の反りは魚の身を骨から切り離すためにとても便利です。
出刃包丁でも「本出刃包丁」「中出刃包丁」「身御包丁」「小出刃包丁」に分けられます。本出刃包丁は、魚をさばくことに特化した包丁で、刃渡り15センチ以上の出刃包丁のことを言います。中出刃包丁は、骨をたたき切ることは無理でも、軽くて使い勝手がいいので、三枚おろしなどに向いています。最近では、肉を切るときにも重宝がられています。
洋包丁
洋包丁の代表が「牛刀」です。明治初期まで肉を食べる習慣があまりなかった日本に、文明開化の風とともに入ってきたのが牛刀です。まっすぐに切り込むのに都合がよく、肉以外にも野菜を刻むこともできます。
今まであった和包丁では、肉の繊維を切ったり、硬い部位を切ったりするのは難しかったのです。しかし、日本人の食生活に肉が普及するようになって、牛刀は欠かせなくなりました。そこで誕生したのが「文化包丁」です。
そしてそれがさらに進化して「三徳包丁」になりました。この三徳包丁は、和包丁と洋包丁のいいところを採用した万能包丁で、使い勝手がいいと日本に来る外国人の観光客にもの包丁となっています。
代表的な洋包丁は
・牛刀
・ステーキナイフ
・ペティナイフ
・パン切り包丁
ほとんどが両刃になっており、和包丁に比べると道具としての要素が非常に強く、いかに効率的にカットするかに主眼が置かれています。洋包丁の研ぎ方は、通常の和包丁の「両刃」と同じ手順にしましょう。形状が複雑なものは包丁研ぎをするときに、砥石ではなく磨き棒を使うと、比較的簡単に包丁研ぎをすることができます。
中華包丁
ひと昔前までは、中華包丁なんて見たこともなかったのではないでしょうか。料理番組で初めて見たという人も多いと思います。今では、中華包丁の魅力に引き込まれ、わざわざ中華街でマイ中華包丁を購入する人も増えてきました。
中華包丁の最大の特徴は、これ1本でほとんどの料理をこなすことです。硬い豚の骨もまるでナタを振り下ろすようにして叩き切ることができるかと思えば、細かい野菜細工までこなせる包丁です。刃を返してハンマーのように食材をつぶすことも得意としています。
中華料理に使われる食材は、実に様々で、さすが中国3000年といわれるくらいバラエティに富んでいます。日本人は、包丁を食材に合わせて工夫し特化してきましたが、中国人は、たった一つで全ての食材を調理できる包丁を生み出したということになります。これこそが、日本人と中国人の国民性の違いだという人もいます。
ただし、その万能性と引き換えに、取り扱いも難しくなってしまったのが中華包丁です。そのため、今日でもマイナーな包丁として、あまり世界のキッチンでは使われていません。使いこなすには、ある程度のキャリアが必要ですが、使いこなすことができれば、これほど便利な包丁もないのではないでしょうか。それこそ、包丁一本でどんな料理も作れてしまいます。
中華包丁の包丁研ぎは、基本的に両刃のある牛刀と同じです。刃先を体の向こうに向け、刃から1センチぐらいのところを両手の指で押さえます。刃の手前側は砥石から5㎜ぐらい浮かせて研ぎましょう。20回ほど往復させたら裏返し、同じように20回ほど研いでから、かえしを取り除きます。
包丁の種類を知ろう「刃の種類」
包丁の種類は、無数にあると思っていいでしょう。それぞれ、生活や仕事の上で創意工夫され、いかに効率よく作業が進められるか先人の知恵が凝縮した形状をしています。私たちが日常的に使う包丁の形状と素材を知っておきましょう。
両刃包丁
包丁の両面に刃がついている包丁が両刃包丁です。刃先の方から包丁を見てみると、確認することができます。一般的に私たちが日常的に使っている包丁では「三徳包丁」「牛刀」をはじめ、洋包丁はほとんどが両刃包丁です。左右対称に両方に刃がついているので、左利きの人でも不自由なく使えます。
両刃包丁は両面に刃がついているため、大きな塊をざっくりと力強く切ることができます。しかし、両側に刃がついているため、身離れが悪く薄切りするには不安定です。両刀包丁の包丁研ぎは、両面を研ぎます。
片刃包丁
初回公開日:2017年10月10日
記載されている内容は2017年10月10日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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