味噌汁は沸騰させても良いのか・沸騰させた時の乳酸菌・温度
更新日:2020年08月28日
味噌は最後に溶き入れる
味噌汁の沸騰を避けるために一番いい方法は、完成間際に味噌を溶き入れることです。
だしをとり、具材を煮込んで柔らかくなったら、火を止めて味噌を溶き入れるのが味噌汁の基本的な作り方です。このとおりに、味噌を最後に溶き入れれば沸騰を防ぐことができます。
どうせだったら先に味噌汁を液体として作っておいて、そこに具材を投入して煮込めば楽だと感じる人もいるでしょうが、それではおいしい味噌汁になりません。具材を煮込んでから味噌を入れるか、固い野菜であれば先に下茹でなどをしておいてから他の具材と一緒に煮込み、最後に味噌を溶き入れましょう。
煮え端で火を止め、味噌を溶き入れ、お椀によそったらなるべく早いうちに食べると、温度が下がりすぎずおいしく味噌汁を食べることができます。
味噌の後に投入するのが食材
具材を煮てから味噌を入れるのが基本的な作り方ではありますが、味噌を溶いた後に入れることで素材の味がひきたつ具材もあります。
定番のものでいえば、ワカメやあおさなどの海藻類、豆腐、ネギなどがそれにあたります。すりおろした山芋などを具材にするおとし芋の味噌汁も、味噌を溶き入れた後に具を加えるのが望ましいとされています。
ただ、茹で加減は家庭によって違って当然ともいえるので、クタクタに煮込んだワカメがいいという場合は味噌の前に入れたり、食感や香りを残したい場合は後に入れたりなど、いろいろと試しながら好みを探ってみるのもです。
味噌汁を沸騰させてしまった場合
味噌汁を沸騰させない方がいいということは知っていても、他のおかずを作りながら洗いものをしたりお米も炊いたりしていると、うっかり沸騰させてしまうこともあるはずです。
一度沸騰してしまった味噌汁はどうしても味が落ちてしまいますが、だからといって捨てるなんてとんでもないと、ほとんどの人がそのまま食べているのではないでしょうか。実は、沸騰後の味噌汁をおいしく食べるために、こんな方法があります。
少量の味噌を加えると風味が復活
味噌汁を沸騰させてしまったり、昨日の残りの味噌を温め直すときに火にかけすぎてしまったりした場合でも、風味を復活させる手段はあります。それは、味噌を10gほど新たに加えてみることです。もちろん10gというのはあくまでも目安で、分量を調節する必要はあります。
少量ずつ味噌を改めて加えることで、失われた味噌の風味が回復し、おいしく味噌汁をいただくことができます。口あたりまではよくすることができませんが、香りと味は格段に復活するはずです。
吸い口を加える
味噌汁の風味に変化をつける方法として、忘れてはいけないのが吸い口の存在です。
吸い口とは、味噌汁に添える香りのことで、具体的にはネギや生姜、山椒、柚子、七味唐辛子などが挙げられます。味噌汁を沸騰させると味噌の香りがとんでしまい、風味が損なわれてしまいます。そこに吸い口を加えれば、味噌とは異なる新たな香りでお椀は華やぎます。
ただし、もともと吸い口は適温で作ったおいしい味噌汁に加えるものであり、損なわれた風味をごまかすために用いるものではありません。そのため、沸騰した味噌汁を復活させるために一番いいのは、少量の味噌を加えることです。そこにプラスアルファで吸い口を添えれば、一度失敗した状態から生まれ変わって、さらにおいしい味噌汁が飲めるはずです。
万が一味噌汁を沸騰させてしまったときには、まずは少量の味噌を加えてみて、それでも気になる場合は、吸い口を添えて気分を変えるのも一つの方法です。
味噌汁が沸騰する温度
水の沸点と塩水の沸点を比較する理科の実験をやったことのある人もいるでしょう。そのとき、水に塩を入れると沸点が上がると習ったはずです。それでは、水に比べて塩分濃度が高い味噌汁は、水よりも沸点が高いということになるのでしょうか。
味噌汁の沸点はほぼ水と同じ
実は、味噌汁が沸騰する温度は水とほとんど変わりません。
確かに、ただの水よりは塩水の方が沸騰する温度は高いのですが、1℃沸点を上げるためには1Lの水に対して大さじ4杯程度の塩を加えなければなりません。そのため、いくら味噌汁に塩分があるからといって、沸騰する温度が目に見えて変わるほど塩分濃度が高いわけではないといえます。
つまり、味噌汁は水と同じように100℃ほどで沸騰します。塩気のある水は沸騰する温度が高いからと気を抜いてちょっと目を離すと、ブクブクと沸騰してしまいます。
豚汁などのように一度に大量に作る汁物もありますが、大抵の場合、一般的な味噌汁は一度に作る量が少ないはずです。少量であればそれだけすぐに沸騰してしまいますから、料理中はあまり目を離しすぎない方が賢明でしょう。
味噌汁は煮え端を意識しよう
初回公開日:2018年02月09日
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