はちみつの結晶化の仕組み・結晶は美味しいのか|冷蔵/白い
更新日:2020年08月28日
はちみつの結晶化の仕組みについて
栄養価が高く、普段から健康のために取り入れている人も多いはちみつですが、冬場にいつの間にか白く固まっていたと言う経験をしたことがありませんか。「カビでも生えてしまったのか」と不安になりがちですが、この白く固まってしまう「結晶化」と言う現象は、はちみつが持つ本来の性質なので白く固まってしまっても品質などに問題はありません。
はちみつの種類によって異なりますが、室温が14℃ぐらいに下がってきたり、日中と夜の温度差が激しくなってくると、はちみつに含まれるブドウ糖が固まって小さな結晶ができ、その結晶を核にしてはちみつ全体に結晶化が拡がっていきます。
白いカビのように見えるけど違うの?
結晶化が始まった直後は容器の底に小さくて白い結晶ができ始めます。この状態だと「はちみつにカビが生えた」と勘違いする人も多いですが、本来はちみつは糖度が高く水分も少ないので、外から水分や食べ物などの異物が容器の中で混ざらない限りはカビが生えることはありません。
はちみつの主成分であるブドウ糖と果糖のうち、はちみつに含まれる花粉や気泡の周りにブドウ糖が集まることで粒状や雲状などの斑点状に小さな結晶が発生し、その小さな結晶を核として容器の底や側面から結晶化が拡がります。
最初から色が白い希少なものも
多くの種類が存在するはちみつの中には結晶化していないにも関わらず、最初から色が白い「ホワイトハニー」と言う珍しいはちみつも存在します。こちらは結晶化特有のジャリジャリ感がない滑らかな舌触りに、角がないまろやかな甘さに加え口の中で溶けたあとにべたつかずスッキリとしているのが特徴です。
カナダで製造されている最高品質のはちみつだけあって、日本でも入手困難な上にお値段も通常より少しお高めですが、老舗メーカーがこだわり抜いたこのホワイトハニーは世界中から愛されています。
人の手が加えられていると結晶化しにくい
はちみつには「天然はちみつ」と「加工はちみつ」の2種類があります。天然はちみつは巣のかけらなどの不純物をろ過して取り除いただけのはちみつで、加工はちみつは人の手によって匂いや色を消したり、はちみつ以外の糖類が混ざっている水分を蒸発させるために熱が加えられています。
はちみつ以外の糖類が混ざっていたり加熱処理されている場合は、巣箱の中でショ糖の分解や水分を蒸発させる過程が済んでおらず、採集した時に熟成していない不完全な状態だった場合が多いです。
水分量が高かったり糖度が低いままだと、発酵が進んで味や風味も変化してしまいます。これらを防ぐために糖類を加えたり、加熱処理で水分を蒸発させて濃度を上げる加工をすることがあります。
天然でも花によってはしにくいものも
結晶化すると言うことは天然はちみつの証拠でもありますが、蜜蜂が集めてくる花粉や花の蜜の種類によっては、ブドウ糖よりも結晶化しにくい果糖を多く含む天然はちみつもあります。代表的なのがスーパーなどでよく見かけるアカシアです。他にもレンゲや林檎、ラズベリーのはちみつはブドウ糖よりも果糖の割合が多く結晶化しにくい品種です。
逆に結晶化しやすい、つまりブドウ糖が多く含まれているのが菜の花から作られるナタネ蜜です。他に結晶化しやすい品種としてウドとヒマワリがあります。ちなみにミカンやクローバー、トチ、そして最近話題になっているマヌカハニーはほぼ中間ぐらいの位置になります。
はちみつの結晶はおいしいのか
結晶化したはちみつは食べられないと誤解されることもありますが、元々はちみつの結晶化ははちみつが持つ本来の性質ですので食べる分には全く問題ありません。さすがにはちみつの食感は変化してしまいますが、品質や栄養分も変化がありません。むしろはちみつの結晶化は無添加、無加工である証拠なので、安心して口にすることが可能です。
ですので、結晶化特有のジャリジャリとした食感を感じながら食べるのも一つの楽しみと言えるでしょう。直接パンに塗ったり、クラッカーやチーズと一緒に食べたりするのが主なの食べ方です。
砂糖の代用品として
はちみつは砂糖よりも低カロリーであることから、甘味料として砂糖の代わりに紅茶やコーヒーに入れたり、煮物の味付け、さらにはカレーの隠し味としても使うことができます。栄養価も砂糖より豊富な上に少ない量で砂糖と同じ甘味を付けることが可能です。
ただし、効果としてはダイエットよりも健康や美容方面に期待すべきでしょう。はちみつに含まれる果糖は血糖値が上がりにくい反面、糖類の中でもっとも肝臓に脂肪を蓄積させやすいデメリットがあるので、摂り過ぎには注意が必要です。
はちみつの結晶は冷蔵するべきなのか
初回公開日:2018年02月25日
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