お造りの盛り付けの種類・切り方・献立と値段・刺身との違い
更新日:2020年08月28日
「お造り」と「刺身」の意味の違い
お造りと刺身は同じものではありません。刺身は、魚の切り身を生食する料理のことです。江戸時代に濃い口しょうゆが大量生産されたことから、関東を中心に魚を生食するようになります。当時、武家社会では、切り身の呼び名が縁起が悪いとされ、お刺身と呼ぶようになりました。
その後、刺身は関東から全国に広がり、関西地方でも食べられるようになります。京都府では、刺身を刺すと考え縁起をかつぎ造り身と呼ぶようになります。そして、だんだんとお造りと変化して親しまれるようになりました。
お造りには、生魚を切り身にしたものではなく、松皮造りや昆布締めなど、ひと手間かけて作ったものを呼ぶこともあります。今では、関東と関西で大きな違いは無く、肉やこんにゃくの加工品も含めお刺身と呼び、魚の頭付き舟盛りのような豪華なものをお造りと呼ばれています。
あらい
お刺身で「あらい」と呼ぶものがあります。コイ、タイ、コチ、スズキなど白身魚を薄く切った切り身を冷水や氷で冷やした刺身を呼びます。冷たい水で冷やすことで身が引き締まり、コリコリとした食感が楽しめるようになり、油や臭みが消えてさっぱりと食べることができます。
たたき
アジやイワシなどの青魚の刺身を「たたき」と呼びます。新鮮な魚に刻んだネギやしょうがなど、香味をのせて包丁で叩いて作ります。包丁で細かく切ることから、たたきと呼ばれるようになりました。
他にも、火であぶる鰹のたたきも有名です。おろした皮付きのかつおを金串に刺して、表面を強火であぶります。高知では、藁を使用して火であぶり風味付けをする手法もあります。あぶった鰹は、手早く氷水にくぐらせて刺身にします。ぽん酢で食べるとさっぱりとした味わいで美味しくいただけます。
お造りの盛り付けの種類
お造りは、盛り付け方によって豪華になりますし美味しそうに見えます。切り方を学んで、盛り付けに必要なあしらいを使って仕上げましょう。
あしらい
お造りに添える「あしらい」は、野菜や香辛料を使って作ります。けん、つま、辛み(薬味)と呼ばれお造りを華やかに見せます。
けん
一般的なけんは、大根で作る盛り付けです。白髪とも呼ばれて、どんなお造りにも合わせやすく、シャキシャキした食感が特徴です。
そして、大根のけんに混ぜられるのが、人参です。紅白のように、おめでたいけんを演出できますから、お祝いの席でのお造りに最適です。そして、きゅうりもけんとして多く使われます。鮮やかな濃淡がお造りを引き立てて、豪華に演出してくれます。きゅうりは飾り切りでも活躍する野菜でしょう。
他には、季節を感じるミョウガがも使われます。独特の香りと風味を感じる、春から秋にかけてのけんです。ラディッシュも、紅白の彩の良さから多く使われけんです。このように、大根だけではなく、お造りのバランスを考えてけんは多くの種類が使われます。
つま
お造りに香りと風味を加えて、華やかさと季節感を感じさせる演出ができます。つまの代表は大葉でしょう。多くのお造りに使用され、爽やかな香りと殺菌効果があります。そして、鮮やかな黄色い花が特徴の菊花も多く使われます。殺菌効果があり、花弁をちぎって醤油に入れると香りとほのかな苦みが楽しめるでしょう。
ホタテやあじのお造りと相性が良い、レモンもつまのひとつです。爽やかな香りとさっぱりした味で脂っこいお魚との相性も良いでしょう。他にも、海藻や花穂じそなど、お造りを引き立てるつまが多くあります。
辛味
辛味は、薬味として使われるわさびや生姜などです。定番のわさびは、どんなお造りとも相性が良く欠かせない存在です。あじやさばのお造りには、生姜が使われます。青魚との相性が良く、すり降りしたりせん切りにして食べられます。
かつおのたたきには、臭みを消す効果もあるニンニクが使われます、独特の香りを楽しむため、すりおろしたりスライスしてかつおと一緒に食べます。
お造りの切り方
お刺身の切り方には「平作り」と「そぎ作り」があります。家庭で刺身を作る時、この方法を覚えておけば綺麗なお造りができるでしょう。まずは、魚を一匹購入したらおろしてから使います。小型の魚なら三枚おろし、中~大型なら五枚おろしにします。お造りを作りやすいように長方形の柵にします。
柵にしたら皮を引いて食べやすくします。魚の種類によって皮付きのまま使うものもあります。ここまで下準備ができたら、お造りに切っていきましょう。
初回公開日:2018年03月16日
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