せいろそばとざるそば・もりそば・かけそばとの違い|カロリー
更新日:2020年08月28日
カレーそば
日本式のカレールーを開発されたのが明治の終わりごろでした。スパイスに慣れない日本人のために、日本そばと合わせても受け入れられるようにとのコンセプトで鴨南蛮と組み合わせて売り出されたのが、カレーそばの始まりです。カレーそばではなく、カレー南蛮という呼び名があるのはその時の名残で、昭和の初期にはカレーそば・カレー南蛮は立派なそばメニューとして定着しました。
つめたいそばの種類と違い
あたたかいそばの場合は、名前を見ただけでどんな具材を使ったそばであるかが比較的わかりやすいといえるでしょう。けれども、つめたいそばになると、少し迷ってしまうことはありませんか。ざるそば、せいろそば、もりそば、この三種類の違いはわかりますか。
もりそばとかけそばの違い
まず初めに、江戸時代のそばは「つけ汁にそばをつけて食べるもの」でした。そこに新しい食べ方が流行します。そばにつゆをかけて食べるというもので、何事につけせっかちな江戸の人たちの気質に合って、すぐに広まりました。そこでこの食べ方に「ぶっかけそば」という名前が付きます。これが「かけそば」のルーツです。
一方、元々のそばは「そば切り」と呼ばれていましたが、ぶっかけそばとの区別をより明確にするために「もりそば」と呼び名が変更となりました。つまり、かけそばともりそばの違いはつゆに浸して食べるかどうかという点です。
せいろそばともりそばの違い
上記のとおり、もりそばはつゆにつけて食べるそばのことです。では「せいろそば」はどうでしょう。
せいろそばは、「山盛りせいろそば」というのが本来の名前で、調理器具であるせいろに山盛りにして提供されるそばを指します。こちらもつゆにつけて食べるタイプで、もりそばとの本質的な違いはありません。違うのは器だけです。ゆえに、「せいろそば」と「もりそば」を両方お品書きに載せている蕎麦屋さんは皆無です。
ちなみに、製粉技術が発達していなかった頃のそばは茹でると切れやすかったため、蒸して提供されていました。これが蒸し器であるせいろを使ったせいろそばの原型かというと、そういうわけでもなく、もりそばとせいろそばではもりそばの方が早く生まれています。
せいろそばは、江戸時代の蕎麦屋さんがそばをおしゃれに美味しそうに見せる工夫の一環でもあったのでしょう。
せいろそばとかけそばの違い
せいろそばともりそばは、ほぼ同一のものですから、せいろそばとかけそばの違いはもりそばとかけそばの違いと同じです。つまりつゆに浸して食べるせいろそばに対し、かけそばはそばにつゆをかけて食べるものとなります。
かけそばについて補足すると、元々のルーツだったぶっかけそばが醤油と削り節がベースの熱いつゆで食べるものだったため、どんぶりにつゆを張って食べる温かいそばは、すべてかけそばに分類されるといえます。
一方せいろそばの方は、上記「せいろそばともりそばの違い」に記したとおり、お店によっては「せいろそば」の名で出ておらず「もりそば」と表現されている場合があります。手に取ったお品書きにせいろそばがなくて困った時は、もりそばを注文しましょう。
せいろそばとざるそばの違い
せいろそばは「せいろ」に盛られたそば、ざるそばは「ざる」に盛られたそばというのが一番簡単な説明です。これも器の違いだけかと思いきや、本来はもっとはっきりした区別がありました。
「ざるそば」は初めに提供したお店がわかっています。江戸時代、深川にあった「伊勢屋」です。そばを盛る器をせいろからざるに変えて客に出したところになったそうですが、伊勢屋のざるそばはつけ汁も濃くリッチに作られた言わばプレミアム仕様で好評を博しました。
けれども時代が変わるにつれ、ざるそばは必ずしもざるに盛られるものではなくなります。そこで、もりそばやせいろそばとの差別化を図る必要が出てきました。その結果、海苔をトッピングするようになりました。現在でも、せいろそば、もしくはもりそばとざるそばとを区別する唯一にして最大のポイントは、海苔がかかっているかいないかです。
へぎそばとせいろそばの違い
へぎそばという種類のそばも耳にしますが、どんなものでしょうか。
へぎそばは新潟県魚沼地方発祥。「へぎ(片木)」と呼ばれる四角い板の器で提供され、冷やしたものを一口大に丸めて盛られているのが特徴です。
この盛り方は、コシの強いそばでなければうまくできません。つなぎにふのり(布海苔)という海藻を使っているために可能な盛り付けです。魚沼地方は小千谷縮の産地でもあり、織物の仕上げの糊付けに使うふのりが身近だったことから、そばのつなぎとしても用いられたのでしょう。
せいろそばとの違いは盛り付ける器だけでなく、そばの生地自体が違うものだといえます。
せいろそばの作り方
初回公開日:2018年04月02日
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