ウナギのゼリー寄せの歴史や味について|イギリス料理の特色4つ
更新日:2022年04月11日
ウナギのゼリー寄せの顕著さは、その生臭さにあります。日本の魚料理のように、臭さを消すような処方があまり発展していない英国式ということもあって、捕れたウナギを即時に煮こごりにするだけの、シンプルな庶民の味です。
なので、その大胆さや手軽さでファストフード的にもてはやされてきた料理です。ウナギ特有な魚臭さや生臭さも風物として捉えることができれば美味しいと感じられます。
4:フランスのウナギのゼリー寄せとの違い
鰻を郷土料理として、あるいはウナギのゼリー寄せとして庶民的に食べるのは、イギリスとフランスの2カ国です。この2つの国のウナギのゼリー寄せにはどのような違いがあるのでしょうか。
これはもう体裁の違いが明らかです。イギリス流がファストフードや屋台的な手軽さなのに対して、フランスはもはやコースの一品として扱われています。「テリーヌ」という料理がありますが、フランスではウナギもテリーヌの素材の一つにしています。
グロいと言われているのはどっち?
そのままウナギをぶつ切りにした煮込んだだけの感覚、それがイギリス流ウナギのゼリー寄せです。なので見た目にはまったくこだわった料理ではありません。見た目だけの判断でいうのなら、当然フランスはきれいに調理しているのに対して、イギリスのほうがグロいと言ってよいでしょう。
かと言って、それは、日本人が普通に食べている「サバ缶」や「シャケ缶」の蓋をあけた時と一緒の感じだと思えば、全く気にはなりません。
うなぎに関連する商品
ウナギと言えば、日本時にとってはウナギのゼリー寄せ以上に「蒲焼き」に食文化として馴染み深いのは言うまでもありません。その味の秘密は、ウナギに乗っている脂とともに、タレにもあります。有名店になれば秘伝のタレを継ぎ足しているというところもあります。
本醸造ヤマサしょうゆをベースに、その香りと味、色を活かして、さらにうなぎエキスを加えた風味豊かなたれです。
イギリス料理の特色
ウナギのゼリー寄せから始まったこの内容ですが、そもそもイギリスの料理とはどういった特徴があるのでしょうか。ここでは、イギリス料理についての諸々をご紹介します。一般論では、他のヨーロッパ諸国(とくにフランスやイタリア)と比べても、食についてのポリシーがさほど見受けられないとも言われています。
1:素材の味を活かす
イギリス料理は、細かく分類するとイングランド料理、北アイルランド料理、スコットランド料理、ウェールズ料理とに分けられます。さらにそこから派生したアングロ・インド料理というのもその一つにあげられます。他の欧州諸と違って、香辛料などよりも素材重視な食文化と言えます。料理の味は素材そのものによって大きく左右するという考え方です。
2:味付けがされていない
イギリス人はなぜか食べ物についての深い関心が薄く、食事はシンプルで簡単に済ませるという習慣が古くから根付いていると言われています。そのためフレンチやイタリアンのように他のヨーロッパ諸国とは違った独自な食文化として形成されてきました。
イギリスの食事はあまりインパクトがないことで、味付けもかなりあっさりしたものが多いとされます。何よりも素材そのものをそのままいただくという食習慣です。
食べる時にお好みで
素材を活かした食文化であるイギリス料理なので、そのメニューによっては、独自なソースなどを付けて食べる料理が目立っています。例えば「フィッシュアンドチップス」などは、白身魚のフライとフライドポテトの付け合わせというポピュラーな料理で、そこには、グリーンピースのピューレやタルタルソースなどが付いてきます。
自分のお好みで味付けを決めるという方式です。
3:食事に重きが置かれない歴史
イギリスの庶民のほとんどが、食文化に重点を置かない歴史が根付いてきました。捕った獲物や魚は、そのまま焼いたり煮たりしていただくという簡素な方法が主流だったためです。その名残が現在でもあると言えます。
しかし必ずしも食に疎い国民性ということではなく、大航海時代から世界各国のあらゆる食に関する流通にも関わってきている国でもあります。中華料理やインド料理の店は、かなり古い時代から存在するとされています。
初回公開日:2018年12月07日
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