くさやについて味や臭いの特徴6つ|くさやの作り方
更新日:2022年04月11日
日本で最も臭いといわれる「くさや」
くさやとは、伊豆諸島の特産品として有名な魚の干物で、世界で5番目に臭いと言われています。材料の魚は、ムロアジ、シイラ、トビウオ、サンマなど色々な種類があります。
作り方は、魚の内臓や血合いを取り除き開いた魚を、塩を入れた「くさや液」という発酵液に1~2日浸潤させ発酵させてから洗い流し、天日干しにして乾燥させます。
独特で素朴な旨味があるくさやは、島人により守り継がれ熟成され、保存性に優れた食材です。
くさやについて知ろう!
くさやは好きな人はたまらなく好きな食材ですが、多くの人は「臭い」という特徴だけしか知らないのではないでしょうか。
しかし、臭いというだけで倦厭していてはもったいないです。ここでは、臭いけど美味しいくさやについての知識をご解説します。
1:くさやの発祥
くさやは室町時代に形が作られ、江戸時代に日本橋の魚河岸でくさやと命名されます。
当時伊豆諸島では幕府に塩納していました。塩は貴重であり、魚の塩漬けに塩水を使い回すことで魚の成分や味が塩水に蓄積し、微生物なども作用し塩水が発酵しました。これが熟成されくさや独特の風味を醸すようになり、これを改良してくさや液ができました。
また海鷹が捕った魚に海水がかかり、自然発酵したのを食べたのを発祥とする説もあります。
2:どんな臭いなのか
くさやの臭いは独特で、食べても大丈夫なのか不安に思うほど強烈な臭いを発します。特に焼いている際のくさやの臭いは凄まじいといいます。
臭いを例えると、魚の腐ったような臭いやドブの臭い、何かが腐ったような腐敗臭、公衆トイレ、動物園などです。他にもたくさん例えがあるようですが、どれも書くことさえ躊躇するものばかりです。
「くさや液」とは
くさや液とは魚を漬ける塩水で、臭いの原因です。数十、数百年の間塩を継ぎ足され、発酵し続けます。
くさや液の造り方は極秘で、代々その家に伝えられます。手入れは主に女性が行い、くさや液は島の嫁入り道具でした。
くさや液は古いほど干物の旨味が出て、二百年以上前から保存されるものもあります。ただ同じくさや汁を連続して使うとくさやができなくなるので、何回か使ったくさや液は暫く休ませ、新しい魚で栄養を補給します。
3:どのくらい臭いのか
臭みの強さを計る単位をAuといいます。世界の臭い食材を上からいうと、開缶直後のシュール・ストレンミングは8070Au、ホンオ・フェは6230Au、エピキュアーチーズは1870Au、キビヤックは1370Au、そして焼きたてのくさやは1267Auです。
ということで焼きたてのくさやは、486Auの鮒鮓や452Auの納豆の3倍ほど臭いです。ちなみに焼く前のくさやは447Auなので、納豆の方が臭いです。
4:どうして臭いのか
くさやの臭いの原因はくさや液ですが、くさや液はなぜ臭いのでしょうか。
くさや液は元々は塩水で、それを使い回していく中で、微生物が魚に含まれるタンパク質や脂質を栄養源として活動し、発酵が進みました。これが長い年月で使用され現在のようなくさや液になったといわれています。
くさや独特の臭いは、くさや液の中の微生物の働きによるもので、その成分はアンモニア、イオウ化合物、酪酸などによります。
初回公開日:2018年12月19日
記載されている内容は2018年12月19日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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