卵と玉子って何が違う?使い分け方4つ|たまごのトリビア4つ
更新日:2022年04月11日
毎日の食卓に欠かせない「たまご」
「たまご」は「卵」とも「玉子」とも書きますが、毎日さまざまな形で調理され提供される食卓には欠かせない食材です。食卓のおかずだけでなく、お菓子やマヨネーズなどの調味料のなかにもたくさん使われています。
たまごは物価の優等生という呼び方もあり、廉価で価格変動も少ないので庶民の見方の食材とも言われています。しかも、栄養豊富でヒヨコが成長するために必要な栄養成分をすべて持ち合わせている完全栄養食品です。
「たまご」はいつ食べられるようになったの?
日本でたまごが食べられるようになったのは、江戸時代以降と言われています。鶏は2000年以上前に渡来しましたが、仏教の戒律もあって鶏肉を食べることの禁令があった時代もあり、たまごを食べることも殺生とされていました。
16世紀に西洋文化が伝来して南蛮菓子や卵料理が徐々に広まったと言われています。江戸時代のゆでたまご1個の値段はかけそばよりも高かったといいますから、まだ貴重なものだったと言えるでしょう。
「卵」と「玉子」はいつから出てきたの?
「たまご」が漢字表記になったのは、「卵」が平安時代、「玉子」は江戸時代からよく使われるようになったと言われています。「たまご」と呼ばれる前は、「殻(かひ)の子」、殻のなかに子がいるという意味で「かひご」と呼ばれていました。
「かひご」は「蚕(かいこ)」や「かいご」とも呼ばれますが、中国ではたまごのことを「蛋」という漢字で表すのが一般的です。蚕と蛋、似ている漢字なので、関連することもあるのでしょう。
卵と玉子の使い分け方
「卵」と「玉子」というように、たまごを表記する漢字には使い分けがありますが、簡単に言うと生のものは「卵」、調理されたものは「玉子」と考えれば大きな間違いはありません。
例えば、「玉子丼」を「卵丼」と書いたり、「卵かけごはん」を「玉子かけごはん」と書くと違和感を覚えます。「たまごどん」は調理したものなので「玉子丼」、「たまごかけごはん」のたまごは調理していないので「卵かけごはん」が正解です。
卵の漢字の成り立ち
「卵」という漢字には、ふたつの殻の中に点がひとつずつ入っていて、これからふ化する子供を示す点を宿した殻という意味合いが含まれています。
鶏などの鳥類だけではなく、魚や虫などのたまごは「卵」と書きます。これからふ化するたまごですから、生もの・未調理の状態であるのが普通です。たとえば調理していない「なまたまご」は生卵と書いて、調理した「玉子」という文字を使った生玉子と書くことはありません。
1:生物上で使う「卵」
生物学的な意味でのたまごを漢字ではすべて「卵」と表記します。 生物学的な意味でのたまごというのは、 子孫を残すために孵化して育つことを前提としたものを指していて、すべての生物のたまごは「卵」と書きます。
ただ、例外的に鳥類のたまごで食用を目的としたたまごやそれを調理したものを「玉子」と表現することがあります。生物学上の大きな概念として「卵」があって、そのなかで例外的に「玉子」という表現が使われています。
2:魚や虫の「卵」
鶏以外の魚や虫でも、たまごは「卵」と表記されます。英語ではほとんどの卵は「egg」ですが、魚やカエルなどの卵は「spawn」として区分けされています。
鳥類のたまごで限定的に「玉子」が使われますが、鳥類以外の魚や虫で玉子が使われることはありません。イクラは「サケの卵」ですが、「サケの玉子」とは言いません。カエルのたまごも「カエルの玉子」ではなく、「カエルの卵」が正解です。
玉子の漢字の成り立ち
初回公開日:2018年12月07日
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