品種別金魚の種類と特徴|飼育の注意点と金魚の値段相場
更新日:2020年08月28日
らんちゅう型の金魚とその種類
らんちゅう型の金魚は背びれが無く丸い体型で、尾ヒレが肉厚で短いのが特徴です。らんちゅうは現在でも愛好家の多い種類の金魚で、定期的に品評会も開かれています。品評会では評価の高いらんちゅうほど高価になります。
らんちゅう
らんちゅうは現在では肉瘤の発達したものが主流ですが江戸時代には肉瘤が発達していないものがほとんどでした。肉瘤の発達したらんちゅうは江戸時代の終わりごろになってから流通し、一般的になりました。
戦後の日本では現代のようなきれいなガラスは普及していなく、表面がすりガラスのような曇ったものばかりだったのでらんちゅうは上から鑑賞されていて、現在でも上から見たフォルムが美しいほど出来の良いらんちゅうと言われています。
らんちゅうの種類は赤や白のらんちゅうや更紗模様の更紗らんちゅうが多く、黒色の体色は入らない方が良いと言われていましたが、現在では黒色の黒らんちゅうも流通しています。
津軽錦
津軽錦は江戸時代から青森県の津軽錦で飼育されてきた種類の金魚で、別名津軽金魚とも呼ばれていました。頭部の肉瘤は発達するものとしないものがあります。厳密に分類すると肉瘤が発達していないものは津軽錦、発達しているものは弘錦と呼ばれています。津軽錦は太平洋戦争で一度は途絶えてしまいましたが、90年代後半にらんちゅうと東錦を交配して復元されました。
津軽錦は流通が少なく、寒い気候に強いが暑さには非常に弱いのが特徴です。稚魚の頃はフナのような体色をしていて、3歳ごろから発色し始めます。
江戸錦
江戸錦は昭和にらんちゅうと東錦を交配して誕生した種類の金魚です。体色は東錦に似ていて、透明の鱗にキャリコ模様が特徴的です。通常は尾ヒレが短いですが、交配によって尾ヒレが長い個体も出現するようになりました。この個体は京錦と呼ばれていますが見ることはほとんど無いでしょう。
出雲南京
出雲南京は島根県の天然記念物に指定されている種類で、頭部が小さく肉瘤が無い四ツ尾の金魚です。体色は紅白の更紗模様で、その中でも体色の面積が白色の方が多く口と各ヒレが赤い六鱗の個体が良いと言われています。この白色の多い体色を作るために、梅酢を用いて色素を破壊して人工的に白くすることもあります。
出雲南京はあまり丈夫な種類ではないので飼育は難しく、単体での飼育では餌をあまり食べないので多数での飼育が求められます。そのため一般家庭での飼育は困難です。
桜錦
桜錦は昭和に江戸錦とらんちゅうを掛け合わせる戻し交配という方法で作られた金魚です。桜錦は江戸錦から青の系統の色を抜いた状態で、モザイク透明鱗と更紗模様を固定させた種類の品種でピンク色の体色が特徴です。
桜錦は品種として登録されたのは平成になってからなので、非常に新しい品種の金魚と言えます。また、同じ見た目の金魚で東錦とらんちゅうを掛け合わせた種類の金魚も存在しますが、こちらは京桜と言う名前で別の種類になります。
銀魚
銀魚は青文魚に似ている青みがかった体色の金魚です。肉瘤はほとんど発達せず、尾ヒレは三ツ尾か四ツ尾です。白っぽい体色の銀魚は白銀魚と呼ばれます。
秋錦
秋錦は明治時代にらんちゅうとオランダ獅子頭を交配して作られた金魚です。本来の目的は背びれのないオランダ獅子頭を作る事でした。そのため、正しくは体型がらんちゅうでヒレが長いもので頭部の肉瘤が発達したものを秋錦と呼びますが、現在は中国からの肉瘤が発達しない秋錦も存在します。
頂天眼
頂天眼は出目金の突然変異を固定した金魚です。目は出目金とは違って上を向いています。明治時代に日本に持ち込まれた中国原産の種類の金魚で、清時代に出目金を瓶の中で長期間飼育していたら自然と出目金の目が上を向き頂天眼になったという話があります。
頂天眼の体型は少し細長く背びれはありません。視力は全くないので普段は同じ場所で大人しくしていて、嗅覚で餌などの食べ物を探します。そのため飼育する際はぶつかってけがをしないように尖ったものや障害物は水槽に入れない方が良いでしょう。また、頂天眼の種類には鼻に房を持つ頂天花房という種類の金魚が存在します。
水泡眼
初回公開日:2017年10月16日
記載されている内容は2017年10月16日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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