スイカは野菜か果物か・栽培方法・スイカが野菜の理由・定義
更新日:2020年08月28日
スイカは野菜?それとも果物?
夏になると食べたくなるスイカですが、野菜なのか果物なのかで議論を戦わせることがありませんか。あなたはどっちが正解なのかご存知でしょうか。結論を言えば「スイカは野菜です」。これは誰に聞かれても、否定できない正しい答えです。
では、果物ではないのかということになると、その答えも間違いです。スイカは果物でもあります。結局どっちなのとまた混乱してしまいそうですが、スイカは野菜であり果物でもあるというのが正解です。「スイカは野菜ではない」というのだけが、間違った答えになります。
ではどうしてそういうことになるのか、それを野菜の定義などをみながら説明して参りましょう。
野菜のスイカの栽培方法とは?
スイカはどうやって作られているかご存知でしょうか。畑のない所で育った方なら、スーパーなどに並んでいるスイカを見るだけで、スイカがどんな風に栽培されているかを見たことがない人もいるでしょう。
スイカは通常、畑で種や苗から栽培されます。スイカは高温と強い光を好み、日当たりのよい所でよく育ちます。水はけがよい土であれば、特に土壌は選びません。ツルが伸びて実をつけますが、肥料はチッ素が多いとツルが伸びすぎて実があまり成らなくなるので、チッ素は控えめにして肥料を与えるようにします。
開花してから30日くらい経ったら、「玉直し」といって実が日陰になっていた方を日向に向けて、全体に日光が当たるようにします。収穫の目安は開花後、大玉なら45~50日、小玉なら35日~40日ぐらいです。手のひらでスイカをたたいて鈍い音がしたり、巻きひげが半分枯れてきたら食べ頃です。
スイカが野菜だといわれる理由
普段私たちが食べたり目にするスイカは、何等分かに切ってそのまま食べることが多いでしょう。世界ではいろんな種類のスイカが栽培されていて、甘くないものもあり、煮たり焼いたりして食べられています。
日本では種は食べませんが、アジアでは種も炒ってから中身を取り出して、酒のつまみや料理などに加えて食べます。
私たちがスイカを果物だと考えるのは、他の果物のように実をそのまま食べることからきています。なぜスイカが野菜だといわれるのか、それについて詳しく説明します。
野菜の定義とは?
野菜の定義はというと、実は明確な定義づけは難しいとされています。一般的には食用の草本植物だといわれていますが、農林水産省によると次のような特性のあるものを、一般的に野菜というとなっています。
農林水産省による野菜の定義
1.田畑に栽培されること(栽培されていない山菜などは野菜と区別することが多い)
2.副食物であること3.加工を前提としないこと(こんにゃくのような加工を前提とするものは野菜としていない。漬物のように原料形質がはっきり残っているものや家庭における簡易加工は加工に含まない)
出典: http://www.maff.go.jp/j/seisan/ryutu/yasai/yasai_teigi/ |
4.草本性であること
しかし、どの定義も確固たるものではありません。 また、農林水産省では、果実を、生産や出荷の統計をとる上で果樹として分類しています。この果樹は、木本性などの永年作物のことをいいます。なお、いちご、メロン、すいかなどは野菜に分類されますが、果実的な利用をすることから果実的野菜として扱っています。
農林水産省による定義をみても、結局のところ野菜と果物の明確な違いは示されていません。しかし、スイカは野菜に分類されるとなっていて、果物として利用されていることで「果実的野菜」、つまりは野菜であるといっています。
スイカの保存は野菜室?
あなたはスイカをすぐに食べない時、どこに保存するでしょうか。スイカの形も丸ごと1個だったり、カットされているものなど、形態によっても保存方法や場所が違ってきます。
スイカは丸ごとなら、なかなか冷蔵庫に保管するのは場所を取り過ぎて難しいでしょう。でもスイカは常温保存で大丈夫です。むしろ冷蔵室は、長い時間保存するのには向いていません。なぜかというと、スイカは畑で直射日光をあびて畑の土の上に生っているものだからです。
常温保存だと、保存期間は熟成度にもよりますが2~3週間ぐらいです。ただ、ぬるいスイカは美味しいといえないので、食べる時にカットして少し冷蔵庫で冷やしてから食べると美味しく召し上がれます。
カットしたスイカは、水分がなくなるの抑えるために野菜室に入れてください。冷蔵室は、スイカにとって温度が低すぎるので保存には向いていません。野菜室での保存期間は2~3日ぐらいです。
スイカは爆発する!?
スイカはダイナマイトのような形をしていますが、実は爆発することがあるというのをご存知でしょうか。中国のある村で、収穫前のスイカが相次いで自然破裂したことがありました。肥大促進薬を使ったからではないか、ということも言われていますが、今のところ原因は不明とされています。
スイカは収穫直前に大雨が降ったりすると、内部に腐敗したガスが貯まることで、爆発を起こすことがあります。日本以外の国では、本来ならば開花時期に使う「ホルクロルフェニュロン」という植物成長調整剤を、間違って収穫直前に使ったことで爆発が起こったと考えられる事例が報告されています。
初回公開日:2017年12月21日
記載されている内容は2017年12月21日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。