「ぜんざい」と「おしるこ」の違いは何か|関西/名古屋/九州
更新日:2020年08月28日
沖縄のぜんざいが2種類ある事がわかりましたが、沖縄におしるこというのはあるのでしょうか。そして、沖縄のぜんざいと違いはあるのでしょうか。沖縄にもおしるこはあり、作り方は関東のおしること同じ作り方です。本州でも手に入る食材で作れるものの、色々違うところがありますので、本州の人が考えるおしるこよりも少し違いのある仕上がりになっています。
作り方ですが、まずさらしあんを沈殿させて生あんを作ります。この生あんを作ったら、鍋に黒糖と一緒に入れ、水で少しとろみがでるまで煮込み、塩を加えて最後に片栗粉を加えます。これを器によそい、別に作っておいた白玉を入れたら完成です。
北海道
日本の最北端であり、独自文化のあるイメージが強い北海道ではおしることぜんざいはどのような違いがあるのでしょうか。実は、北海道地域では本州のようにおしることぜんざいにはっきりとした区別はつけていません。
しかし、開拓時代、穀物が取れなかった時期にかぼちゃをお餅の代用品として入れた「かぼちゃしるこ」と言う、北海独自のおしるこがあります。現在ではかぼちゃペースを溶かし込んだりと色々な作り方があるのですが、今でも作られている当時の作り方に最も近いこの「かぼちゃしるこ」のレシピを紹介します。
北海道名物かぼちゃしるこ
必要な材料はとてもシンプルで、かぼちゃ4分の1、缶詰のあずき1つ、塩ひとつまみになります。まず、かぼちゃを煮るか電子レンジで柔らかくしたら、鍋に缶詰のあずき、塩、柔らかくしたかぼちゃを入れ、温まるまで煮るだけです。
もの凄くシンプルで簡単なのですが、素朴な味わいで北海道以外でも作られているおしるこになります。冬至には白玉を入れて豪華にします。
ぜんざいとおしるこの違いの由来や起源
関東と関西では同じ名前のものでも中身が違う場合がすごく多いのですが、おしることぜんざいの違いに関しての起源や由来というのはあるのでしょうか。なぜ関東ではあんこを溶かした汁にお餅を入れたのがおしるこなのか、なぜ関西ではこしあんを溶かしたのがおしるこなのでしょうか。この違いの起源や由来について紹介します。
違いの由来
実は、なぜ関東と関西でおしることぜんざいに違いがあるのか、と言う事の由来は、現在のところそれに関する文献が見つかっていないため、判明していません。しかし、ぜんざいに関しては江戸時代の後期にはすでに関東と関西で違いがあったと言う証拠となる文献はあります。
江戸時代後期の文化を書いた「守貞謾稿(もりさだまんこう)」と言う文献に関東と関西のぜんざいの違いが書かれており、この文献に当時の京都と大阪では「つぶあんに黒糖を加え、丸もちを煮る」と言う作り方をしたのがぜんざいと呼ばれている。と書かれています。
そして、同じ文献にはおしるこの作り方にも書かれており、当時の江戸では「こしあんに大衆品の白糖か黒糖を加え、切り餅を煮た物」京都と大阪では「こしあんを使ったものがしるこ。またはこしあんのぜんざいと呼ばれている」と書かれています。
違いの起源
しかし、あくまで仮説段階ではあるものの、この関東と関西の違いの起源となりそうな説ならあります。ぜんざいは出雲大社のある鳥取県出雲市で、日本中の神様の集まる旧暦10月に振舞われた「神在餅(じんざいもち)」が起源とされていて、「じんざい」と言っていたのがいつしか「ぜんざい」に変わった、と言う説が有力です。
おしるこもぜんざいも室町時代の頃関西から関東に伝わったのでは、とされていますが、その過程において正確には伝わらなかったのか、なぜか江戸時代になる頃には現在に繋がる関東と関西での違いになり、今に至っていると言われています。
ちなみに、ぜんざいの発祥地である出雲地域ではぜんざいの方が圧倒的にで、おしること言われてもすぐにはわからない人も多いです。
おしることぜんざい以外にも小豆料理はたくさん
関東と関西をはじめとした、日本全国のおしることぜんざいの違いを紹介しました。ちなみに、小豆は東アジアに昔からある食材で、日本では縄文時代から食べられていました。中国では漢方の食材として扱われていた事があり、現在でも東アジア全土の色々な地域で色々な種類の小豆を使ったお菓子や料理が東アジアにはあります。
日本でもおしることぜんざいをはじめとして、色々な形態で小豆が食べられています。おしることぜんざいの違いをぜひ意識して食べてみてください。
初回公開日:2018年03月27日
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