Search

検索したいワードを入力してください

ドライアイスの昇華の温度・エタノールに入れた時の温度

更新日:2022年04月11日

ドライアイスの昇華の温度や気圧の関係について、状態図などを用いて詳しく論じてみました。ドライアイスに関連するいろいろな知識を得ることができます。また、高校化学の知識から丁寧に説明を加えていますので、用語についての知識が曖昧な方でも楽しめる記事となっています。

ドライアイスの昇華の温度・エタノールに入れた時の温度

ドライアイスの時間における温度変化

ドライアイスを使うとものを冷やすことができるのは、ドライアイスの昇華が吸熱反応だからです。つまり、ドライアイスが昇華し続ける、つまり、ドライアイスが気化し続け状態変化が続いている限り、周囲の熱は奪われ続けるので、温度はほとんど一定に保たれます。

しかし、少しでも長くドライアイスを使いたいです。また、お店によっては、ドライアイスの量によって値段が変わってしまうものもありますので、ドライアイスは長持ちさせたいところです。

ドライアイスを長持ちさせるのに方法は、ドライアイスによって冷やされた冷気をなるべく外に逃がさないことです。そうすることで、より少ないエネルギーで温度を保つことができ、状態変化のスピードが遅くなります。

温度を保つには

クーラーボックスの発泡スチロールなどがこの例です。温かい外気をドライアイスの周りに送り続けることは、ドライアイスに昇華のためのエネルギーを送っているのと同じことなのでドライアイスを長持ちさせたいのであれば避ける方が良いでしょう。

反対に、実験などで急激に状態変化を見たい場合は、できるだけ温かい空気を周りに送り続けるのが良いでしょう。

ドライアイスの温度の測定方法

前に述べた通り、ドライアイスが状態変化している最中のドライアイスの周囲の温度はほとんど変化がないので、気圧を測り、状態図を参照することで、ある程度の検討をつけることができます。

しかし、ドライアイスは固体なので、正確に物質の温度を測ることはなかなか難しいでしょう。どの方法も、大抵空気を介してドライアイスの温度を測ることになるでしょう。

工夫の余地があるとすれば、ドライアイス周囲の気体がなるべく入れ替わらないように、断熱材で覆った状態で温度を測定するのが望ましいでしょう。状態図はあくまで理論値ですので、実測値を知りたい方は、実験してみることをお勧めします。

断熱材で覆った場合も、ドライアイスは気化する際に体積がとても大きくなるので、内圧が高くなりすぎないように一部空気を逃がす場所を用意しておかないと、気圧も管理できませんし、危険です。

ドライアイスを保存するには

温度編

まず、気圧を一定(1.013hPaと仮定します)としたとき、ドライアイスを固体のまま保存するには何度以下に保てばいいかを考えます。状態図より、気圧が1.013hPaの時、昇華線の温度の値は大体-130度程度です。

つまり、理論上は、ドライアイスを‐130度以下に保ち続けると、ドライアイスは大気圧下で固体で存在し続けることができます。しかし、実際は、もう少し高い温度でドライアイスは気化するので、-130度ほどの低温で保つことができなくても、ドライアイスを固体で保つことができるでしょう。

ですが、一般家庭にあるような冷蔵庫ではドライアイスを固体の状態で保てるような温度は作り出すことができません。そのため、冷蔵庫でドライアイスを補完することは難しいと考えられます。

気圧編

次に、ドライアイスが固体のまま存在できる気圧について考えてましょう。先ほども述べた通り、通常の大気圧の約4倍もの圧力をかければ、ドライアイスが固体のまま存在することができる温度は上昇します。

しかし、大気圧の4倍というのは、なかなか作り出せるような圧力ではなく、上昇する温度もそんなに大きくないため、とても効率が悪い方法と言えます。

以上より、ドライアイスをより長く保存したいのなら、気圧を調節しようとするよりも、いか低温の環境を保つか、という点について工夫すべきでしょう。また、紙をなどの熱伝導率が低く外気に触れにくくなるもので覆ってしまうのもドライアイスを長持ちさせるのに有効な手段と言えます。

これからもドライアイスと楽しいお付き合いを

今回は、ドライアイスについて詳しく触れてみました。「昇華」「状態図」などの表現に戸惑った人もいるでしょう。これを機に、もう一度高校の教科書を振り返ってみるのもおもしろいでしょう。

また、今回は、状態図を用いて、理論値でドライアイスの昇華の温度などについて論じてきました。理論値と実測値は往々にして異なるものですので、この記事でドライアイスについて興味を持った方は実際に実験してみるのも良いでしょう。ドライアイスは、スーパーマーケットなどで簡単に手に入れることができます。

また、ドライアイスは簡単に低温を作ることができるので寒剤としてとても有効な物質ですが、低温すぎる故に、低温やけどなどを起こしやすい危険な物質でもあります。普段の生活や実験で使用する際は、肌にドライアイスが触れないようにお気を付けください。

初回公開日:2018年02月09日

記載されている内容は2018年02月09日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

Related