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スーツのアイロンのかけ方|温度/スチーム/頻度・コツや注意点

更新日:2020年08月28日

スーツのアイロンの方法やブラッシングの方法など、日常的にスーツを着る方が役立つメンテナンスについてご紹介しています。スーツはシワや汚れがあると生地を傷めて寿命が短くなります。この記事を読んで大切なスーツにアイロンなどのメンテナンスをして寿命を延ばしましょう。

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スーツのアイロンのかけ方

スーツのアイロン方法は間違えると元の素材の色味や風合いを損なってしまいます。正しくアイロンをかければ、卸したての様なハリ感が復活する可能性があります。お気に入りのスーツを長持ちさせるにも、スーツのメンテナンスは大切です。どうぞ最後までご覧ください。

スーツのアイロンをする時に当て布は必要?

スーツをアイロンするには、当て布を必ず用意しましょう。当て布をせずに直接アイロンをかけると、生地を傷めてしまい生地の種類によってはスーツにテカリが出てしまいます。

ジャケットスーツのアイロン方法

※スーツは全て当て布を当てながらアイロンをかけていきます。

①背もたれなどによってシワができやすいスーツジャケットの背中からアイロンをかけていきます。生地の流れに沿ってアイロンをかけます。

②表に返して前身ごろを開けて、スーツの芯地を片方の手で引っ張ってシワを伸ばしながら裏側からアイロンをかけます。

③ジャケットスーツの前身ごろを閉じて袖をアイロンがけします。
この時、立体感を保つために袖の外側にある縫い目を潰さないよう注意しましょう。

④前身ごろを表側からアイロンがけしていきます。面積が大きい背中側と同ようにシワに気を付けながら生地の流れに沿ってアイロンがけします。

⑤ラペルのふっくら感を保つために、衿は片方の手で芯地を引っ張りながら裏側からアイロンがけしていきます。表側からアイロンがけはしないでください。

⑥衿のアイロンがけが終わったらアイロンの熱と湿気が消えないうちに膨らみを意識しながら手でラペルの形を整えましょう。ジャケットスーツは正しく丁寧にアイロンがけすれば卸したてのようにハリ感が復活します。

パンツスーツのアイロン方法

※パンツスーツも全て当て布をしてアイロンがけしていきましょう。

①パンツスーツでシワが付きやすいのは、ウエスト、膝の部分です。まずは、ウエストからアイロンがけしていきましょう。カーブを整えて裏地からアイロンをかけていきます。

②ファスナーの裏地を手でしっかりと整えて、強めにアイロンがけします。反対のファスナー部分も同じ方法で忘れずにアイロンがけしましょう。

③裾周りなど全体をアイロンがけする前に、ポケットを裏側からすべてつまみだしておきましょう。

④裾と股下のシワを伸ばします。この工程をするだけでシワが消えやすくなります。

⑤裾から股下に向かってアイロンがけしていきます。お尻の部分も忘れずに、生地のラインに沿ってアイロンをかけるのが美しいシルエットをだすポインです。

⑥縫い目に注意しながらアイロンがけします。中央の縫い目の「上半分は下から上へ」「下半分は上から下」へアイロンがけします。縫い目に注意してアイロンをかければ仕上がりはとても綺麗になります。

⑦最後に両足のセンターラインをアイロンがけし仕上げます。

スーツはどのようなアイロンがいい?

【パワーのあるスチーム】パワーのあるスチーム力があると、アイロンの使い方の幅が広がります。

【一定温度を保てる】コードレスのアイロンだと丁寧に時間をかけるうちに温度が下がる可能性があります。このような事がないように、コード付きのアイロンがいいでしょう。

【滑りのいいかけ面】滑りのいいかけ面だと、スムーズにアイロンがけができ作業効率が良くなります。

温度の目安は?

スーツの洗濯表示タグに表記されている温度の上限を守って、アイロンをする事が重要です。温度が低すぎても高すぎても、綺麗にスーツを整えられませんのでしっかりと守りましょう。

スチームアイロンの方がいい?

スチームアイロンは、アイロンがけが難しいとされるスーツなどの衣類も、服から離してスチームする事でスーツの生地を傷めず綺麗に整えられます。

どんなアイロンがいい?

アイロンを買い替える時、何を基準にして購入されますか。最近の電化製品は軽量化、作業効率や利便性を考えてコードレスの商品が多く、消費者にも好まれますが、アイロンは重さがありコードがあるものを選びましょう。

アイロンは重さがある程かけ心地が良く、重さがある事でシワをしっかりとした圧でシワを伸ばす事ができます。アイロンは一定の熱を保つ方がスムーズにいきます。コードレスだと長時間熱を保つことが難しいので、時間をかけてアイロンしたい物がある場合は、コードがあるアイロンを選ぶのが好ましいでしょう。

アイロン台はどのようなものがいい?

自宅にあるアイロン台は低めで、座りながらでもできる高さの物ではありませんか。もちろんそれでも構いませんが、スーツやYシャツなどシワになりやすい物をアイロンするには立ってアイロンできる、高さのあるものが望ましいでしょう。

なぜなら、スーツやYシャツは丁寧にアイロンをかけても次の箇所に移る時に、アイロンし終わった箇所が床に重なりシワになりやすくなるからです。そしてアイロンの向きを変えたり、スーツなどのかける物を動かしたりするときも立ってかける方が作業効率は良くなります。

この他、クッション性が高くきちんと熱を吸収する物を選ぶといいでしょう。

スーツにアイロンをかける頻度は?

パンツスーツのアイロンの頻度は週一を目安にするといいでしょう。

アイロンがない場合の応急処置は?

出張先の宿泊先にアイロンがないまたは、アイロンをする時間がない場合は、スーツを一晩風呂場に干しておくのがいいでしょう。風呂場の蒸気をスーツの生地が吸ってシワをふっくらと復元してくれます。

パンツを干す際は、裾を上側にしてハンガーにかけておくとウエストの重さにパンツが引っ張られて自然なシワ伸ばし効果があります。

スーツは自宅でも洗える?

スーツはむやみにクリーニングに出すと、素材によっては風合いが損なわれる心配もあるので、ワンシーズンに1回で十分です。しかしシャツなどよりもコストがかかるので春夏、秋冬の年2回しかクリーニングに出さないとしても費用はかさんでしまいます。

そのため、ご自身で洗濯したいと考えた事のある人は多いのではないでしょうか。結論から言いますと、自宅での洗濯は可能です。ただしスーツについている洗濯表記を慎重に確認してから洗いましょう。というのもスーツに使われている生地の種類は多岐に渡り、素材ごとに最適な洗濯方法が異なるからです。

スーツによってはドライクリーニングしかできないものもあるので、あくまでも自己責任で洗いましょう。そしてシミなどの汚れや生地の傷みが気になる場合はご自身で洗濯せず、クリーニング店に持って行きプロに任せましょう。リネンや麻といった素材は難易度が高いので避けた方がいいでしょう。

自宅での洗濯方法

ここでの洗濯方法は内容物が少なくシンプルな構造の物、例えばデニム地やシアサッカー、ピケ素材の物の洗濯方法です。何度も言いますが、洗濯表記を慎重に確認してください。

①家庭用洗濯機に液体洗剤(粉末でもいいですが、残さず洗い流せるよう液体洗剤がお勧めです)を入れスーツを入れて2分程回します。あれば洗濯ネットを使いましょう。

②洗い終わったら1分程脱水します。

③柔軟剤とあれば洋服用の糊を入れて、再度1分間回します。終わったら30秒ほど脱水して洗濯は完了。

④スーツをハンガーにかけます。タオルで生地を挟みながら叩いてシワを伸ばすイメージで形を整えていきましょう。

⑤おおよそのシワが伸びたらスチームを当てていきます。大きく当てやすい背中から始めるといいでしょう。

⑥背中が終わったら襟部分を立て、前身ごろ、カラー、ラペルと襟周りにスチームを当てます。

⑦仕上げはポケットや袖周り。細部はアイロンがスーツに直接当たらないように注意しながら作業しましょう。

⑧後は風通しの良い場所に乾かせたら完了です。

スーツをたたむ時は新聞紙とタオルが大活躍!?

長期間着る予定がないスーツはスペースを取るので畳んで収納するのが一般的です。しかし、畳んだ状態で長期間保管すると折りジワがつく心配もあります。折りジワを防ぐために、負荷がかかる部分にクッション代わりとして新聞紙をタオルでくるんだ棒(タオル棒)を使いましょう。

スーツにこもった湿気もこのタオル棒が吸ってくれるので一石二鳥です。正しい収納方法を習得するとスーツを傷めず長持ちさせることができますので、ここではスーツのたたみ方を紹介します。

タオル棒の作り方

①新聞紙を丸めます。人差し指と親指の先端をつけてできる輪くらいの太さを目安にしましょう。

②丸めた新聞紙を長方形のタオルでくるんでいきます。最低でもジャケットのの肩幅を超える長さの棒を作ります。

③余った部分は折る。ピンなどの金具を使うと生地を傷める恐れがありますので。使用しないでください。

ジャケットスーツのたたみ方

①ジャケットの前身ごろを手前側にし平らな場所に置きます。畳みジワがつかないようにスーツの裏地のシワをのばしていきます。

②裏地のシワを手でしっかりと伸ばしたらボタンのある右前身ごろの上に左側身ごろを重ねます。その後、袖を前身ごろの上に重ねていきます。

③反対側の袖も忘れずに前身ごろに重ねます。この時、袖の自然なカーブに沿っわせるようにしながら重ねれば、畳んでもシワが付きにくいです。
 
④前側を手で押さえながらタオル棒を背中の中央に差し込みます。

⑤タオル棒を持ち上げて胸ポケットの下の部分を目安にして二つ折りにします。

⑥シワや型崩れに注意しながら慎重にタオル棒を抜きます。

⑦抜いたタオル棒を次はスーツの衿の裏に挟んでいきます。

⑧最後にスーツの衿を折り返してラペルの形を整えて、目につくシワを手で伸ばせばジャケットスーツの畳みは完成です。

パンツのたたみ方

①平らな場所に置いてシワをしっかり伸ばします。シワになったまま畳んで長期間保管しますとシワが深くなりますので大切な工程です。

②パンツのセンターラインをピッタリと揃えた後、形を崩さないように注意しながらタオル棒をパンツの中央部分に差し込んでいきます。

③そのまま持ち上げて中央部分で二つに折ります。仕上げに手で目についたシワを伸ばしてセンターラインに沿って形を整えれば完成です。

ベストのたたみ方

①ベストは縫い目部分が多いのでステッチなどに沿って畳むのがコツです。平らな場所に置いて右前身ごろの上に左前身頃を重ねます。

②形を崩さないように注意しながらそのまま裏返します。その後、手で全体の形をきっちり整えつつ背中のシワを丁寧に伸ばします。

③背中の中心で縦に二つ折りします。横に折る場合は目立つ畳みジワができてしまうのでタオル棒を使うといいでしょう。

スーツの相方ネクタイのアイロンとお手入れ方法

スーツの相方のネクタイですが、ネクタイもアイロンがけをする事によって見た目が美しくなります。お手入れの方法もご紹介します。

一般的なネクタイのアイロン方法

ネクタイのアイロンのポイントは【ネクタイも当て布をする】【終始アイロンは浮せたままスチームのみで仕上げる】【常に真ん中を導線にして軽いスチームで仕上げる】【ネクタイの縁などのエッジの膨らみを潰さないようにする】です。

①裏からアイロンを当てます。全体の結びジワを取る様なイメージでスチームを当てます。

②表に返してスチームを当てます。裏のループの箇所はアタリが出やすいので、気を付けましょう。

高級ネクタイのアイロン方法

高級品と知られる「セッテピエゲ」。イタリア語で「七つ折り」を意味する名前のとおり生地を七つに折って縫製する伝統的なネクタイの種類です。一般的なネクタイの倍以上の生地を使い芯地を使わずに仕立てる高級ネクタイです。エレガントな風合いを保つアイロン方法をご紹介します。

【用意するもの】スチームアイロン、布、新聞紙

①新聞紙を丸めます。できるだけ細く長めに丸めましょう。端に丸みをもたすように全体を円錐型にしましょう。

②丸めた新聞紙を途中で折り目に引っ掛けないように慎重にネクタイの中に入れていきます。

③全体に差し込んだら表にひっくり返します。結び目の付近のシワなどを手でしっかりと慣らしてから全体の形を整えます。その時、タイをふくらませるイメージで入れましょう。

④当て布をのせてアイロンが直接触れないように注意しながらスチームを当てていきます。

⑤ネクタイ全体にスチームを当て終わったら、熱が冷める前に吊るします。この時シワにならないように注意しましょう。

ネクタイの毛羽立ちの処理

ネクタイを締めているうちに出てくるのが大剣や柄部分の毛羽。

①気になる部分をはさみで切り落とします。この時、引っ張らないようにしましょう。

②ライターではみ出た糸の部分をサッとあぶり、毛先を丸くします。その後、その部分を揉めば自然と馴染みます。※火をかざすのは本当に一瞬です。

ネクタイの保管方法

ネクタイを丸めて引き出しに保管している方は多いのではないのでしょうか。実は丸めて保管するのは不自然なシワができたり、型崩れの原因になりなるので正しい保管ではありません。

ネクタイは吊るして保管しましょう。1日つけたネクタイは、シワがあるのでシワをしっかりと伸ばしてから吊るしましょう。このひと手間をするだけで、あとはネクタイの重力でシワが伸び、綺麗なネクタイに戻ります。

シャツのアイロン

シャツのアイロンの設定温度は素材によりますが、綿や麻なら「高」、ウールや絹なら「中」に設定しましょう。アイロンはスーツ同様、スチームアイロンが好ましいですがスチームアイロンがない方は霧吹きを用意しましょう。アイロンをかける毎にスチームまたは霧吹きをします。

①アイロン台にシャツを裏返しで置き、形を整えます。左右の襟先から中心に向かってアイロンをかけます。

②シャツを裏返して表側にしま、また襟を中央に向かってアイロンをかけます。

③袖口は裏側からアイロンをかけます。軽く引っ張って形を整えながら、両端から中心に向かってかけます。

④袖口を表側(外側)に返す。裏と同様、両端から中心に向かってかけます。

⑤次は腕の部分をプレスします。ボタンと生地を重ねてプレスすると生地を傷めるので注意しましょう。

⑥腕の次は肩をアイロンがけします。アイロン台のカーブを利用する事で形が整えやすくなり肩の部分にシワが寄りにくくなります。肩は生地が重なっているところなので、しっかり押さえましょう。

⑦前身ごろをプレスします。裾から襟に向かって一気に仕上げます。前立てとポケットは目立つので丁寧にしましょう。

⑧左前身ごろを手前に回転させ次は脇へ。切り替え部分の縫い目を伸ばし、シワを伸ばすようにアイロンをかけあと、回転させて背中へ。この方法だと背中を2回に分けてプレスできるのでアイロンジワができにくいです。

⑨さらに回転させて、右の脇をプレスします。切り替え部分の脇は一度形を整えてからかけるといいでしょう。

⑩右前身ごろを仕上げます。ボタンは熱が伝わるとひび割れの原因になりますのでご注意ください。ボタンに触れないようにまわりを縫うイメージでプレスしましょう。

⑪最後に全体を見てシワのある部分をプレスします。

⑫アイロンがけが終わったらハンガーにかけて気になるシワを取ります。熱が冷めたらクロームに吊るして保管します。畳む場合は、熱と湿気があるうちはシワになるので、冷めるまで待ちましょう。

アイロンジワができたら?

アイロンがけが終わったと安心したら、アイロンジワを発見するといったことも少なくないでしょう。そういった場合は、霧吹きで湿らせればシワは消えます。その後、もう一度丁寧にプレスするといいでしょう。

スーツのアイロンのかけ方のコツや注意点

スーツのアイロンは初心者には難しいイメージがありますが、コツをしっかり抑えさえすれば綺麗にアイロンできます。コツや注意点をご覧ください。

①ジャケットスーツの襟は裏側からアイロンしましょう。

②ジャケットスーツの袖は立体感を保つように、袖の外側の縫い目を潰さないようにしましょう。

③ジャケットスーツのラペルはふっくら感が命。表から押し付けるのは絶対にしないで下さい。

④パンツスーツはセンターラインを綺麗にしましょう。

⑤こまめにシワを伸ばしながらアイロンをかけましょう。

パンツスーツの折り目・クリースのアイロンのかけ方

膝やお尻の型崩れは避ける事ができません。しかし、パンツスーツの折り目やクリース部分を丁寧にアイロンをするのが綺麗見せるコツです。では、パンツスーツの中でもアイロンが難しいサイドポケット周辺のアイロンの方法をご紹介します。

①アイロン台にパンツスーツを置き、補正したい部分に霧吹きで水を吹きかけます。

②スチームをあてて生地を緩めます。※アイロンは直接当てるのではなく、少し浮かせて温めるイメージです。

③緩んだ生地の目を整えながら「裏」からアイロンをかけます。

④表に返し当て布をし、気になる部分を軽くアイロンしていきます。

⑤気になる箇所がまだある場合は、もう一度当て布をしてアイロンの先で軽くプレスします。

⑥表と裏を2.3回繰り返すと生地が戻ります。一気に戻すのではなく少しづつ整えながら戻していきましょう。

スーツのテカリはアイロンで直せる?

スーツのテカリの原因は、熱や圧力で繊維が寝てしまった状態により起こります。パンツスーツのクリースライン(パンツに入れられたセンターの折り目)のアイロンがけや、使用頻度の高いポケット周りで起きやすいです。水とアイロンを使えばケアできますので、気になる箇所を見つけたらやってみましょう。

①指先に水を付けテカリがある箇所を濡らし、寝ている生地を起こすイメージで優しくこすります。

②テカリ部分に厚手の当て布をあて、アイロンを「中」(140度~160度)に設定してゆっくりと熱を加えていきます。

③力を入れずにかぶせる感じで行いましょう。ふんわりと仕上がりましたら完成です。

ジャケットの補修

スーツのジャケットのボタンは気付いたら、ブラブラとなったりしていませんか。コツを覚えれば案外簡単ですので、ボタン付けが苦手な方はこの機会びチャレンジしてみましょう。ボタンがぐらついている状態の場合は一度外しましょう。

ボタンが知らない間に取れて手元にない方はジャケットのボタンと、裏地ボタンを合わせて用意しましょう。

①糸は40㎝程の2本取りにし、玉留めを作ります。

②ボタンをつける位置に糸を通します。

③糸をしっかりと固定したらボタン穴に針を通していきます。ジャケットスーツのボタンは4つあるので対角線上の穴に入れそのまま裏側まで通します。

④裏側に針がきたら、ゆっくりと通し今度は裏地ボタンに針を通します。

⑤表のボタン同様、対角線上にある穴へ針を入れ、糸を引っ張り裏地ボタンを安定させます。

⑥針を再度表側へ出します。糸が絡まないようにゆっくりと通します。最初の縫い穴に出ていれば順調です。これを2.3回繰り返します。

⑦表ボタン、裏ボタンともに安定してきたら今度は今まで通していなかった2か所を縫い付けます。裏地も交互に縫い付けていきます。

⑧表、裏共に糸を交差させてボタンが安定したら、次足を作ります。

⑨片手でボタンを持って生地から浮かせ、ボタンと生地の間で糸を4.5回ほど巻きます。
これで足ができます。

⑩しっかりと高さがとれたら足に糸を通します。これを反対側から数回繰り返すだけで簡単に止まります。

スーツについたシミを落としたい

まず、汚れを落とすポイントを抑えましょう。

①汚れを放置しない。時間と熱が加われば加わる程、汚れは取れにくくなります。時間が経つと酸化したり、固まってしまう恐れがありますので、早めの処置が大切です。

②中性洗剤を使いましょう。水溶性でも油溶性でもシミの約80%は中性洗剤で落ちます。
中性洗剤ですと、衣類を傷めず手にも優しいので、漂白剤を使う前に中性洗剤で落としてみましょう。

③油汚れは心配ならクリーニングへ出しましょう。ボールペンなど油性の汚れは水性よりも落ちにくいので専用の洗剤を使うか、クリーニング店へ出しましょう。

ワイン、醤油、トマトソース、カレーなど気付いたらシミになっていたという事はありませんか。そんな時は慌てず適切な処置をし、自宅に帰ったらすぐにケアをしましょう。放っておくとひどいシミになり、落とすのが大変になります。

【ワインや醤油などの水溶性のシミの場合】
スーツの布地の奥にしみ込む前に素早く処置をしましょう。

①汚れた部分にタオルを当て両手の手のひらを使って挟むようにし押して汚れをタオルに移していきます。

②醤油やワインなどの水分を吸い取ったら、外出先ではここまでにして後は自宅で処置を行います。※飲食店のおしぼりは塩素系漂白剤を使われていることが多いので、使うとシミの悪化の原因になりますのでハンカチやタオルを使用しましょう。

③自宅に帰ったら、すぐに処置をします。食器用洗剤かシミ抜き専用洗剤をタオルにしみ込ませます。汚れがある部分にあてて、手のひらで挟むようにする。

④シミが酷いようなら洗面器にお湯を用意し、中性洗剤を数滴垂らしそこへ汚れがある部分を浸してもみ洗いしましょう。指先を使い、小さく洗うのがコツです。

⑤洗い終わったらタオルで軽く拭き、ドライヤーをあてて乾かします。これで落ちなければクリーニング店へ出しましょう。

ニオイ対策できる?

スーツはシャツのように毎日洗う事は難しいので、日々のメンテナンスをしましょう。

①帰宅後に、かたく絞った濡れタオルでカラー(上衿)などを拭きます。首周りは特に念入りにしましょう。

②裏返してラペル(襟周り)やアーム周りも拭きます。汗をかきやすい体質の方は脇の部分に脇パッドを入れるのもいいでしょう。

帰宅後ブラッシングはしていますか?

スーツの寿命は毎日のブラッシングで変わってきます。せっかくお気に入りのスーツを購入してもブラッシングを怠ると生地にシワが寄ったりして古臭く見えてしまいます。

そして1日着用したスーツには目では確認できないほどの細かいゴミが付着しています。特にジャケットには通勤時などでいろんなものに触れて汚れが付きやすいです。付着した汚れを放置していると生地の痛みが早くなりスーツの寿命も短くなります。長持ちさせるためにも帰宅後のブラッシングをして1日のホコリなどのゴミを落としましょう。

ブラッシング5つの効用
①汚れやホコリ、砂、花粉などを払う

②寝てしまった生地を起こす

③毛並みを整えてツヤを出す

④静電気が起こりにくくなる

⑤油分がめぐり、汚れにくくなる

スーツを長持ちさせるための基本3か条
①帰宅後はブラッシング
②立体的で厚みのあるハンガーにかける
③正しいアイロンがけをする

このように、ブラッシングはとても大切なメンテナンスです。

ブラッシングに適したブラシは?

洋服ブラシはたくさんのブランドがありますが、選ぶ大事なポイントが2つあります。「柔らかさ」「コシの強さ」はブラシに欠かせない条件です。この条件を満たすブラシですと、スーツの繊維の目の細部にまで毛先が入り、確実に汚れを取り除く役割を果たします。後は実際に持って見て手に馴染むかもチェックしましょう。

ジャケットのブラシ掛け

①ハンガーにかけた状態からまずは生地の目に逆らうように裾から衿の方向(下から上)に向かってブラッシングしてゴミを掻き出していきましょう。

②肩回りや袖など部分ごとに生地の目の流れが異なるので各所の流れを意識してブラシをかけます(上から下へ)。

③ポケット部分などのステッチ周りは特に入念にブラシをかけましょう。ブラシの毛を立てて糸の隙間までしっかりとゴミを掻き出していきましょう。

④前身ごろにまんべんなくブラシをかけたら背中側も忘れずにブラッシングしていきましょう。前身ごろ同様、裾から衿に(下から上)に向かってかけましょう。

⑤全身のゴミをしっかり取り除いたら今度は衿から裾(上から下)に向かってブラッシングして起こした生地の目をならしていきましょう。※ラペル裏は見落としがちです。折り目の部分はホコリがたまりやすいので、忘れないように注意しましょう。

パンツのブラシ掛け

①平らな場所にパンツを置きます。(アイロン台などを利用するのもいいでしょう)置く場所にホコリやゴミが付かないようにあらかじめ掃除をしておきましょう。

②シワになった状態のままでブラッシングしてしまうと、ブラシの毛先が届かない箇所が出てきますので、アイロンをした後か手でしっかりとシワを伸ばします。

③ブラシは裾からウエスト方向に向かって生地の目に逆らうようにブラシをかけていきましょう。

④ポケット周りやステッチ部分などはゴミが溜まりやすいので忘れずにブラシをかけましょう。

⑤全体のゴミを掻き出したら、今度はウエストから裾方向に向かってブラシをかけて目をならしましょう。

パンツのブラシ掛けは慣れたら手にもってブラッシングした方が早く終わります。

コートのブラシ掛け

寒くなると着るコートですが、スーツと同じでブラッシングが必要です。コートにもいろいろ素材がありますが、ここではウール素材のコートのメンテナンスについてご紹介します。

【出かける前】
出かける前は肩やラペル周りを中心にブラッシングします。
汚れを落としてツヤを出します。これをするだけで朝、気持ちよく家を出ることができます。

【帰宅後】
①1日の着用でついた泥やホコリ、花粉などの汚れをブラシで掻き出します。肩、襟から始め上から下に行うのが基本です。

②肩や襟の汚れがひどい場合は、逆目にブラッシングしてから順目にブラッシングしましょう。

③どうしても泥や砂ボコリがついてしまう裾。汚れを掻き出すようにめいいっぱい力を入れてブラッシングします。

防水スプレー

どの素材にであっても防水スプレーを施すことで、突然の雨や雪にうろたえる事もないですし、シミなどの汚れを付きにくくします。

【着る前】
①防水スプレーは効果を発揮するまでに15分から20分程かかります。朝、時間がある方は朝にスプレーをかけるといいですが、朝時間がない方はおろすときにスプレーをしておくのがいいでしょう。

②念入りに防水スプレーをした方がいいのが、汚れが付きやすい襟周りと肩まわりです。サッと吹きかけて20分程置いておきましょう。防水スプレーは吸い込むと危険なのでベランダや屋外で行いましょう。

コートは月1回のアイロン

コートは防寒具ではありますが、シワがあるとヨレヨレでみっともありません。月1回でいいのでアイロンしましょう。

①コートはハンガーにかけた状態で、スチームアイロンを使うと簡単です。

②シワが付きやすい裾にアイロンをかけます。

③意外に目立つ裏地にシワもしっかりかけましょう。裏地もしっかりかける事で着心地が変わります。

スーツの保管は合っていますか?

ジャケットスーツ

【ハンガーは厚みのある物を使用しましょう】ショルダーラインはスーツの命です。型崩れしないように厚めのハンガーを使いましょう。

【通気性が良い場所に保管しましょう】クリーニング店から戻ってくる時はビニールのカバーがされていますが、自宅に戻ったらすぐに外しハンガーをかけ変えて保管しましょう。抗菌スプレーをお持ちの方はスーツにスプレーを施せばベストでしょう。

パンツスーツ

【通常のハンガーにかける場合】クリースライン(パンツの前後にある折り目)に沿って折り曲げてからハンガーにかけましょう。バーの部分にフェルトを巻いているタイプのハンガーだとパンツスーツがずり落ちる心配がない上に生地への負担も軽減します。

プロに任せるのも大切!

全ての汚れをご自身で処置しようと思うのは危険です。

・ペンキなどの油性の汚れ
・ひどい汗染みによる変色
・いつできたかわからない原因不明のシミ
・白カビ、青カビ

このような取れにくい汚れはプロに任せた方がいいでしょう。

スーツのクリーニングの出し方

クリーニング店でスーツを出すときにご自身の要望など伝えれていますでしょうか。シミなどは伝えやすいですが「スーツのごわつきが気になる」「タバコを吸うから黄ばみが気になる」など伝え忘れている事も多いでしょう。

このような要望を伝えておけば気の利いたクリーニング店だったら、細かくチェックしてくれます。そして相談をする事でプロだから解決できる事もありますので、遠慮せず伝えましょう。

日常的な習慣を把握できていますか?

ご自身の日常的な習慣を把握できていますでしょうか。日常的によく着ている衣類をクリーニングに出す場合は、カバンやペンをどちらの手で持っているかなどの習慣を把握し、伝える事が大切です。

例えばジャケットの場合は、ペンを持つ側の生地にシワができていることが多く、パンツの場合はカバンを持つ側の生地が擦れているいるなど、人それぞれ日常的な習慣や癖によって生地の傷み方やシワが異なります。

ご自身の習慣を伝える事で、クリーニング店へ持って行った時にお店の方がどのような処理が必要など把握しやすくなります。こういった事を伝えると仕上がりに差が出る可能性もあります。

スーツのごわつきが気になる場合は?

いつも着ているスーツがごわついていると感じた事はありませんか。ドライクリーニングでは汗が完全に抜けないので衣類にたまる事があり、それが積み重なってスーツのごわつきの原因となります。

スーツがなんだか重く感じたり、ニオイも汗が原因の場合がありますので、クリーニング店へ持って行き相談しましょう。クリーニング店にもよりますが、「汗抜きコース」があるお店ではそちらを頼みましょう。自宅ではできない特殊な水洗いで汗を綺麗に落としてくれます。

また、汗が抜ける事で黄ばみや虫食い、カビの予防にもなります。スーツのごわつきなどの着心地が気になったらクリーニング店へ持って行きましょう。最低でもワンシーズンに1回は汗抜きをしておくとスーツの寿命も延びます。

シミの原因は伝える事が大切!

ただ「シミ抜きをお願いします」と伝えても、お店の人は困ります。なぜなら、シミの種類によって洗剤や洗いかたなど異なりますし、いつごろついたシミなのかによっても処理方法が変わってきます。

シミがついて日が経てば経つほど、シミは落ちにくくなるので適切な処理法をわかりやすくするためにも「いつ頃、何のシミがついたか」お店の方に伝えましょう。

アイロンをお願いする時も要望を伝えましょう!

パンツのクリーニングをお願いする時もご自身の好みなどしっかりと伝えましょう。例えば「折り目をしっかりとつけたい」「ソフトな感じで仕上げて欲しい」など伝える事が大切です。

折りジワや細かいシワまできちっと直してほしい場合はその旨も伝えましょう。クリーニング店にもよりますが、要望によっては料金追加でかかる場合もありますので、しっかりと確認をしましょう。

スーツも自宅ケアできる!

スーツのアイロンの仕方やスーツのお手入れに関してご紹介しましたがいかがだったでしょうか。スーツは素材にもよりますが「スチームアイロン」「当て布」さえ守って行えば誰でもアイロンを使用しスーツのメンテナンスが簡単にできます。

日常でスーツを着る方なら、帰宅後のブラシに加えて週に1度でもスーツにアイロンをかけてみてください。いつもと同じスーツでもツヤや質感、パンツのセンターラインなど綺麗になるので他人から見た印象も変わるでしょう。

営業で外回りをする方は、特に印象で結果が左右されると言っても過言ではありません。営業の外回りの方は、よく歩きシワもできやすいので、ブラッシングはもちろんスーツにアイロンをかけるひと手間も帰宅後のルーティーンに入れられるのが理想的です。

初回公開日:2017年11月06日

記載されている内容は2017年11月06日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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