お稚児の時の服装・費用の目安・親の服装・お稚児のやり方
更新日:2020年03月10日
そもそもお稚児って何?
稚児とは、「ちご」と読みます。稚児のことを詳しく見てみましょう。
本来の意味の稚児は、乳児、幼児のことで、「ちのみご」という言葉が縮んだものですが、今では、6歳くらいまでの幼児に拡大されています。
大規模寺院における稚児
平安時代頃から、真言宗、天台宗などの大規模な寺院において、剃髪しない少年修行僧(12~18歳くらい)が現れ、これも稚児と呼ばれるようになりました。
垂髪、稚児髷といった髪型で、平安貴族の女性と同じ化粧をし、女装する場合もあったため、女人禁制の大規模寺院では、このような稚児は「男性社会での女性的な存在」となり、しばしば男色の対象とされました。
祭りにおける稚児
これからご紹介する稚児は、「祭りにおける稚児」のことで、お稚児さんと呼ばれることが多く、神社やお寺などの祭礼の中で特徴的な化粧をして揃いの衣装をまとった子どもたちの事を言います。
祭りの主催者によっては見た目が稚児であっても、鶴岡八幡宮例大祭の八乙女や童子、花巻市の花巻まつりの囃子方のように呼ぶ場合もあり、逆に、素顔にゆかたの場合でも稚児と呼ばれることもあります。
稚児は、一般的に祭礼などで行列を作って練り歩く事が多く、これを「稚児行列」と呼びます。
お稚児の種類とやり方
祭りにおけるお稚児さんにも色々と種類があり「よりまし型」「舞踊・芸能型」「行列型」の大きく3つに分けられます。それらを詳しくご紹介します。
よりまし型
古くから6歳以下の幼児には神さまが降臨しやすいと考えられていました。そのため、神社の祭りの際に、尸童(よりまし)の役割をもった子供、すなわち稚児が必要でした。現在では、祭りのシンボルとして扱われています。ほとんどの場合、男の子が選ばれ、その数も1人か、多くても数名程度です。
尸童(よりまし)とは、憑坐,神子とも書き、依代((よりしろ) となる人間のことを言います。多くの場合、子供が務め、託宣を言わせるために神の依りますところとして神霊をその子供に乗り移らせ神意を伺うためです。
現在でも各地で行われる祭礼において、よりまし型のお稚児さんは、美しく着飾り神幸の際に行列の中心になります。人形が使われることもあり、その場合は、祭礼の終わりに川に流すこともあります。
舞踊・芸能型
神楽や舞楽、田楽などを奉納・上演する子どもたちも稚児と呼ばれることが多く、巫女神楽の際に巫女装束となる女の子の巫女、太鼓台の乗り子も稚児と呼ばれことがあります。
行列型
行列型が一番多く見られ、寺院の花まつりや神社の祭礼などの中で、巫女と一緒に参加したり、時代行列に参加したりします。
稚児は、一般から公募すことも多く、大規模な所では200名を超える稚児が参加することもあります。
稚児行列に3回参加すると幸福になれるという言い伝えもあります。祭礼の中には、数十年や数百年に一度しか開かれないものもあり、これに参加できるのは幸運なことだということから言われているのでしょう。
京都の祇園祭
日本全国に稚児が参加する祭礼がありますが、よりまし型の稚児が登場することで有名なのは、京都の八坂神社の祭礼である祇園祭でないでしょうか。
日本三大祭の一つである祇園祭は、豪壮かつ華麗で、実に1100年の伝統を有しています。
祇園祭は、貞観11年(869年)に京の都をはじめ全国各地に疫病が流行した際、祇園の神を祀り、さらに神輿を送るなど災厄の除去を祈願したことにはじまります。古くは、祇園御霊会(ぎおんごりょうえ)と呼ばれていました。
今では、毎年7月1日の「吉符入」を皮切りに、31日の境内摂社「疫神社夏越祭」まで、1ヶ月にわたって各種神事・行事が行われます。
初回公開日:2018年05月01日
記載されている内容は2018年05月01日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。