瓦の種類と名称一覧|姫路城に使われている瓦の種類
更新日:2020年08月20日
瓦の種類と名称一覧
和風住宅や神社、お寺などに使用される瓦は、1000種類以上あると言われています。多くの種類の中から、代表的な瓦や屋根材をピックアップしてご紹介します。
価格
瓦の種類は数千もあるので、値段の幅の大きくなります。屋根瓦の金額の目安は大きく分けて4つになります。
・「勾配の違い」勾配がきついほど作業費用が高くなります。
・「平米数の違い」平米数が広くなるほど平米あたりの単価は安くなります。
・「屋根の形状」屋根面が一面しかない片流れ屋根は安くなり、寄棟屋根や入母屋屋根など、屋根の麺数が多くなるほど高額になります。
・「家の階数」平屋は安くなり、二階、三階となるごとに価格がアップします。
これらの事プラス、選んだ瓦の種類のより価格が決まっていきます。業者によって計算方法に違いがあるので、詳しくは問い合わせて確認をしてみましょう。
サイズ
瓦屋根は3つの形にわかれています。サイズは瓦同士は重ねて施工するため、見えている部分のサイズになります。
・「J形瓦」この種類の瓦は昔ながらの和風の瓦の事です。和瓦とか和形とも呼ばれており和風からイメージするJapaneseの頭文字をとって商品名がつきました。この瓦のサイズは、働き長さ235mm、働き巾265mmです。
・「S形瓦」この種類の瓦は、アルファべットのS字のような形に見え、スパニッシュ瓦の頭文字をとって呼ばれるようになりました。サイズは、働き長さ260mm、働き巾260mmです。
・「F形瓦」見た目がフラットになっており、平板瓦とも呼ばれています。フレンチと呼ばれる瓦が日本に伝わってきたので、頭文字をとってこのような呼び名になりました。サイズは、働き長さ280mm、働き巾306mmです。
スレート
スレート屋根は粘土板岩を使用した建築材全般を指します。構造は瓦屋根と大きく変わらず、野路板の上に防水シートを設置して、その上に屋根材を敷きつめて使います。瓦屋根との一番の違いは桟木を使用していないので、防水シートを施工した後に敷き詰められます。
瓦屋根と比較すると、とても安価に施工できデザイン性も豊か重量が軽い為、好みの設計がしやすい点がメリットです。一方、耐久性や耐火性、防水や遮音性は瓦屋根の方が高く、メンテナンスも瓦屋根の方が少なくてすみます。
軽い
瓦のイメージは重厚なイメージがありますが、軽い種類の瓦もあります。ウェーブライトと呼ばれる瓦で、通常の瓦と比較すると25%も軽量になっています。独自の技術を使った軽量瓦で、高い強度と防水性能に優れています。また、瓦部分に爪をつけ、瓦同士を常げるため耐風性にも優れています。
瓦屋根のデメリットでもある重量をクリアにした軽量瓦は注目です。カラーは3色から選べて、落ち着いた雰囲気の家を施工することができます。
平板
平板瓦には大きく分けて、4つの種類があります。平板瓦は長方形の洋風様式に使われる種類の瓦です。洋風住宅で多く使われ、少し前に使われていた山と谷の波型状の種類とは違い、平板状のフラットなデザインになっています。デコボコの波状を極限まで抑えているので、スッキリとしたデザインの住宅にあい、洋風のおしゃれな感じに仕上がります。平板瓦は大きく分けて3つあります。
・「一般的な平板瓦」伝統的な気品は残しつつ、華やかなスタイルの平板瓦です。スタンダードな形状なので、和風建築でもマッチして高級感を演出してくれます。
・「防災型平板瓦」防災性だけではなく、耐風雨性と耐震性にも優れた種類の平板瓦です。瓦部分に防災ラッチがついており、上の瓦が下の瓦を噛み込み、上の瓦を抑え込んでくれます。特別な防災留め具を使用しなくても安全性の高い種類の瓦です。
・「よりフラットな平板瓦」廻隅瓦と一体袖瓦と使ってとても平らな外観に仕上がります。この種類の屋根にしますと、瓦一体型のソーラーパネルを設置することができます。見た目はシンプルですが高級感のある外観が魅力です。
のし
瓦の種類で「のし」と呼ばれる部分があります、感じでは熨斗瓦と書き屋根の頂上部分に設置する短冊形の瓦です。のし瓦の部分は、雨漏りがしやすくなるため、積み上げたのし瓦の継ぎ目に漆喰などを塗り込みながら、継ぎ目の位置をずらして積み重ねていきます。のし瓦の段数が多いほど、屋根下地への雨水の侵入を防いでくれます。
のし瓦の積み上げが終わると、かまぼこ型の冠瓦と合わせて完成します。のし瓦と冠瓦を合わせて棟瓦と呼ばれています。のし瓦は雨漏り防止のただけではなく、屋根の最上部分の目立つ位置であるため、デザイン性も重視されています。のし瓦を高く積むほど豪華絢爛になりますが、風の影響を受けやすくなる為、職人さんの腕が試されます。
姫路城に使われている瓦の種類
平成5年、ユネスコ世界遺産に登録された姫路城、日本でも有名なお城です。池田輝政や豊臣秀吉など、歴代の戦国武将によって当時の最高峰技術を使って築城されたお城です。一度も戦火を被ることなく、現存している築城400年を超えるお城です。何といっても姫路城は、美しい姿をしています。
白鷺が羽を広げたような形から、白鷺城とも呼ばれ観光客の目を楽しませてくれます。そんな美しい屋根に使われている瓦はどのような種類なのでしょうか?
光洋瓦が使われていた
姫路市船津町は、良質の粘土がとれる土地です。瓦作りが盛んに行われ瓦業者が多く住んでいた町です。今では数も少なくなりましたが、1802年に姫路藩御用瓦師であった小林又右衛門が船津町に移住し窯を開いた事から始まります。姫路城の鯱瓦や鬼瓦などのいぶし瓦は神崎瓦と呼ばれ、光洋製の瓦です。
今でも、昔ながらの伝統を守り質の高い瓦作りを製造しています。平成の大修理では、大天守の瓦を製作しており、約2年間をかけて美しい姫路城に生まれ変わりました。
初回公開日:2017年08月26日
記載されている内容は2017年08月26日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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