「赤ちゃんはコウノトリが運んでくる」の由来・なぜコウノトリか
更新日:2020年07月24日
「赤ちゃんはコウノトリが運んでくる」の由来は?
「赤ちゃんはコウノトリが運んでくる」ことは、日本でもよく知られており、子どもがする「赤ちゃんはどこから来るの?」という純粋な質問に対しての返答として用いられることが多いとされます。しかしながら医学的知識が多少でも身に付いてくる成長段階を経ると、「赤ちゃんはコウノトリが運んでくる」ことは迷信だというのとに気付きます。
では、この迷信の由来となったことは何でしょうか。日本の逸話がもとになっていると思われることもありますが、本来はヨーロッパ圏に古くから存在する言い伝えであり、ヨーロッパ圏から日本に伝わったものです。すなわち、もともと日本に伝わる話ではありません。また、ヨーロッパ圏では「コウノトリ」ではありません。
由来も分からないまま「赤ちゃんはコウノトリが運んでくるんだよ」と子どもに教えることはできないので、「赤ちゃんはコウノトリが運んでくる」という迷信の由来を学んでおきましょう。
「赤ちゃんはコウノトリが運んでくる」話のあらすじ!
「赤ちゃんはコウノトリが運んでくる」ことの由来となる逸話は、ヨーロッパ圏のものだと言いました。では、その内容はどんな感じになっているのか。「コウノトリ」とは違う鳥が登場しますが、その点を踏まえながら、ヨーロッパ圏で古くから伝わる逸話のあらすじを見て見ましょう。
あらすじ
以下にあらすじを紹介します。
「昔々、とある村がありました。そこには、子どもを授からず悩む夫婦が暮らしています。ある日、夫婦が住んでいる家の煙突にシュバシコウが巣を作ります。そして、巣作りを終えたシュバシコウは卵を産みました。卵から雛が生まれると、シュバシコウの子育てが始まります。」
「夫婦はシュバシコウのことを案じて、煙突とつながっている暖炉などを使用せずに、子育ての様子を見守っていました。しばらくして、子育て期間を終えたシュバシコウたちは、無事に旅立って行きます。旅立つシュバシコウを見送ったその時、夫婦は念願の子どもを授かりました。」
夫婦の善が子を授けたというお話
「シュバシコウ」というのは、鳥類の一種です。なぜ「シュバシコウ」なのかは後に説明いたしますが、夫婦が「シュバシコウ」のことを思って煙突を使わなかったことが善行となり、その結果として念願の子どもを授かったという、何とも良いお話です。
人として見習いたいお話でもある
鳥も生き物ですから、人が住むところに巣を作ることに対して、邪気に扱うことは避けるべきこととも言えます。日本では人が多いところに巣を作る鳥が割といますが、人がよく通るところに作るとフンが落ちてくるため、撤去されてしまうこともあります。
なぜ人が多い場所に巣を作るのかと言ったら、それは天敵から子を守るためです。人が多ければ天敵となる蛇やカラスなどは、なかなか来れません。人が多いところに巣を作ることを理解して、人としての頭脳を使い、人にも鳥にも害のないように工夫することが人の知性であり温情と言えます。
駅・お店・民家などでは、撤去ではなく、フン用の板を巣の下に付けたり、ダンボールや新聞紙を敷いて鳥の子育てを見守ってくれる人たちもいます。それは善行として、「シュバシコウ」の話のように何かしらの良いことが起きるでしょう。
なぜシュバシコウやコウノトリなのか?
「赤ちゃんはコウノトリが運んでくる」という迷信の由来となるお話の中には、「シュバシコウ」といった聞きなれない鳥が登場しました。「シュバシコウ」はヨーロッパ〜アフリカの分布域を持つ鳥で、この分布域内で渡りを行います。
では、なぜこの「シュバシコウ」が「赤ちゃんを運んでくる」ことと結び付いたのでしょうか。また、この「シュバシコウ」のお話から「赤ちゃんはコウノトリが運んでくる」という迷信が誕生した理由(シュバシコウがコウノトリに変化した理由)をご紹介していきます。
シュバシコウは幸せを呼ぶ鳥!
春になるとヨーロッパへ渡り、家の屋根に巣を作って害虫を食べてくれるそうです。このことから「人の生活のためになる鳥」として「幸せを呼ぶ鳥」と呼ばれ、ドイツの国鳥にもなっています。
しかしながら、害虫を食べてくれることは赤ちゃんを授かることに結び付きません。ストレスが軽減されることで赤ちゃんを授かりやすくなるとも考えられますが、直接は結び付きにくいと言えます。
シュバシコウと魂を赤ちゃんに吹き込む女神
初回公開日:2018年02月04日
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