【男女別】ワインの正しい注ぎ方とマナー・持ち方|泡/音
更新日:2020年02月17日
ワインの正しい注ぎ方とマナー
おもてなしの際にはワインをスマートに注ぎたいものですが、正しい注ぎ方やマナーをご存知でしょうか。ここでは基本的な注ぎ方とマナーをご紹介します。
親指をボトルの底に入れましょう
ついボトルをわしづかみにしてしまいそうになりますが、ワインのボトルはビール瓶などと違い大きめです。この注ぎ方だと間違って落としたりすることがあります。親指をしっかりとボトルの底のくぼみに入れ、残る4本指をボトルに添えて支えながら行うのが安定したワインの注ぎ方です。
この注ぎ方をする際に、手が小さめな人や慣れていない人は、ソムリエのように片手で注がずに、もう一方の手を添えましょう。
なぜ底にくぼみがあるの?
ワインのボトルの底のくぼみは一体何のためでしょうか。
ワインは長く熟成させると澱(おり)がたまります。この澱は口当たりを悪くするため、なるべくワインを注ぐときに混ぜたくありません。このくぼみがあると対流が起こらず澱がくぼみに溜まり、静かな注ぎ方をするとワイングラスに混ざりにくくなります。
また、くぼみがあると圧力が加わることで瓶が破裂するウォーターハンマーという現象を抑えることができます。底と口との面積差を縮めることで圧力を分散させ瓶の破裂を防ぎます。特に圧力に弱いシャンパンはこのくぼみが大変役に立ちます。
ルイロデレール・クリスタルというロマノフ王朝の御用達だったシャンパンには、くぼみがありません。瓶のくぼみに武器を隠せないよう平らに、そして毒物が混ぜられないよう瓶を透明にしました。ルイロデレール・クリスタルは現在でも透明で底にくぼみのない瓶となっています。
ラベルの向きは?
注ぐときにはラベルを上向きにします。この注ぎ方はワインのしずくが万が一垂れたときにラベルを汚さないようにする配慮です。トーションというワインの口を拭うナプキンを当てながらボトルにしずくがたれないようにします。
ワインの名刺ともいえるラベルを汚さないように
ラベルにはそのワインのさまざまな情報が詰まっています。注ぐ時にしずくが垂れて汚れてしまわないよう注ぎ方に気をつけましょう。
ワインのラベルには、法で定められた記載必須の項目もあり、ワイン好きなかたには大変参考になる内容です。ワイン名はもちろんのこと、産地、生産者名、格付け、ヴィンテージ、アルコール度数、用量、元詰め先、ぶどう品種、などが記載されています。
ぶどう品種が記載されていないものを見かけることがありますが、指定されたぶどう品種をあるパーセンテージで使っていないとその品種を記載することができないためです。
ラベル自体の雰囲気もその味の参考になります。クラシカルな印象のラベルはエレガントな味わい、モダンな雰囲気のラベルはすっきりとしたフレッシュな味わい、などラベルの雰囲気で味を想像することができるため、ラベルは上に向け、トーションをうまく使い、汚さない注ぎ方をしましょう。
グラスにあてないように注ぎます
ワインを注ぐ際、ボトルはグラスにあてないよう、少しグラスから離して注ぎます。この注ぎ方をすると、ワイングラスが倒れることもありませんし、ボトルからのしずくが伝わることもなくきれいに注ぐことができます。
グラスに注ぐワインの量はだいたいグラスの3分の1ほどにします。グラスを回してワインの香りを楽しむため、グラスに空間を持たせます。また、少なすぎるとすぐに温度が上がってしまうので、多すぎず少なすぎず、注ぐ量には注意しましょう。
ワインによってグラスを変えてみましょう
ワイングラスは赤ワイン用を2種類と、白ワイン用をそろえることをおすすめします。赤ワイン用には、ボルドータイプとブルゴーニュタイプのグラスがあます。
ボルドータイプはボウル部分が縦長の丸型で、チューリップタイプとも呼ばれます。カベルネ・ソーヴィニョンが引き立つかたちとなっています。ボルドーのワインのボトルはいかり肩ですので、いかり肩の形状のワインボトルの場合はボルドー用のワイングラスを選びましょう。
ブルゴーニュタイプは、ピノ・ノワールが引き立つつくりとなっています。芳醇な香りを逃さぬよう丸まったふくらみのボウルに対して、口はすぼんでいます。なで肩のワインボトルのブルゴーニュを飲む時は、ブルゴーニュ用のワイングラスを選びましょう。
白ワイン用グラスは小ぶりになっています。赤ワインより低い温度で楽しむ白ワインは温度が変わらないうちに飲みきれるよう、あまり多く注げないようになっています。
正しいグラスの持ち方とは
ボウル、ステム、フット(プレート)、グラスのどの部分を持つのが正しいマナーなのでしょうか。よく海外の映画などで見かける持ち方は圧倒的にボウルの部分を持っていることが多いのではないでしょうか。これはしっかりとボウルの部分を持ちこぼすことがないように、という配慮から習慣づいた持ち方で、日頃からワインを頻繁に飲む習慣がある欧米での持ち方です。
日本ではそのエレガントさからステムを持つことがマナーとされていますが、こちらは国際標準ではなく、時と場合によっては奇異に見えることもあるので、その場の雰囲気で持ち方を変えてみましょう。海外のかたはステムの部分は不安定なので持たない場合が多いです。
フットの部分は、ソムリエなどワインをチェックする人が持つ部分です。普通にワインを楽しむ場合、ここは持ちません。大変不安定で危険なのでしっかりボウルかステムをもつようにしましょう。
初回公開日:2018年06月22日
記載されている内容は2018年06月22日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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